AIエンジニアの方々の中には、新しい働き方であるリモートワークに関心を寄せている人も少なくありません。
自由な環境で業務に従事できるメリットがあり、会社員時代よりも高い収入を得られる可能性もあるためです。
しかし、AIエンジニアがリモートワークで活躍するには何が必要なのか、具体的な方法が分からないという声も聞かれます。
本稿では、AIエンジニアのリモートワーク実態を詳しく解説するとともに、求められるスキルについても言及します。
内容を確認すれば、リモートワークにおけるAIエンジニアの働き方が理解できるはずです。
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AIエンジニアはリモートワークできる?
AIの専門知識と技術を活用し、ビジネス上の課題解決を提案する職業がAIエンジニアです。
ITエンジニアとは異なり、クライアントに対してAIの活用方法を提案することが主な業務となります。
高度な専門性が求められますが、他のエンジニア職と同様にリモートワークに適しています。
- 実際、リモート勤務のAIエンジニア求人が存在し、ニーズは確かにあります。
- コロナ禍を機にリモートワークが浸透し、今後も新しい働き方として定着していくでしょう。
- フリーランスのAIエンジニアであれば、個人の事情に合わせて自由に仕事ができるメリットもあります。
AIエンジニアのリモートワーク求人・案件実情
AIエンジニアは遠隔勤務に適した職種であり、そのような募集案件が存在します。
しかし、クライアント側の環境が整っていないことも多く、現状では遠隔勤務の案件は多くありません。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」によると、
- 募集中の案件の54.8%が常駐型
- 45.2%が遠隔勤務型
となっています。
AIエンジニアのフリーランス案件では、常駐型の需要がより高いと言えるでしょう。
ただし、前年比で約20%遠隔勤務型の割合が増加しており、今後数年で常駐型と遠隔勤務型の比率が逆転する可能性もあります。
なお、遠隔勤務対応の案件でも、対応範囲が異なるケースがあるため、一部遠隔か完全遠隔かを確認することが重要です。
AIエンジニアの年収
フリーランスのAIエンジニアは高収入が期待できる職種です。
平均年収は約770万円と推計されており、会社員のITエンジニアの平均年収を大きく上回っています。
月額単価の中央値は70万円で、最高では200万円にも達します。
このように高収入となる背景には、以下の点があげられます。
- AIエンジニアに対する需要の高まり
- 供給の不足
経済産業省の調査では、2030年にAI人材が14.5万人不足すると予測されています。
加えて、AIエンジニアには高度な専門知識が求められるため、修士号や博士号を持つ人材が中心となっていることも影響しているでしょう。
スキルと実績を重ねれば、最高で2,400万円の年収も視野に入ってくるかもしれません。
リモートワークと年収の関係
リモートワークの職を選んだからといって、オフィス勤務と比べて年収が大幅に変動するわけではありません。
- 正社員の場合、勤務形態がリモートになっても給与を引き下げられれば、労働契約違反となるでしょう。
- リモートワークでも残業時間に対する割増賃金の支払いは必要です。
- 通勤手当がなくなる点は異なりますが、年収が大きく変わることはないと考えられます。
フリーランスにおいても、案件ごとに報酬は変わりますが、リモートワーク自体が原因で大幅な変動はないはずです。
機械学習エンジニアとAIエンジニアの年収比較
AIエンジニアと密接に関連する職種として機械学習エンジニアが存在します。
収入面においては、両者の間に顕著な差異はないと考えられます。
フリーランス情報サイトによれば、2022年8月時点での機械学習エンジニアの平均年収は約903万円となっており、AIエンジニアの平均年収約770万円と大きく乖離していません。
また、機械学習エンジニアの月額単価は
- 平均75.3万円
- 中央値80万円
- 最高200万円
- 最低20万円
となっています。
AIエンジニアと比較すると、平均単価は機械学習エンジニアの方が高いものの、最高単価はAIエンジニアの方が上回っています。
つまり、AIエンジニアは高収入を望める一方で、機械学習エンジニアは安定した収入が期待できるといえるでしょう。
機械学習エンジニアは、主にAIの精度向上のためのデータ作成を担う職種です。
AIに関連する仕事であることから、広義ではAIエンジニアの一種と位置付けられます。
企業においても両者が混同されがちであり、そのため年収に大きな開きはないと考えられます。
AIエンジニアのリモートワーク求人・案件獲得方法
AIエンジニアとしてリモート勤務の仕事を見つけるには、さまざまな選択肢があります。
- フリーランス仲介サービスやクラウドソーシングプラットフォームを利用することで、初心者でも比較的簡単に案件を獲得できます。
- 経験を積み重ねながら、自身のネットワークを活用して直接依頼を受けるようになれば、安定した収入源を確保できるでしょう。
- SNSやコンテストなども有効な手段となり得ます。
様々なアプローチを組み合わせながら、自分に合った方法を見つけていくことが重要です。
フリーランスエージェントの活用メリット
フリーランスの方々にとって、専門のエージェントを活用することは、個人で営業を行うよりも安定した仕事の確保につながります。エージェントは、フリーランスが企業から案件を受注できるよう仲介する役割を担っています。企業との折衝や事務作業をエージェントが代行してくれるため、フリーランスは本来の業務に専念できます。また、案件が一時的に途切れた際も、エージェントを通じて新たな案件を紹介してもらえるため、継続的な収入を得やすくなります。
ただし、エージェントへの手数料が発生するため、直接営業した場合と比べて報酬額は減少します。案件の単価が高ければ問題ありませんが、低単価の場合は直接営業したほうが有利かもしれません。
クラウドソーシングサービスを活用したフリーランス案件獲得
フリーランスとして仕事を獲得する有効な方法の一つに、クラウドソーシングサービスの活用があります。
このサービスでは、企業の求人案件が紹介されるため、直接営業するよりも受注がしやすくなります。
- 大手のサービスなら豊富な案件が用意されており、専門分野に特化したサービスでは、ニッチな案件を見つけられます。
- 在宅案件も多数あり、リモートワークに適しています。
ただし、
- 交渉のサポートはなく、自身のスキルや実績をアピールする必要があります。
- サービスによっては紹介案件が限られるため、好条件の案件を獲得するには工夫が求められます。
SNSを活用したフリーランス営業のポイント
フリーランスの営業活動においてSNSを活用することで、新規クライアントから効率的に案件を獲得できる可能性が高まります。
SNS活用時の重要ポイントは、フォロワー数の増加です。
フォロワーが多ければ、新規案件獲得のチャンスも広がります。
フォロワー獲得には、以下が不可欠です。
- 自身の実績やスキルを積極的にアピールし続けること
- プロフィール欄に連絡先を記載すれば、関心を持ったクライアントからの依頼がスムーズになる
投稿のタイミングも重要で、
昼休み時間 | 業務終了後 | 在宅時間帯 |
など、多くの人が閲覧する時間帯を意識した情報発信が効果的です。
データサイエンティストの副業
企業からの直接的な求人や案件以外にも、データ分析の競技会やコンテストに参加して賞金を獲得する方法があります。これらのイベントでは、企業や政府機関が提示した課題に対し、最も高い精度の解析モデルを提出した参加者に報酬が支払われます。課題の出題元は、
- メルカリ
- 米国国土安全保障省
など多岐にわたります。参加費は無料なので、難易度の高い課題にも気軽にチャレンジできるのがメリットです。このような競技会のプラットフォームとして代表的なのがKaggleですが、英語サイトのため敷居が高い印象を受けるかもしれません。Kaggleに比べて機能は劣りますが、日本語対応のSIGNATEも選択肢の一つとなります。
AIエンジニアがリモートワーク求人・案件で要求されやすいスキル
AIエンジニアとしてリモートワークに従事するには、高度な専門知識と継続的な学習姿勢が求められます。
- コーディングやデータ解析、機械学習・深層学習の理解が不可欠です。
- 加えて、コミュニケーション能力も重要視されます。
AI分野は急速に進化しているため、最新動向を常に把握し、スキルアップに努める姿勢が肝心です。
フリーランスとして活躍するには、これらの要件を満たす実力を身につける必要があります。
AIエンジニアに必須のPythonとその周辺知識
AIエンジニアの仕事には、開発作業が伴うため、プログラミングに関する知識と技能が不可欠です。
主に使用される言語はPythonで、機械学習やディープラーニングの多くの機能がこの言語のライブラリとして提供されています。
したがって、Pythonの理解を深めることが重要です。
さらに、
- Numpy
- PyTorch
などのライブラリやフレームワークの習得により、効率的なプログラミングが可能になります。
また、求人によっては
C言語 |
C++ |
の知識が求められる場合もあり、これらのスキルを身に付けておけば、活躍の場が広がるでしょう。
機械学習と深層学習の重要性
人工知能エンジニアにとって、機械学習の知識は基礎中の基礎と言えるでしょう。
しかし、近年ではディープラーニングの活用も不可欠となってきました。
AIの精度は機械学習やディープラーニングの技術力に左右されるため、エンジニアの腕の見せ所と言えます。
ディープラーニングは機械学習を発展させた手法ですが、案件によっては機械学習の方が適している場合もあります。
したがって、
- 両者の仕組みやメリット・デメリットを熟知し、最適な提案ができるよう心がける必要があります。
機械学習におけるデータ解析の重要性
人工知能の分野において、線形代数や統計学などの数学的知識は不可欠な要素となります。
AIエンジニアは、収集したデータを解析するために、確率論や微分積分学などの高度な数学力が求められます。
統計的手法を用いることで、学習モデルの変動を予測することが可能になり、数学的知識があれば、扱うデータの負荷を軽減することができます。
数学的素養を身につけておけば、AIの開発だけでなく、データの活用においても幅広く活躍できる可能性があります。
AIエンジニアのためのコミュニケーションスキル
フリーランスのAIエンジニアにとって、円滑な意思疎通は不可欠な能力です。
プロフェッショナルとして活躍するには、適切なコミュニケーション力が前提とされています。
リモート環境においても、チャットやWeb会議システムを介して情報のやり取りが行われるため、スムーズな対話力が求められます。
効果的なコミュニケーションを実現するには、以下が重要となります。
- 目的の明確化
- 結論先行の発言
- 論点の明示
- 聞き手に配慮した話し方
- 相手の立場への理解
たとえ技術力に長けていても、コミュニケーション能力が低ければ仕事を獲得することは難しくなります。
そのため、意識的にスキルアップに取り組むことが肝心です。
リモートワーク求人・案件に参画する際の注意点
リモートワークに従事する際には、いくつかの留意事項があります。
まず、評価基準は成果物のみとなるため、作業時間ではなく結果が重視されます。
また、長時間労働になりがちです。
さらに、情報漏洩のリスクも存在します。
リモートワークは柔軟な働き方を実現しますが、同時に課題もあります。
しかし、これらの点に気をつければ、自由度の高い働き方のメリットを最大限に活かすことができるでしょう。
それぞれの留意点について、より詳しく説明します。
- 評価基準は成果物のみ
- 長時間労働のリスク
- 情報漏洩のリスク
リモートワークにおける評価と進捗報告の重要性
リモートワークでは、作業過程よりも最終的な成果物が重視されます。
クライアントは作業の経緯を把握できないため、提出された結果のみで判断せざるを得ません。
トラブルが発生した場合も、成果物だけが評価の対象となります。
そのため、進捗状況を適宜報告することが肝心です。
- チャットやWeb会議ツールを活用し、定期的に進捗を共有すれば、クライアントの信頼を得られるでしょう。
リモートワークの長時間労働に注意
在宅勤務では、成果物のみが評価対象となるため、長時間労働に陥りがちです。
この問題を回避するには、
- 事前に週単位や日単位で達成目標を設定し、
- 納期から逆算して計画を立てること
が重要です。
労働時間を決めておけば、仕事とプライベートの境界線が明確になり、メリハリのある働き方ができるでしょう。
さらに、
- クライアントと勤務時間を共有することで、連絡の適切な時間が分かり、
- 進捗報告を通じて計画立案が容易になります。
リモートワークにおける情報セキュリティ対策
リモートワークでは自由な労働形態が可能な一方で、常に情報漏えいの危険性に晒されています。
そのため、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
万が一、クライアントの情報を漏らしてしまった場合、
- 相手方に損害を与えるだけでなく、
- 最悪の事態では賠償請求を受ける可能性もあります。
取り扱う案件が大きければ大きいほど、扱う情報の価値は高まるため、徹底したセキュリティ対策が求められます。
具体的な対策としては、
- データの暗号化
- 暗号化されたWi-Fiの利用
- セキュリティソフトの導入
などが考えられます。
外出時には、端末の盗難や情報漏えいに注意を払う必要もあります。
適切なセキュリティ対策を怠ることなく、慎重に対処すれば、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。
まとめ
AIエンジニアの需要は高まっており、将来性が期待できます。
AIの技術進歩に伴い、リモートワークの機会も増えています。
自由に働きながら収入を得られる可能性があります。
- ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用すれば、リモートワークという働き方に挑戦できます。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。