印鑑を使うケース例や種類、作成時の注意点を解説!

自営業者として活動する際、印影に関する疑問が浮かんだことはありませんか。

  • 個人事業を始めるにあたり、専用の印鑑が必要かどうか。
  • 百円ショップや文具店で販売されている印鑑を業務で使用しても問題ないか。
  • 個人事業主でも電子印鑑を利用できるのか。

本稿では、これから自営業を目指す方や、印鑑の必要性に疑問を抱えている方向けに、自営業者に求められる印鑑の種類と用途について詳しく解説します。

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印鑑の種類

印鑑の種類

個人事業主や企業が業務で利用する印章には、複数の種類が存在します。
それぞれの印章の目的と使用場面について、順を追って説明していきます。

  • 代表者印
目的 会社を代表して重要な契約書等に押印する
使用場面 取引先との契約書、重要な書類への押印
  • 角印
目的 社内の伝票や書類に押印する
使用場面 社内の各種申請書、伝票への押印
  • 銀行印
目的 金融機関での印鑑登録用
使用場面 銀行の印鑑登録、重要な金融関係書類への押印

このように、業務で使用する印章は目的や使用場面によって使い分けが必要です。

角印の役割と選び方

フリーランスや企業が日常業務で使う印鑑が角印です。
納品書や請求書などに押印するため、最も頻繁に使われる印鑑と言えます。
印面には通常、会社名のみが記載されます。
個人事業主の場合は屋号が刻印されます。
サイズは丸印よりも大きめです。

  • 屋号にカタカナや英語を使っている場合、文字数が多くなるので、24mm程度の大きな角印を選ぶのが賢明です。

銀行印の重要性と作成方法

金融機関で口座を開設する際に登録する印鑑が銀行印です。この印鑑は、窓口での出金や口座振替の支払い手続きなどに利用されます。
資産管理において実印に次ぐ重要な印鑑ですので、適切な管理が求められます。
フリーランスや法人が銀行印を作成する場合、

  • 外周に社名や屋号、内側に「銀行之印」の文字を刻印します。
  • 屋号を持たないフリーランスは、苗字または名前のいずれかを刻印します。
  • 印面への記載は縦書きか横右が一般的です。

近年、銀行印の届出が不要な金融機関も増加しています。

認印とシャチハタの違いと使い分け

実印や銀行印以外の印鑑を認印と呼びます。つまり、届け出をしていない印鑑は全て認印に該当します。
認印は日常的に使用する個人の印鑑であり、通常は個人名、特に苗字を使用します。
安価な出来合いの印鑑も認印に含まれ、別名「三文判」と呼ばれています。
ただし、出来合いの印鑑は印影流出のリスクがあるため、銀行印としての登録はあまり推奨されません。

一方、認印に似た用途でシャチハタと呼ばれるスタンプ式のハンコが使われることがあります。
シャチハタはインクを補充して使う

  • 「浸透印」
  • 「ネーム印」

のことで、印鑑とは区別されます。
シャチハタは

  • 宅配便の受け取り
  • 回覧書類への押印

など、一部の場面で使用可能です。
ただし、

  • 市町村の手続き
  • 保険手続き
  • 郵便物の転送

などでは認印が必要となります。

企業の代表社印「丸印」について

企業の正式な代表印は、法的拘束力を持つ重要な印鑑です。会社設立時に法務局に登録され、重大な契約や株式発行、代表者変更など、企業の存在を証明する場面で使用されます。
サイズは通常18~21mmの正方形で、外周に社名、中心に役職名が刻印されています。
個人事業主の場合は、屋号印や個人実印がこの役割を担います。

丸印と角印の違い

事業で活用される印影には、丸形と角形の2種類があり、その役割と重要度は異なります。

  • 丸形の印影は、企業の代表者名を内外に記した実印として機能し、契約書や官公庁提出書類など重要文書に押されます。
  • 一方、角形の印影は社名のみを刻んだ認印で、納品書や請求書などの一般文書に使用されます。

印影のサイズは、

  • 丸形が18~21mm程度
  • 角形が21~24mm程度が一般的です。

個人事業主の場合、実印と認印の使い分けは任意ですが、用途に応じて適切に活用することが賢明でしょう。

フリーランス(個人事業主)が印鑑を必要とするのはどんなとき?

フリーランス(個人事業主)が印鑑を必要とするのはどんなとき?

個人事業主としての活動において、印鑑が求められる状況は様々です。それぞれの場面に応じて、印鑑の必要性を確認することが重要です。

  • 契約書や重要書類への捺印時には、法的な効力を持つため、印鑑が不可欠となります。
  • また、金融機関での手続きや公的機関への申請においても、本人確認の手段として印鑑が要求されることがあります。

一方で、オンラインでの取引や電子署名が可能な場合は、印鑑を使用する必要がない場合もあります。
状況に応じて適切に対応することが肝心です。

フリーランス(個人事業主)の実印の重要性

個人事業主として重要な契約を締結する際には、印影を必要とする場面があります。押印に使用するのは、個人の実印または屋号の印鑑となります。
個人事業主にとって、重要な契約と見なされる場合としては、

  • 不動産の賃借
  • ローンやリースの組成
  • 社用車の購入

などが挙げられます。
また、公正証書の作成や法人設立の際にも、実印の使用が求められます。基本的に、高額な取引を伴う場合に実印を押すことになるでしょう。
個人の財産や権利を守る上で、実印は極めて重要な役割を担っています。日常的に使用することはなく、厳重な管理が求められます。実際に押印する際は、対象文書の内容を確実に確認する必要があります。

フリーランス(個人事業主)の認印使用について

個人事業主として業務を行う際、契約書や各種書類への押印が求められる場面が多々あります。

  • 開業届の提出
  • 確定申告
  • 取引先との契約締結
  • 見積書や請求書の発行

など、様々な場面で認印の使用が必要となります。
押印は契約への同意を示すものであり、個人事業主にとっては会社員以上に重い責任が伴います。
安易な印鑑の使用はトラブルの原因にもなりかねません。
そのため、認印の取り扱いには十分な注意を払う必要があります。
一方で、郵便物の受け取りなどでは、シャチハタの使用が推奨されます。
個人事業主として適切な印鑑の管理と使用を心がける必要があります。

フリーランスの銀行印

フリーランスや個人事業主が金融機関と取引を行う際、銀行印の使用が求められる場面があります。
具体的には、

  • 事業用の銀行口座開設時
  • 融資を受ける際
  • 口座振替や引き落としでの支払い時

などです。
実印と銀行印を兼用することは可能ですが、紛失や盗難、印影流出のリスクを考えると、それぞれ別の印鑑を用意するのが賢明です。
同様に、銀行印と認印を兼用することも推奨されません。

フリーランス(個人事業主)が印鑑を作成する際のポイント

フリーランス(個人事業主)が印鑑を作成する際のポイント

個人事業を始める際、印影の準備は重要な手続きです。適切な印鑑を用意するためのヒントをお伝えしましょう。

  • まず、事業の性質に合わせて印鑑の種類を選びましょう。
  • 次に、デザインや文字体裁を決めます。
  • 使用目的に応じた印鑑サイズも検討が必要です。
  • さらに、高品質な素材を使用することで、長期間の使用に耐えられます。

印鑑作成には一定の費用がかかりますが、事業活動において印鑑は必須のアイテムです。慎重に選んでみてはいかがでしょうか。

フリーランス(個人事業主)の印鑑と屋号印

フリーランス(個人事業主)は法人ではないため、事業を行う際に印鑑登録は不要です。
業務上、実印の提出を求められた場合は、個人の実印と印鑑証明書を提出します。
つまり、フリーランス(個人事業主)は専用の実印を作成する必要がなく、個人の印鑑で業務上の認印として使用できます。

ただし、

  • 事業用とプライベート用の印鑑を分けたい場合
  • フリーランス(個人事業主)としての業務拡大を目指している場合

は、「屋号印」を作成するとビジネス上有利です。

屋号印は、法人の丸印に相当する印鑑で、フリーランス(個人事業主)の業務用実印として使われます。
印面は丸印とほぼ同じ構成で、

  • 屋号が外枠に
  • 「代表之印」などが内側に刻印されています

屋号印を使用することで、しっかりとした事業体として認識されるため、取引先に安心感を与えることができます。
屋号印を作成する際は、認印用の角印も合わせて作成するのがよいでしょう。

印鑑の経費計上について

フリーランスや個人事業主が業務で利用する印鑑は、全額を経費として計上することができます。
勘定科目としては「消耗品費」に計上し、購入時に経費処理します。
文房具やノートなどを「事務用品費」として計上している場合は、印鑑もその科目に含めて構いません。
印鑑の種類は問わず、業務で使用するのであれば、どの種類でも経費計上の対象となります。
一方、私的な用途の印鑑については経費計上の対象外です。
業務と私的な用途で併用する場合は、使用頻度に応じて按分する必要があります。

フリーランス(個人事業主)には電子印鑑もおすすめ

フリーランス(個人事業主)には電子印鑑もおすすめ

個人で事業を営む方にとって、電子署名は有用なツールとなります。
電子署名とは、電子文書に直接押印するための画像またはデータ化された印影のことです。
テレワークやリモートワークの普及に伴い、ビジネスツールとして浸透しつつあります。
個人事業主が電子署名を活用する際の長所と短所を、それぞれ説明いたします。

長所 短所
  • 押印作業が簡単になる
  • 移動中でも署名が可能
  • 紙の印鑑が不要になる
  • セキュリティ対策が必要
  • 電子署名の法的効力に不安
  • 導入コストがかかる

フリーランスの業務効率化に電子印鑑

フリーランスや個人事業主の業務では、書類の印刷や押印が煩雑な作業となることがあります。

  • 請求書の発行時に印刷と押印が必要になったり、守秘義務契約書を印刷して郵送しなければならない場合もあります。

このような手間を省くには、電子印鑑の活用が有効です。

  • パソコン上で作成した文書に直接押印でき、メールで送信できるため、印刷の手間が省けます。
  • さらに、電子署名技術により改ざんの有無や変更履歴が記録されるので、セキュリティ面での不安もありません。

電子証明書を取得すれば、実印と同等の法的効力を持つ電子印鑑を作成することもできます。

フリーランス(個人事業主)の電子印鑑導入時の注意点

フリーランス(個人事業主)が電子印鑑を活用する際には、クライアント企業の承認が必要となる点に留意が必要です。
働き方改革の影響で電子印鑑の普及は進んでいるものの、中小企業を中心に未だ導入に慎重な企業も存在します。
また、軽微な書類であれば電子印鑑の使用を容認しつつも、重要書類については従来の実印を求める企業もあります。
セキュリティ面で信頼性の高い電子印鑑サービスは有料が一般的であり、フリーランスにとっては一定のコストが発生します。
主要なクライアントで電子印鑑が使えなければ、導入の意味がなくなってしまいます。
フリーランス(個人事業主)として電子印鑑の導入を検討する際は、事前にクライアント企業への確認が不可欠となります。

まとめ

まとめ

フリーランス(個人事業主)の方々に向けて、印鑑の種類と用途について説明します。
フリーランスとして働く際、専用の印鑑は必須ではありませんが、事業拡大や法人化を見据えている場合は、事業用の印鑑を作成しておくと便利です。
自分だけの印鑑を持つことで、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
事業が本格化した際には、オリジナルの印鑑を作成するのがおすすめです。

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本記事が皆様の参考になれば幸いです。