MBaaSとは?意味や特徴、主な機能、メリットデメリットを解説

モバイルアプリケーションの開発において、バックエンド機能をクラウドサービスとして利用できるMBaaS(モバイルバックエンドサービス)は、開発者の作業を大幅に軽減します。
このサービスは、以下の一般的な機能をクラウド上で提供しています。

  • 認証
  • プッシュ通知
  • データ管理

MBaaSを活用することで、開発者はこれらの機能を自力で実装する必要がなくなり、アプリの本質的な部分に集中できます。また、サーバー管理の手間も軽減されます。
一方で、サードパーティーサービスに依存することで、以下のリスクが生じる可能性があります。

リスク
セキュリティ
ベンダーロックイン

MBaaSを適切に選択し、活用することが重要です。

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MBaaSとは?

MBaaSとは?

モバイルアプリケーションで一般的に使用される機能をクラウドから提供するサービスがMBaaS(モバイル・バックエンド・アズ・ア・サービス)です。
クラウド上の機能をAPIを介して呼び出すことで、サーバー開発や運用は不要となり、誰でもさまざまなバックエンド機能をアプリに簡単に実装できます。
このため、

  • バックエンド機能の開発・運用にかかる工数の削減
  • コストカット
  • 業務効率化

が可能になります。

モバイルアプリ開発におけるBaaSの役割

モバイルアプリケーションの開発において、バックエンド機能をクラウド上で提供するサービスがあります。
これは"Backend as a Service"の略称であるBaaSと呼ばれ、Webアプリケーションにも適用可能です。
BaaSのうち、特にモバイル向けアプリ開発に特化したものをMBaaSと称します。
開発者はこのようなサービスを活用することで、バックエンド側の実装を外部に委ねることができ、アプリケーション本体の開発に専念できるメリットがあります。

MBaaSに搭載されている主な機能

MBaaSに搭載されている主な機能

この記事では、モバイルバックエンドサービス(MBaaS)に含まれる主要な機能について6つ説明します。
MBaaSは、モバイルアプリ開発を容易にするためのクラウドベースのサービスです。
主な機能には、

  • データストレージ
    プッシュ通知
    ユーザー認証
    ファイルストレージ
    APIゲートウェイ
    分析機能

などがあります。
これらの機能を活用することで、開発者はモバイルアプリのバックエンド部分に集中できるため、開発効率が大幅に向上します。

ユーザー認証機能の活用

ユーザー認証は、アプリケーションにおける重要な機能の一つです。
モバイルバックエンドサービスを利用することで、以下の機能を実装できます。

  • ログイン・ログアウト機能
  • アクセス権限管理
  • メール認証などの会員管理機能

また、ユーザーデータへのアクセス制限を設定するなど、セキュリティ対策も十分に行えます。

リアルタイム通知機能

ここでは、モバイルバックエンドサービスを利用することで、

  • ユーザー間やクライアントとのデータ共有が実現できます。
  • プッシュ通知やメール通知機能を活用すれば、リアルタイムな情報伝達が可能となります。

位置情報連携機能

位置情報の活用は、モバイルバックエンドサービスの重要な機能の一つです。
このサービスを利用すれば、

  • 携帯端末の位置検知機能から得られるデータを収集・管理することが可能になります。

データ管理機能

データの保管と共有を行うためのデータベース機能があります。
MBaaSを利用すれば、アプリケーションで使用するデータを格納し、共有することが可能です。
さらに、データやクラスごとにアクセス権限を設定することもできます。

クラウドストレージ機能

ここでは、データ保存の機能について説明します。
モバイルバックエンドサービスを利用すれば、

  • 画像
  • テキスト
  • 音声ファイル

など、様々な形式のデータを格納することが可能です。

SNSと連携したアプリ開発

この機能により、モバイルアプリは外部プラットフォームと統合することが可能になります。
MBaaSを利用すれば、以下のようなことができます。

  • TwitterやFacebook、Google、Appleなどの主要なソーシャルネットワークと連携し、アプリの範囲を超えたサービスを提供することができます。
  • 例えば、SNSへの投稿機能を実装することで、ユーザーエクスペリエンスの向上が図れます。

MBaaSのメリット

MBaaSのメリット

本文では、モバイルバックエンドサービスの利点を5つ紹介します。

  • モバイルアプリ開発を効率化し、コストを抑えることができる点が強調されています。
  • アプリ開発の手間を軽減し、スピーディーな開発が可能になります。
  • サーバー管理の手間が不要になり、開発者はアプリの機能に専念できます。
  • セキュリティ面でも安心できる点が挙げられています。

モバイルバックエンド活用のメリット

モバイルバックエンドサービスを利用すれば、企業はサーバーの設計を自社で行う必要がなくなります。
従来であれば、サーバー構築と開発に3か月から半年程度の期間を要していましたが、そのような工数を割く必要がなくなり、他の重要な業務に時間を振り向けることができるようになります。

モバイルバックエンド活用のメリット

アプリケーションの開発においてMBaaSを利用することで、独自のサーバーインフラを構築する必要がなくなります。
これにより、

  • リリース後のサーバー管理作業が不要となり、
  • 開発チームの作業負荷を大幅に軽減することができます。

モバイルバックエンドサービスの料金体系

モバイルバックエンドサービスは、基本的に使用量や規模に応じて課金される仕組みとなっています。
ただし、各サービスが提供する無料枠内であれば、利用に係る費用は発生しません。

モバイルバックエンド開発の効率化

モバイルバックエンドサービスを利用することで、開発者は管理タスクやサーバーサイド開発に費やす手間を省くことができます。
その結果、フロントエンド開発やコア業務など、本来の重点領域に集中してリソースを割り当てることが可能になります

モバイルバックエンドサービスのセキュリティ強化

モバイルバックエンドサービスは、堅牢なセキュリティ機能を備えたオファリングが多数存在します。
セキュリティが確保されているため、利用者は初めからセキュリティ対策(例えばアンチウイルスソフトウェアの購入・導入)を講じる必要がなく、データ漏えいなどのリスクを軽減できるという利点があります。

MBaaSのデメリット

MBaaSのデメリット

本文では、モバイルバックエンドサービスの欠点について2つの側面から説明します。

1つ目は、ベンダーロックインの問題です。

  • 特定のMBaaSプロバイダーに依存してしまうと、将来的に別のサービスへ移行する際に大きな障壁となる可能性があります。

2つ目は、カスタマイズ性の制限です。

  • MBaaSはあくまでも汎用的なサービスであり、個別の要件に合わせた細かな調整が難しい場合があります。
  • 開発者のニーズを完全に満たせないリスクがあるということです。

サーバーカスタマイズの制約とコスト

MBaaSを利用する際には、サーバー側の機能が事前に決められているため、実装できる機能に制限があります。
高度な機能を実装したい場合は、サーバー側の独自カスタマイズが必要となります。
ただし、カスタマイズが許可されているかどうかは、サービスプロバイダーごとに異なります。
また、カスタマイズ対象が多くなると、余計な作業工数が発生し、実装が複雑化する可能性があるため、注意が必要です。

モバイルバックエンドの個人情報保護への課題

MBaaSベンダーは、クラウド上のデータ保護に全力を尽くしています。
多くの場合、オンプレミスよりも厳格な管理が行われています。
しかし、一部の顧客にとっては、個人情報を外部サーバーに置くこと自体が問題となる場合があります。
個人情報保護の観点からクラウドの利用を避ける傾向があるのは残念です。
MBaaSの普及と個人情報保護に関する理解が進むことを願っています。

MBaaSの代表例

MBaaSの代表例

この記事では、モバイルバックエンドサービスの主要な事例を3つご紹介いたします。
モバイルアプリ開発を効率化するこれらのクラウドサービスは、バックエンド機能を提供することで開発者の手間を大幅に軽減します。

  • アプリの本質的な機能に専念できるよう、認証やプッシュ通知、データ管理などの一般的な要件をカバーしています。

開発期間の短縮とコスト削減が期待できるため、多くのモバイルアプリ開発プロジェクトで活用されています。

AWS Mobile Hubの概要と強み

AWS Mobile Hubは、クラウド上でAWSサービスを設定できるモバイルバックエンドサービスです。
プッシュ通知にはAmazon SNS、データベースにはDynamoDBなどの既存機能を活用し、設定を簡素化しています。

【AWS Mobile Hubのメリット】

  • モバイルアプリの構築、テスト、監視がAWSサービスを使って行える
  • ユーザー認証、データストレージ、バックエンドロジック、プッシュ通知、コンテンツ配信、分析機能などをアプリに追加できる統合コンソール
  • SaaSとの連携や、エンタープライズ向けユーザー管理機能を備えている

Firebase概要

Firebaseは、2011年にFirebase社(2014年にGoogleに買収された)によって開発されたモバイルバックエンドサービスです。
初期費用がかからず、利用量に応じた課金体系となっているため、サービス開始時から多額の支出は必要ありません。
Firebaseの長所は、以下の点にあります。

  • インフラ管理が不要なこと
  • ユーザー体験の向上や機能拡張が容易なこと
  • 複数の製品を一元的に管理できること

モバイルアプリ開発を支援するニフクラmobilebackend

モバイルアプリケーションの開発を支援するクラウドサービスが存在します。
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社が運営するこのサービスは、モバイルバックエンド as a Service(MBaaS)と呼ばれ、アプリの「サーバー側」機能をAPIで提供しています。

  • ゲームアプリ
  • ショッピングアプリ

など、様々な業界のアプリ開発に活用されています。
このサービスの強みは、

  • 無料で利用できる機能が充実していること
  • 開発期間と初期コストを大幅に削減できること
  • 大規模RPGアプリの実績があり信頼性が高いこと

です。

まとめ

まとめ

この記事では、モバイルアプリ開発におけるMBaaS(Mobile Backend as a Service)の概要と利点、注意点について説明しています。

MBaaSとは、モバイルデバイスで一般的に利用される機能をクラウドから提供するサービスのことです。
主な機能として

  • 認証
  • プッシュ通知
  • 位置情報連携
  • データベース
  • ストレージ
  • 外部サービス連携

などが挙げられています。

MBaaSを活用することで、

  • サーバー設計や運用が不要になり、コストを抑えながらアプリ開発が容易になる

一方で、

  • 開発の制約
  • 顧客情報保護の課題

があることにも触れています。

代表的なMBaaSサービスとして、

  • AWS Mobile Hub
  • Firebase
  • ニフクラmobilebackend

が紹介されています。

アプリの特性に合わせて適切なMBaaSを選択し、必要に応じて複数のサービスを組み合わせることが推奨されています。

MBaaSを活用することで、アプリ開発からリリースまでのスピードアップと工数削減が期待できるとまとめられています。