フロントエンドエンジニアの職種について、年収や仕事内容、必要なスキルなどを詳しく説明します。
IT業界は人材不足が深刻化しており、転職を検討する人も多いでしょう。
年収は転職を考える上で重要な要素です。
本記事では、フロントエンドエンジニアの
- 平均年収や最高年収
- 具体的な業務内容
- スキルアップに役立つ資格
- フリーランスの需要動向
- 将来性
などを解説します。
フロントエンドエンジニアの年収に関心がある方、現役のエンジニア、将来的にこの職種を目指す方など、幅広い層の方に役立つ情報を提供します。
気になる内容をタップ
フロントエンドエンジニアの仕事内容
ウェブサービスやアプリケーションにおいて、ユーザーと直接対話する部分の開発を担うのがフロントエンドエンジニアです。
この役割は、ウェブサイトやアプリ上でユーザーが入力やクリックを行うインターフェイス部分、およびバックエンドシステムとのデータ連携を扱います。
クライアント側でプログラムを実行するため、クライアントサイドとも呼ばれています。
フロントエンドエンジニアは、デザイナーの作成したデザインをもとに、以下の技術を活用し、ウェブサイトの設計・実装やCMSの構築・カスタマイズを行います。
- HTML/CSS
- JavaScript
- PHP
- jQuery
業務内容は企業やプロジェクト、求人案件によって異なる場合があり、デザイン作成をフロントエンドエンジニアが担当したり、デザイナーとの役割分担が明確な場合もあります。
フロントエンドエンジニアは、コーダーよりも高度なプログラミングスキルが求められます。
マークアップだけでなく、JavaScriptやPHP、CMSの機能拡張など、プログラムで処理される部分の開発も担当します。
一方、コーダーはデザイナーの作成したデザインに基づき、HTML/CSSを使ってウェブサイトの表示用ソースコードを作成する役割です。
フロントエンドエンジニアの年収
この節では、フロントエンドエンジニアの収入状況について説明します。
フリーランスとして働く場合と会社員として勤務する場合の年収を比較し、それぞれの平均値、最高値、最低値を提示します。
フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均年収は829万円、最高年収は1,920万円、最低年収は240万円です(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年7月時点)。
この数値は、月額単価の平均69.1万円、中央値70万円、最高160万円、最低20万円(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ)を年換算したものです。
また、時給単価では平均4,596円、中央値4,640円、最高7,500円、最低2,500円(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年7月時点)となっています。
一方、会社員エンジニア全体の平均年収は469万円です。
年代別では、
- 20代が373万円
- 30代が509万円
- 40代が605万円
- 50代以上が701万円
となっています。
会社員のフロントエンドエンジニアに限れば、平均年収は548万円と言われています。
フリーランスのフロントエンドエンジニアと会社員のフロントエンドエンジニアを比べると、フリーランスの方が約1.5倍高い311万円の年収差があります。
フロントエンドエンジニアとして活躍するなら、高年収が期待できるフリーランスがおすすめです。
フロントエンドエンジニアの年収アップに必要なスキル
この節では、フロントエンド開発者の収入向上に役立つ能力について説明します。
フロントエンド開発に求められる技術を身に付けることで、高い報酬を得られる可能性が高まります。
今後フロントエンド分野で活躍を目指す方々も、この内容を参考にしていただき、収入アップの一助としてください。
フロントエンドエンジニアの年収アップに必要なスキル
フロントエンド開発者の年収向上には、プログラミング能力が不可欠です。ただし、使用する言語はプロジェクトや企業によって異なります。求められるスキルレベルも経験年数によって変わってきます。
- 1年未満の場合は、HTML/CSS、JavaScript、PHPなどの基本構文の習得が求められることが多いです。
- 一方、3年以上の実務経験があれば、フロントエンド言語に加えて、サーバーサイド言語、フレームワーク、データベース、ネットワークなど、システム開発に関する幅広い知識が必要とされる傾向にあります。
したがって、フロントエンド言語以外にも、サーバーサイド言語、フレームワーク、インフラに関する知見を持つことで、希少性が高まり、年収アップにつながるでしょう。
フロントエンドエンジニアの年収アップに必要なUI/UX設計スキル
Webコンテンツを構築する際、ユーザーの視点を重視することが肝心です。
ユーザーがサイトを利用する際の行程や要求を的確に把握し、それに基づいてデザインすることが求められます。
フロントエンドエンジニアがユーザーエクスペリエンスとインターフェイスの設計力を身につけることで、ユーザーにとって使いやすく魅力的なコンテンツを生み出すことができます。
ユーザーの満足度が高まれば、事業の収益性も向上するでしょう。
つまり、UI/UXの知見を持つことが、フロントエンドエンジニアの年収アップにつながる重要なスキルなのです。
フロントエンドエンジニアの年収アップに必要なスキル
フロントエンド開発者にとって収入を増やすための重要なスキルは、円滑なコミュニケーション能力です。
プロジェクトでは、他の技術者と緊密に連携し、常に情報を共有する必要があります。
したがって、効果的なコミュニケーションは不可欠です。
収入アップを目指すのであれば、コミュニケーション力の向上に努める必要があります。
加えて、自ら提案を行うこともあるため、
- 論理的な思考力
- 説明力
も重要なスキルとなります。
フロントエンドエンジニアの年収アップにはマネジメントスキルが不可欠
フロントエンド開発者が収入を増やすためには、マネジメント能力が不可欠です。
高収入を得ているフロントエンド開発者は、チームをまとめる役割を担っています。
- システムやWebアプリ、Webサイトを短期間で完成させるには、適切な人員配置と作業手順、スケジュール管理が重要です。
チームをうまく統率できる力があれば、自身の付加価値が高まり、希少性の高い存在となります。
そのため、高収入を実現できるのです。
フロントエンドエンジニアの年収アップにおすすめの資格
この節では、フロントエンド開発者の収入向上に役立つ資格について説明します。
フロントエンド開発には多岐にわたる能力が求められるため、関連資格の取得により、自身の技術力を裏付けることができます。
HTML5プロフェッショナル認定試験の概要
HTML5、CSS3、JavaScriptなどのマークアップ技術と知識を評価する資格試験が、特定非営利活動法人LPI-Japanによって実施されています。
この試験には、以下の2つのレベルがあります。
- Level.1
- Level.2
HTML5に関する実践的な知見を身につけることができ、フロントエンド開発者にとってスキルを証明する機会となります。
Webクリエイター能力認定試験の概要
Webサイト制作に必要な技能を評価する資格試験があります。主催団体はサーティファイWeb利用・技術認定委員会で、コーディングやデザインの実力が問われます。
認定レベルは以下の2種類があり、実技試験が中心となっています。
- 上級のエキスパート
- 初級のスタンダード
スタンダードは基礎的な知識問題が出題され、エキスパートではタグの理解度や画像編集技術など、より高度な問題が出題されます。
フロントエンド開発者を目指す方におすすめの資格試験です。
JavaScript スペシャリスト資格の概要と重要性
ウェブ開発における高度なJavaScriptスキルを証明する国際資格があります。
この資格試験では、
- ユーザーインターフェース
- DOMの操作
- プログラムフロー制御
- フォーム検証
- アニメーション効果
などの幅広い分野が出題されます。
初心者にとっては難易度が高く、チャレンジングな内容となっています。
しかし、この資格を取得することで、JavaScriptの専門知識を客観的に示すことができます。
グローバルな環境で活躍する際にも有利になる可能性があり、フロントエンド開発者にとって魅力的な資格と言えるでしょう。
フリーランス求人・案件数から見るフロントエンドエンジニアのニーズ
この節では、フリーランス求人・案件の数値からフロントエンドエンジニアに対する需要を説明します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が公開している職種別の求人・案件数を分析すると、フロントエンドエンジニアは8,917件となっています(2021年7月時点の同社調べ)。
同時期にITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が取り扱った求人・案件総数は200,284件でしたので、フロントエンドエンジニアの占有率は約4.5%と算出されます。
この結果から、フロントエンドエンジニアに対する一定の需要があることが確認できます。
フロントエンドエンジニアの将来性
この節では、フロントエンド開発者の需要が今後も高まり続けることについて説明します。
フロントエンド開発者の求人数は一定数存在しており、この職種に対する需要が根強いことがうかがえます。
IT市場の分析から、フロントエンド開発者の需要が高まる理由が明らかになります。
- ウェブ業界の市場規模は2010年から2020年にかけて4.5倍に拡大すると予測されています。
- 2018年の国内EC市場は18兆円に達し、前年比8.96%の伸びを示しました。
- 特にスマートフォンからのECの利用が急速に増加しており、物販分野でのスマートフォン経由の取引額は前年比21.5%増の3兆6,552億円に上りました。これはEC物販市場の39.3%を占めています。
- 今後もECの市場拡大が見込まれ、2025年には27.8兆円に達すると予測されています。
- AI、IoT、5G、ビッグデータ、ブロックチェーン、XRなどの技術進歩により、ITエンジニアの需要が高まり、2030年までに79万人の人材不足が生じる可能性があります。
これらの分析から、フロントエンド開発者の需要は今後も底堅く推移すると考えられます。
まとめ
この記事では、フロントエンドエンジニアの職種に焦点を当て、その年収の詳細、仕事内容、スキルアップに必要な要素、資格、需要、将来性について詳しく解説しています。
フロントエンドエンジニアとして活躍するためには、明確な目標を設定し、継続的な学習が重要となります。
目標を持つことで、行動の方向性が定まり、自然と年収アップにつながるでしょう。
高年収を望むならITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」への登録も選択肢の一つです。
フロントエンドエンジニアとしてのキャリアアップに向けて、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。