ストレージエンジニアの仕事内容とは?

ストレージの管理を主な業務とするストレージエンジニアは、インフラエンジニアの一種です。
ストレージエンジニアがいなければ、必要なデータへの効率的なアクセスや入出力が困難になります。
現代のビジネス環境においてITインフラにストレージは不可欠であり、ストレージエンジニアの仕事が将来的に無くなることは考えにくいでしょう。
本稿では、ストレージエンジニアの概要を押さえた上で、その仕事内容や求められるスキルなどについて説明していきます。

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ストレージエンジニアとは?

ストレージエンジニアとは?

ストレージ管理に特化した専門家を指すのがストレージエンジニアです。この役割について、次の2点から説明を加えましょう。

  • ストレージエンジニアの概念
  • ストレージエンジニアが求められる背景

ストレージエンジニアの定義

データを保存するための機器がストレージです。
ストレージの運用と管理に特化した技術者がストレージエンジニアと呼ばれます。
システムの稼働やWebサイトの公開には、インフラストラクチャの整備が欠かせません。
その中でストレージエンジニアは、

  • ストレージの運用管理を担当します。

ストレージエンジニアが必要な理由

組織が取り扱う情報の量は、個人が扱うものよりも膨大であることが一般的です。
企業は経営や業務に関わる重要な情報を安全に保管し、必要に応じてアクセスできるよう管理しなければなりません。
近年、不正アクセスの手口が巧妙化しているため、機密情報を保護することが不可欠となっています。
ストレージエンジニアには、以下が求められます。

  • 大量の重要データを適切に管理し、必要に応じてデータを利用可能な状態に維持すること
  • 不正アクセスや情報漏洩から情報資産を守ること

ストレージエンジニアの仕事内容

ストレージエンジニアの仕事内容

ストレージに関する技術者は、IT基盤におけるデータ保存領域を担当する専門家です。
この役割は、ストレージに関連する幅広い任務を引き受けます。
ストレージ技術者の主要な職務は以下の5点に要約できます。

  • ストレージシステムの企画
  • 構築
  • ストレージ環境の運用・メンテナンス
  • 性能向上とトラブル対処
  • データ保護とセキュリティ対策
  • プロジェクト管理と情報共有

ストレージシステムの設計・構築

ストレージ環境の企画・設置作業は、ストレージエンジニアの主要な職務です。

  • システムから要求される容量や拡張性などの条件を満たすよう、適切な機器の選定・発注を行い、納品後は構築作業に移ります。

ストレージ環境の企画・設置においては、容量と性能の検討が特に重要視されます。

  • 加えて、バックアップ機能やデータ削減機能の有無についても検討する必要があります。

さらに、

サーバー ネットワーク ストレージ

といった分野では、新製品が次々と登場しています。
ストレージ環境の企画・設置作業では、こうした新技術の動向も考慮に入れることが求められます。

ストレージ環境の運用・保守

ストレージ環境の適切な運用と維持管理は、ストレージエンジニアにとって極めて重要な職務責任となっています。
現代社会においては、IT技術の浸透により、重要な情報資産がストレージ上で管理されるようになったため、ストレージ環境を問題なく運用し、データを適切に保守することの重要性が高まっています。
エンジニアという職種に対しては、新規システムの開発を行う印象を持たれがちですが、ストレージエンジニアの主な役割は、新しいものを生み出すというよりも、既存のストレージ環境を運用・維持管理することにあります。
ストレージエンジニアが日々ストレージ環境の運用と保守に従事しているおかげで、私たちは貴重なデータをストレージに安心して保管することができるのです。

パフォーマンス改善とトラブルシューティング

ストレージの性能向上や障害発生時の改善対応を担うのがストレージエンジニアの役割です。
トラブル発生時には、全体像を把握することが重要となります。
クライアント企業から状況や症状の報告を受けた際は、問題の特定に努めることになります。
おおよその問題把握ができれば、次は原因究明に移行します。
ストレージエンジニアには、以下の能力が求められます。

  • 問題の再現力
  • 仮説立案力
  • 問題解決能力

データ保護とセキュリティ対策

ストレージデバイスには機密データを守るための暗号化やアクセス制御などの保護機能が備わっています。
しかし、これらの機能があったとしても、他のシステムから不正アクセスされた場合は情報漏洩を防げません。
そのため、ストレージ製品の機能のみに頼るのではなく、全体的なセキュリティ対策が必要不可欠です。
企業の重要情報が多数保管されているストレージでは、データを確実に守る対策が求められます。

プロジェクト管理とコミュニケーション

長年ストレージ分野で従事すると、プロジェクトの指揮を執ることもあるでしょう。プロジェクトの成功には適切な運営が不可欠で、具体的には

  • 顧客との折衝や要求事項の把握
  • チームメンバーの選抜
  • 作業スケジューリング
  • 予算編成

などが含まれます。
また、他の技術者と同様に、ストレージエンジニアも役職に関わらず、顧客や社内関係者と頻繁に対話する機会があります。

ストレージエンジニアに求められるスキル

ストレージエンジニアに求められるスキル

ストレージに関する専門家であるストレージエンジニアには、単なる技術的知見だけでなく、他者との円滑な協調関係を築く能力も求められます。
ストレージエンジニアに必要とされる主要な資質は以下の通りです。

  • ハードウェアとソフトウェアに関する幅広い知識
  • ネットワークとセキュリティの技術力
  • ストレージ仮想化の理解
  • クラウドストレージとデータ管理の習熟
  • コミュニケーション能力と協調性

ハードウェアとソフトウェアの知識

コンピューティングデバイスを扱う職種においては、ハードウェアとソフトウェアに関する理解が不可欠です。
ハードウェアには

  • 本体
  • 入力デバイス
  • 記憶装置

などが含まれます。
一方、ソフトウェアは

  • コンピュータを制御するオペレーティングシステム
  • 特定の目的のために設計されたアプリケーション

から構成されています。
ストレージ分野で活躍するためには、これらのハードウェアとソフトウェアの知見に加え、適切な操作能力を備えることが基礎的な要件と言えるでしょう。

ネットワーク技術とセキュリティ

ネットワーク接続型のストレージデバイスであるNASが、多くの環境で活用されています。
NASは、サーバ間でネットワーク帯域を共有できるため、効率的な利用が可能です。
しかし、十分なパフォーマンスを発揮できるかどうかは、ネットワーク設計次第です。

  • サーバへの高速な接続を実現するための検討が不可欠です。

加えて、運用面でのセキュリティ対策も重要な課題です。

  • 情報漏洩やサイバー攻撃のリスクから守るため、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

ストレージ仮想化技術

ストレージ資源の統合と抽象化を行う技術がストレージ仮想化です。この手法では、分散したストレージデバイスを1つの論理的なデータ保管領域として扱えるようになります。
アプリケーションからは内蔵ディスクと同様に認識され、生成データはこの仮想ストレージプールに格納されます。
管理者は柔軟な容量調整が可能となり、ストレージリソースの無駄を最小限に抑えながら有効活用できます。
ストレージ仮想化の導入によって、以下のメリットが期待できます。

  • ストレージ利用効率の向上
  • 省電力化
  • 運用負荷の軽減

クラウドストレージとデータマネジメント

ネットワーク上に構築されたストレージ領域をクラウドストレージと呼びます。
この仮想的な保管スペースにユーザーはオンラインでアクセスし、ファイル操作を実施することができます。
近年、企業は重要情報をクラウドストレージに集約し、データ損失リスクの低減に取り組んでいます。
ストレージエンジニアは、クラウドストレージの安定運用を担い、利用者が円滑に活用できる環境を整備する役割を担っています。
適切なデータ管理によって、

  • 必要な情報へのアクセシビリティが向上し、業務効率化や労働時間の削減につながります。
  • さらに、データ管理を適度に行うことで、セキュリティ対策を強化することも可能です。

コミュニケーション能力と協調性

エンジニアは技術職であるため、他者とのコミュニケーションが少ないと考えられがちですが、実際にはストレージエンジニアを含むエンジニアには多くの対話の機会があります。

  • クライアントに対して課題や問題を把握したり、トラブルの原因を説明したりする場面があります。
  • チームプロジェクトでは、作業の進捗状況や課題を共有しながら業務を遂行する必要があります。

ストレージエンジニアには、状況を分かりやすく伝えたり、相手の悩みを汲み取ったりする能力が求められています。
多くの職種で重視されているように、周囲と円滑に仕事を進められる程度の協調性も重要な要素となります。

まとめ

まとめ

近年、リモートワークやデジタルトランスフォーメーションの進展により、重要なデータをストレージ上で管理する企業が増加しています。
ストレージの運用・保守を担うストレージエンジニアは、企業の貴重なデータの管理に関わる重要な役割を果たしているといえます。
ストレージエンジニアの業務は多岐にわたり、

  • ストレージシステムの設計・構築
  • ストレージ環境の運用・保守
  • パフォーマンス向上とトラブルシューティング
  • データ保護とセキュリティ対策
  • クライアントとのコミュニケーション

などが含まれます。
ストレージエンジニアとして活躍するには、幅広い経験と知識が求められます。
大変な面もありますが、やりがいがあり、将来性も期待できる職業です。

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本記事が皆様のお役に立てば幸いです。