モバイル機器の普及に伴い、現代社会では様々なアプリケーションが活用されています。
そのため、IT関連の分野やプログラミングを学んでいる人の中には、アプリ開発者への転職を志向する人もいるでしょう。
しかし、アプリケーションには種類があるように、アプリ開発者の業務内容も
- Web
- ビジネス系
など多岐にわたり、それぞれに必要なスキルが異なります。
本稿では、アプリ開発者への転職を希望する方向けに、具体的な職務内容や現状などを詳しく解説しています。
また、アプリ開発者の将来性についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
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アプリ開発エンジニアとは
アプリケーションソフトウェアの制作に携わる技術者を指すのがアプリ開発エンジニアです。
コンピューターやモバイル端末上で動作するプログラムのことを、一般にアプリと呼びます。
本来の名称はアプリケーションソフトウェアです。
さて、アプリの種類について確認しましょう。
アプリの種類
アプリケーションソフトウェアは、特定の目的に沿って機能する応用プログラムを指します。その具体的な用途としては、
- 音声通話
- 画像や動画の編集
- 写真の共有
などが挙げられます。
アプリケーションには多様な種類が存在しますが、主に以下の3つのカテゴリーに大別されます。
- Webアプリ
- スマートフォン向けアプリ
- 業務用アプリ
それぞれのアプリケーションの種類について、より詳しく説明していきましょう。
Webアプリ
Webアプリケーションとは、インターネット(Web)などのネットワーク上で機能するアプリケーションソフトウェアのことを指します。
例えば、動画配信プラットフォームの「YouTube」やWebベースのメールサービス「Gmail」などがこれに該当します。
Webアプリの特徴は、以下のとおりです。
- ユーザーのデバイス上にソフトウェアをインストールする必要がない
- プログラムの本体がネットワーク上のWebサーバーに存在する
そのため、Webアプリを利用するにはブラウザが不可欠となります。
スマホアプリ
スマートフォンやタブレット端末で利用されるアプリケーションソフトウェアを指します。携帯電話やモバイル機器向けのアプリとも呼ばれています。
これらのデバイスにプログラムをインストールすることで、ネットワーク接続がなくてもオフラインで使用可能となります。
一方、Webアプリはサーバー上に存在するため、常にオンライン環境が必要です。
スマホアプリには有償と無償のものがあり、無料版は以下の方法で入手できます。
- iphone: AppStoreからダウンロード
- Android: GooglePlayからダウンロード
有料版は専用のストアで購入する必要があります。
業務系アプリ
ビジネス向けのアプリケーションソフトウェアは、企業の業務を合理化・自動化することを目的としています。
一般ユーザー向けのWebアプリやモバイルアプリとは異なり、企業の
- 販売管理
- 在庫管理
- 会計管理
- 人事管理
などの業務目的で活用されます。
業務系アプリケーションの開発には、
C++ | C# | Java |
などのプログラミング言語が用いられることが多くあります。
アプリ開発エンジニアの仕事内容
アプリケーションの構築は、開発者の職務の一部にすぎません。設計段階から運用・保守に至るまで、開発者の責任は多岐にわたります。
要件定義に基づく開発だけでなく、クライアントの要望を汲み取り、修正を重ねることが求められます。
そのため、プログラミングスキルに加え、企画力や提案力、管理能力、コミュニケーション能力が不可欠となります。
開発対象によっても職務は異なり、ここでは
- Webアプリ開発エンジニア
- スマホアプリ開発エンジニア
- 業務系アプリ開発エンジニア
の3つの開発者について説明します。
それぞれの職種について詳しく見ていきましょう。
Webアプリ開発エンジニア
Webアプリケーション開発者は、以下の業務を担当します。
- 一般ユーザー向けのアプリ制作
- ECサイトやメディアサイトなどの構築業務
そのため、以下の能力が求められます。
- 顧客企業の経営課題や業務上の問題点を把握し、コミュニケーションを重ねながら一つずつ解決策を見出していく能力
- サイト利用者の目的を理解し、ユーザビリティに優れたデザインと開発を行うスキル
スマホアプリ開発エンジニア
モバイルアプリケーションの開発者は、以下の幅広い業務を担当します。
- システム設計
- プログラミング
- テスト
- 運用・メンテナンス
スマートフォン向けアプリの需要は今後も高まると予想されるため、開発者は常に新しい技術や知識を取り入れながら作業を行う必要があります。
そのため、以下の能力が求められます。
- 新技術の習得が早い
- 時代の変化に柔軟に適応できる広い視野
業務系アプリ開発エンジニア
企業のニーズに基づき、社内システムやアプリケーションの構築を担うのが業務系アプリ開発エンジニアの主な役割です。
単にプログラミングを行うだけでなく、完成したシステムの検証やセキュリティ対策も重要な業務となります。
時には公的機関や金融機関向けのインフラ開発に携わる場合もあり、技術力に加えてコミュニケーション能力も必要不可欠です。
実際の案件の内容を確認したい方は、以下をご覧ください。
アプリ開発エンジニアの年収
Webサイト「求人ボックス 給料ナビ」の情報によれば、アプリ開発エンジニアの収入水準は次のようになっています。
正社員のアプリ開発エンジニアの平均年収は約558万円で、月給は約46.5万円となっています。
アプリ開発エンジニアの年収は、雇用形態や習得スキルによって差がありますが、平均的にはこの水準が一般的な相場のようです。
一方、フリーランスのアプリ開発エンジニアの月額単価は以下の通りです。
平均単価 | 中央値単価 | 最高単価 | 最低単価 | |
---|---|---|---|---|
アプリ開発エンジニア | 71.6万円 | 70万円 | 200万円 | 20万円 |
フリーランスのアプリ開発エンジニアの平均年収は、月額単価を年ベースに換算すると859万円となります。
アプリ開発エンジニア需要
アプリ開発エンジニアに対する企業の求人ニーズはどの程度存在するのでしょうか。本稿では、アプリ開発エンジニアの現況と展望について説明していきます。
- アプリ開発エンジニアの現況
- アプリ開発エンジニアの展望
アプリ開発エンジニアの現状
現代社会においてIT化が急速に進展する中、システムの設計から構築、テスト、運用に至るまで幅広い役割を担っているのがアプリケーション開発エンジニアです。
しかしながら、この分野における需要の高まりに対して、エンジニアの供給が追いついていないのが実情です。
DX白書2021のデータを基に、国内のIT人材の状況を確認しましょう。
アプリケーション技術者・担当者は12.4%と、IT人材の中でも比較的高い割合を占めていることがわかります。
一方で、
全体の9割近くが不足していると回答しており、特に従業員規模の大きな企業ほど「大幅に不足している」との回答割合が高くなっていることが確認できます。
アプリ開発エンジニアの将来性
テクノロジーの革新に伴い、ユーザーからの新たなアプリケーションへの要求は今後も絶えず発生するでしょう。
また、経済産業省がIoTの推進に取り組むなど、都市部のみならず地方においてもIoTが奨励されているため、IoTやAI(人工知能)分野においてもアプリ開発者の需要が見込まれます。
様々なアプリケーションが今後も求められていくことから、アプリ開発者の将来性は高いと言えるでしょう。
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未経験からアプリ開発エンジニアへの転職を実現させるには
技術職に就くためには専門的な知識が求められますが、アプリ開発の分野では未経験者でも転職の機会があります。
未経験からアプリ開発の道を歩むには、以下の2点を習得することが重要です。
- プログラミング言語の習得
- システム開発に関する経験と知識の獲得
前述の通り、具体的なスキルは必要となりますが、アプリ開発エンジニアには様々な種類があり、求められるスキルは多岐にわたります。
業務で役立てるためにも、必要なプログラミング言語やコミュニケーション能力を身に付けておくことが肝心です。
プログラミング言語を身に付ける
プログラミング言語は、人間がコンピュータに指示を伝える際に使用される、専用の形式化された言語です。
アプリケーション開発には、まずこれらの言語を習得する必要があります。
現在、200種類以上のプログラミング言語が存在し、コンピュータの種類や開発対象によって使用する言語が異なります。
- 様々なアプリケーションを開発したい場合は、複数の言語を習得しなければなりませんが、まずは自分が開発したいアプリに必要な言語から学習するのが賢明です。
ここでは、各エンジニア職種において、具体的にどのようなプログラミング言語のスキルが求められるのか説明しています。
Webアプリ開発
Webアプリケーションの構築を目指す場合、以下のプログラミング言語の習得が求められます。
- HTML/CSS
- PHP
- Python
- Ruby
- Java
- JavaScript
動的なWebサイトを実現するためには、PHPやPythonなどの言語が不可欠であり、開発者にとって基礎的な知識が必要とされます。
また、JavaはWindows・Mac向けのアプリ開発でも幅広く活用されているため、習熟しておくことが重要視されています。
スマホアプリ開発
モバイルアプリケーション開発者を目指すのであれば、以下のプログラミング言語の習得が求められます。
- Java
- Objective-C
- Swift
- C++
- Kotlin
モバイルアプリは大きく分けて以下の2種類があり、開発対象のプラットフォームによって必要となる言語が異なります。
- iOS(iPhone)向け
- Android向け
一般的に
iOSアプリ開発 | SwiftやObjective-C |
Androidアプリ開発 | JavaやKotlin |
が使用されます。
これらのプログラミング言語を身につけておけば、モバイルアプリ開発者への転職に有利に働くことでしょう。
業務系アプリ開発
仕事関連のアプリケーションの開発者を目指すのであれば、以下のプログラミング能力が求められます。
- Java
- JavaScript
- PHP
- C言語
- C#
- VB
- COBOL
特に、C言語は様々なシステムを構築できる汎用性の高い言語であるため、業務系アプリ開発者を志す場合は、C++と併せて習得しておくことが賢明です。
加えて、以下のプログラミング言語も業務システムで人気が高いため、マスターしておけば転職に有利に働くでしょう。
システム開発経験や知識を身に付ける
アプリケーション開発は複数人で行われることが多いため、システム構築の一連のプロセスを理解しておくと、その経験がアプリ開発にも活かせます。
システム開発の流れを実践し、その知見を得るには、
- システムエンジニアの職務を経験するのが効果的です
- アプリ開発エンジニアに転職する前に、Web やデータベースなど他の分野のエンジニアとして勤務することも推奨されます
また、システム開発に関する知識やスキルを習得する目的で、
- 「エンジニア向けセミナー」
- 「システムエンジニア育成プログラム」
を活用するのも良い選択肢です。
セミナーに参加すれば、システムエンジニアに転職しなくても、アプリ開発エンジニアに必要なシステム構築の経験や知見を身につけることができます。
転職理由と志望動機を一貫させる
職種を変更する際には、前職を離れた理由と新しい職種を目指す動機が一貫していることが肝心です。
面接では必ずと言っていいほど、退職理由と志望動機について問われますが、この2点に矛盾があれば転職活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
それは、前職を去った理由が新たな職種への移行理由と関連しているためです。
面接で退職理由と志望動機を尋ねられたら、それぞれの答えに一貫性を持たせるよう心がけましょう。
転職サイトや転職エージェントを活用する
アプリ開発者への職種変更を望む方は、転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめです。
企業が即戦力となる人材を確保するために募集している情報が掲載されているのが転職サイトです。
同様のサービスに転職エージェントがありますが、その違いは転職希望者の経歴を踏まえ、希望条件に合った求人を紹介してくれる点にあります。
どちらもアプリ開発者への職種変更に役立つため、活用することをお勧めします。
転職サイトと転職エージェントにはそれぞれ以下の特徴があります。
転職サイトの特徴 |
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転職エージェントの特徴 |
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転職サイトや転職エージェントを上手に活用し、アプリ開発者への職種変更を目指しましょう。
まとめ
アプリ開発の分野に未経験から転職することは可能ですが、最低限のプログラミングの知識とスキルが必要不可欠です。
未経験からアプリ開発の仕事に携わりたい場合、まずは以下をお勧めします。
- 「エンジニアセミナー」や「システムエンジニア育成プログラム」を活用し、開発の知識を身に付ける
その後、以下のようなアプリ開発エンジニアへの転職を目指しましょう。
- Webアプリ
- スマホアプリ
- 業務系アプリ
また、未経験から転職する際は、転職サイトや転職エージェントの利用も有効な手段となります。
本記事で紹介した内容を参考に、アプリ開発エンジニアへの転職のきっかけとなれば幸いです。
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本記事が皆様の助けとなれば幸いです。