転職で年収アップできる？転職者の年収事情と年収アップのコツ

2024年6月19日

職を変えたいと考えても収入が減少することを危惧し、行動に移せない人が多数います。
特に景気が悪い状況下では、需要の高い技術者であっても給与が下がるのではないかと懸念する人が多くいます。

そこで本稿では、転職者の収入状況について纏めました。

転職により収入が増えているのか
資格を持つことで給与が上がるのか

など、疑問点を解説しています。

加えて、転職で収入を向上させるための方策や、ポイントも紹介しています。
本稿を読めば、転職に失敗せず、満足のいく収入を得るコツが分かります。

転職を検討している技術者の皆様は、ぜひご一読ください。

気になる内容をタップ

1 転職者の年収事情
2 転職で年収は本当にアップするのか？
3 年収を上げるためにするべきこと
4 転職で年収アップを実現するためのポイント
5 エンジニアは転職すると年収アップする？
6 資格を持っていれば転職で年収アップする？
7 まとめ

転職者の年収事情

この分野では、転職によって年収が上昇する傾向が見られます。
Tech総研の調査では、エンジニア100人の転職前後の年収を比較した結果、平均で55.2万円の増加がありました。特に30代後半の年収アップ幅が大きく、管理職就任が影響していると考えられます。また、ハードウェア系の年収上昇率がソフトウェア系を上回る結果となりました。

dodaのデータでは、全体の平均年収は403万円で、

経営コンサルタント
プロジェクトマネージャー

などの高年収職種が挙げられています。ITエンジニア職でも上流工程を担う役割ほど年収が高くなる傾向にあります。IT系業種の平均年収は全体を上回っています。

このように、エンジニア職は比較的高年収であり、転職による年収アップも期待できます。IT業界の人材不足が要因の一つで、求人倍率が他業界より高水準にあることが影響しているとみられます。特にエンジニアの求人倍率は9.68倍と供給が大幅に不足しているため、年収水準が押し上げられていると考えられます。

転職で年収は本当にアップするのか？

転職によって収入が向上する人が多数いることが、提示されたデータから明らかです。転職に成功した人の年収アップ額の平均は56.7万円、最高では440万円の増加となっています。

特に20代後半以降の転職で収入が上がる傾向にあり、

24歳以下の平均アップ額45万円
25〜29歳は52万円
30〜34歳は58万円

と年齢が上がるにつれて高くなっています。

これは、一定の経験を積んだ上で実力主義の企業に移ることで、給与が大幅に上昇する可能性があるためです。エンジニアや営業など、個人の実績が収入に直結する職種ではその傾向が顕著です。

一方で、転職後の年収満足度調査では、約7割が満足しているものの、3割は不満を抱えており、転職が必ずしも成功を意味するわけではありません。

年収を上げるためにするべきこと

技術者の収入が思ったように伸び悩む場合があります。
そこで、年収アップに役立つ3つの取り組みをご紹介します。

特定の分野で高い専門性を身に付けること
管理職としての経験を積むこと
幅広い人脈作りに努めること

これらの実践により、収入面での前進が期待できるでしょう。

スキルアップが転職に有利

エンジニアとしての専門性を磨くことが重要です。
業務終了後も自主的に学習を行い、社内の研修プログラムに参加して知識を深めましょう。
また、関連する資格取得を目指すことで、体系的にスキルを身につけることができます。

AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの先端技術についても、先を見越して学習するとよいでしょう。

最新の技術を習得しているエンジニアは、市場での評価が高まり、転職に有利になります。
特に特定分野の専門家を目指す場合は、積極的にスキルアップに取り組む必要があります。

マネジメント経験の重要性

管理職としての実績は、高収入を得るための重要な要素となります。

プロジェクトリーダーや上司として部下の指揮を執った経験があれば、それが大きな強みとなるでしょう。
若手のうちから小規模なプロジェクトでも積極的に責任者を買って出ることが賢明です。

大手企業に勤める場合、新人にはなかなか管理業務を任されないことも多いですが、

アルバイトスタッフの取りまとめや後輩への指導経験などを活かすこともできます。

管理経験をアピールする際は、具体的な人数や目標達成率などの数値データを提示するのが有効です。
エンジニアが年収を向上させるには、管理職としての実績が大きな武器となるのです。

人脈形成による高年収機会の拡大

収入を向上させるには、人的ネットワークの構築が不可欠です。
近年、注目を集めているのが「紹介採用」という手法です。

従業員が推薦した人材を雇用する方式で、欧米では一般的な慣行となっています。

推薦者の人柄やスキルがある程度把握できるため、採用プロセスが円滑に進みます。
未知の人材を雇うよりもリスクが低減されるでしょう。
IT業界でこの採用形態が普及すれば、人脈を活かして望む職を選択できる機会が広がり、高収入の職を得るチャンスが増えるはずです。

転職で年収アップを実現するためのポイント

技術者が職場を変えて収入を増やすための重要な点を説明します。

自身の強みと弱みを徹底的に把握すること
目指す業界の動向を詳しく調べること
転職支援サービスを上手に利用すること

です。

転職成功の鍵は自己分析

転職を成功させるためには、自己分析を徹底的に行うことが重要です。
自己分析を通じて、自分の本当の志向や目指すべきキャリアパスが明確になります。
そうすれば、面接での発言にも一貫性が生まれ、採用される可能性が高まります。
自分に合わない仕事に精を出しても、評価につながる成果は期待できません。
エンジニアとして転職を考える場合、年収アップを望むならば、関心のある職種に就くことが前提条件と言えるでしょう。
また、親しい人々に自分の性格について尋ねてみることをおすすめします。
自分の性格は周りの人の方がよく知っていることが多いため、他者の意見を参考にすることで、客観的な自己理解が可能になります。
エンジニアとして正社員以外に、フリーランスとしての独立も視野に入れている方は、各開発スキルやエンジニア職種の相場単価が分かる情報を参考にすると良いでしょう。

転職における業界分析の重要性

年収向上を目指す転職活動では、業界に関する深い理解が不可欠です。
業界の特性、市場規模、現状などを分析し、志望企業の強みや業績動向、成長見込みを把握することが重要です。
このような徹底した業界研究を行うことで、志望動機の説得力も高まります。
転職先企業のみならず、業界全体についても幅広く調査を行いましょう。

転職サイト・転職エージェントの活用で年収アップ

就職活動において、転職サイトや転職エージェントを賢明に利用することで、高待遇の企業への入社が容易になります。

転職サイトに掲載される求人情報は、公共職業安定所よりも有利な条件が多くなっています。
特にエンジニア向けの求人サイトでは、必要なプログラミング言語などで絞り込み検索ができるため、効率的な探索が可能です。
さらに、転職サイトには「スカウト機能」が備わっており、自身のプロフィールや経歴書を基に企業から直接スカウトされる機会があります。この機能を活用すれば、能動的な求職活動に費やす手間を省くことができます。

転職エージェントの活用も推奨されます。

エージェントに登録すれば、担当者が適切な求人を紹介してくれるため、自力での探索よりも効率的です。
特に年収アップを希望する場合は、高年収求人に特化した紹介を依頼できます。
加えて、エージェント経由でのみ閲覧可能な「非公開求人」の情報も入手できます。非公開求人は一般に好条件が多いため、年収アップを目指すエンジニアにとって魅力的です。
その他にも、履歴書の添削や模擬面接など、採用確率を高める支援サービスも存在します。

このように、転職サイトやエージェントには優れた機能が備わっているため、年収アップを実現しやすくなります。年収向上を目指す方は、複数の転職サイトやエージェントを上手く活用することが賢明です。複数の情報源から客観的に状況を捉えることで、より適切な選択ができるためです。

エンジニアは転職すると年収アップする？

エンジニアは職場を変更すると収入が増える可能性があります。
しかし、他の職種では逆に収入が減少することが多いようです。
政府の「転職入職者の賃金変動状況(令和2年)」のデータによると、

転職で収入が増えた人は34.9%
減少した人は35.9%
変わらなかった人は28.4%

となっています。
6割の人は収入がアップしていないことがわかります。
IT関連の職種は全体的に需要が高く、参入障壁も高いため、人材の交代が難しく、収入水準が高い傾向にあります。
エンジニアとしてフリーランスに興味がある方は、様々な案件に携わることで、より豊富な開発スキルを身につけることができます。

資格を持っていれば転職で年収アップする？

エンジニアの職務に就くためには、必ずしも資格を保有する必要はありません。しかし、資格を持っていれば転職の際に有利に働き、場合によっては資格手当を受け取ることができます。
そのため、年収アップを目指すのであれば、資格取得を検討するのが賢明です。
また、資格取得に向けた学習を通じて、エンジニアとしての技術力も向上するでしょう。
その結果、エンジニアとしての評価が高まり、年収アップにつながる可能性があります。

ただし、すべての資格が年収アップに直結するわけではありません。
IT分野の資格の中でも、高難易度の資格を選ぶことが重要です。