VMwareは仮想化ソリューションを提供する企業であり、その製品はIT業界で幅広く活用されています。
近年のクラウド技術の普及に伴い、VMwareの知識は特にクラウドエンジニアにとって重要視されるようになりました。
VMwareが主催する技術者認定資格は、VMwareに関する専門知識を評価するものです。
この資格の試験内容、受験料、メリット・デメリット、そして効果的な学習方法について説明します。
試験内容 | 仮想化技術、ネットワーク管理、ストレージ管理など |
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受験料 | 約3万円程度 |
メリット |
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デメリット |
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効果的な学習方法 |
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VMware技術者認定資格とは
VMwareは、同社の製品・サービスに関する知識を問う認定資格を複数提供しています。資格には以下の6種類があります。
- Data Center Virtualization(DCV): vSphereデータセンター仮想化に対応
- Network Virtualization(NV): NSXネットワーク仮想化に対応
- Cloud Management and Automation(CMA): vRealizeクラウド管理と自動化に対応
- End-User Computing(EUC): Horizon/Workspace Oneデジタルワークスペースに対応
- Security: Carbon Blackセキュリティに対応
- Application Modernization(AM): Tanzuに対応
VMwareの国内ネットワーク仮想化・自動化プラットフォーム市場シェアは71.6%と極めて高く、クラウドエンジニアにとってVMwareのスキルは必須といえます。そのため、サーバー仮想化ソフトウェアvSphereの知識を問うData Center Virtualizationは、クラウドエンジニアの主要な資格となっています。
VMware技術者認定資格には以下の4つのレベルがあります。
- VCTA...テクニカルアソシエイト・オペレーター向け
- VCP...プロフェッショナル・管理者/エンジニア向け
- VCAP...アドバンスドプロフェッショナル・管理者/アーキテクト/エンジニア向け
- VCDX...デザインエキスパート・アーキテクト向け
ただし、SecurityとAMではVCTAとVCPの2種類のみが取り扱われています。VCTAは入門向けなので、エンジニアはVCP以上の取得が望ましいでしょう。
VMware技術者認定資格
VMwareの公認資格は、レベルによって費用や要件が異なります。
それぞれのレベルの詳細を説明していきましょう。
- VCP(VMware Certified Professional)
費用 $250 要件 VMware製品の実務経験が6ヶ月以上 - VCAP(VMware Certified Advanced Professional)
費用 $450 要件 VCP資格の保持、VMware製品の実務経験が3年以上 - VCDX(VMware Certified Design Expert)
費用 $995 要件 VCAP資格の保持、VMware製品の実務経験が5年以上
VMware技術者認定資格の詳細
ここに、リライトした文章を記載します。
VCTAVCPVCAPVCDX試験の会場は、全国にあるピアゾンVUEのCBTテストセンターまたはピアゾンVUE指定のリモート環境で受験できます。
アメリカ、イギリス、オーストラリアの会場でも受験が可能です。
試験日程は常に受験可能で、CBT形式で実施されます。
英文書の提出や口述試験が含まれる場合があります。
試験時間、設問数は試験によって異なります。
合格基準は300点です。
受験料は15,193円から54,698円の範囲です。
出題形式は、
- 選択式(複数または単一選択)
- Design/Deploy試験では記述式の自由記述があります
受験資格は以下の通りです。
- VCTA: 誰でも受験可能
- VCP: VMwareトレーニングを受講する、または同じソリューショントラック・バージョンのVCP試験に合格する
- VCAP: 各資格の要件を満たす
- VCDX: VCAP Deploy/Designの2種類に合格する
VMware技術者認定資格の出題範囲
VMwareの認定試験の問題は、各資格のウェブサイトで確認できる範囲から出題されます。
各製品分野に関連する内容が中心となり、その他の領域については基本的に含まれません。
そのため、自身の専門分野に集中して学習することが重要です。
また、出題範囲はバージョンごとに異なるため、受験する資格のバージョンを確認し、適切な範囲を把握する必要があります。
VMware技術者認定資格の受験者数・合格率・難易度
VMwareの技術認定資格における受験者数や合格率は非公開となっていますが、保有者数は開示されています。2020年時点で、日本国内では
- VCP資格保有者が24,536人
- VCAP資格保有者が753人
と報告されています。
10年以上の歴史があるこの資格について、受験者数は少ない傾向にあると言えるでしょう。
一方で、適切なトレーニングと過去問演習を行えば合格可能なレベルと評価されています。
ただし、VCAP以上の上位資格については受験者数が限られており、関連情報の入手が困難なため、経験者でも試験対策に苦労する可能性があります。
VMware技術者認定資格の申し込み手順
VMwareの技術者認定資格を取得するためのプロセスは次のステップで進められます。
- まずはmyLearnというVMwareの会員サイトに登録を済ませることが前提条件となります。
- 次にピアゾンVUEのウェブサイトから希望の資格試験を探し出します。
- 受験方法、使用言語、試験日程を指定し、所定の料金を支払います。
以上の手続きを経ることで、VMware技術者認定資格の受験申請が完了します。
試験当日は、写真付き身分証明書と自署した身分証明書の2点を必ず持参する必要があります。
合格発表は公式な通知はなく、myLearnにアクセスして自身で確認する形となります。
VMware技術者認定資格の有効期限
VMwareの技術認定資格は永続的に有効です。
以前は2年間の有効期限が設けられていましたが、
現在ではその制限は撤廃されています。
VMware技術者認定資格の勉強時間
VMware認定資格の学習時間は、資格の種類によって異なります。
VCTAについては、対象のVMware製品を実際に使用した経験があれば、関連するトレーニングコースを受講すれば合格できる可能性が高くなります。
一方、VCPやVCAPの場合は、トレーニングの受講に加えて、内容の復習と過去問題の演習に十分な時間を割く必要があります。
- おおよその目安として、50時間程度の学習時間が求められます。
- トレーニングの内容は濃密なため、しっかりと復習に時間を費やすことが重要です。
VMware技術者認定資格の資格取得のメリット
VMwareの認定資格を取得することで得られる利点は何でしょうか。
まずは、この資格試験を受けることの恩恵について説明します。
- VMwareの製品やサービスに関する深い知識を身につけることができます
- 企業内でのキャリアアップの機会が増えます
- VMware製品を使用する企業から高い評価を受けられます
- VMwareコミュニティに参加できるようになります
次に、VMwareの認定資格の種類と、それぞれの資格で得られるスキルについて説明します。
資格名 | 得られるスキル |
---|---|
VCP (VMware Certified Professional) | VMware vSphereの導入、構成、管理ができるようになります |
VCAP (VMware Certified Advanced Professional) | VMware製品の高度な設計と運用ができるようになります |
VCDXデータセンター認定 | VMware製品を使ったデータセンターの設計と構築ができるようになります |
VMwareスキルや知識が身に付く
仮想化の技能は様々な領域で不可欠なものとなっているため、VMware認定資格で習得した知見は幅広い分野で活用できます。
そのため、VMware認定資格はクラウドエンジニアにとって標準的な資格と言えますが、クラウドエンジニア以外の方々も取得するメリットは十分にあるでしょう。
IT系企業の転職・就職に活用できる
VMwareの認定資格は、仮想化技術分野において著名な証明書として位置づけられています。
IT業界で働く人々の多くは、その価値を認識しており、特にVCP以上のレベルを取得していれば、転職や就職の際に有利に働くことでしょう。
そのため、より良い待遇を求めて職場を移りたい人や、未経験からクラウド関連の職に就きたい人にとって、この資格の取得は有益な選択肢となるでしょう。
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
会社によっては、VMware技術者認定資格を取得すると、手当や賞与を受け取れる機会があります。
一般的に、企業の手当対象資格は決められており、すべての資格が対象とは限りません。
しかし、VMware技術者認定資格は広く知られた資格なので、手当対象となっている可能性が高いです。
手当であれば、基本給に毎月加算されるため、収入アップにつながるでしょう。
VMware技術者認定資格の資格取得のデメリット
VMwareの認定資格を手に入れることには、いくつかの欠点も存在します。
それらの不利益点について見ていきましょう。
- 認定資格の取得には費用がかかる
- 認定資格の維持にも費用がかかる
- 認定資格の試験は難易度が高い
- 認定資格の試験に合格するまでに時間がかかる
認定資格 | 費用 | 難易度 |
---|---|---|
VCP | $250 | 中級 |
VCAP | $450 | 上級 |
VCDX | $995 | 最上級 |
勉強時間を確保する必要がある
VMware技術者認定資格は、実務経験があっても不合格になる人が多数います。
過去問題の演習に十分な時間を割く必要があります。
社会人は仕事で疲労しており、学習時間を確保するのが難しい状況です。
VMware技術者認定資格は常に受験可能ですが、受験日を決め、その日付から逆算して学習を進めることが賢明です。
受験対策には、プライベートの時間を多少削って勉強に費やす必要があるでしょう。
受験料が高い
IT業界における専門資格の取得には、高額な費用がかかることが多いです。
VMwareの認定資格でも、最も低価格のVCTAでさえ1万円を超える受験料が必要となります。
そのため、気軽に挑戦できる資格とは言えない状況にあります。
さらに、VCPの取得には、以下が必要となります。
- VMware公式のトレーニングコースを受講する義務
- 数十万円の費用
クラウドエンジニアとして評価されるためにはVCP以上の資格が求められますが、そのための多額の出費に見合う待遇が必ずしも約束されているわけではありません。
このように、高額な費用がかかることから、VMwareの資格取得は容易ではないと言えるでしょう。
試験が英語である
VMwareの技術認定資格における日本語対応は進展していますが、すべての試験で日本語が利用できるわけではありません。
- VCAP以上のレベルでは、基本的に英語による試験が課されます。
さらに、VCDXの受験に際しては、英語の読解力だけでなく会話力も求められます。
VMwareの技術認定資格の取得に加えて、英語学習の時間を確保する必要があることを考えると、学習期間が長期化する可能性があります。
資格が役立たない場合もあり得る
資格を手にしただけでは、必ずしも高い評価を得られるとは限りません。どのような職種においても、資格以上に実務経験が重視される傾向にあります。
VMware認定資格を取得できる知識を有していたとしても、経験不足により転職が難しい場合もあり得るでしょう。
資格は自身の技術力や知識レベルを示す一つの指標に過ぎません。
転職や就職を視野に入れているのであれば、まずは希望する職場の求める条件を十分に把握し、それに適ったスキルの習得を最優先すべきです。
VMware技術者認定資格合格のための勉強法
VMware技術者認定資格の取得プロセスは、一般的に、セミナーの受講、理解が不十分な部分の復習、そして過去問題の演習という流れとなります。
この資格の出題範囲は広範囲に及び、各項目についても深く掘り下げられるため、経験の浅い技術者にとっては問題を予測することが難しくなります。
セミナーには高額な費用がかかりますが、試験の内容をイメージしやすくなるため、投資に値する側面があります。
実際、この資格はセミナー受講を前提としている面もあるので、できればセミナーを受講することをお勧めします。
一般的なセミナーの期間は5日間と長期に渡ります。
このような長期のセミナーでは、必然的に理解が不十分な部分が生じるでしょう。
そのため、セミナー受講時間以上に復習に時間を割く必要があり、苦手分野を徹底的に克服することが重要です。
その後、過去問題の演習に入ります。
ベンダー資格の場合、過去問題を暗記すれば合格ラインをクリアすることは難しくありません。
VMware技術者認定資格も、出題の8割近くが過去問題から出題されるため、過去問題の演習に多くの時間を割くべきです。
VCAPのDesign試験では、VMwareの実際の操作を想定したハンズオン形式で行われます。
このような試験に対しては、実際に操作を体験することが不可欠です。
過去問題集は公式から販売されており、価格は高めですが、本番を想定した問題が収録されているため、購入して演習を進めることをお勧めします。
まとめ
VMwareが運営する試験であるVMware技術者認定資格は、仮想化分野で高いシェアを持つVMwareの製品を熟知していることを証明できる資格です。この資格を取得することで、エンジニアとしての価値を高められるでしょう。
VCP以上の上位資格は高額なトレーニング費用がかかるため、企業の研修などで受講する機会があれば、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
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本記事がみなさまのお役に立てば幸いです。