エンジニアの年収比較や年収アップの方法を解説

プログラミングスキルを持つ技術者の収入水準は高いと言われています。
近年、IT分野の技術革新が目覚ましく、同業界で活躍する人材需要が高まっています。
そこで、エンジニアの実際の年収はどの程度なのか、多くの人が関心を持っているのではないでしょうか。
既にエンジニアとして働いている方も、自身の収入が平均的なのか、それ以上か以下かを疑問に思っているかもしれません。
本稿では、クラウドサービスAWSに特化したエンジニアの年収について解説します。
加えて、AWSエンジニアの業務内容、収入アップの方法、おすすめの資格、需要動向、将来性についても言及します。
特に以下の方は、本記事をご一読いただければ幸いです。

  • AWSエンジニアの年収に興味がある方
  • AWSエンジニアとして活躍中の方
  • 将来的にAWSエンジニアを目指す方
  • AWSに関心がある方
  • エンジニアの収入水準について深く理解したい方

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AWSとは

AWSとは

クラウドコンピューティングは、インターネットに接続されたPCから必要な分のサーバー、ストレージ、データベースなどのリソースを利用できるサービスです。

Amazon Web Services(AWS)は、Amazonが提供する100種類以上のクラウドサービスの総称です。

  • IaaSは、ハードウェアやインフラ全体を提供するサービスで、EC2やAzure、GCPがあります。
  • PaaSは、アプリケーションとOSをつなぐミドルウェアやデータベース管理システムなどのソフトウェア一式を提供し、Elastic BeanstalkやApp Engineなどがあります。
  • SaaSは、インターネット経由でアプリケーションを利用するサービスで、GmailやDropbox、Salesforceなどがあります。

AWSは、高いセキュリティ性、従量課金制、安定したパフォーマンス、多様なサービスと柔軟性・拡張性を特徴としています。
代表的なサービスに

  • EC2
  • Lambda
  • S3
  • RDS
  • CLI

があります。
2019年の世界クラウドインフラ市場でAWSは32.3%のシェアを占め、2位のAzureを大きく引き離しています。
SAP、Netflix、Airbnb、クックパッド、DNAなど、世界中の企業がAWSを導入しています。

AWSエンジニアの仕事内容

AWSエンジニアの仕事内容

この節では、AWSエンジニアの職務内容について説明します。
AWSエンジニアは、主に以下の業務を担当しています。

  • AWSの運用設計
  • 環境構築
  • 移行作業
  • サーバー構築

AWSエンジニアの業務はインフラエンジニアの職務と非常に類似しています。
AWSエンジニアとインフラエンジニアの違いは、基本的にはAWSに精通しているエンジニアをAWSエンジニアと呼ぶかどうかの違いです。
ただし、クラウド領域はインフラエンジニアの職務範囲にも含まれます。
そのため、企業や案件によっては、AWSを専門とするエンジニアをインフラエンジニアと総称することもあります。

AWSエンジニアの仕事と設計上の留意点

AWSクラウド環境におけるシステム設計が主な業務となります。
物理的な環境を整備する作業は基本的に発生しません。
将来の拡張性を見据え、AWSの特性を活かした設計が重要です。
また、AWSの特有のセキュリティ対策を組み込むことが不可欠です。
セキュリティの基本的な考え方はオンプレミスと変わりませんが、

  • 通信
  • OS
  • ミドルウェア
  • アプリケーション
  • ストレージ

など、全てのレイヤでセキュリティを確保する必要があります。
AWSの特性を理解し、可用性と拡張性を意識した設計、そして継続的な最適化が求められます。

AWSエンジニアの仕事

クラウド上でシステムを構築するのがAWSエンジニアの役割です。
設計書に基づき、以下のクラウドサービスを活用して構築作業を行います。

  • 仮想マシン
  • データベース
  • ストレージ
  • ロードバランサー
  • ネットワーク
  • サーバレスコンピューティング
  • セキュリティ

企業に適したAWSサービスを選定し、ソフトウェアのインストールや設定を実施します。
構築後は負荷テストを実施し、正常に動作することを確認します。

AWSエンジニアの運用業務

AWSプラットフォーム上で構築されたシステムが適切に機能するよう、運用とメンテナンスを実施することがAWSエンジニアの役割です。
一般的な業務には、以下が含まれます。

  • サーバーの拡張
  • セキュリティパッチの適用
  • ソフトウェアのアップグレード
  • インシデント対応
  • セキュリティ監視
  • 最適化のための分析とレポーティング
  • サーバーの再起動

ただし、エンジニアのスキルセットによって担当する業務は異なる場合があります。
また、不具合発生時には迅速な原因究明と対処が求められ、企業に深刻な損害を及ぼさないよう適切な対応が必要とされます。

AWSエンジニアの平均年収

AWSエンジニアの平均年収

この節では、AWSエンジニアの年収について詳しく見ていきます。
フリーランスエンジニアと企業に雇用されているエンジニアの年収を比較し、その違いを明らかにします。

AWSのフリーランスエンジニアの平均年収は925万円、最高年収は2,040万円、最低年収は240万円です(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年6月時点)。
この年収は、フリーランスエンジニアの月額単価を年ベースで算出したものです。
月額単価の相場は、

  • 平均が77.1万円
  • 中央値が75万円
  • 最高が170万円
  • 最低が20万円

となっています。
また、時給単価の相場は、

  • 平均が4,702円
  • 中央値が4,440円
  • 最高が16,250円
  • 最低が2,500円

です(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年6月時点)。

一方、Azureのフリーランスエンジニアの平均年収は928万円、最高年収は1,920万円、最低年収は360万円です(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年6月時点)。
月額単価の相場は、

  • 平均が77.4万円
  • 中央値が75万円
  • 最高が185万円
  • 最低が30万円

となっています。
時給単価の相場は、

  • 平均が4,816円
  • 中央値が4,640円
  • 最高が7,140円
  • 最低が2,220円

です(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年6月時点)。

次に、企業に雇用されているエンジニアの平均年収を見ると、全体では469万円となっています。
年代別では、

年代 平均年収
20代 373万円
30代 509万円
40代 605万円
50代以上 701万円

と、年齢が上がるにつれて平均年収も高くなる傾向にあります。
その中でAWSの会社員エンジニアの平均年収は535万円と言われています。

フリーランスエンジニアと企業に雇用されているエンジニアの年収を比較すると、AWSのフリーランスエンジニアの方が約431万円程度高く、Azureのフリーランスエンジニアの方が約413万円程度高い結果となりました。
AWSエンジニアとして活躍するのであれば、フリーランスエンジニアの方が

AWSエンジニアとしておすすめの資格

AWSエンジニアとしておすすめの資格

この章では、AWSエンジニアとしての活躍に役立つ資格について説明します。
AWSエンジニアとして資格取得は必須ではありませんが、スキルの証明となります。
AWS認定制度は、AWSでのアプリケーション開発やオペレーションを行うための技術的専門知識を認定するものです。
認定レベルは、以下の3段階があります。

  • ベーシック
  • アソシエイト
  • プロフェッショナル

さらに役割別とセキュリティ、ビッグデータ、高度ネットワーキングの専門分野別に分かれています。
それぞれの概要は以下の通りです。

ベーシックレベル 半年程度のAWS基礎知識を持つ初心者向けです。
アソシエイトレベル 1年程度のAWS実務経験があり、主要サービスの知見を持つ中級者向けです。
プロフェッショナルレベル 2年以上の実務経験があり、ソリューション設計や運用、トラブルシューティングができる上級者向けです。

AWS認定資格を取得することで、AWSインフラやアプリの設計・デプロイ・運用スキルが身に付き、専門知識の保有が証明されるメリットがあります。

AWSのニーズを見るフリーランス求人・案件数

AWSのニーズを見るフリーランス求人・案件数

この節では、フリーランス求人・案件の数値からAWSに対する需要を説明します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が公開している開発言語・スキルの分析によると、AWSの求人・案件数は3,865件に上ります(xhours調べ/2021年6月時点)。
同時期のxhoursが取り扱う全体の求人・案件数は194,745件でした。
つまり、AWSの求人・案件は全体の約2%を占めていることになります。
この結果から、AWSに関するフリーランス需要は一定程度存在し、IT業界においてAWSへの関心が高いことがうかがえます。

AWSエンジニアとして年収アップさせる方法

AWSエンジニアとして年収アップさせる方法

この節では、AWSエンジニアとしての能力を最大限に発揮し、収入を向上させる方策について説明します。
収入アップのための具体的な取り組みについて、詳しく述べていきましょう。

  • AWS認定資格を取得する
  • プロジェクト経験を積む
  • スキルを磨く
    • オンラインコースを受講する
    • 書籍を読む
    • ハンズオンを行う
  • ポートフォリオを作成する
  • 転職活動を行う
取り組み 収入アップ効果
AWS認定資格取得 ★★★★☆
プロジェクト経験 ★★★★☆
スキル習得 ★★★☆☆
ポートフォリオ作成 ★★☆☆☆
転職活動 ★★★★★

AWSエンジニアの年収アップ方法

クラウドエンジニアとして収入を向上させるには、クラウドサービス自体の習得が不可欠です。
しかし、クラウドサービスを完全に理解しているエンジニアはほとんどいません。
テクノロジーは日々進化しているため、完全な習得は困難です。
それでも高収入を得ているエンジニアには、常に学習する姿勢と意欲があります。
継続的な学習により、成長し続けることができます。
その結果、経験と活躍の場が広がり、高給与の求人や案件に携わることができるのです。
クラウドサービスの習得方法として、関連資格の取得も有効な手段の一つです。

AWSエンジニアの高年収獲得に必要なスキル

クラウドエンジニアとして収入を向上させるには、インフラストラクチャ全般とクラウド技術に関する幅広い知識とスキルを身につけることが重要です。

クラウドエンジニアの業務は主にインフラストラクチャに関わるため、この分野の専門性を高めることが収入アップにつながります。
具体的には、

  • AWS以外にもAzure、GCPなど他のクラウドプラットフォームの経験
  • サーバー、ネットワーク、ミドルウェアの知識
  • 可用性とコスト効率に優れた分散システムの構築力
  • 高い耐障害性を備えたシステムの設計能力
  • セキュリティを考慮した設計力
  • API、CLI、SDKを活用したアプリケーション開発スキル

など、インフラストラクチャ全般とクラウド技術に関する幅広い知識とスキルを身につけることが求められます。

これらの専門性を備えることで、担当可能な業務範囲が広がり、高収入を実現できます。
さらに、

  • DevOps
  • SRE
  • Ansible
  • CircleCI
  • Chef

などの運用手法やツールの知識も役立ちます。

つまり、クラウドエンジニアとして広い視野を持ち、多様な開発経験と高度な技術スキルを身につけることが、高収入を得るための鍵となります。

上流工程経験でAWSエンジニアの年収アップ

AWSエンジニアとして収入を向上させる方法は、上流工程の経験を積むことです。
上流工程では、以下のことがあります。

  • 顧客のニーズを把握し、システム化が可能か否かを見極めながら説明する機会
  • ドキュメント作成
  • チームのまとめ役を務める機会

開発スキルだけでなく経営に近いスキルが求められます。
そのため、要件分析や要件定義などの上流工程経験を持つAWSエンジニアは希少価値が高く、高収入を得やすくなります。
収入アップを目指すAWSエンジニアには、上流工程の経験を積むことが推奨されます。

AWSエンジニアの将来性

AWSエンジニアの将来性

この章では、AWSエンジニアの需要が今後も増加する可能性が高いことについて説明します。

AWSエンジニアの需要拡大の理由として、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のデータによれば、

  • AWSのフリーランス案件数が多数存在すること

が挙げられます。また、

  • AWSがクラウドインフラ市場で世界シェア1位を占めており、企業がオンプレミスからクラウド環境への移行を進めていること

も需要拡大の要因となっています。

シンガポールの調査会社Canalysによると、2019年の世界クラウドインフラ市場におけるAWSのシェアは32.3%と圧倒的な存在感を示しています。国内でも、MM総研の調査で2019年度のクラウドサービス市場が前年比21.4%増と大幅な成長を遂げており、IaaSやPaaSにおいてAWSが最も高い企業利用率となっています。

さらに、

  • AI、ビッグデータ、IoTなどの技術進歩やITエンジニアの高齢化による人材不足が予測されており、2030年までに79万人のITエンジニア不足が生じる可能性がある

ことから、AWSの需要は今後も拡大し、AWSエンジニアの需要も高まっていくと考えられます。

まとめ

まとめ

この記事では、AWSエンジニアの年収、仕事内容、おすすめの資格、需要の高まり、年収アップの方法、将来性について説明しました。

AWSのニーズが高まっているため、AWSエンジニアの需要も増加しています。
明確な目標を持ち、様々な開発経験を積むことで、自然と年収もアップするでしょう。

高年収を望むなら、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用することをおすすめします。
ただし、エンジニア未経験者がフリーランスとして活躍するのは難しいため、まずは以下の点を踏まえましょう。

  • AWSスキルを身につける
  • 2~3年程度の開発経験を積む

その上で、独立を検討するのがよいでしょう。

AWSエンジニアとして第一歩を踏み出し、高年収を目指しましょう。