アートディレクターとの違いを交えて解説！クリエイティブディレクターの仕事内容とは？

2024年6月19日

創造性を発揮する職種に魅力を感じている人は多いでしょう。
作品制作を通して社会に貢献できる仕事には、他の職種とは異なる喜びや充実感があります。
そして、クリエイティブな人材を率いてプロジェクトを統括する役割が「クリエイティブディレクター」です。

本稿では、この職種の業務内容、必要なスキル、収入水準などについて解説します。
特に次の方々には参考になるはずです。

クリエイティブディレクターの仕事に関心がある方
この職種で求められる能力を知りたい方
収入面の実態を把握したい方
クリエイティブディレクターとアートディレクターの違いを理解したい方

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1 クリエイティブディレクターの仕事内容
2 クリエイティブディレクターとアートディレクターの違い
3 クリエイティブディレクターになるために必要なスキル
4 クリエイティブディレクターの年収
5 まとめ

クリエイティブディレクターの仕事内容

クリエイティブ分野における企画から制作までの全体を統括する役割を担うのが、クリエイティブディレクターです。
広告やITなどの業界で活躍するこの職種の業務内容について、ここで説明していきます。

クリエイティブチームのマネジメント
企画立案
制作ディレクション
クライアントとの窓口業務

必要なスキル	重要ポイント
・企画力・マネジメント力・コミュニケーション力	・クリエイティブな発想力・チームをまとめる力・クライアントの要望を汲み取る力

クリエイティブディレクターは、企画から制作までを統括する重要な役割を担っています。

クリエイティブディレクターの役割と業務

クリエイティブディレクターの主要な職務は、クライアントとの調整と現場スタッフの管理です。
まずクライアントと協議し、要望や対象層を把握します。
クライアントの希望は抽象的なことが多いため、ディレクターがそれを具体化し、クライアントと共有します。

限られた予算と期限内に成果物を仕上げるため、スケジュール管理やクライアントとの交渉も重要です。

ディレクターは現場とクライアントの橋渡し役を担います。

クライアントの要望を現場スタッフに伝え、良い結果を導くためにクライアントに提案を行います。
アイデアが出たら提案し、イメージの調整を図ります。
制作過程でも中間物を定期的に共有し、当初の方向性から外れていないか確認します。

クリエイティブディレクターは、クライアントと現場を結び付け、プロジェクトのゴールに向けて全体を取りまとめる役割を担います。

クリエイティブディレクターの企画立案プロセス

クライアントの要望を把握した後、具体的な計画を立案していきます。
クライアントが目指す目標に向けて、どのようなアプローチが有効なのかを検討することがクリエイティブディレクターの重要な役割です。
対象となる層や予算を考慮し、目標達成に活用できるリソースや手段を検討します。
クリエイティブディレクター個人だけでなく、プロジェクトチームを編成し、現場スタッフの意見も取り入れながら、1つの計画としてまとめていくことが肝心です。
例えば広告業界のクリエイティブディレクターであれば、

コピーライター
デザイナー

などとチームを組み、意見を交わしながら広告のワイヤーフレームを作成します。
チームメンバーそれぞれの個性を生かし、より良い計画を作り上げることもクリエイティブディレクターの仕事です。
クライアントの意向も取り入れつつ、専門チームとしての提案を計画に反映させていきます。
業界によって多少異なる点はありますが、

ヒアリングからチーム編成
チームでの計画立案

という流れは基本的に共通しています。
計画の方向性が決まれば、クライアントにプレゼンテーションを行います。
具体的な計画を提示し、クライアントの承認を得られれば、次のステップに進みます。

プロジェクト管理の心得

企画が承認されれば、制作の現場を統括し、限られた期限と予算の中で企画を成功に導く必要があります。
プロジェクト全体を見渡しながら、適宜方向性や日程の調整を行うことが肝心です。
スケジュール作成時には、

作業が予定通りに進まない可能性も考慮し、余裕を持たせることが求められます。

理想を追求し過ぎてスケジュールを詰め込みすぎると、予期せぬ事態に対処できなくなります。
期限を無理に早めすぎると、クライアントの信頼を失う恐れもあります。
チームで作業を行う際、管理者の意図とは異なり、なかなか予定通りに進まないことも起こりえます。
スケジュールは変動するものと認識し、十分な余裕を持つことが重要です。
作業が予定より順調に進んでいれば、前倒しで進め、後のスケジュールに余裕を持たせましょう。
常に最悪のシナリオを想定しつつ、状況に応じて柔軟にスケジューリングすることが肝心です。

クリエイティブディレクターの多様な役割

クリエイティブディレクターの重要な職務の一つが、制作プロセスの管理運営です。
プロジェクトを期限内に完遂できるよう、メンバーの作業フローを設計し、進捗を監督します。
優秀な人材を集めただけでは不十分で、チームとしての機能が不可欠です。
メンバー間の人間関係のトラブルが生じれば、スケジュールどおりに進行することは難しくなります。
そのため、

個々の特性を生かしながら
コミュニケーションを密に取り
業務を円滑に進める

ことが求められます。
遅延が生じた場合は、クリエイティブディレクター自身も作業に加わることがあり、各担当者の職務に関する高い専門性が必要とされます。
このように、クリエイティブディレクターには多岐にわたる役割と責任が課せられています。

クリエイティブディレクターとアートディレクターの違い

デザインやビジュアル面の監督を担うのがアートディレクターの役割です。
プロジェクト全体の総指揮を執るのがクリエイティブディレクターで、アートディレクターはビジュアル面に特化して指揮を執ります。
クリエイティブディレクターはマネージャー的な立場が強く、アートディレクターはより現場に近い存在と言えます。
ただし、プロジェクトの規模が小さい場合、クリエイティブディレクターがアートディレクターを兼任することもあります。
チーム構成上、アートディレクターはクリエイティブディレクターの指示を受けることが多くなります。
クリエイティブディレクターとアートディレクターがチームを適切に指揮することが、プロジェクトの成功に欠かせない要素となります。

クリエイティブディレクターになるために必要なスキル

この節では、クリエイティブディレクターとして必要とされる能力について説明します。
クリエイティブディレクターは、プロジェクト全体を統括する立場にあるため、

多岐にわたる資質が要求される職務

です。

クリエイティブディレクターに求められる折衝力

クリエイティブディレクターには、様々な関係者との調整能力が求められます。

クライアントとの間では、

要望を的確に把握し、チームの意向を明確に伝達することが必要不可欠です。
単にクライアントの希望を受け入れるだけでなく、プロジェクトの実情を踏まえ、スケジュールなどについて適宜提案を行うことも重要な役割です。
クライアントの期待に応えつつ、チームの状況も考慮し、最終的な妥協点を見出すことが求められます。

また、チーム内においても調整力が不可欠です。

メンバー一人ひとりの個性や立場を理解し、トラブルを未然に防ぐためのコミュニケーションが欠かせません。
目標は共有されていても、制作過程では意見の対立も起こり得ます。そういった場合にディレクターが仲介に入り、問題の深刻化を防がなければなりません。

調整力を高めるには、相手の立場に立って物事を捉え、状況を客観的に判断・分析する力が必要とされます。

感情的になりがちな関係者の間に立つ以上、	冷静さを保ち、
相手の意図を正しく理解し、	自身の考えを的確に伝えることが何より重要となります。

プロジェクトマネジメントスキルの重要性

プロジェクトの円滑な運営には、スケジュール管理が欠かせません。
そのためには、関係者との適切な調整と指示が不可欠です。
自身の業務だけでなく、

チームメンバーの進捗状況
予算管理

も求められます。

プロジェクトの進行管理
人員配置
役割分担の決定

など、マネジャーとしての責務があります。
外部業者に委託する場合は、そちらの管理も必要となります。
状況を客観的に捉え、相手の立場に立つことが重要です。
また、メンバーへのサポートには、

業務知識
スキル
経験

が必要不可欠です。
さらに、

関係者の特性
考え方
能力
個性

を理解しておくことが求められます。
一方的な主張ではなく、相手に合わせた対応が肝心です。
こうした能力は一朝一夕には身につきませんが、クリエイティブディレクターには欠かせません。
多様なプロジェクトを経験し、様々な人材と接することで、この力を養うことができるでしょう。

クリエイティブディレクターに求められるマーケティングスキル

クリエイティブディレクターには、ユーザーのニーズを把握するための分析力が求められます。ターゲット層に対して効果的なアプローチを行うためには、市場の深い理解が不可欠です。
そのため、

マーケティング分析を行い
適切なスタッフの配置や戦略立案を行う必要があります。

分析力がなければ、クライアントの要望に応えた企画を提案することは困難でしょう。

情報収集
データ解釈
プレゼンテーション力

など、様々な能力が必要とされます。目標達成に向けた最適なアプローチを見出し、関係者に分かりやすく説明できることが重要です。
マーケティング力は一度身につけば終わりではありません。常に市場の動向を注視し、理解を深めることが創造的な仕事には欠かせません。

コピーライティングに求められるスキル

クリエイティブディレクターには、広告文を作成し編集する能力が求められます。この役割は、目的に合わせた広告コピーを生み出し、まとめることが主な仕事です。優れたコピーライティングには、文章力、アイデア力、そしてIT技術が必要不可欠です。

まず何よりも重要なのが文章力です。長文のコンテンツから短いキャッチコピーまで、コピーには様々な種類があり、ターゲット層に訴求し行動を促すメッセージを生み出す力が欠かせません。
また、優れたアイデア力も重要なスキルの一つです。これは、複数の情報から関連性を見出したり、斬新なPR戦略を提案したりする能力を指します。
さらに意外と重要なのがIT技術です。コンテンツを表現するためにWebページを作成したり、進捗管理のためにシステムを活用したりと、様々なITツールを使いこなす必要があります。

このように、クリエイティブディレクターには幅広い知識、スキル、そして経験が求められます。しかし、その分プロジェクトに与える影響は大きく、やりがいのある職種であると言えるでしょう。

クリエイティブディレクターの年収

クリエイティブディレクターは制作プロジェクトにおいて重要な役割を果たし、多様な能力が求められます。
しかし、その年収水準はどの程度なのでしょうか。
フリーランス求人サイトを確認すると、

月額40万円から70万円(年収480万円から840万円)が中心となっています。

一般的な職業と比較すると、クリエイティブディレクターは高い収入水準であると言えるでしょう。
ただし、スキルや経験次第では、年収1,000万円を超える案件も多数存在します。
つまり、この職種では1,000万円以上の年収を得ることも十分に可能なのです。
例えば、2022年5月時点で、ある金融メディアのクリエイティブディレクター業務では、

月額60万円から90万円

(年収720万円から1,080万円)

の報酬が提示されていました。
ただし、企業の規模や業態によって報酬に幅があることは留意しておく必要があります。