技術者の収入について関心を持つ人は多いでしょう。
IT分野の発展に伴い、エンジニアを志す人が増加しています。
本稿では、Linuxに特化したインフラエンジニアの年収について解説します。
Linuxエンジニアという職種は存在せず、Linuxスキルを活かせるのはインフラエンジニアとなります。
そのため、本稿ではLinuxエンジニアをインフラエンジニアと捉えて説明していきます。
インフラエンジニアとして活躍中の方は、自身の収入が平均的なのか気になるところでしょう。
また、将来的にこの分野を検討している方や、Linuxに興味がある方も、年収に関する情報を求めていることでしょう。
インフラエンジニアの仕事内容、年収アップの方法、フリーランスの需要、将来性についても触れていきます。
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の年収に関心がある方は、ぜひ本稿を一読ください。
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Linuxとは
オープンソースのオペレーティングシステム(OS)であるLinuxについて説明します。
Linuxは世界で最も普及しており、誰でも自由に入手、使用、改変、再配布が可能なOSです。
Linuxの本質は、ハードウェア管理やプログラム実行制御を行う中核部分のLinuxカーネルを指します。
AndroidはLinuxカーネルをベースに開発されたOSです。
Linuxは主にサーバコンピュータとして利用されていますが、スマートフォンからパソコン、ゲーム機、家電、スーパーコンピュータまで幅広い製品に組み込まれています。
Linuxディストリビューションは、OSとして機能するための必要なプログラム群をまとめた配布パッケージです。
- シェル
- ライブラリ
- コンパイラ
- エディタ
- ブートローダ
など、起動や操作、ソフトウェア導入・実行に必要な最低限のプログラムが含まれています。
また、用途に応じてサーバソフトやアプリケーション、GUI環境なども含まれる場合があります。
代表的なディストリビューションは、Red Hat系とDebian系の2系統に分類されます。
- Debian系にはDebian GNU/Linux、Ubuntu、Linux Mintがあり
- Red Hat系にはRed Hat Enterprise Linux、CentOS、Fedoraがあります。
Linuxの特徴として、
- ソースコードの公開
- 無料配布
- 利用分野の無差別
- 改良の自由
- 他ソフトウェアの制限なし
- サポート無し
などが挙げられます。
Windows専用ソフトは利用できません。
Linuxは小規模から大規模まで、業務システム、Web/IoT/ゲーム開発、最先端技術分野など、様々な開発環境で活用できます。
デスクトップOSのシェアは2020年4月時点で3.5%でした。
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の仕事内容
この章では、Linuxを活用するインフラエンジニアの職務について説明します。インフラエンジニアは、サーバやミドルウェアの導入、データベース調整などを担当します。
また、アプリケーションの障害発生時には、影響範囲を予測し、柔軟な対応が求められます。
Linuxは、ベンチャー企業や成長企業で積極的に利用されており、インフラエンジニアとして活躍しやすい環境が整っています。
インフラエンジニアの主な業務は以下の3つに分けられます。
- 要件定義と設計
顧客のニーズを把握し、最適なインフラ構築を決定します。要件を具体化し、使用機器、構成、設定値、運用方針などを策定します。 - 構築作業
設計書に基づき、機器の設置、ソフトウェアのインストール、設定作業を行います。要件通りの動作を確認し、負荷テストを実施します。大規模データ処理の場合は、仮想化スキルが役立ちます。 - 運用保守
システム運用時の保守を担当します。不具合発生時には、原因究明とトラブルシューティングを迅速に行い、インフラ環境の復旧を図ります。近年はクラウドサービスの利用が増えており、AWS、Azureなどのクラウド知識が必要となってきます。
インフラエンジニアには、Linux以外にも、
Apache | Oracle | SQL | Cisco | Windows | UNIX | クラウド |
などの技術スキルが求められます。
また、要件定義や設計など上流工程の経験、チームマネジメント経験があれば、高年収を得られる可能性があります。
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の平均年収
この章では、Linuxを活用するエンジニアの収入事情について解説します。
フリーランスとして活躍する場合と従業員として勤務する場合の年収を比較し、それぞれの特徴を明らかにしていきます。
フリーランスのLinuxエンジニアの平均年収は768万円で、最高額は2,280万円、最低額は240万円となっています。
月額単価に換算すると、
- 平均が64万円
- 中央値が60万円
- 最高額が190万円
- 最低額が20万円
です。
また、インフラエンジニアの時給単価は、
となっています。
一方、従業員のLinuxエンジニアの平均年収は496万円程度と推定されています。
これは全エンジニアの平均年収469万円を上回る水準にあたります。
年代別にみると、
- 20代が373万円
- 30代が509万円
- 40代が605万円
- 50代以上が701万円
となっています。
以上の数値から、フリーランスのLinuxエンジニアの方が従業員よりも平均年収が高く、高収入を得やすい傾向にあることがわかります。
Linuxスキルを活かしてキャリアを歩む場合、フリーランスの選択肢も視野に入れることをおすすめします。
フリーランス求人・案件数から見るLinuxのニーズ
この節では、フリーランス求人・案件の数値からLinuxに対する需要を説明します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が公開している開発言語・スキルの分析によると、Linuxの案件数は2,653件でした(2021年6月時点)。
同時期のフリーランス求人・案件の総数は194,151件でしたので、Linuxの案件が占める割合は約1.4%となります。
この結果から、Linuxに関するフリーランス案件は一定数存在し、IT業界においてLinuxへの需要があることが確認できます。
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)として2024年6月の年収アップさせる方法
この節では、Linuxエンジニア(インフラスペシャリスト)として最高の力を発揮し、収入を向上させる方策について説明します。
収入アップのための具体的な取り組みをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Linuxエンジニアの年収アップ方法
年収アップを目指すLinuxエンジニア(インフラエンジニア)にとって、Linuxスキルの習得は不可欠です。
しかし、Linuxを完全に理解しているエンジニアはほとんどいません。
IT技術は世界中で日々進化しているため、完全な習得は困難だからです。
それでも高収入を得ているLinuxエンジニアには、常に学習する姿勢と意欲があります。
絶え間ない学習によって成長を続け、経験と活躍の場を広げることで、高年収の求人や案件に携わることができるのです。
Linuxエンジニアの高年収獲得のカギ
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の収入を向上させるには、Linux以外のインフラ関連の専門知識とスキルを身に付けることが重要です。
ITインフラの設計、構築、運用管理など、幅広い業務を担当するためには、ネットワークやサーバーに関する深い理解が求められます。
具体的には、
- ハードウェアの仕様
- OSやミドルウェアのインストールと設定
- IPアドレス管理
- セキュリティ対策
- 冗長化や負荷分散の考慮
など、多岐にわたる知識が必要不可欠です。
LAMPスタックの経験も役立つでしょう。
近年はクラウドサービスの利用が増えているため、AWS、Azureなどのクラウド基盤に関する知見も重要視されています。
このように、Linuxだけでなく、インフラ全般に関する幅広い専門性を備えることで、担当業務の範囲が広がり、高収入を得ることができるのです。
上流工程の経験が高収入への鍵
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の収入を向上させるには、上流工程での実践が重要です。
この段階では、以下のことがあります。
- 顧客のニーズを把握する
- システム上の実現可能性を見極める
- 内容を説明したり、ドキュメントを作成したりする機会がある
また、プログラマやエンジニアなどのチームをまとめる役割も担います。
つまり、開発スキルだけでなく、経営に近い能力が求められます。
そのため、要件定義などの上流工程を経験したLinuxエンジニア(インフラエンジニア)は希少価値が高く、高収入を得やすくなります。
収入アップを目指すLinuxエンジニア(インフラエンジニア)には、上流工程の実践が推奨されます。
Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の将来性
この分野における技術革新と需要の高まりを踏まえると、Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の役割は今後ますます重要になると考えられます。フリーランス求人サイトの統計でも、Linuxに関する案件が上位に位置していることからも、その需要の高さがうかがえます。
Linuxは小規模から大規模まで、様々な分野の開発に活用されており、その活用範囲は広がる一方です。
国内ICT市場は一時的に縮小しましたが、テレワークの普及やデジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、インフラやクラウドサービスなどの需要が高まっています。中長期的には市場は回復基調となり、Linuxエンジニアの活躍の場は確実に広がるでしょう。
一方で、AI、IoT、5Gなど新しい技術分野の台頭により、ITエンジニア全体の人材不足が懸念されています。
- 2030年までに79万人の不足が予測されており、Linuxエンジニアについても同様の課題があります。
- 需要に対する供給が追いつかない可能性があり、人材確保が重要な課題となるでしょう。
以上のように、Linuxエンジニアの活躍の場は拡大する一方ですが、人材不足への対策が求められます。教育機関や企業による人材育成、処遇改善などの取り組みが必要不可欠となっています。
まとめ
この記事では、Linuxエンジニア(インフラエンジニア)の以下の点について説明しています。
- 年収
- 仕事内容
- ニーズ
- 年収アップの方法
- 将来性
Linuxは様々な業界で幅広く活用されており、Linuxスキルを持つエンジニアの需要が高まっています。
明確な目標を設定し、継続的な学習が重要です。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用することで高年収を得られる可能性があります。
Linuxエンジニアとして活躍の機会は多岐にわたり、将来性の高い分野だと言えます。