プログラマーの在宅勤務やサテライトオフィス勤務の機会が増加傾向にあり、遠隔地から業務に従事するエンジニアが多数存在しています。リモートワークを獲得するために特別な技能は必要とされず、適切な環境が整えば通常の案件と同様の条件で勤務することが可能です。
本稿では、以下について説明します。
- プログラマーのリモートワークの定義
- 長所と短所
- 収入水準
- リモートワークに適した案件の種類
- そうした案件の探し方
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リモートワークの定義
リモートワークには明確な定義はありませんが、一般的には勤務地から離れた場所で業務を行うことを指します。
この概念は1990年代以前から存在していましたが、インターネット環境の普及と端末機能の向上により、世界中で広まりました。
日本でも2020年初頭の感染症の影響や国・企業によるリモートワーク推進の動きから、導入が活発化しています。
総務省の調査では、企業のテレワーク導入率が前年比約2倍に上昇しており、今後も導入を希望する企業が目立ってきました。
中小企業の導入率は大企業に比べて低いものの、前年と比較すると進んでいます。
また、本社を売却してランニングコストを下げる動きも見られます。
今後、リモートワークでの勤務や新卒・転職求人の募集がより一般化すると予測され、プログラマー人材の需要が高まるでしょう。
違いを理解しよう:リモートワークとテレワーク
リモートワークと同義語として用いられることが多い「テレワーク」という用語ですが、両者の間には本質的な違いはほとんどありません。同じ意味合いとして捉えることができるでしょう。
政府が公表している資料によると、テレワークとは「ICT(情報通信技術)を活用し、時間と場所を柔軟に活用できる働き方」と定義されています。
さらに、テレワークは「雇用型(被雇用者が実施する形態)」と「自営型(個人事業主やフリーランスが実施する形態)」に分類され、以下のように細分化されています。
雇用型 |
|
---|---|
自営型 |
|
公的機関の資料ではテレワークの表記が統一されており、常時テレワークや随時テレワークなどと呼称されています。
一方、民間企業やフリーランスの間ではリモートワークという言葉が一般的に使われているようです。
また、テレワークやリモートワークとは別に、ノマドワークという概念もあり、好きな時間と場所で働くことを指します。
つまり、「プログラマーがリモートワークやテレワークで働く」と一言で表現しても、在宅勤務からサテライトオフィス通勤まで、様々な働き方が含まれることになります。
仕事をするメリット
リモートワークや在宅勤務などの働き方には、企業側と労働者・自営業者双方にとって様々な業務上の利点があります。
特にプログラマーやエンジニアは、パソコンと一定の環境さえ整えば職務を遂行できるため、リモートワークとの親和性が比較的高い職種と言えます。
リモートワークのメリットを享受しやすい仕事と言えるでしょう。
以下では、リモートワークや在宅勤務で働く際の具体的な利点について説明します。
- 通勤時間の削減による時間の有効活用
- オフィス環境に囚われない自由な働き方
- 家族との時間が作りやすい
- オフィス経費の削減
業務効率化を図れる時間の有効活用
リモートワークは自宅や近隣の場所で業務を行うことができるため、通勤や準備に費やされる時間を節約できます。
例えば、往復の通勤時間が2時間、準備時間が30分から1時間かかるとすると、週5日勤務の場合、12時間30分から15時間の時間が浮くことになります。
この余剰時間を有効活用できれば、プライベートの充実と業務効率化に以下のようなプラスの影響が期待できます。
- 通勤による疲労やストレスが軽減される
- 運動、休憩、睡眠など体のメンテナンスに時間を使える
- 育児や家事に余裕ができる
- 資格取得の勉強や業務改善案の検討など、仕事に関する活動に時間を割ける
- 職場での無駄な会話や雑務がなくなり、本業に専念できる
東京都産業労働局が実施した「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」でも、従業員規模30人以上の企業において、テレワークの導入効果として以下の結果が出ています。
・従業員の通勤時間や移動時間の削減で、「非常に効果があった」27.1%、「効果があった」57.5% |
・定型業務の生産性向上で、「非常に効果があった」13.4%、「効果があった」60.7% |
・創造的業務の生産性向上で、「非常に効果があった」9.6%、「効果があった」53.4% |
・育児中の従業員への対応で、「非常に効果があった」36.8%、「効果があった」44.3% |
30人未満の企業でも同様の傾向がみられました。
業務形態や人員、管理方法は異なりますが、リモートワークには時間の有効活用や業務効率化にある程度の効果があるようです。
一方で、「約半数は生産性が低下した」「新人教育が難しい」といった指摘もあり、職場環境やクライアントとの契約内容によっては効果が左右されることも考えられます。
仕事場所の選択肢が広がる
リモートワークは、特定の場所への出勤が免除される働き方であり、自分の好みに合わせて作業場所や時間を選択できるメリットがあります。
- 集中力を最大限に発揮できる環境を自ら選べることが、この働き方の大きな利点の一つです。
- 例えば、プログラミングに没頭したい場合はカフェやコワーキングスペースで作業し、適度な休憩と調査を交えながらゆっくり進めたい時は自宅で業務を行うなど、状況に応じて使い分けることができます。
- さらには、海外や旅行先でワーケーションと呼ばれる働き方も可能です。
また、勤務時間が決められていないため、プライベートの時間や通院、休憩のタイミングなどを柔軟に調整できるのも利点です。
- 午前中に用事を済ませて午後から仕事に従事したり、朝から集中して業務を片付けた後に夕方から遊びに行くなど、自由なスケジュール管理ができます。
しかし、リモートワーク先の環境次第では、プログラミングの効率が低下したり、業務連絡が円滑に行えないなどの支障が生じる可能性もあります。
- 仕事内容や請負案件によっては、機密情報の漏洩やデータ損失、連絡の不備が重大な問題となる場合もあります。
そのため、作業場所や時間を選ぶ際は、仕事の効率性や企業・クライアントとのスケジュール調整を最優先に考える必要があります。
在宅勤務の課題と対策
自宅で業務を行う際には、職場に赴かないことによる欠点も存在します。
- 対面でのコミュニケーションが取れない
- 情報共有が困難になる
- 集中力が途切れやすい
メリット | デメリット |
---|---|
通勤時間の削減 | 孤独感 |
自由な環境 | プライベートと仕事の区別がつきにくい |
評価基準が成果物だけとなる
リモートワークでは、同僚や上司と物理的に同じ空間を共有することがほとんどありません。そのため、人事評価は主に成果物のみに基づいて行われることが多くなります。
人柄や取り組み姿勢、他者とのコミュニケーション能力などの評価が反映されにくいことが、リモートワークの欠点となります。
プログラマーの場合、
- プログラミングの実績
- 納期の遵守
- 修正対応の迅速さ
などが重視されます。
リモートワークで高い評価を得るためには、実務面でのスキルアップがより一層重要になると言えるでしょう。
実際、「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」においても、テレワークを導入しない理由として
「社員の評価が難しい」 | が1,110件中155件 |
「人事制度の導入に手間がかかる」 | が137件 |
と挙げられています。
コミュニケーションが減る
リモートワークでは、対面での交流機会が激減するため、新入社員やフリーランスの方々にとって、業務上の疑問点を尋ねたり、誰かに作業について気軽に相談することが、出社して勤務するよりも困難になる側面があります。
上司側も、新人研修やOJTが行いづらく、若手のメンタルヘルスケアに課題を抱えているとの声が上がっています。
実際、テレワークに関する実態調査でも、在宅勤務やサテライトオフィス勤務の従業員が感じるデメリットとして、「社内コミュニケーションの支障」が最多の回答となっていました。
オンラインツールや電話を活用し、自発的な情報交換や進捗確認・報告を心掛けることが、リモートワーク推進の鍵となるでしょう。
プログラマーの年収
労働統計から見ると、会社員プログラマーの平均年収は523万円と、日本の給与所得者の平均433万円を上回っています。一方、フリーランスプログラマーの年収は655万円と、会社員より高めですが、雇用保険や福利厚生面を考慮すると、必ずしもフリーランスが有利とは限りません。
収入額は、使用する開発言語や雇用先・委託先によって変動します。転職や業務委託契約時には、給与・報酬水準と作業量を事前に確認することが重要です。
会社員プログラマー | フリーランスプログラマー | |
---|---|---|
平均年収 | 523万円 | 655万円 |
プログラマーがリモートワークや在宅ワークしやすい案件の特徴
在宅勤務やテレワークを採用している案件の特性として、
- 「ベンチャー企業・新興企業」
- 「ウェブ開発・アプリ開発」
が目立ちます。
ベンチャー・スタートアップ企業がおすすめ
ベンチャー企業やスタートアップは、従来の大企業や中小企業と比較して、革新的なシステムや制度を積極的に取り入れる傾向にあります。
そのため、
- リモートワークや在宅勤務といった比較的新しい働き方を既に導入しているか、導入を検討している可能性が高くなります。
また、人事制度や勤務体系が確立されている既存企業に比べ、柔軟な対応が求められる新興企業の方が、試行的にリモートワークを取り入れやすい環境にあるといえます。
Web開発・アプリ開発がおすすめ
Web開発やアプリ開発に関連するプログラミングの仕事は、進行状況や人材管理、コードレビューを容易にするITサービスの普及により、在宅勤務に適した案件が増えています。
Webアプリ開発やモバイルアプリ開発の業務では、以下のようなことが中心となります。
- PHP、Rubyなどのプログラミング言語を使ったコーディング作業
- HTML、CSSなどのマークアップ言語を使ったコーディング作業
コーディング作業さえできれば自宅のコンピューターで業務を行えるため、リモートワークに適した職種と言えるでしょう。
リモートワークや在宅ワーク案件を獲得する方法
在宅勤務やリモートワークの機会は、従来の就業形態と比較すると、募集数が限られているのが実情です。
そのような状況下で、プログラマーが在宅勤務やリモートワークの案件を獲得したい場合、求人サイトや転職サイトに加えて、以下のプラットフォームで仕事を探すことをお勧めします。
- Upwork
- Freelancer
- Fiverr
- Toptal
- Codeable
フリーランスエージェントの活用
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、希望に沿った案件の紹介や、クライアント企業との面談同席、スキルシート・経歴書の添削、契約手続きの代行、福利厚生・税務サポートなど、様々な支援を受けられます。
特にIT分野のエンジニア・プログラマー向けの案件を多く扱っているため、技術者がフリーランスとして活躍する際に最適なサービスと言えるでしょう。
代表的なフリーランスエージェントには以下のようなものがあります。
- レバテックフリーランス
- geechs job(ギークスジョブ)
- フォスターフリーランス
- Midworks(ミッドワークス)
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、エンジニア・プログラマー向けの多数の案件を取り扱っています。
フリーランスで活躍したい方は、様々なエージェントのサービス内容を確認してみることをおすすめします。
クラウドソーシングサービスの活用
インターネット上で仕事の提供者と需要者をマッチングさせ、業務の交渉、契約、支払いなどを一括して行えるプラットフォームを指すのがクラウドソーシングサービスです。この用語は、群衆を意味する「クラウド」と発注を意味する「ソーシング」を組み合わせた造語となっています。
クラウドソーシングサービスの最大の利点は、インターネット接続さえあれば、いつでも気軽に仕事を請け負ったり発注したりできる点にあります。案件の探し方も、自身で検索する方法に加え、スカウトを受けるなど様々な選択肢があります。副業として働くサラリーマンから個人事業主まで、幅広い層が利用しています。
一方で、相場を下回る低単価の案件も多く、良質な仕事を見つけるのが難しい面があります。また、報酬の最大20%がサービス手数料として差し引かれるため、直接契約した場合に比べて手取り額が減少するデメリットもあります。
代表的なクラウドソーシングサービスとしては、以下のようなものがあげられます。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
SNSの活用
SNSを活用して雇用主と直接つながり、契約を結ぶケースが増加しています。フリーランスにとってSNSは営業ツールとして、企業や個人にとっては採用ツールとして機能しています。
SNSを介した契約では、第三者の介入や手数料がかからないというメリットがあります。
また、拡散力の高さからフリーランサーのブランディング活動にも適しています。
SNSでのブランディング及び営業活動を通じて、より高い報酬の仕事に巡り合えるかもしれません。
しかし、案件の検索から交渉、契約内容の確認まですべてを自身で行う必要があります。
さらに、万が一悪評が立てば信用が一気に失墜する危険性もあります。
まずは慎重な運用を心がけ、徐々に人脈を広げていくことが重要です。
案件獲得によく利用されるSNSは以下の通りです。
- Instagram(インスタグラム)
- Facebook(フェイスブック)
- Twitter(ツイッター)
まとめ
リモートワークやテレワークと呼ばれる、オフィスから離れた場所での業務スタイルが浸透しつつあります。
この働き方には以下のような特徴があります。
- オフィス外の別の場所で仕事を行う形態
- メリットとして通勤時間の削減、業務効率化、勤務地の選択肢拡大
- デメリットとして実績主体の評価、対面コミュニケーション機会の減少
正社員プログラマーの平均年収 | 511.9万円 |
フリーランスプログラマーの平均年収 | 628.8万円 |
- プログラマーがリモートを希望する場合、ベンチャー・スタートアップ、Web/アプリ開発案件が有望
- 有効な求人探しの手段は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」、クラウドソーシング、SNS
リモートワークの案件は以前に比べ増加傾向にあります。在宅勤務や通勤不要の仕事をお探しの方は、チャレンジしてみるのがよいでしょう。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」に興味のある方は、ぜひ登録をご検討ください。
本記事がみなさまのお役に立てば幸いです。