組み込みエンジニアのフリーランス案件の需要と報酬について解説

組み込みシステムは現代社会に不可欠な存在となっており、その活用範囲は今後さらに広がると予測されています。
このような状況下で、既に企業で従事している技術者の中には、キャリアアップを目指してフリーランスへの転身を検討する人も少なくないでしょう。
フリーランスの組み込みシステム開発者は非常に高い需要があり、スキルと経験次第では会社員を大きく上回る収入を得ることも可能です。
本記事では、組み込みシステムの概要、開発者に求められる能力、実際の案件例、フリーランスと会社員の年収比較などについて解説します。
特に以下の方々にご一読いただければ幸いです。

  • フリーランスの組み込み開発者への転身を検討している会社員技術者
  • フリーランスの組み込み開発者の需要状況を知りたい方
  • フリーランスの組み込み開発者の収入水準を知りたい方
  • フリーランスの組み込み開発者の具体的な案件内容を知りたい方

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組み込みエンジニアについて

組み込みエンジニアについて

この節では、組み込みシステム開発者の職務内容、必要とされる言語、求められる能力について説明します。
さらに、フリーランスの組み込みエンジニアが携わるプロジェクト事例も紹介しています。

組み込みシステムとは

特定の機能を実現するために電子機器に組み込まれているシステムは、海外では「Embedded system」と呼ばれています。

1980年代から様々な電化製品に搭載され始め、現在では

  • 携帯電話
  • 家電製品
  • コンビニのレジ
  • ATM

など、多岐にわたる分野で活用されるようになりました。

私たちの日常生活に深く浸透している組み込みシステムの需要は高く、プログラマーの活躍の場は広がっています。
しかし一方で、ソフトウェア開発の複雑化に伴い、エンジニアに求められるシステム構築力はより高度なものとなっています。

組込みシステムエンジニアの仕事内容

組み込みシステムの専門家の主な職務内容は以下のとおりです。

  • 要求事項の明確化
    組み込みシステムの機能を細かく分解し、それぞれの要求事項を明らかにしていきます。

  • システム構成の検討
    組み込みシステムを動作させるためのハードウェアやソフトウェアの構成を分析し、必要な要素を特定します。ソフトウェアの場合は、適切な組み込みOSやCPUなどの選定を行います。

  • ハードウェア・ソフトウェアの設計・開発
    システム構成を決定した後、必要なハードウェアの電子回路図や基板レイアウトを作成します。ソフトウェアについては、ハードウェア制御用のドライバなどを開発します。

  • 実装・検証
    設計に基づき、実際の基板を製作し、適切な接続が行われているかを確認します。その後、動作テストを重ねながら、システムの完成度を高めていきます。

  • デバッグ・テスト
    完成したシステムにプログラムを実装し、実行結果を確認しながらデバッグを行います。また、様々な環境でのテストを実施し、問題点を洗い出します。

プログラミング言語

組み込みシステムにおいて主に活用されるプログラミング言語は、

  • C言語
  • C++
  • C#
  • Java
  • アセンブリ言語

などが挙げられます。
難解なC言語やJavaが中心となることが、組み込みシステム開発者の特徴と言えるでしょう。
特にC言語は高度な処理を簡潔に記述できる点や処理速度が速い点などから、多くの組み込みシステム開発者に利用されています。
その他にも、

COBOL
ラダー図
Python

などを使用する開発者もいます。

組み込みエンジニアに必要なスキル

組み込みエンジニアには、言語能力以外にも様々な専門知識が求められます。

  • まず、デバイスの動作原理に関する理解が不可欠です。
  • 次に、センサーの種類や仕組み、接続方法についての知見も重要となります。
  • IoT分野に携わる場合は、ビッグデータに関する理解力も必要とされます。
  • IoTの普及により、スマートフォンなどのデバイスを用いて家電製品を操作する機会が増えているため、アプリの操作性に関する知見も求められます。
  • さらに、IoTの進展によりインターネットに接続されるモノが増加することから、ネットワークの帯域管理などに関する専門知識も必要不可欠となります。

フリーランスの組み込みエンジニアの案件例

ここでは、組み込みエンジニアとして募集されている案件の例を3つ挙げています。

マイコン制御ソフトウェアの開発支援

  • 要求される言語:C言語
  • 報酬額:月額60万円
  • 概要:C言語などを用いたマイコン制御ソフトウェアの開発支援を行う。システムエンジニア/プログラマーとして、基本設計から実装、テストまでを一貫して担当する。

システム開発技術者の募集

  • 要求される言語:C++
  • 報酬額:月額60万円
  • 概要:駅務機器のシステム改修における実装とテストを行う。今後は案件に応じて様々な開発フェーズに対応できるようにする。

Android(アンドロイド)向けアプリケーション開発

  • 要求される言語:Java
  • 報酬額:月額52万円
  • 概要:アンドロイドの既存システムの障害調査やデバッグ対応を行う。設計や実装、テストも担当する。Javaを用いた開発経験やSpring、Strutsの使用経験が必須条件となる。

フリーランスの組み込みエンジニアの需要

フリーランスの組み込みエンジニアの需要

この節では、自由契約の組み込みソフトウェア技術者に対する需要の高まりとその背景、そして彼らが受注できる案件の量や得られる報酬水準について説明します。

組み込みエンジニアに今後も需要がある理由

現時点においても組み込み技術者の需要は高く、将来的にもその需要は継続すると予測されています。
その理由の一つとして、

  • 組み込みシステムが幅広い分野で活用できる一方で、技術者の供給が不足していることが挙げられます。

組み込みシステムは様々な場所で利用されているものの、主要言語の複雑さなどから、その開発を担う人材が不足しているのが実情です。
さらに、AI化やIoTの実現に向けては、あらゆる製品にシステムを搭載する必要があり、そのためには組み込み技術者の存在が不可欠となります。
AI・IoT分野の発展は今後も加速度を増すと考えられ、その流れの中で組み込み技術者への需要もより一層高まっていくことが見込まれます。

フリーランスの組み込みエンジニアの案件数

ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」における2021年4月時点の組み込みエンジニア向け案件数は2,081件に上りました。
一方で、人気職種の一つである「Webデザイナー」の案件数は924件と、組み込みエンジニアの方が上回る結果となっています。
この数値から、現時点での組み込みエンジニアに対する需要の高さがうかがえます。
先に述べた通り、今後もその需要は高まっていくことが見込まれるため、案件数の増加に期待がかかります。

フリーランスの組み込みエンジニアの報酬(会社員との違い)

フリーランスの組み込みエンジニアの報酬相場は、月額50万円から65万円程度、年収換算で600万円から780万円前後と推定されます。
一方、正社員として勤務する組み込みエンジニアの平均年収は、

  • 20代で400万円前後
  • 30代で500万円前後
  • 40代で600万円前後

となっています。
フリーランスの収入は安定性に欠けますが、スキルや経験次第では高額報酬を望めます。
特に専門性の高いスキルを有し、プロジェクトの中核を担う場合は、月額100万円程度の報酬を得ることもあります。
また、案件が長期化する傾向にあり、正社員ほどではありませんが、フリーランスとしては比較的安定した収入が見込めるでしょう。

まとめ

まとめ

組み込みシステムは日常生活の至る所で活用されており、組み込み技術者の需要は極めて高い水準にあります。
組み込み分野では高度な言語やスキルが求められるため、現状では案件数に比べて人材不足が深刻化しています。

  • AIやIoTの普及が進めば、需要はさらに高まることが見込まれます。
  • フリーランスとしての安定性や収益性も高く、組み込み系エンジニアは魅力的な職種と言えるでしょう。

ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」に少しでも関心がある方は、ぜひご利用ください。
本記事が皆様のお役に少しでも立てば幸いです。