5G(第5世代通信)とは?意味や特徴、2024年6月への将来性、メリットデメリットを解説!

次世代の無線通信技術である5Gは、第5世代移動通信システムを指します。
2020年3月に前世代の4Gに続く規格としてサービスが開始されました。
本文では、以下の点について詳しく解説します。

  • 5Gの概要
  • 歴史的経緯
  • 長所と短所
  • 実現可能なこと

さらに、5G対応デバイスやエリア、そして6Gの将来性と期待される機能についても触れています。
IT分野で活躍する方、特にエンジニアの方は、ぜひ一読されることをお勧めします。

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5Gとは?

5Gとは?

次世代の無線通信技術である5Gは、第5世代移動通信システムの略称です。
この新しい通信規格は、携帯電話などのモバイル機器で利用される最新の技術規格であり、2020年3月に4Gに続く規格としてサービスが開始されました。
5Gは、より高速で大容量のデータ通信を可能にし、さまざまな分野での活用が期待されています。

移動通信システムの歴史

移動通信システムの歴史

携帯電話ネットワークの進化を振り返ると、5Gの革新性が浮き彫りになります。
移動通信技術の変遷を概観することで、最新世代の特徴を把握しやすくなるでしょう
ここでは、5G登場に至るまでの移動体通信システムの軌跡を紐解きます。

  • 1G(第1世代): アナログ方式の無線通信サービス
  • 2G(第2世代): デジタル方式に移行、音声通話とデータ通信が可能に
  • 3G(第3世代): 高速データ通信の実現、マルチメディア通信が可能に
  • 4G(第4世代): さらなる高速化と大容量化、モバイルブロードバンドの実現
  • 5G(第5世代): 超高速・超低遅延・多数同時接続を実現する最新世代
世代 主な特徴
1G アナログ方式の無線通信サービス
2G デジタル方式への移行、音声とデータ通信が可能に
3G 高速データ通信の実現、マルチメディア通信が可能に
4G さらなる高速化と大容量化、モバイルブロードバンドの実現
5G 超高速・超低遅延・多数同時接続を実現する最新世代

5Gは、従来の移動通信システムを超える革新的な技術です
高速・大容量・低遅延・多数接続という特性から、さまざまな産業分野でイノベーションが期待されています。

1G移動通信システムの概要

初期の移動体通信技術は、音声信号をアナログ波形に変換して無線伝送する方式でした。
1980年代に登場した第1世代移動通信システム(1G)は、このアナログ方式を採用した携帯電話サービスの始まりでした。

  • 当初は肩にかける形状の「ショルダーホン」が提供され、その後、手持ち型の「携帯電話」が普及しました。

この世代では音声通話が主な機能で、データ通信などの高度な機能はまだ実現されていませんでした。

2Gの登場とiモードの普及

第2世代の移動通信システムは、1993年に登場したデジタル方式の通信技術です。この2Gの出現により、従来のアナログ方式から、デジタル方式への移行が進みました。
データ通信が容易になったことで、メールやインターネットの利用が広まりました。
この時代を代表するサービスが、1999年にNTTドコモから提供された「iモード」でした。

  • iモードには、ウェブサイトの閲覧、天気やニュースの確認、メールの送受信など、当時としては革新的な機能が多数搭載されており、大きな人気を博しました。

同時期に、DDIセルラーグループとJ-フォンからも、類似のサービスが開始されました。

3Gの高速通信と国際標準化

3Gとは、第3世代の移動体通信規格を指します。国際電気通信連合が策定した「IMT-2000」に準拠しており、2Gに続く次世代の通信システムです。
2Gの時代には通信障害や遅延が課題となり、2000年代に入ると高速通信への要求が高まりました。
3Gの普及により、従来の2.4kbps〜28.8kbpsから384kbps〜14Mbpsへと通信速度が大幅に向上しました。
大容量コンテンツの利用が可能になり、着信音メロディ配信サービスが人気を博しました。
また、国際標準の移動体通信システムとして広まり、日本の携帯電話が海外でも利用できるようになりました。

4Gの高速通信と進化

移動通信技術は進化を続けています。
3Gに次ぐ第4世代の無線通信システムが4Gです。
国際電気通信連合が定めた「IMT-Advanced」規格に準拠しており、通信速度は従来の384kbps〜14Mbpsから50Mbps〜1Gbpsへと大幅に向上しました。
高速化によって、

  • スマートフォンでインターネットを快適に利用できるようになったほか
  • ゲームや動画などの大容量コンテンツも楽しめるようになりました。

3G後継の4G LTEも注目を集める新しい通信規格でした。

5Gの特徴・メリット

5Gの特徴・メリット

本文では、5Gの優れた点について説明していきます。
5Gは従来の通信技術と比べて、

  • 高速
  • 大容量
  • 低遅延

という3つの特性を備えています。
この特性により、より快適なモバイル体験が実現可能になります。
例えば、

  • 高精細な動画をストレスなく視聴できる
  • リアルタイムでのデータ共有も可能になる

ほか、IoTデバイスの制御にも活用でき、新しいサービスの提供が期待されています。
5Gの導入により、私たちの生活は大きく変わる可能性があります。

5Gの高速・大容量通信

次世代の通信規格5Gは、驚異的な高速性と大容量を備えています。
国際機関が定めた目標値は、従来の100倍に相当する20Gbpsの通信速度です。
この高速大容量が実現すれば、

  • 長尺の動画をわずか数秒でダウンロード可能になります。
  • 高精細映像のリアルタイム配信
  • 遠隔医療
  • AIを活用した高度な監視システム

など、革新的なサービスの実用化が見込まれています。

5Gの高信頼・低遅延通信

5Gの重要な特性の1つは、信頼性の高さと伝送遅延の短縮です。
国際機関が定めた目標値は、従来の10分の1にあたる1ミリ秒と設定されています。
この高信頼・低遅延の通信が実現すれば、

  • 自動運転車両の制御など、リアルタイムで安全性が求められる分野への活用が見込まれます。
  • ロボットの遠隔操作や医療分野における遠隔診療なども、その効果が期待できるでしょう。

5Gの多数同時接続

次世代の無線通信技術5Gは、同時に膨大な数のデバイスを接続できる点が大きな特徴となっています。
国際機関が定めた目標値は、1平方キロメートル当たり100万台のデバイスを接続可能とするものです。
これは従来の4Gの約10倍の接続数を実現するものとなります。
この多数同時接続が実用化されれば、例えば

  • 倉庫内の多数の物品の位置や内容を把握したり
  • 災害発生時に避難者の健康状態をウェアラブル端末で遠隔モニタリングするといった活用が期待できます。

5Gのデメリット

5Gのデメリット

本文では、5G技術の潜在的な課題について3つの側面から言及します。

  • まず、5Gネットワークの構築には多額の投資が必要となり、通信事業者の財務負担が大きくなる可能性があります。
  • 次に、5G電波の健康への影響については、一部で懸念が示されていますが、科学的根拠は不十分です。
  • 最後に、5Gの高速通信は電力消費量の増加につながり、環境負荷の観点から課題が指摘されています。

5Gの導入と課題

次世代の通信技術である5Gを活用するには、対応する端末や機器への更新が不可欠です。
既存の通信インフラとは異なる仕様を持つため、5Gを導入する際には専門的な知見を有する人材の確保が求められます。
ネットワークやセキュリティ面での対策も欠かせず、5Gの恩恵を享受するには一定の投資が必要となります。

5G対応エリアの現状

現時点では、5G通信サービスが全国的に行き渡っているわけではありません。その背景には、以下の点が挙げられます。

  • 5G基地局の設置が一部地域に限られていること

例えば東京都内でソフトバンクの5G対応エリアを確認すると、

都心部 概ね対応している
郊外部 未対応の地域が目立つ

全国的にみても、5G対応エリアは大都市圏を中心に点在する状況にあり、地方部への普及は今後の課題となっています。

5Gとモバイル化に伴う新たなセキュリティリスク

モバイルネットワークの普及とIoTデバイスの増加により、従来のセキュリティ対策では対処できない新たなリスクが生じる可能性があります。

  • サイバー攻撃の標的が拡大し、トラフィック量の増加に伴い情報漏えいのリスクが高まります。
  • また、IoTデバイスのセキュリティ対策が不十分であれば、トラブルが頻発する恐れがあります。

万一、個人情報や機密データが流出した場合、5Gの高速通信によりその被害は瞬時に拡大する危険性があります。

6Gで実現できること

6Gで実現できること

本文では、5Gの技術が実現する可能性について5つの側面を取り上げます。
5Gは通信の高速化だけでなく、様々な分野に影響を及ぼす革新的な技術です。
新たな価値創造の機会を提供し、社会生活に大きな変化をもたらすことが期待されています。

5Gで加速するIoTの実用化

次世代通信規格5Gの活用により、多数の機器を同時に接続することが可能になります。この技術を活用すれば、モノのインターネット化が加速度を増すことでしょう。

IoTとは、家電製品や工場の機械設備などの"モノ"をインターネットにつなげ、データ通信や遠隔操作を行うための技術を指します。

IoTの実用化により、以下のようなシステムの導入が期待されています。

  • スマート工場では、機器に取り付けたセンサーから稼働データを収集し、故障の予知保全や生産の最適化を図ります。
  • インフラ分野では、水位計の遠隔監視による防災対策や、路上の監視カメラ映像を自動運転車両の運行管理に活用します。
  • 農業の現場では、農機の遠隔操作による省力化や、センサーデータとAI分析を組み合わせて害虫対策や収穫量の最大化を目指します。

5Gで実現する遠隔技術の可能性

次世代通信規格5Gの特長である高速データ通信と低遅延性を活用することで、様々な産業分野で遠隔操作技術の実用化が可能となります。

医療現場においては、遠隔地の医師が手術ロボットを操作する「遠隔手術」の実現が見込まれています。

また、

  • 建設現場
  • 災害復旧現場

でも、危険作業を遠隔操作によって行うことで、作業員の安全性が高まると期待されています。

5Gで実現する自動運転の遠隔操作

次世代の通信技術である5Gの導入により、自動運転車両の遠隔操作が現実的になると考えられます。
現行の4G通信では、通信速度の遅延が大きいため、一般的な走行速度での運用は困難とされています。
しかし、5Gの高速・低遅延通信が実現すれば、遠隔操作による自動運転車両の運用が可能になるでしょう。
無人タクシーや無人トラックなどの実用化も視野に入ってくるかもしれません。

5Gと働き方改革

次世代の通信技術である5Gは、労働環境の変革にも大きな影響を及ぼすことが期待されています。
高速で大容量のデータ通信が可能になることで、以下のようなことが実現します。

  • 高品質な映像による遠隔会議が場所を選ばず実施できる
  • 大量のファイルも円滑に共有できる

このため、在宅勤務やリモートワークがより一層普及すると予想されます。
さらに、インターネットを介した海外との交流が活発化することで、日本国内においてもグローバルな文化が浸透していくでしょう。

XRの可能性と活用事例

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)を包括する「XR」は、5Gの技術と組み合わせることで、大幅な品質向上が期待されています。
VRは人工的に創り出された世界に新たな現実を生み出す技術であり、ARは現実世界に付加情報を重ねる技術です。
デジタルと現実を融合させるこの画像処理技術は、すでに様々な分野で活用されており、今後もさらに普及が見込まれています。
活用例としては、

  • VR/ARゲーム
  • バーチャル音楽ライブやスポーツ観戦
  • 不動産物件の内覧
  • 医療シミュレーション
  • オンラインイベント
  • ARナビゲーション
  • バーチャルフィッティング

などが挙げられます。

6G対応スマホ・エリア

6G対応スマホ・エリア

5Gの導入には、電気通信事業法が大きく関係しますが、基地局や移動局、特定基地局の設置には電波法の手続きが必要となります。

「特定基地局」とは、特定の周波数を使用する基地局で、総務省の認可を受ければ全国に設置可能です。しかし、認可がなければ設置はできません。

2019年、総務省は5G導入に向けた「特定基地局開設の申請」を受け付け、以下の4社から申請がありました。

  • NTTドコモ
  • KDDI
  • ソフトバンク
  • 楽天モバイル

各社の計画案に基づき、3.7GHz/4.5GHz帯6枠と28GHz帯4枠の割り当てのための審査が行われました。

審査項目には基盤展開率(5G専用周波数を使った基地局の設置範囲の割合)が新たに採用されました。

各社の獲得エリアは以下の通りです。

会社名 3.7GHz/4.5GHz帯 28GHz帯
NTTドコモ 2枠 1枠
KDDI 2枠 1枠
ソフトバンク 1枠 1枠
楽天モバイル 1枠 1枠

6Gの将来性

6Gの将来性

現在、4Gから5Gへの移行が進行中の移動通信システムですが、実は6G(第6世代移動通信システム)の実現に向けた研究や議論が既に始まっています。
6Gは2030年の開始を目指して開発が進められており、5Gの実用化による社会課題解決やニーズへの対応に加え、2030年代には6Gの実用化によりそれらのさらなる普及や高度な対応が期待されています。
時間や場所の制約が完全に撤廃され、いつでもどこでもリアルな体感でアクセスできるようになることで、社会格差や文化的格差が劇的に減少し、ストレスのない良い世界の実現が見込まれています。

6Gに期待される機能

6Gに期待される機能

次世代の通信規格6Gには、さまざまな革新的な機能が期待されています。
本文では、その中核となる特徴について詳しく説明していきます。
ご一読いただければ幸いです。

  • 超高速・大容量通信
  • 低遅延・高信頼性
  • 多数同時接続
  • 高度なセキュリティ
特徴 説明
超高速・大容量通信 従来の5Gを大幅に上回る通信速度と容量を実現します。
低遅延・高信頼性 ミリ秒単位の低遅延と、高い通信品質を保証します。
多数同時接続 IoTデバイスの爆発的な増加に対応できる接続数を確保します。
高度なセキュリティ 量子コンピューターに対抗できる高度な暗号化技術を採用します。

このように、6Gは現在の通信インフラを飛躍的に発展させる革新的な技術となることが期待されています。

6Gの超高速・超大容量化と拡張現実への期待

次世代の通信技術である6Gは、驚異的な高速化と大容量化を実現する見込みです。

  • 100Gbpsを超える伝送速度
  • 5Gの100倍以上の容量拡大が期待されています。

この性能は、人間の脳の情報処理能力に匹敵するレベルと言えるでしょう。
単なる視聴覚情報を超えて、現実の五感を体感できる拡張現実の実現が有望視されています。

映像 音声 触覚 嗅覚 味覚

などの感覚情報の伝送が可能になる可能性があります。

超低遅延で実現する6Gの世界

次世代の6G通信技術は、データ伝送の遅延時間を最小限に抑え、5Gの10分の1以下の超低遅延を実現することを目指しています。
この技術が実用化されれば、AIによる遠隔操作が可能となり、ロボットや機器の動作が人間並みまたはそれ以上の精緻さを持つ可能性があります。
例えば、無人店舗に導入されたシステムが、人の声のニュアンスや表情を読み取り、人間に匹敵する対応ができるようになるかもしれません。
超低遅延通信は、テレワーク、遠隔操作、遠隔医療、遠隔教育など、様々な分野での活用が期待されています。

6Gで拓く新時代

次世代の通信技術である6Gの活用により、従来の電波が届かない領域をカバーし、通信可能エリアを広げることが可能になります。
この超カバレッジ拡張の実現は、地球上のみならず宇宙空間との通信をも可能にすると見込まれています。
この革新的な技術が実用化されれば、

  • ドローンによる宅配サービス
  • 飛行車の運用
  • 一般市民向けの宇宙旅行

など、新たな産業の創出と活動範囲の拡大が期待できるでしょう。

まとめ

まとめ

この記事では、5Gと6Gの移動通信システムについて説明しています。

5Gは

  • 高速・大容量
  • 高信頼・低遅延通信
  • 多数同時接続が可能になり

IoTの加速や自動運転の推進など、様々な分野で革新的なイノベーションが期待されています。
一方で、

  • 5G対応デバイスが必要になったり
  • 通信エリアが狭かったりするデメリットもあります。

6Gは5Gをさらに発展させた次世代システムで、

  • 超高速・大容量通信
  • 超低遅延
  • 超カバレッジ拡張などの機能が期待されています。

5Gと6Gの技術革新により、私たちの生活は大きく変わるでしょう。そのため、今からこれらの通信システムについて理解を深め、新しいビジネスの創出を検討することが重要です。

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