転職市場の変化とコロナ後の採用されやすい特徴

コロナ禍における転職は困難と見なされがちですが、実際には業界によって状況は異なります。
一部の企業では従来通り採用活動が行われており、入職を希望する会社の実情を把握することが肝心です。

本稿では、コロナ下の転職市場の変化と今後の展望について解説します。
転職の是非を検討する際の一助となれば幸いです。

週10時間の副業案件を
会員登録した方限定で配信中!

転職事情を知ろう!

転職事情を知ろう!

就職市場における動向を概観しましょう。
転職の回数や応募企業数、活動期間などの統計データを集約しました。
これらの情報を参考にすることで、効果的な転職活動の指針が得られるでしょう。
まずは転職に関する基礎知識を身につけることが肝心です。

年代別の転職回数の傾向

調査結果によると、20代の大多数は転職経験がなく、年齢が上がるにつれて転職回数が増加する傾向にあります。

  • 20代では4分の3以上が転職なし、16%が1回、6%が2回、2%が3回の転職経験でした。

30代に入ると、約半数が転職経験ありとなり、

転職回数1回が24%
2回が16%
3回が8%でした。

40代では、38%が転職なし、20%が1回、18%が2回、11%が3回と、徐々に転職回数が多くなっていきます。
40歳前後で約半数が転職を経験していることが分かりました。

転職活動における企業応募数の実態

転職活動における企業への応募数は個人差が大きいことが分かります。
リクナビNEXTの調査では、

  • 20〜30代の正社員経験者の5割以上が4社以下への応募にとどまっていました。
  • 一方で、10社以上に応募した人も4分の1を占めていました。

応募数が少なくても内定を得られる場合もありますが、未経験分野への転職など条件が厳しい場合は、より多くの企業に応募することが賢明でしょう。

転職活動の適切な期間と時期

就職活動に要する標準的な期間は3カ月から半年程度と見られています。面接の結果を待つなどの理由で、予定を上回る期間が必要となるケースも少なくありません。
各プロセスでどの程度の時間を要するかを事前に調査し、ある程度の計画を立てることが賢明でしょう。
加えて、10月や1月など求人市場が活発化する時期に就職活動を開始すれば、内定を得やすくなる可能性があります。

転職市場は「買い手市場」に

転職市場は「買い手市場」に

ここ数年は求職者有利な転職市場が続いていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で企業側に有利な状況に変わったと言われています。

  • 企業が求める人材数を上回る転職希望者がいるようになったのです。

外出自粛により、多くの業界や企業が打撃を被りました。
特に旅行、航空、飲食業界は深刻なダメージを受け、事業縮小を余儀なくされた企業が多数ありました。
売上減少に伴いコスト削減のため、企業は採用活動を停止または延期せざるを得なくなりました。
このように新規採用に余裕がない企業が増え、転職市場は企業側有利な状況となりました。
コロナ収束の見通しが立たず、今後も企業は採用に慎重になると予想されます。
一方で、IT・通信業界などコロナ禍でも積極採用を続ける分野もあります。

IT・通信業界の求人倍率 6.82

と高水準です。
Web会議ツールやクラウドサービスの需要増加に伴い、関連企業は成長を続けており、求職者有利な状況も存在します。
また、

  • 小売
  • 医療
  • 食品など生活必需品関連企業

もコロナの影響を受けにくい傾向にあります。
こうした業界や企業を希望する転職希望者は、コロナ収束に関わらず転職活動を進められるでしょう。

転職市場はコロナの影響でどのように変化したか

転職市場はコロナの影響でどのように変化したか

コロナ禍により、雇用環境は大きな変化を余儀なくされました。
・企業の倒産や失業者の増加
・求人数の減少
・採用プロセスの見直し
など、転職市場にも深刻な影響が及びました。

この状況下で転職活動を行う際には、様々な課題に直面する可能性があります。
一つひとつの変化点を丁寧に検証し、適切な対策を講じることが求められます。

コロナ禍の企業破綻

コロナ禍の影響で収益が大幅に減少し、倒産に追い込まれた企業が多数存在しました。
中小企業のみならず、大手企業も世界中で経営破綻に陥る事態が発生しています。

  • 米国の石油・ガス開発企業「チェサピーク・エナジー」の破綻がニュースとなりました。
  • 航空会社の「ヴァージン・オーストラリア」や「ヴァージン・アトランティック」も2020年8月に経営破綻しています。

日本国内でも「WBFホテル&リゾーツ」や「ロイヤルオークホテル」など、ホテル業界で次々と倒産が相次いでいます。
外出が困難なコロナ禍において、旅行関連業界が厳しい経営環境に置かれていることが明らかです。

コロナ禍での産業別就業者数の変化

コロナ禍が長期化する中で、建設業、農林業、生活関連サービス業、娯楽業などのインフラ関連分野の従事者数が減少しています。
総務省の調査によれば、2021年12月時点で前年同月比で、

  • 建設業は35万人
  • 農林業は11万人
  • 生活関連サービス業や娯楽業は9万人それぞれ減少しています。

一方で、

  • 情報通信業は16万人
  • 医療・福祉は16万人
  • 金融業や保険業は10万人

と、コロナ禍で必要とされる業界の従事者数は増加しています。
このように、コロナの影響で企業側のみならず、労働者側も業界を見極める必要があることが明らかになっています。

求人倍率の推移と経済回復

企業の採用活動の中断や延期が相次いだことで、求人数も減少傾向にあります。
厚生労働省の統計データによれば、2019年を境に有効求人倍率が低下しています。
しかし、2020年12月から2021年12月にかけての月別求人倍率は横ばい状態が続いており、経済が徐々に持ち直しつつあることが伺えます。
求職者誘引の文言は削除されています。

コロナ禍の採用活動の変化

コロナ感染拡大を抑制するため、企業は採用プロセスを一部変更しています。

  • Skype やZoom などのオンラインツールを活用した面接を導入する企業が増えています。
  • もともとオンライン面接は遠方の応募者向けに実施されていましたが、対面での人物評価が難しいため、面接回数を増やすケースもあります。

対面面接の際は、マスク着用や消毒、換気などの感染対策を徹底しています。
また、冬季はウイルス感染リスクが高まることから、面接時期を春に変更する企業もあります。

今後、転職市場はコロナの影響でどのように変化するか (2024年6月)

今後、転職市場はコロナの影響でどのように変化するか (2024年6月)

コロナ禍の影響で転職市場の動向に不安を抱えている人が多数います。しかし、この状況下でも転職市場は変化を遂げています。その変化を、雇用形態、企業の姿勢、採用プロセスの3つの観点から説明します。

  • 雇用形態では、リモートワークの増加に伴い、フルリモート勤務や複数拠点勤務など、柔軟な働き方が広がっています。

  • 企業側も、テレワークの推進や働き方改革に前向きな姿勢を示しています。

  • さらに、採用プロセスにおいても、オンライン面接やAI採用の導入など、非対面型の採用手法が定着しつつあります。

このように、コロナ禍は転職市場に大きな変革をもたらしています。

リモートワーク普及でジョブ型雇用が注目

コロナ禍において、従来の雇用形態に変化が生じています。注目されているのが「ジョブ型雇用」です。
この方式では、特定の業務に最適な人材を割り当てることが基本となります。
採用に先立ち、職務内容や作業量を具体的に定めるのが特徴です。
一方、従来の「メンバーシップ型」では、

  • 人材を先に確保し
  • その後に担当業務を決定する

のが一般的でした。
日本ではメンバーシップ型が長らく主流でしたが、海外ではジョブ型が中心でした。

ジョブ型雇用が注目される背景には、リモートワークの普及があります。
在宅勤務が増えたことで、上司による部下への細かい指示や業務評価が難しくなりました。
しかし、ジョブ型であれば、事前に業務内容が決まっているため、そうした管理は不要になります。
成果物によって評価が可能となるためです。
このように、コロナ禍によってリモートワークが定着したことで、雇用形態の変化が生じています。

コロナ禍における企業のDX推進

新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制するため、テレワークを推進する企業が増加しています。この動きに合わせて、業務プロセスの見直しが必要となります。

  • 電子署名の導入
  • ウェブ会議ツールの活用

など、環境整備が求められます。また、セキュリティ対策として、一部の従業員のみがシステムやファイルにアクセスできるよう制限を設ける必要があります。

一方、外出自粛により売上が大幅に減少した企業は、収益回復に向けた施策を検討しなければなりません。

  • 実店舗に加えてECサイトでの販売強化
  • 非対面型の決済手段導入

など、様々な対応が求められています。

このように、コロナ禍による経済危機を乗り越えるには、企業のあり方自体を変革していく必要があります。

オンライン面接の増加と採用難

コロナ禍における雇用環境は大きく変化しています。
感染拡大の影響で、

  • 採用活動を一時停止する業界や企業が増加する一方
  • 人手不足に苦しむ企業では遠隔面接の導入が進んでいます

特にIT分野では人材確保の課題が深刻で、対面と比べて適性判断が難しいオンライン面接では、

  • 複数回の面談を行う企業も見られます

転職活動において採用されやすい方の特徴

転職活動において採用されやすい方の特徴

就職環境が厳しい状況下においても、転職を成功させるための適切な準備が不可欠です。
採用される可能性を高めるには、以下の点が重要です。

  • 業界の動向を把握する
  • 自身の強みと弱みを冷静に分析する

さらに、キャリアプランに一貫性があり、長期的な視点を持つことが求められます。

これらの要素を意識することで 転職の機会を掴む確率が高まるでしょう

市場分析と志望動機の重要性

業界や企業の現状を把握することが不可欠です。
市場の動向を深く理解すれば、なぜその分野や会社がパンデミック下でも人材を必要としているのかが明らかになります。
そうすれば、企業のニーズに合った志望動機を立てることができるようになります。
市場分析を行う際は、

  • 企業のIR情報などを確認し、
  • その企業が業界内でどのような立ち位置にあるのかを把握することが重要です。

転職に向けた自己分析のコツ

自身の強みや能力を明確にするには、徹底した自己分析が不可欠です。
企業のニーズに合わせた適切な自己PRができれば、採用される可能性が高まります。

しかし、一人で客観的に自己分析を行うのは難しい場合が多くあります。
そこで、

  • 転職エージェントに登録し、専門家のコーディネーターに自己分析を依頼するのがおすすめです。

自分では気づかなかった、志望する業界に合った長所や能力が明らかになるでしょう。

キャリアの一貫性を意識した転職活動

就職活動において、これまでの経歴の一貫性は重要な評価ポイントとなります。
一貫性があれば、その人物の能力や資質を把握しやすく、雇用側にも安心感が持てます。
将来のキャリアパスを一貫したものにするには、最終目標を設定し、その達成に向けて

  • 5年後、10年後の就業先を見据える必要があります。

例えば、プロジェクトマネージャーを志すなら、

  • 今からマネジメント力を磨き、5年以内に小規模プロジェクトのリーダー経験を積める企業への転職を検討するなどです。

目標地点を定め、そこに至る道筋を描くことが肝心です。

まとめ

まとめ

この記事では、コロナ禍における転職市場の動向と変化について説明しました。
パンデミック下で転職活動は求職者不利な買い手市場となり、厳しい環境が続いています。
しかし、IT・通信業界などでは人材需要が根強く、有望な分野と言えるでしょう。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」は、優秀なITフリーランスの方々に最適なプロジェクトをご紹介しています。
また、企業側でジョブ型雇用が浸透するなど、雇用形態に変革の兆しが見られます。
転職を成功させるには、市場動向を把握し、自身のキャリアを見つめ直し、今後の展望を立てることが肝心です。自身のスキルとキャリアプランを明確にすることが何より大切なのです。