ある調査によると、IT業界の求職者の約83.4%がリモートワークを経験したことがあると回答しています。
IT業界ではリモートワークとの親和性が高く、ネットワークエンジニアの職種も例外ではありません。
しかし、別の調査では、リモートワークを導入していない企業が55.8%に上ることが明らかになりました。
ネットワークエンジニアはリモートワークが可能なのでしょうか。
本稿では、ネットワークエンジニアとリモートワークの関係性について解説します。
また、
- リモートワーク求人の実態
- 求められるスキル
なども紹介しますので、ぜひご一読ください。
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ネットワークエンジニアはリモートワークできる?
ネットワーク技術者は遠隔勤務が可能な職種ですが、一部の分野では対面作業が必要となります。
コンピューターネットワークの設計、維持管理を担うネットワークエンジニアは、リモートワークという選択肢があります。
ネットワークエンジニアの主な業務は、以下の3つです。
- ネットワーク設計
- ネットワーク構築
- ネットワーク保守
設計では、依頼者の要望をヒアリングし、使用機器、回線、費用などを検討して設計を行います。
保守では、トラブル発生時に修理や設定変更を行い、運用をサポートします。
一方、構築業務は実際に機器を設置する作業が伴うため、遠隔作業は難しくなります。
設計と保守業務については、リモートワークが可能となっています。
ネットワークエンジニアのリモートワーク求人・案件実情
ネットワークエンジニアの中には、すでにリモートワークで業務に従事している方々がいます。
近年、このような働き方に対する需要が高まっており、リモートワークの求人・案件数が増加傾向にあります。
ここでは、ネットワークエンジニアのリモートワーク求人・案件の実情について説明します。
具体例として、ネットワーク設計構築のエンジニア求人・案件があります。
- 月額給与は65万円で、想定年収は780万円となっています。
- 精算基準時間は140〜200時間で、応募条件は日本国籍の55歳以下の方となっています。
- 業務内容は、
- 官公庁系の受注済大規模案件の支援業務
- 上位SIerのネットワークチームへの常駐
- 個別ネットワーク案件
- リモートワーク可能
冒頭で述べたように、ネットワークエンジニアはリモートワークに適した職種です。
そのため、ネットワークエンジニアの求人・案件には需要があり、受注が可能な状況にあります。
ネットワークエンジニアの求人・案件についてさらに詳しく知りたい方は、専門サイトをご覧ください。
ネットワークエンジニアの年収
ネットワークエンジニアがリモートで働くことは一般的ですが、収入面での不安もあるかもしれません。
ここでは、フリーランスのネットワークエンジニアの年収水準について説明します。
平均月額報酬は56.9万円で、年収換算すると682万円となります。
最低でも20万円(年収240万円)、中央値は55万円(年収660万円)、最高では170万円(年収2,040万円)と幅があります。
収入は個人の能力や経験によって異なりますが、リモートワークでも十分な収入が得られる可能性があることがわかります。
リモートワークでも年収ダウンなし
ネットワークエンジニアの職種において、勤務形態による報酬の差異を検証した結果、常駐勤務とリモートワークでは大きな開きがないことが判明しました。
具体的には、両者の単価が
- 55万円から75万円の範囲内で推移していました。
さらに、
- リモート勤務の方が高額な100万円を超える案件も存在しました。
一般的な認識とは異なり、ネットワークエンジニアの場合、勤務形態がリモートであっても年収が低下する可能性は極めて低いと言えます。
セキュリティエンジニアの年収とキャリアチェンジ
情報システムの安全性を確保するための専門家として、ネットワークの設計や運用、管理などを担うのがセキュリティエンジニアです。
ネットワークエンジニアの中には、収入アップを目指してセキュリティエンジニアへの転職を検討する人もいます。
しかし、実際にキャリアチェンジすれば年収が上がるのかどうかは疑問です。
ここでは、ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアの年収の違いを比較し、リモートワークの場合の単価差についても触れます。
収入の実態を示す統計データによると、
- 平均的にはセキュリティエンジニアの方が年収が高いものの、
- 高額案件の数はネットワークエンジニアの方が多いようです。
また、セキュリティエンジニアの常駐案件の相場単価は
とされています。
フリーランスでの年収差はこのようになっていますが、正社員エンジニアでも同様の傾向があると考えられます。
ネットワークエンジニアのリモートワーク求人・案件獲得方法
ネットワークエンジニアとして、遠隔勤務の職や案件を見つける方法がわからない人に役立つ情報です。
ここでは、ネットワークエンジニアが遠隔勤務の仕事を得るための推奨される3つの方法を説明します。
- フリーランス仲介サービスの利用
- クラウドソーシングプラットフォームの活用
- ソーシャルメディアの活用
それぞれの手段について詳しく解説しましょう。
フリーランスエージェントの活用とおすすめ6選
フリーランスで働く人と企業をつなぐ役割を果たすのがフリーランスエージェントです。
彼らは様々な支援サービスを提供し、両者の橋渡しを行います。
- 事務手続きの代行
- 営業活動のサポート
- 面接の補助
- キャリアカウンセリング
- スキルアップのためのセミナー開催
など、多岐にわたる業務を担っています。
フリーランスエージェントを活用すれば、ネットワークエンジニアとしてリモートで働きたい人は、希望に沿った案件を選ぶことができます。場合によっては、エージェント主導で案件を獲得してくれるサービスもあります。
利用には手数料がかかりますが、案件獲得の労力が軽減され、様々な支援が受けられるため、コストパフォーマンスは決して悪くありません。
ネットワークエンジニア向けのリモート案件を多数扱うおすすめのエージェントが6社あります。
案件を獲得したい方は、まずはそれらに登録してみるのがよいでしょう。
クラウドソーシングサービスの活用
クラウドソーシングは、仕事の発注者と労働者を効率的に結びつけるサービスです。フリーランスエージェントと類似点がありますが、クラウドソーシングでは人的サポートがない点が異なります。ネットワークエンジニアのリモートワーク案件も掲載されているため、このサービスを活用するのがお勧めです。
クラウドソーシングには、以下の2種類があります。
- 幅広い分野の案件を扱う統合型
- 特定分野に特化したジャンル型
どちらのタイプでも、リモートワーク案件を見つけられます。自分に合ったサービスを選んでください。ネットワークエンジニア向けの適切な案件が見つかるでしょう。
クラウドソーシングサービス例 |
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クラウドワークス |
ランサーズ |
ココナラ |
複業クラウド |
ただし、手数料が発生することに留意が必要です。
SNSを活用したネットワークエンジニアの案件獲得
ネットワークエンジニアとして独立して働きたい方は、SNSを活用することで仲介手数料を支払うことなく直接案件を獲得できます。
TwitterやInstagramなどのプラットフォームで、自身の技術力や実績を発信し、興味を持った企業や個人に直接アプローチすれば、案件の受注が可能になります。
SNSでは定期的な情報発信が可能なため、自身のブランディング活動にも役立ちます。
ネットワークエンジニアが2024年6月リモートワーク求人・案件で要求されやすいスキル
ネットワーク分野でリモートワークを行う際、特別な能力が必須というわけではありません。しかし、依頼主から期待される技術や、遠隔作業を円滑に進めるために備えておくべき力はあります。
ここでは、ネットワークエンジニアがリモート業務で求められがちなスキルをご紹介します。
- ネットワーク開発の実績
- クラウドサービスの知見
- セキュリティに関する経験
- プロジェクト管理能力
などがそれにあたります。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
ネットワークエンジニアのリモートワーク必須スキル
ネットワーク分野でリモートワークを行うには、通信機器の操作が不可欠な要素となります。
機器の使用方法を理解していなければ、業務自体が遂行できなくなってしまいます。
障害発生時の復旧能力に加え、メンテナンスに関する知見も併せ持つ必要があります。
さらに、ネットワーク開発の知識にも精通しておくことが重要視されます。
複雑な事案でも単独で対処できるよう、幅広い知識とスキルを身に付けることが求められます。
クラウド環境でのネットワークエンジニアのリモートワーク
ネットワーク関連業務においては、クラウド環境での作業が一般的となっています。
クラウドとは、ネットワーク上に存在する仮想的なリソース群を指し、遠隔から必要に応じてアクセスできる環境のことです。
クラウドを活用することで、
- 社内ネットワークへの直接アクセスが不要になり
- データやドキュメントはクラウド上のストレージに保管され、そこで作業を行えます
- ユーザー権限の設定により、不正アクセスのリスクを低減できます
機密情報の漏洩リスクが小さいことも、クラウド環境の大きな利点です。
そのため、ネットワークエンジニアにはクラウドに関する経験と技術が求められています。
ネットワークエンジニアのリモートワークにおけるセキュリティ対策
ネットワークエンジニアがテレワークを行う際には、セキュリティに関する専門知識が必要不可欠です。
- サイバー攻撃の防御
- マルウェア対策
- データ漏えい防止
など、情報セキュリティに関する幅広い知見が求められます。
例えば、不正アクセスを検知・阻止するWebアプリケーションファイアウォールの運用など、悪意のある第三者からの侵入を未然に防ぐ対策が重要視されます。
このように、リモート環境でネットワーク業務を遂行する上で、インターネット上の情報資産を適切に管理し、安全性を確保することが不可欠な要件となります。
リモートワークにおけるネットワークエンジニアのプロジェクト管理能力
ネットワークエンジニアとしてリモートで働く際には、高度なプロジェクト管理能力が必要不可欠です。
プロジェクト管理には、以下が欠かせません。
- 関係者とのコミュニケーション
- 進捗状況の把握
しかし、リモート環境下ではこれらが難しくなる可能性があります。
業務をスムーズに遂行できるかどうかは、ネットワークエンジニアのプロジェクト管理力次第です。
また、リモートワークでは労働時間が自由裁量となるため、自由度は高まる一方で、全体のスケジュール管理ができなければ納期に間に合わなくなるリスクがあります。
そのため、クライアントに迷惑をかけないためにも、ネットワークエンジニアにはプロジェクト管理能力が求められます。
リモートワーク求人・案件に参画する際の注意点
ネットワークエンジニアがテレワーク案件に携わる際の留意点を整理しました。
リモート業務に従事する際、ネットワーク専門家が気をつけるべき3つの重要事項があります。
- 第一に、評価の基準が成果物のみとなることです。
- 第二に、長時間労働に陥りがちです。
- 第三に、機密情報の漏洩リスクに注意が必要です。
以上の点について詳しく説明していきましょう。
リモートワークにおける評価の課題
リモートワーク環境における業務評価は、成果物のみに重きが置かれがちです。
作業過程を把握することが難しいため、結果のみが判断材料となってしまうのです。
一方で、プロセスも考慮されなければ、従業員のモチベーション向上は望めません。
しかし、遠隔勤務下では成果物重視は避けられない側面があります。
ネットワークエンジニアのリモートワークにおける時間管理の重要性
リモートワークにおけるネットワークエンジニアの業務では、出勤や退勤の概念がないため、仕事と私生活の境界線を引くことが難しくなります。
そのため、長時間労働に陥りやすい傾向があります。
- 本来、時間があれば作業が可能であり、一度着手すれば完了するまで続けがちです。
- さらに、リモート求人や案件の場合、私用の時間さえも仕事に費やしてしまい、より長時間化しがちです。
ネットワークエンジニアがリモート業務を請け負う際は、常駐業務以上に時間管理を意識し、仕事と私生活を明確に区別する必要があります。
リモートワークにおけるセキュリティリスク
ネットワークエンジニアがリモート環境で業務を行う際、外部からの不正な侵入によりデータが流出するおそれがあります。
セキュリティ対策は個人の責任であり、万が一顧客の個人情報や業務上の機密事項が漏れた場合、エンジニア自身が責任を負わなければなりません。
オフィスに常駐する業務でも情報管理には気を付ける必要がありますが、リモートワークではさらに細心の注意を払う必要があります。
まとめ
この記事では、ネットワークエンジニアがリモートワークを行う際に必要な知識やスキルについて説明しました。
近年、ネットワークエンジニアのリモート求人や案件が増加しており、働き方にも変化が見られます。
リモートワークでも年収が下がることはありません。
そのため、ネットワークエンジニアとしてリモートワークへの転換を検討するのは良い機会かもしれません。
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