AWSの世界に足を踏み入れようとする際、どこから学習を始めればよいか迷うことがあるでしょう。
AWSについて理解を深めるには、まずAWSとはどのようなものなのかを把握し、AWSエンジニアとしてのキャリアパスを見据える必要があります。
本稿では、
- AWSの基礎知識
- 主要な機能やサービス
- スキルを身につけるメリット・デメリット
を解説します。
さらに、AWS関連のエンジニアとしてのキャリアプランを立てる際の留意点についても言及します。
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AWSに関する基礎知識
AWSの基本的な概念について説明を行います。
AWSとは、Amazon Web Servicesの略称です。
AWSは、クラウドコンピューティングサービスを提供するプラットフォームです。
- サーバー、ストレージ、ネットワーキング、データベース、アナリティクス、AI/機械学習などの様々なサービスを提供しています。
- 従来のオンプレミスのITインフラストラクチャに比べ、柔軟性が高く、コストを抑えることができます。
- 必要に応じてリソースを拡張・縮小できるため、ビジネスニーズに合わせて最適化が可能です。
AWSの主な特徴は以下の通りです。
- グローバルなクラウドインフラストラクチャ
- セキュリティ対策の充実
- 幅広いサービスの提供
- 柔軟な料金体系
サービス名 | 説明 |
---|---|
Amazon EC2 | クラウド上の仮想サーバー |
Amazon S3 | オブジェクトストレージサービス |
Amazon RDS | リレーショナルデータベースサービス |
AWSを活用することで、ITインフラの構築・運用を効率化し、ビジネスに集中できるようになります。
クラウドサービスAWSの概要と特徴
AWSは、Amazon Web Services社が提供するクラウドサービスです。
クラウドコンピューティング技術を活用し、以下のようなサービスを提供しています。
- 仮想化されたサーバー
- ストレージ
- データベース
- ネットワーキング
- アプリケーションサービス
利用者は物理サーバーの管理コストや手間を抑えつつ、必要な分だけ料金を支払うことで、安全なサーバーリソースを確保できます。
クラウドの柔軟性により、企業や組織の規模やサービス内容に応じて最適なコストでパフォーマンスを得られるため、様々な業界で導入が進んでいます。
AWSは顧客のニーズに基づいて開発が行われているため、求められる機能が継続的に追加されています。
利用を続けることで利便性が高まり、最適化と効率化が進む好循環が生まれます。
クラウドサービスの違い
Microsoft社が提供するクラウドサービスであるAzureは、同社製品との連携が容易であることが特徴です。
一方で、AWSはビジネスのみならず研究者など幅広い層がクラウドコンピューティングを活用できるサービスとなっています。
Google社のGCPは後発のクラウドサービスですが、AI・機械学習分野では利用者が増加しており、機能面でも充実しています。
AWSやAzure、GCPはいずれもオンラインで利用できるクラウドコンピューティングサービスですが、長所短所があることを認識しておくことが重要です。
AWSの強みと将来性
クラウド分野で圧倒的な存在感を放つAWSは、絶えず新たな技術やサービスを生み出し続けており、その成長は今後も期待されています。
従来のオンプレミスシステムからクラウドへの移行は、以下の利点があります。
- セキュリティと利便性の向上
- コストと労力の削減
実際のサーバーはあるものの、仮想化によって必要な性能を必要な分だけ利用できるため、非常に効率的です。必要な時にのみコストを支払えば良いというメリットは、クラウドコンピューティングの大きな強みです。
したがって、AWS関連のスキルを身につけることは、エンジニアを目指す方や更なる成長を望む方にとって有益であることは間違いありません。
AWSの主な機能やサービス
AWSには多様な機能とサービスが用意されています。
それらの中核的な部分について、ここで説明を加えましょう。
- コンピューティング
- ストレージ
- データベース
- ネットワーキング
Amazon EC2 | クラウド上の仮想サーバー |
AWS Lambda | サーバーレスコンピューティング |
Amazon ECS | コンテナ管理サービス |
Amazon S3 | オブジェクトストレージ |
Amazon EBS | ブロックストレージ |
Amazon EFS | ファイルストレージ |
Amazon RDS | リレーショナルデータベース |
Amazon DynamoDB | NoSQLデータベース |
Amazon Redshift | データウェアハウス |
Amazon VPC | 仮想ネットワーク |
Amazon Route 53 | DNSサービス |
Amazon CloudFront | コンテンツデリバリーネットワーク |
クラウドコンピューティングサービスの主要機能
クラウド環境におけるコンピューティングリソースの提供方式は多岐にわたります。
- 仮想サーバーの提供
- サーバーレスコンピューティング
- コンテナ実行管理
など、さまざまな形態のサービスが用意されています。
これらの技術は現代のエンジニアにとって必須のスキルであり、習得しておく必要があります。
AWSのストレージ・データベースサービスの理解
ストレージとデータベースの領域では、Amazon社が提供する主要なサービスがあります。
- S3
- EBS
- RDS
- DynamoDB
- ElastiCache
などがその代表例です。
これらはクラウド環境におけるデータの保管や管理に関わる機能を備えており、その仕組みを理解し、適切に活用できるようにする必要があります。
ストレージやデータベースはセキュリティとも深く関係しているため、十分な知識がなければ、トラブル発生時の原因究明や対処が困難になる可能性があります。
データの漏えいや損失を防ぐためにも、バックアップを含めたデータ取り扱いのノウハウを身につけることが重要となります。
ネットワーキングとコンテンツ配信の重要性
ここでは、クラウドコンピューティングにおける重要な要素であるネットワーキングとコンテンツ配信について説明しています。
- VPC(Amazon Virtual Private Cloud)
- Route 53
- CloudFront
- ELB(Elastic Load Balancing)
- Direct Connect
などの機能やサービスが紹介されています。
これらは、アプリケーションの円滑な稼働とコンテンツの快適な表示を実現するために不可欠な役割を果たします。
近年、インターネット速度は向上しましたが、古いデバイスを使用するユーザーもいるため、ネットワーキングとコンテンツ配信の知識は重要です。
これにより、より快適で高速な情報提供が可能になります。
データ処理と分析のクラウドサービス
データ処理と分析の領域では、Amazon Simple Queue Service (SQS)、Amazon Kinesis、Amazon Redshift、Amazon EMR、Amazon Athenaなどの主要な機能やサービスが提供されています。
クラウド環境におけるデータの操作は、顧客やユーザーが求める情報を扱うために非常に重要です。同時に、セキュリティを確保しながら、安心して信頼できるデータベースの運用が求められます。
近年注目されているビッグデータの分析や企業においても重要な役割を果たす機能であり、後述する人工知能や機械学習と組み合わせることで、既存のデータを最大限に活用するための不可欠なスキルや知識となります。
AIとIoTを活用したキャリアアップ
人工知能と機械学習の分野では、Amazon SageMaker、Amazon Rekognition、Amazon Polly、Amazon Lexなどのサービスが注目されています。
これらの技術は現在最も注目を集めており、AWSのスキルを習得することでキャリアアップの可能性が高まります。
さらに、IoTなどと組み合わせて学習を進めることで、物理的なエンジニアリングに関する知見も深まるでしょう。
近年、様々な場所でセンサーを活用したセンシング技術が導入され、物理的な情報の収集や解析、自動化や最適化が進んでいます。
AWSに関連する幅広いスキルと技術を身につけることが、エンジニアとしてのスキルアップやキャリアアップにつながるため、意識しておくことが重要です。
AWS関連のスキルを習得するメリット
続いて、AWSに関連する技術を身につけることの利点について説明しましょう。
クラウドコンピューティングの分野で主導的な存在であるAWSの知識を持つことは、IT業界で大きな強みとなります。
- AWSサービスの活用方法を理解することで、システムの構築や運用を効率化できるだけでなく、コストの最適化も図れます。
- また、AWSの認定資格を取得すれば、専門性の高い技術者としての価値が高まります。
つまり、AWSのスキルを身につけることは、キャリアアップや新しい機会の獲得に役立つのです。
AWSスキル習得のメリット
AWSは、クラウドコンピューティング業界で大きな存在感を示しており、その関連スキルを身につけることは有益です。
AWSの市場シェアと企業としての成長を考えると、関連する知識と技能を習得しておくことは将来的にプラスになるでしょう。
さらに、プログラミングや技術の他の分野でも専門性を持つことで、複数のスキルを組み合わせることができ、評価も高まります。
結果として、エンジニアとしてのキャリアの幅が広がり、自分の目指す方向性に沿った進路を選択できる可能性が高まります。
AWSスキルの習得によるキャリアアップ
AWSに関連するスキルを身につけることで、エンジニアとして様々な方向性でキャリアを発展させることができます。
実際にAWSの学習を進めていくと、単一の技術やサービスだけでは目標を達成できないことがあります。
関連する周辺の知識を習得し、複数の機能やサービスを組み合わせてアプリケーションを構築していく必要があります。
さらに、サーバーなどのインフラストラクチャに関する知見を得ることで、インフラエンジニアとしての能力も高められます。
このように、
- 自己学習や実務経験を通じてスキルを磨くことで、新たな興味関心の対象に出会う可能性も広がります。
- また、AWSに関する幅広い知識を持つエンジニアとして評価されやすくなるでしょう。
グローバルキャリアへの扉
AWS関連の知識を身につけることで、国内外で活躍する機会が広がります。
現地語の習得は必須ですが、専門性が評価されれば、様々な場所で働くことができます。
また、海外企業が国内に進出していることから、日本国内でも外国法人で就労できる可能性があります。
異文化に触れることで、技術者としてだけでなく、人間性の向上にもつながるでしょう。
AWSスキルの応用力とキャリアアップ
クラウドコンピューティングの基礎を習得することで、他のクラウドサービスへの応用が容易になります。
厳密には手順や処理が異なりますが、基本的な技術やスキルを身に付ければ、新たなクラウドを学ぶ際の障壁が低くなります。
- 必要に応じて認定資格の取得や独学で仕組みを理解することで、クラウド分野におけるスキルとキャリアの向上が期待できます。
AWSスキル習得のメリット
AWSの認定資格を取得することには、さまざまな利点があります。
- 段階的に難易度の高い試験に挑戦しながら、技術力を着実に向上させることができます。
- 合格すれば、単にスキルを身につけるだけでなく、エンジニアとしての自信も高まります。
この自信は、応募や面接の際に大きな強みとなり、採用の可能性を高めることでしょう。
AWS関連のスキルを習得するデメリット
続いて、AWS関連の技術を学ぶ際の欠点について説明します。
- AWS自体が非常に広範囲にわたるサービスを提供しているため、全てを網羅的に習得するのは困難です。
- AWS側でサービスの改善や新機能の追加が頻繁に行われるため、常に最新の情報を把握する必要があります。
- AWSは有料のサービスが多いため、実践的な学習には一定の費用がかかります。
しかし、これらの欠点を上回る利点もあり、需要の高い技術を身につけられるメリットは大きいと言えます。
AWSスキル習得の難しさと基礎知識の重要性
AWSに関連するスキルを身につけることには、AWSの技術範囲が広範囲に及ぶため、学習に多大なコストがかかるというデメリットがあります。
クラウドコンピューティングとはいえ、実際にはハードウェアのサーバーを扱うスキルが求められます。
同時に、AWSが定めたフレームワークに沿って理解を深める必要があります。
そのため、最低限の技術的知識がなければ、学習自体が困難になる可能性が高く、結果として何から手をつけていいかわからなくなってしまいます。
- まずは、AWSの用語、サービス、機能について理解を深め、インターネットや書籍などを活用して基礎知識を身につけることから始めましょう。
AWSスキルの需要と競争
AWSに関連するスキルを身につけることには、同じ分野の人材との競争が激しくなるというデメリットがあります。
AWSの認定資格を取得したり、関連技術を学んだりすることで、キャリアアップや収入増加が期待できるため、多くのエンジニアがそうした取り組みを行うからです。
特定の技術領域に特化しているエンジニアや、AWSに造詣が深くさまざまな知識を持つエンジニアと同じ土俵で競争しなければならないことが課題と言えます。
しかし、AWSのスキルを持つことがエンジニアとしての強みになることは間違いありません。
まずは未経験からの卒業を目指し、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせることが重要でしょう。
AWSスキルの習得における課題
AWSに関連するスキルを身につける際の課題は、新機能やアップデートに常に追従する必要があることです。
AWSは幅広い技術分野をカバーしているため、習得すればするほど、新しい機能やアップデートに対応しなければならない機会が増えます。
古い技術が突然使えなくなることはありませんが、新しい技術を活用できるエンジニアになれるかどうかの岐路にもなります。
そのため、日々情報を収集し、発表された新機能やアップデートを習熟することが重要となります。
AWSスキルの習得におけるセキュリティ責任
AWSに関連するスキルを身につけることには、セキュリティ面での高い責任が伴うデメリットがあります。
プログラマーが特定の領域のプログラミングに関するセキュリティのみを学べば済むのとは異なり、
- クラウドコンピューティング
- データベース
- ストレージ
- ネットワーク
など、さまざまな技術分野やサービスのセキュリティを理解する必要があるためです。
しかし、根本的にはAWSがセキュリティ対策を行っており、各機能やサービスもセキュリティが確保された状態で提供されていることを考えれば、過度に心配する必要はないでしょう。
AWSスキル習得のデメリットと対処法
AWSに関連するスキルを身につけるには、関心のない領域や苦手な分野についても学習が必要となります。
人間には長所と短所があり、好みも異なるため、興味がない領域や苦手な分野を学ぶことはストレスを感じる可能性があります。
しかし、実際には全ての技術やスキルは相互に関連しており、AWSのトレーニングコースや認定資格の学習を通じて、このデメリットを克服することができます。
したがって、関心の有無に関わらず、継続的な学習姿勢を身につけることが重要です。
AWS関連のエンジニアやキャリアプランを考える時のポイント
本文では、AWSに関連するエンジニアの職務や将来的なキャリアパスを検討する際の重要な観点を説明していきます。
AWSの基礎知識習得の重要性
AWSの基礎的な知識を身につけることから始めましょう。
どのようなサービスや機能があり、それらが何ができるのかを少しずつ理解していくことが重要です。
また、各サービスや機能の目的や、組み合わせによって実現できることなども把握しましょう。
AWSだけでなく、関連する技術やスキルについても情報収集が必要です。
エンジニアリングやプログラミングの分野では、初心者でも早期に実践できることがありますが、AWSの場合は一定の知識を習得してから実践する方が効率的です。
AWSエンジニアの専門分野選定
AWSの中で専門とする分野を見つけることが重要です。
既にある程度の知識や経験があれば、それを活かしながら新しいスキルを身につけていくことをおすすめします。
まだ方向性が定まっていない場合は、
- コミュニティやSNSを活用して他のAWSエンジニアと交流し、アドバイスを求めるのが賢明でしょう。
- 実務経験者との対話を通じて、自分に不足している点を把握でき、必要なスキルや技術が明確になる可能性があります。
AWSの認定資格でスキルアップ
AWSの認定資格を取得することは、自身の能力向上に役立つでしょう。
認定資格は体系的な学習を通じて合格できるよう設計されているため、効率的にスキルを高められます。
つまり、認定資格の知識やスキルが身につかない場合は、学習方法に課題がある可能性があります。
エンジニアには新しい情報や技術を素早く吸収する力が求められます。
AWSの認定資格に挑戦することで、自分に合った効果的な学習スタイルを見つけられるはずです。
認定資格を目指す過程で、いかに知識を身につけるかを学んでみてはいかがでしょうか。
エンジニアスキル習得の道
エンジニアとしての能力や技術の習得に苦労している場合は、企業の研修プログラムや育成制度を活用することができます。
- AWSエンジニアを目指す前に、プログラミングや他の技術分野でキャリアをスタートすることも選択肢の一つです。
- 既にエンジニアとして活躍している方は、現在の専門領域で実務経験を積み重ねていくことが賢明です。
- 未経験者の場合は、AWSの資格取得やIT関連の試験に合格するなど、最低限の知識やスキルを身につけた上で求人に応募するのがよいでしょう。
完全な未経験者として採用されることは難しいですが、一定の準備を行えば機会は広がります。
転職・案件獲得のためのエンジニア向けサービス活用術
経験の浅いエンジニアが新たな領域に進出したい場合、専門の求人サイトや転職エージェントを活用するのが賢明です。
- 企業への直接応募よりも採用される確率が高まり、一般には公開されていない情報にもアクセスできる可能性があります。
- 求人や案件の検索スキルを身につけることで、将来的にフリーランスエンジニアを目指したり、他分野に進出したりする際にも役立ちます。
書類審査や面接を通じて自己アピールの方法を学び、AWS関連案件の獲得やAWSエンジニアとしての就職に向けて積極的にチャレンジすることが重要です。
まとめ
この記事では、AWSに関する基礎知識、主要な機能やサービス、スキルを習得するメリットやデメリット、キャリアプランを考える際の重要なポイントについて説明しました。
AWSの技術は幅広い範囲に及んでいるため、一度に全てを学ぶのは難しいですが、自分の得意分野や興味のある分野から始め、認定試験に挑戦することをおすすめします。
- 認定資格を取得すれば、案件や求人への応募が有利になり、他のエンジニアとの差別化にもつながり、採用される可能性が高まります。
AWSのスキルを身につけることで、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用し、フリーランスエンジニアとしてキャリアを積むことができます。
この記事が皆様の役に立てば幸いです。