デザイン思考（デザインシンキング）の概要や重要性、実現プロセスなど解説！

2024年6月15日

デザイン思考は、企業が直面する課題や問題を解決するためにデザイナーの創造的なアプローチを活用する手法です。
この記事では、以下について詳しく説明します。

デザイン思考の概要
重要性
長所と短所
実践プロセス
参考図書
関連フレームワーク

プロダクトマネージャー、プロダクトオーナー、ITエンジニア、フリーランスの方々にとって有益な情報が含まれています。

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1 デザイン思考（デザインシンキング）とは？
2 デザイン思考（デザインシンキング）の重要性
3 デザイン思考（デザインシンキング）のメリット
4 デザイン思考（デザインシンキング）のデメリット
- 4.1 デザイン思考の限界と人材の重要性
- 4.2 デザイン思考のチームメンバー選定の難しさ
5 デザイン思考（デザインシンキング）の5段階プロセス
6 デザイン思考（デザインシンキング）の導入に役立つ書籍
7 デザイン思考（デザインシンキング）に関連したフレームワーク
8 まとめ

デザイン思考（デザインシンキング）とは？

問題やチャレンジに対処するためのアプローチとして、デザイナーの創造的プロセスを活用する概念がデザイン思考です。
ユーザー中心の視点から新鮮なアイディアや革新的な発想、独創的な考え方を生み出すことに焦点が当てられています。

デザイン思考（デザインシンキング）の重要性

テクノロジーの急速な進歩に伴い、様々な産業で新製品、新サービス、新ビジネスモデルが次々と登場しています。
この変革の波に乗り遅れないよう、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略を推進しています。
DXとは、

進化し続ける技術を人々の生活に取り入れ
ビジネスの在り方そのものを抜本的に変革していくこと

を指します。

この変化の渦中で、デザイン思考は常に変化するユーザーニーズを捉え、前例のない課題解決につながる有力な手法として注目されています。
デザイン思考をビジネスや経営に活用することで、

市場のニーズを的確に把握し
競争力の強化や顧客の共感を得るブランディングが期待できる

ためです。

デザイン思考（デザインシンキング）のメリット

デザイン思考のプラスとなる側面を4つご紹介いたします。

革新的なアイデアを生み出すことができ、ユーザーの本当のニーズに応えられます。
チームのコミュニケーションが活性化し、様々な視点から物事を捉えられるようになります。
試行錯誤を重ねながら段階的に改善を重ねていくため、失敗を恐れずにチャレンジできる環境が生まれます。

社員参加型の戦略立案

企業の多くは、上層部が策定した計画を現場の従業員が実行するという従来の業務プロセスを採用しています。しかし、デザイン思考では階層や役職に関係なく、社員全員がひとつのチームとして活動するため、チームワークの向上や社員のやる気の高まりが見込まれます。

ユーザー中心のデザイン思考

ユーザー主導のアプローチであるデザイン思考は、従来の市場重視型とは異なる発想です。
デザイン思考を活用し、ユーザーの潜在的な欲求を掘り下げることで、真のニーズに応える製品開発が可能となります。
こうした製品がヒットすれば、企業の収益向上にもつながるでしょう。

デザイン思考の実践

デザイン思考においては、複数のメンバーが意見を交わしながら、「まずは実践してみる」という姿勢が重視されています。
チームでこのアプローチを採用することで、以下のメリットがあります。

多様な視点を取り入れることができる
新たな発想の幅を広げることができる
さまざまなアイデアを提案する習慣が身につきやすい
新規事業の成功確率も高まる可能性がある

デザイン思考（デザインシンキング）のデメリット

デザイン思考には、いくつかの欠点が存在します。ここでは、その2つの側面について言及したいと思います。

デザイン思考は、時間とリソースを大量に消費する可能性があります。この手法は、反復的なプロセスを伴うため、プロジェクトの完了に長期間を要することがあります。また、多くのステークホルダーを巻き込む必要があり、コストがかさむ場合もあります。

さらに、デザイン思考は、革新的なアイデアを生み出すことを目的としていますが、実際には既存の概念に基づいた漸進的な改善に終わってしまう可能性もあります。新しいコンセプトを生み出すことは容易ではなく、思考プロセスが制限されてしまう可能性があります。

デザイン思考の限界と人材の重要性

製品・サービスの革新的なアイデア創出には、デザイン思考のアプローチだけでは不十分です。
ユーザー調査を通じて潜在的な課題を発見できたとしても、斬新なアイデアを生み出す感性豊かなメンバーがチームに不在では、アイデアを具現化することは困難です。
そのため、デザイン思考を活用した商品開発を行う際は、チームメンバーの選定に注力する必要があります。

デザイン思考のチームメンバー選定の難しさ

デザイン思考を実践する際、チームメンバーの選定は重要な課題となります。
階層構造が強固な組織では、若手が上司の意見に従属しがちで、自由な発言が阻害されてしまいます。
また、固定観念に捉われた人材が集まると、斬新なアイデアが生まれにくく、平凡な案に終始する恐れがあります。
多様な視点を持ち、上下関係に捉われずに柔軟に議論できる人材を選出することが求められます。

デザイン思考（デザインシンキング）の5段階プロセス

この記事では、デザイン思考の5つのステップを紹介します。デザイン思考を実践する際の指針としてご活用ください。
プロセスを開始する前に、ユーザーの代表的なプロファイルを作成することが重要です。これにより、デザイン思考をより効果的に行えるようになります。

エンパサイズ
問題の定義
アイデア発想
プロトタイプ作成
テスト

ステップ	内容
エンパサイズ	ユーザーの立場に立ち、ユーザーの気持ちを理解する
問題の定義	ユーザーの本当の問題を明らかにする
アイデア発想	問題解決のためのアイデアを出し合う
プロトタイプ作成	アイデアを具体化し、試作品を作る
テスト	ユーザーにプロトタイプを使ってもらい、フィードバックを得る

ペルソナ体験を通じた商品改善

ユーザーの要求や問題点を把握するには、実際にユーザーが製品を活用する場面を観察したり、自らも同様の経験をすることで、ユーザーの立場に立つことが重要です。
ユーザーがどのように製品を利用し、その使用感がどうなのかを理解した上で、改善の余地を探っていきましょう。

商品改善のための課題設定

製品の改善領域が明確になったら、実際に取り組むべき課題を特定し、ユーザーのニーズを検討しましょう。
ユーザー自身も気づいていない課題を設定することが望ましいでしょう。

アイデアの量産

ここで、設定された問題に対する解決策やアプローチ方法を検討しましょう。
重要なのは、質よりも量を重視することです。

制約を設けずに、思いつく限りのアイデアを試してみることが望ましいでしょう。

アイデアの具現化

様々な発想を基に、製品の試作モデルを制作しましょう。
試作の段階では、時間や費用を多く費やす必要はありません。
重要なのは、この段階でも質よりも数に重きを置くことです。

試作品の検証と改善

試作品が完成したら、実際のユーザーに使ってもらい、フィードバックを収集しましょう。
収集した意見を分析し、当初設定した課題が解決できたかを評価します。
改善の余地があれば、プロセスを最初から見直す必要があります。

デザイン思考（デザインシンキング）の導入に役立つ書籍

デザイン思考の実践に役立つ書籍を3冊ご紹介いたします。デザイン思考は革新的なアイデアを生み出すための効果的な手法として注目されています。

各書籍の内容は異なりますが、いずれも創造性を高め、新しい視点を得るのに有益な情報が詰まっています。
デザイン思考の基礎知識から具体的な活用方法まで、幅広くカバーされているので、初心者から上級者まで役立つでしょう。

デザイン思考入門

この書籍は、デザイン思考の発祥地であるスタンフォード大学出身の著者が、日本人向けに執筆した作品です。デザイン思考の必要性や実践方法について、著者自身が大学で学んだノウハウをベースに解説しています。

基礎からデザイン思考のプロセスを学べ、シンプルなツールキットを使って実践できるため、初心者でも実践力を身につけやすい一冊と言えます。

身近なテーマの事例を参考にしたい初心者や、簡易的なツールキットの活用法、ファシリテーションのポイントを知りたい人におすすめです。

デザイン思考入門書

デザイン思考の概念と手法を包括的に解説した一冊が、2021年に静岡文化芸術大学の伊豆裕一教授によって出版されました。
この書籍では、デザイン思考の思考プロセス、実践的なツール、具体的な活用方法などが詳しく記されています。
入門書としてバランスの取れた構成となっており、デザイン思考を体系的に学ぶのに適した書籍と言えるでしょう。