ローコード開発とノーコード開発の違い、メリット・デメリット、将来性

現代社会は予測困難な状況に直面しており、「VUCA時代」と称されています。
この急速な変化に対応できる高度なITスキルを持つ人材が不足しているため、アプリやシステム開発の新たな手法が求められています。
そこで注目されているのが「ローコード開発」です。
本稿では、以下の内容を詳しく解説します。

  • ローコード開発の概要
  • ローコード開発の長所と短所
  • 従来の開発手法との違い
  • ローコード開発の将来性

異なる開発手法の特徴を理解することで、企業の目的や用途に合わせた活用が可能になるでしょう。
ローコード開発やノーコード開発に関心のある技術者、IT人材不足への対策としてこれらの手法を検討している企業の方々には、ぜひ一読いただきたい内容となっています。

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ローコード開発とは

ローコード開発とは

ローコード開発は、プログラミングスキルがなくてもアプリケーションやシステムを構築できる革新的なプラットフォームです。
GUIを使って既存の部品を組み合わせることで、ソースコードを書かずに開発が行えます。
従来の開発手法に比べ、低コスト・短期間での開発が可能になり、工数も削減できます

おすすめのツールとしては、

  • Microsoft製のPower Appsがあります。Webブラウザ上でアプリ開発ができ、テンプレートの活用やカスタマイズが可能です。Microsoftユーザーには特に適しています。

  • サイボウズ株式会社のKintoneは、クラウド型の業務アプリ作成プラットフォームです。ドラッグ&ドロップ操作で必要なアプリを作成でき、100種類以上のサンプルアプリから選んでカスタマイズも行えます。

  • システナ株式会社のCanbus.は、テレワーク時代に適したWebデータベースです。顧客管理や勤怠管理など様々な業務をひとつに集約し、関連アプリと連携できます。チーム開発に適したグリッド編集モードを備え、ユーザー数無制限が魅力的です。

ローコード開発のメリット

ローコード開発のメリット

ローコード開発は、開発プロセスの効率化と生産性の向上をもたらします。
プラットフォームが提供するセキュリティ機能により、開発者はその面での負荷を軽減できます。
また、コーディングスキルが不要なツールを活用することで、非エンジニアでも開発に参加しやすくなります。
つまり、ローコード開発は、スピーディーな開発、セキュリティ強化、そして開発者層の拡大をサポートする有益な手法なのです。

ローコード開発の利点

ローコード開発では、アプリケーションやシステムの論理的側面に集中できるため、実装プロセスは簡単なマウス操作で完了します。

  • 従来のプログラミングが不要なため、開発時間が大幅に短縮され、より迅速な開発が可能になります。
  • さらに、コードの追加やコンポーネントの拡張が可能なため、企業固有の要件に合わせたカスタマイズも容易になり、開発生産性の向上に寄与します。

セキュリティ対策の負担軽減

ローコード開発ツールは、高度なセキュリティ機能を備えています。

  • 不正アクセスを防止するため、認証システムやデータ管理が徹底されています。
  • そのため、自社でセキュリティ対策を講じる必要があるのは、新規に構築した部分のみとなり、従来よりも負担が軽減されます。

人手不足解消のローコード開発

近年、IT分野における優秀な人材の欠乏が企業にとって深刻な課題となっています。
この問題に対処するのがローコード開発の手法です。
ローコード開発プラットフォームを活用すれば、エンジニアの関与なしに、現場の担当者でも開発作業を行うことができます。
従来は専門知識や経験がなければ不可能だった業務を、誰もが容易に取り組めるようになり、開発者の負荷を軽減することができます。

ローコード開発のデメリット

ローコード開発のデメリット

ローコード開発には、いくつかの制約があります。

  • まず、開発の柔軟性が限られています。
  • 次に、ツールの理解と開発プロセスの経験が求められます。

これらの点について、簡潔に説明しましょう。

ローコード開発の限界

ローコード開発には制約があり、高度な機能を実装することは困難です。
要件を完全に満たすことはできず、プログラミングによる開発と比べると柔軟性に欠けます。
コードの追加で機能拡張は可能ですが、自由度はプログラミングには及びません。

ローコード開発の自社実施における留意点

自社でローコード開発を実施する場合、外部ベンダーに依頼する手間や費用は発生しません。
ただし、

  • 開発プロセス全体の管理から工数見積りまで、すべてを自社で対応する必要があります。
  • 導入ツールの事前知識や開発に必要な工数を十分に把握しておくことが重要となります。

ノーコード開発とは

ノーコード開発とは

ソフトウェアの構築において、プログラミング言語の知識は必要ありません。
代わりに、プラットフォーム上で提供される様々な機能ブロックを組み合わせることで、アプリケーションやシステムを作り上げることができます。
この手法は、ローコード開発と類似した点があります。
最大の利点は、習得に要する労力が極めて少ないことです。
操作方法さえ理解できれば、誰もがソフトウェア開発を行えるようになります。

ローコード開発と他の開発手法の違い

ここでは、ローコード開発と他の開発手法の違いについて説明します。それぞれの概要と特徴を理解し、状況に応じた開発を行いましょう。

  • ノーコード開発、ローコード開発、従来の開発では、アプリの形態、開発の自由度、開発規模、必要なプログラミングスキル、学習コスト、初期費用が異なります。
  • ノーコード開発では、用意されたロジック部品を組み合わせるだけでWebアプリを作成できますが、部品のカスタマイズはできません。
  • ローコード開発では、部品を組み合わせるだけでなく、部品のカスタマイズも可能です。
  • 従来の開発では、開発者が1からロジックを作成します。

ローコード開発とノーコード開発の大きな違いは、開発の自由度です。ローコード開発は部品のカスタマイズが柔軟にできますが、ノーコード開発はできません。
同様に、ローコード開発と従来の開発の大きな違いも開発の自由度にあります。従来の開発では、自由度や拡張性、汎用性が高い反面、プログラミング言語の習得など求められるスキルが高く、人材育成にコストがかかります。
ノーコード開発やローコード開発の登場により、プログラミングスキルがなくても開発できるようになり、人材確保や開発工数削減、生産性向上に貢献しています。

ローコード開発の将来性とは

ローコード開発の将来性とは

デジタル化の潮流の中で、ローコード開発が脚光を浴びています。この手法は、専門家以外の人々にも開発を可能にし、急速な変化に対応できる短期間での高速開発を実現します。コロナ禍によりデジタル化の重要性が再認識され、多くの企業でローコード開発が導入されました。

調査会社ITRによると、2020年度のローコード・ノーコード開発市場は前年比24.3%増の515億8,000万円となり、2023年度には1,000億円に達すると予測されています。

この市場は現在も拡大を続けており、ツールの進化や企業の成功事例も相まって、ローコード開発への需要はさらに高まっていくと考えられます。

まとめ

まとめ

この記事では、ローコード開発の概要と利点・欠点、他の開発方法との違い、将来性について説明しました。
ローコード開発とは、高度なプログラミングスキルがなくても、迅速なアプリケーションやシステムの開発を可能にするプラットフォームのことです。
近年、超高速開発手法として注目を集めており、

  • 人材確保
  • 開発コストの削減

など、様々な取り組みに活用できます。
今後もさらに需要が高まると予想されており、現在でも多様な機能を持つサービスが提供されています。
ローコード開発に関心のある技術者やIT企業の従業員、自社のIT部門で人手不足に悩んでいる方は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の活用を検討するとよいでしょう。
この記事で紹介したツール以外にも、ローコード開発にはさまざまな種類があります。
それぞれの内容や機能は異なるため、自社に合ったものを比較検討する必要があります。