ネットワークエンジニアへの転職実現のコツや仕事内容や年収を解説!

政府は、ITスペシャリストの確保と育成を国家的な重要課題と位置付けています。この背景には、

  • 2030年までに79万人ものIT人材が不足するという経済産業省の調査結果
  • 小学校の教育課程にプログラミング教育が導入されたこと

などがあります。
このような状況の中で、ネットワークエンジニアは需要の高い職種の一つとして注目を集めています。
本稿では、ネットワークエンジニアの

業務内容
年収
転職の方法

に至るまで、詳しく解説していきます。

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ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワーク技術者の業務は、主に次の4つの領域に区分されます。

  • ネットワークシステムの設計と構築
  • ネットワークの運用と保守管理
  • ネットワークセキュリティの確保
  • ネットワーク関連の問題解決と改善

これらの任務を遂行するため、ネットワーク技術者は高度な専門知識と実践的なスキルを備える必要があります。ネットワークインフラの構築から維持管理、セキュリティ対策、トラブルシューティングまで、幅広い責務を担っています。

ネットワーク設計

ここでは、顧客からの要望を基に、システムの規模、予算、スケジュールなどを決定します。
利用者数や通信量の予測を行った上で、

  • サーバーやルーター等のネットワーク機器
  • ネットワークルート

を設計します。
想定外の事態に備え、アクセス数が上限を超えた際の対処法も検討します。

ネットワーク構築

この段階では、前述のネットワーク設計を踏まえ、以下の作業が実施されます。

  • ネットワーク機器の配置
  • ケーブル接続作業
  • さまざまなソフトウェアのインストール作業

すべての作業が終了した後、設計されたネットワークシステムが適切に機能していることを確認します。

ネットワーク運用

この段階では、お客様に提供したネットワークシステムが適切に機能するための運用管理を実施します。
ネットワークシステムの障害リスクを最小限に抑えるため、

  • セキュリティ対策ソフトウェアの更新作業
  • アクセスログの監視

など、さまざまな対策を講じます。

ネットワーク保守

この段階では、もし仮にネットワークシステムに不具合が生じた場合、トラブルの原因を特定し、システムを復旧させる作業を行います。
ネットワーク保守業務は、クライアント企業のシステムが年中無休で稼働しているため、専任のネットワーク技術者がクライアント先に常駐することが一般的な慣行となっています。
ネットワークエンジニアの案件内容を確認したい方は以下をご覧ください↓

項目 内容
業務内容
  • ネットワークシステムの保守・運用
  • トラブル対応
  • システム設計・構築
必要スキル
  • ネットワーク機器の知識
  • プロトコルの理解
  • トラブルシューティング能力

ネットワークエンジニアの年収

ネットワークエンジニアの年収

ここでは、ネットワークエンジニアの年齢別平均年収について説明します。データは「平均年収jp」のサイトから引用しています。

  • 20代の年収は373万円から465万円の範囲です。
    この世代は企業の規模によって収入格差が大きくなります。
    新人エンジニアは先輩の指導を受けながら実務を学んでいきます。
    大学で基礎を学んでいるものの、即戦力にはなれず実践を通じて技術を身につけていきます。

  • 30代の平均年収は511万円から583万円です。
    この時期には上司の管理下から離れ、中小規模のシステムを任されるようになります。
    責任は増しますが、裁量権も広がり、やりがいを感じられるようになります。

  • 40代の平均年収は655万円から734万円です。
    この年代ではリーダー的立場となり、新人の育成も任されます。

  • 50代の平均年収は786万円から779万円です。
    この頃にはエンジニアの第一線を退き、アドバイザー的役割を担うことになります。
    年収は年齢とともに低下傾向にあります。

国税庁の調査によると、2020年の男性給与所得者の全国平均年収は約532万円でした。これと比べると、40代のネットワークエンジニアは100万円以上高い収入を得ています。一方、フリーランスのネットワークエンジニアの中央値年収は696万円で、40代の上限年収に匹敵します。高収入を望むエンジニアにはフリーランスも選択肢の一つとなるでしょう。

ネットワークエンジニア需要

ネットワークエンジニア需要

ネットワークエンジニアの職業に対する需要状況を、現在と将来の2つの側面から説明していきます。

現在の需要状況

  • 企業のIT化が進み、ネットワークインフラの構築・運用・保守を行うネットワークエンジニアの需要が高まっている
  • 特に中小企業でのIT化が進んでいることから、中小企業向けの需要が多い
  • クラウドサービスの利用拡大に伴い、クラウド環境の構築・運用を行えるエンジニアが求められている

将来の需要見通し

  • IoT、AI、ビッグデータなど新しい技術の発展に伴い、高度なネットワーク技術が必要となる
  • 5Gの本格導入により、高速大容量のネットワーク環境が求められ、ネットワークエンジニアの需要が一層高まる見込み
  • セキュリティ対策の重要性が増すため、ネットワークセキュリティに精通したエンジニアが不可欠となる

現在の需要状況 将来の需要見通し
企業のIT化進展 新技術の発展
中小企業向け需要 5G導入による需要増加
クラウド環境構築・運用 セキュリティ対策の重要性増大

ネットワークエンジニアの現状

ネットワークエンジニアの求人状況は、現時点では減少傾向ではなく、横ばいないし微増の可能性が高いと言えるでしょう。
dodaが発表した2022年3月の職種別マーケットレポートによると、

  • 2021年12月から2022年2月にかけてのネットワークエンジニア求人数は、前年同期比で5%増加したとのことです。

つまり、ネットワークエンジニアの人材ニーズは増加基調にあり、需要もやや上向きの兆しがうかがえます。
この背景には、

  • ITインフラを支えるネットワークエンジニアの重要性が高まっていること
  • 加えてコロナ禍によるIT化の進展でIT需要が拡大していること

などが考えられます。

ネットワークエンジニアの将来性

ネットワークエンジニアの将来展望は、必ずしも明るいものではありません。
現状では需要は維持されていますが、長期的には減少する可能性があります。
その理由は、物理的なネットワークからクラウドへの移行が進んでいるためです。

  • 従来のシステム構築では、サーバーやネットワーク機器などの物理的なハードウェアが必要でした。
  • しかし近年、スペースやコストの観点からクラウドサービスを活用することで、ハードウェアを用意せずにシステムを構築できるようになりました。

総務省の調査によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は68.7%に上り、前年比で4%増加しています。さらに、87.1%の企業がクラウドサービスの効果を実感しており、今後もクラウド利用企業が増加すると予想されます。
このような状況下で、従来型のネットワークエンジニアは淘汰される可能性があります。
ネットワークエンジニアとして活躍し続けるためには、従来のネットワークスキルに加えてクラウドスキルを身につける必要があります。
ネットワークエンジニアは常に新しい知識やスキルを吸収する習慣を持つことで、市場価値を高められるでしょう。

ネットワークエンジニアへの転職を実現させるには

ネットワークエンジニアへの転職を実現させるには

ネットワークエンジニアへの転職を目指す初心者向けに、実践的なアドバイスを5つご紹介します。

  • 基礎知識の習得が不可欠です。ネットワークの基本原理や用語を理解することが重要な第一歩となります。

  • 資格取得を検討するのも賢明でしょう。ネットワーク関連の公的資格を持っていると、スキルの裏付けになり面接で有利に働きます。

  • ハンズオン形式の研修や自主学習で実践力を身につけましょう。シミュレーション環境を使った演習を重ねることで、実務に必要なスキルが身に付きます。

  • ポートフォリオの作成も有効な手段です。自分のスキルを示せる成果物があれば、面接で説得力が増します。

  • 業界の動向や最新技術にアンテナを張り続けることが大切です。常に学び続ける姿勢が、ネットワークエンジニアとしての成長を後押しします。

開発経験を身に付ける

ネットワークエンジニアへの転職を目指す際の最善の方法は、実際の開発現場で学ぶことです。
ただし、未経験者がいきなり同分野の専門職に就くことは困難です。
そのため、以下の方法をおすすめします。

  • システム開発企業でアルバイトや派遣社員として従事し、検証・評価業務から始める
  • 上級エンジニアの指導を受けながら、サーバーやネットワークの設計・構築能力を身につける
  • 不正アクセスやサイバー攻撃対策など、セキュリティに関する知見も習得する

これらのスキルを習得した上で、ネットワークエンジニアとしての転職活動を進めるのが理想的です。
一方、自己学習を選択する場合は、以下の知識の習得が求められます。

  • TCP/IPの基礎知識
  • OSI参照モデル
  • Ciscoルーターの機能と操作方法

転職理由と志望動機を一貫させる

エンジニア未経験者は転職活動において経験者と比較すると不利な立場に置かれます。
そのため、面接で勝ち抜くには転職の理由と志望する動機に整合性が不可欠となります。
面接官は応募者の本気度を言葉から見抜くプロフェッショナルです。
つまり、なぜこの企業でなければならないのかを自身の言葉で説明できる必要があります。
この点を十分に準備すれば、自然と転職理由と志望動機に一貫性のある発言ができるはずです。

ネットワークエンジニア特化型スクールを受講する

スクールでは、体系立ってかつ最適化された形でネットワーク技術者の能力を習得することができます。
講師陣には現場で活躍中のネットワーク専門家も含まれており、疑問点があれば即座に解決してもらえます。
一部のスクールでは、就職活動に向けたサポートも提供されています。

  • RaiseTech(レイズテック)
  • KENスクール

などは、ネットワーク技術者育成に特化したおすすめのスクールです。
ただし、スクールの受講料は非常に高額であるという欠点があります。
スクールや習得可能なスキルセットによって異なりますが、20万円から100万円程度と高価です。
しかし、無料でネットワーク技術者育成に特化したスクールも複数存在するため、まずは無料のスクールから情報収集するのが賢明でしょう。
なお、スクールの授業時間は柔軟に選択できるようになっています。
また最近では、通学形式に加えてオンラインでの受講も可能になっています。

転職を成功させる方法

ネットワーク技術者への職種変更には転職サポート会社を利用するのが賢明な選択肢となります。
しかし、大手の転職サポート企業は求人案件が豊富な一方で、IT分野に精通した担当者が少ない可能性があります。
そこで、

  • ITに特化した転職サポート会社や
  • ネットワーク技術者の転職実績が豊富な転職サポート会社を選ぶことをおすすめします。

このような転職サポート会社には、IT業界に精通したコンサルタントが在籍しています。
そのため、

  • 希望に沿った企業を紹介してもらえるだけでなく
  • アドバイスも受けられるため、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

資格試験の習得

ネットワークエンジニアを目指す際、未経験者が取得すると有利となる資格が2つあります。

  • 1つ目は、世界最大手のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が運営する、実質的な世界標準となっているネットワーク技術の認定試験CCNAです。この認定試験は5つのレベルに分かれており、CCNAは上から4番目のレベルですが、実務者であればこの資格で十分です。
  • 2つ目は、サーバー用OSとして世界的に信頼されているLinuxの技術者認定試験LinuC(リナック)レベル1です。ネットワークエンジニアにとって、Linuxの知識は必須であり、この資格の取得が求められます。LinuCの認定試験は3つのレベルに分かれており、レベル1は上から3番目のレベルに位置しています。ネットワークエンジニアとしては上位レベルの資格を目指してもよいですが、最低限レベル1は取得しましょう。

各資格の試験詳細は、それぞれのウェブサイトから確認できます。

まとめ

まとめ

この記事では、ネットワーク専門家の職務内容から年齢別の収入、未経験者の転職方法までを説明しました。ネットワーク専門家は、IT技術者の中でも、AWS、GCP、Azureなどのクラウドサービス機能の習得が求められる重要な職種です。
今後も需要の高い職業であり、未経験者の求人数も増加傾向にあります。
転職を検討している方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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この記事が皆様のお役に立てば幸いです。