フリーランスへの転身を検討されている方はいらっしゃいませんか?近年の労働環境の変化により、新たな働き方としてフリーランスが注目を浴びています。
企業や組織に所属することなく、時間や場所に縛られずに活動できるフリーランスで、自身の能力を発揮したいと考える人も少なくありません。
しかし、フリーランスへの関心はあるものの、その実態を十分に理解していないために不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本稿では、フリーランスの代表的な職種や必要なスキルをご紹介します。
- 併せて、フリーランスとなるための手続きや準備についても詳しく解説いたします。
本稿を一読していただければ、フリーランスに関する正しい知識を身に付けることができるはずです。
フリーランスとは?
フリーランスとは、企業や組織に所属することなく、個人として仕事を獲得し収入を得る働き方を指します。
その語源については様々な説がありますが、中世ヨーロッパで雇用された兵士を「自由な槍」と呼んだことに由来するという説が有名です。
フリーランスとして活動する際の法的根拠はなく、自身の技能や専門性を生かして個人で働けば、職種を問わずだれでもフリーランスを名乗ることができます。
近年、フリーランスへの注目が高まっており、
- ランサーズの調査によれば、2021年のフリーランス人口は1,670万人に上り、2018年から500万人以上増加していました。
- 経済規模も2020年比で10兆円増の28兆円となり、人口と経済規模ともに過去最高を記録しています。
コロナ禍で在宅勤務が広がったことで、働く時間と場所に柔軟性のある働き方としてフリーランスは今後も拡大していくでしょう。
フリーランスと自営業の違い
フリーランスと自営業は混同されがちですが、両者の意味するところには大きな違いはありません。どちらも企業に所属することなく、個人として独立して仕事を行う働き方を指す社会的な呼称です。
区別するとすれば、
- フリーランスは労働時間や場所が決まっていない
- 一方で、自営業は労働時間と場所が決まっている
という点が異なります。
類似の言葉に個人事業主がありますが、これは自営業やフリーランスとは異なり、法人化せずに開業届を提出した者を指す税法上の区分です。
個人事業主は自営業に含まれますが、法人化した場合は個人事業主とは見なされません。
フリーランスの代表的職種一覧
フリーランスとして活躍できる分野は多岐にわたります。
専門性を生かせる職種もあれば、特別な資格は不要な職種もあります。
代表的なジャンルは以下の通りです。
- IT関連
- コンサルティング業務
- カウンセリング業務
- メディア関連
フリーアナウンサーやフリー声優なども、フリーランスの一種と見なされます。
今回は、IT分野のフリーランス職種を中心にご紹介します。
システムエンジニア(SE)
システム開発の上流工程を担う職種がシステムエンジニア(SE)です。
クライアントの要求から仕様を決定し、プロジェクト管理や設計書の作成を行います。
SEに求められるスキルとしては、
- IT関連の知識
- 論理的思考力
- タイムマネジメント能力
などが挙げられます。
フリーランスのSEの平均月収は65.6万円で、年収は787.2万円となっています。
プログラマーがコーディングを行うのに対し、SEは主に仕様書作成を担うため、上位職種と位置付けられています。
SEの求人・案件の一例を以下に示します。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webアプリケーションやウェブサイトのユーザーインターフェイス部分を担当する職種です。
ユーザーが直接目にする領域を扱うため、デザイナーが作成したデザインを実装するほか、UIやSEOに配慮した設計が求められます。
フロントエンドエンジニアに必要な技術として、以下が挙げられます。
- HTMLやJavaScriptなどのコーディングスキル
- UIやUXに関する知識
- サーバーサイド言語や知識
- デザインに関する知識
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」によると、フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均月収は66.1万円で、年収は793.2万円となっています。
平均月収 | 66.1万円 |
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年収 | 793.2万円 |
サーバーサイドエンジニア
Webサイトや業務システムの裏側で動作するプログラムの開発やデータ処理を担うのがサーバーサイドエンジニアです。
フロントエンドとは対照的に、バックエンド側の処理を担当することから、バックエンドエンジニアと呼ばれることもあります。
サーバーサイドエンジニアに求められるスキルは、
- Ruby、Java、Python、C言語などのプログラミング能力
- サーバーやミドルウェアに関する知見
- 開発環境に関する理解
- データベースに関する知識
などが挙げられます。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」によれば、フリーランスのサーバーサイドエンジニアの平均月収は65.5万円で、年収換算では786万円となっています。
インフラエンジニア
ITインフラストラクチャーの設計、構築、運用、保守を担う職種がインフラエンジニアです。
インフラエンジニアは、担当業務により、
- ネットワーク
- サーバー
- 保守・運用
の3つに分類されます。
インフラエンジニアに求められるスキルは、
- ネットワークやサーバーに関する知識・技術
- クラウドスキル
- コミュニケーション能力
などです。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」によると、フリーランスのインフラエンジニアの平均月収は65.4万円で、年収は784.8万円となっています。
ゲームエンジニア
ゲーム開発を専門とするエンジニアは、ゲームエンジニアと呼ばれています。
担当する分野や開発するゲームのジャンルによって業務内容は異なり、主な職種には、
- グラフィックシステム
- ゲームプログラマー
- R&D
などがあげられます。
それぞれの職種で専門的な知識やスキルが必要とされます。
ゲームエンジニアに求められる基本的なスキルは、C++やJavaなどのプログラミング能力、数学の知見、ゲームへの関心などです。
報酬は担当業務次第で変動しますが、ゲームプログラマーの場合は年収約720万円となっています。
ゲームエンジニアの求人情報を以下でご覧いただけます。
組み込み/制御エンジニア
機械の動作や制御に必要なシステムの開発を担う専門家は、組み込み/制御エンジニアと呼ばれています。
機器に搭載されるコンピューターシステムを構築する作業が組み込み工程であり、そのシステムを適切に制御する作業が制御設計です。
この分野のエンジニアには、以下の能力や知識が求められます。
- C言語やアセンブリなどのプログラミング能力
- TRONに関する知識
フリーランスの平均月収は58万円で、年収換算では696万円となっています。
実際の組み込み/制御エンジニアの案件を以下に紹介します。
プログラマー
プログラミングの専門家は、システムエンジニアが作成した設計書に基づき、様々なコーディング言語を用いてシステム開発を行う職種です。
担当分野によって必要な言語や専門知識は大きく異なります。
- 例えば、Webサイト制作ではHTML、JavaScript、PHPなどが
- アプリケーション開発ではJava、Ruby、Python、C#などが求められます。
そのため、業界に合わせて適切な言語を習得することが重要です。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用すれば、プログラマーとしてのキャリアアップが可能です。
Webデザイナー
Webサイトの外観やユーザビリティを設計する役割を担うのがWebデザイナーです。
クライアントの要望を汲み取り、全体の構造を検討した上で、利用者にとって使いやすいWebサイトとなるようデザインを行います。
Webデザイナーに求められる能力としては、
- デザインセンス
- 関連ツールの操作スキル
- 企画力
- プログラミングスキル
なども重要視されます。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の調査によれば、フリーランスWebデザイナーの平均月収は44.2万円で、年収にすると530万円となっています。
Webデザイナーの求人案件を見てみましょう。
グラフィックデザイナー
クライアントの要望に基づき、印刷物やウェブサイトに掲載される広告・パッケージのグラフィックをデザインする職種がグラフィックデザイナーです。ゲーム業界においては、ゲームの世界観に合わせて2Dや3Dでキャラクターや背景をデザインする役割を担っています。
グラフィックデザイナーに求められるスキルは、
- デザイン力
- Photoshopやillustratorなどの知識・スキル
- SpriteStudioやLive2D、3ds Max、Mayaなどのツール操作能力(ゲーム業界の場合)
が挙げられます。
フリーランスタートによると、平均月収は52.9万円で、年収換算では634.8万円となっています。
グラフィックデザイナーの求人・案件を少し見てみましょう↓
コピーライター
コピーライターは、マスメディアや広告、ウェブサイトなどの文言を作成する職種です。
企画やコンセプトに基づき、ターゲット層の心に響き、行動を促すような印象的で説得力のある言葉を考案します。
所属する組織や規模によっては、広告制作全体に幅広く関与しますが、フリーランスの場合は文言作成のスキルが特に重視されます。
コピーライターに求められる能力としては、以下が挙げられます。
- ウェブライティング力
- 情報収集力
- ウェブマーケティングに関する知識
正社員の平均年収は約474万円となっています。
コピーライターの求人・案件 |
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フリーランスエンジニアとして長く活躍するためのスキル
フリーランスとして長期的に活躍するには、以下の能力を培い、磨き続ける必要があります。
- IT関連の専門知識
- コミュニケーション力
- 自己管理能力
- マネジメント力
スキルが不足していると、低単価の仕事しか受注できなくなるだけでなく、そもそも仕事を獲得することすら困難になってしまいます。フリーランスエンジニアとして継続的に案件を受注し続けるには、常に知識とスキルのアップデートが欠かせません。
以下に、それぞれの能力について詳しく説明します。
ITスキル
フリーランスとして高い収益を得るには、一定レベルのITスキルを習得しておく必要があります。
担当業務は個人差がありますが、いずれにしても経験が不可欠です。
IT分野では知識が急速に進化するため、常に技術を磨き続けることで、高額の案件を獲得しやすくなるでしょう。
また、エージェントを介した案件獲得では、実務経験が特に重視されます。
実務経験がない場合は、
- 関連資格
- ポートフォリオなど
の客観的な証拠を用いて、自身のITスキルをアピールすることが賢明です。
コミュニケーションスキル
フリーランスの仕事は単独で行われるばかりではなく、プロジェクトチームに参加して共同作業を行う場合もあるため、円滑なコミュニケーション能力が不可欠です。
個人で完結する案件であっても、クライアントとの緊密な連絡を通じて要求に応えたシステムを構築するためには、コミュニケーション力が欠かせません。
さらに、
- 報酬の交渉
- 今後の受注活動
においても、コミュニケーション能力が重要な役割を果たします。
フリーランスとして業務を円滑に遂行するためには、コミュニケーション能力が必須の要件と言えるでしょう。
自己管理スキル
フリーランスとして活動する際、個人事業主としての自覚と規律が求められます。
- 職場環境がない分、仕事と私生活の境界線を自ら設けることが重要です。
- 在宅勤務では、周囲の目が届かないため、怠惰になりがちです。
そのため、
- 期限までの作業管理やスケジューリングは全て自身で行う必要があり、計画的な行動力が不可欠となります。
- さらに、請求業務や税務手続きなどの事務作業も、自らの手で処理しなければなりません。
自由度の高さと引き換えに、全ての責任が個人に課されることを肝に銘じる必要があります。
マネージメントスキル
フリーランスとしても、プロジェクトをチームで推進する際には、メンバー選定などの役割を担うことがあるため、マネジメント能力は求められます。
マネジメント力を養うには、
- 社内勤務中にマネジメント経験を積むこと
- 関連書籍を読み込むことで理解を深めること
が賢明です。
マネジメント力を身に付ければ、
多様な技術の習得が可能になる | より上位の職務へキャリアアップする機会が広がる |
フリーランスになるための手続きや準備
フリーランスとしての職業を選択する場合、以下のような手順や備えを適切に行っておくべきでしょう。
- クレジットカードやローン関係
- 届出関係
- 仕事探しの方法
自由な働き方が魅力的なフリーランスですが、実際に業務を開始するには様々な手続きや準備が必要となります。
会社員とは異なる環境に移行するため、後々慌てることのないよう、事前に必要な手順や備えは何かを確実に確認しておきましょう。
それぞれの手続きや準備について、次に説明します。
クレジットカードやローンの手続き
フリーランスに転身すると、金融機関からの融資や信用供与が受けにくくなる可能性があるため、会社員時代に借入れや新規カード発行などの手続きを済ませておくことが賢明です。
また、収支管理のために業務用の専用口座を設けることが肝要です。
自宅をオフィスとして使う場合、
- 光熱費やインターネット料金を経費として計上できるため、専用口座から支払うと節税効果が期待できます。
届け出関係をきちんとする
フリーランスに転向する際には、以下の手続きを行う必要があります。
- 個人事業の開始や終了を所轄の税務署に届け出る
- 従業員としての年金制度から個人事業主向けの制度に変更する
- 会社員時代の健康保険から国民健康保険に切り替える
- 確定申告時の税額控除を受けるため、青色申告の承認を求める申請を提出する(任意)
個人事業の開始届出には期限があり、事業開始後1か月以内に提出しなければなりません。また、事業を終了する際にも、所定の手続きが求められます。会社員時代は雇用主が負担していた年金や健康保険の費用を、フリーランスになると自身で支払う必要があるため、制度の切り替えが欠かせません。青色申告の承認申請は必須ではありませんが、承認を受ければ確定申告時に一定の経費を控除できるメリットがあります。
仕事探し方法の検索
フリーランスとして活動するには、自ら仕事を確保する必要があるため、事前に仕事獲得の方策を検討しておくことが重要です。
フリーランスが仕事を見つける手段としては、以下のようなものが挙げられます。
- 過去の職場や知人からの紹介
- フリーランス専門の仲介サービスの利用
- クラウドソーシングサイトの活用
- SNSを通じた営業活動
実績が乏しい初心者の場合、仲介サービスを活用するのが賢明でしょう。営業が苦手でも、代行してくれるため、安定した仕事確保が可能となります。
まとめ
この記事では、フリーランスの職種やスキル、必要な手続きや準備について説明しました。
フリーランスは、場所や時間に縛られない自由な働き方として注目されています。
- 様々な分野でフリーランスが活躍しており、新しい働き方として今後も広がっていくでしょう。
ただし、会社員とは異なり、自分で判断しなければならない事柄が増えるため、十分な準備が欠かせません。
フリーランスについての正しい知識を身に付けた上で、自分に合った働き方としてフリーランスを検討してみてはいかがでしょうか。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」をご利用の方は、ぜひ登録をお願いします。
将来的にフリーランスを検討している方も「xhours」を活用すると良いでしょう。
「xhours」を活用して、フリーランスとしてのキャリアを築いていってください。
この記事がフリーランスへの理解を深める一助となれば幸いです。