ITの分野は今後も成長が見込まれる業界の一つと考えられています。
長期的にITの仕事に従事するためには、専門知識を深めることは当然ですが、自身のキャリアを見据えて方向転換の可能性も検討する必要があります。
現在プログラマーとして働く人の中には、将来的にシステムエンジニアとして活躍したいと考えている人も多いでしょう。
プログラマーの主な役割は、
- システムエンジニアが作成した指示書に従ってコードを記述すること
です。
一般的に、プログラマーとしての経験を積んだ人の多くは、キャリアアップとしてシステムエンジニアを目指す傾向があります。
本記事では、
- プログラマーとシステムエンジニアの違いを確認した上で
- プログラマーからシステムエンジニアへの移行方法
- その後のキャリアパス
について説明します。
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プログラマーとシステムエンジニアの違い
コーディングに一定の経験を積んだ後、システム設計や要件定義などの上流工程への移行を検討する技術者は多数います。
上流工程の担当者は、下流のコーダーに対して指示を出す立場にあり、キャリアアップの一環として見なされがちです。
職務が変わることに加え、収入面での向上も期待できます。
プログラマーとシステムエンジニアの違いは、以下の3点から説明します。
- 業務内容
- 必要なスキル
- 年収
システムエンジニアとプログラマーの役割
システムの構築プロセスは、
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- 運用
の段階を経ることが一般的です。
システムエンジニアは、このプロセスにおいて要件定義、設計、運用を主に担当することが多くなります。
一方で、プログラマーは開発とテストを中心的に行う役割を担います。
通常、プログラマーはシステムエンジニアが作成した指示書に従って開発作業を進めていきます。
ただし、案件によってはシステムエンジニアが開発に関与したり、プログラマーがテストを実施したりする場合もあります。
システムエンジニアとプログラマーの業務範囲は明確に定められているわけではなく、所属する企業やプロジェクトの状況に応じて柔軟に対応することが求められます。
システムエンジニアは開発の基盤を整備する役割に加え、プログラマーよりも幅広い業務を担うことになります。
一方、プログラマーの主な業務は開発とテストが中心となる傾向にあります。
プログラマーとシステムエンジニアの違い
プログラミングの専門家とシステム設計の専門家では、必要とされる能力に違いがあります。プログラマーの一つのキャリアパスとしてシステムエンジニアが挙げられますが、両者で求められる要素は異なる点が多数あります。
そのため、自身の性格や長所、保有するスキルなどを考慮し、自分に合った道を選ぶことが重要です。
プログラマーとシステムエンジニアで必要とされる能力の違いを以下の
- プログラマー
- プログラミングスキル
- 問題解決力
- 論理的思考力
- システムエンジニア
- エンジニアリングに関する知識
- ヒアリング力
- コミュニケーション力
- マネジメント力
- 論理的思考力
プログラマーには主にプログラミングを行うための技術力が求められます。一方、システムエンジニアには技術力に加えて、人間関係を構築するための対人スキルも重視されます。クライアントとのやり取りやチームのリーダーシップが求められるため、コミュニケーション能力やマネジメント能力が不可欠となるのです。
プログラマーとシステムエンジニアの年収と転身
就労形態や職種によって収入に大きな差が生じることが分かります。
正社員として働く場合、
- システムエンジニアの方がプログラマーよりも年収が高くなる傾向にあります。
その理由は、システムエンジニアが開発の上流工程を担当することが多いためです。
一方、フリーランスとして活躍する場合、
- プログラマーやシステムエンジニアともに高収入を得る機会が広がります。
- スキルさえあれば、年齢や経験に関係なく収入を伸ばすことができるのがフリーランスの利点です。
収入面での選択肢が増えるため、ワークライフバランスの実現も容易になるでしょう。
システムエンジニアになるための方法
システム開発の初期段階を担当する能力があり、収入増加も期待できることから、プログラマーとして一定の経験を積んだ後は、システムエンジニアへの転職を検討するのが賢明です。
しかし、プログラマーからシステムエンジニアへの移行方法が分からない人も多いかもしれません。
プログラマーがシステムエンジニアになる方法としては、次の2つが考えられます。
- 転職する
- 現在の会社で昇進する
システムエンジニアの要件定義と設計業務
システム開発の中核を担うのがシステムエンジニアの役割です。
彼らの主な職務は、以下の通りです。
- 予算を考慮しながら機能やシステムの要件を定義する
- 開発チームを編成する
クライアントの課題を解決するシステムの開発内容を文書化する作業が含まれます。
要件定義は開発の基盤となるため、ここで誤りがあれば、メンバー間で混乱が生じかねません。そのため、豊富な経験と深い知識を持つ人材が求められます。
また、設計書の作成も重要な業務です。
設計書には、以下の内容が記載されています。
- プログラマーが参照するプログラミング手順
システムエンジニアには、設計書に基づいてプログラミングできるだけでなく、自ら設計書を作成する能力が必要とされます。
システムエンジニアのマネジメント力
システム開発の現場では、エンジニアは単なる技術者としての役割だけでなく、プロジェクト運営における重要な責務を担っています。
- 開発チームのメンバーの作業スケジュールを調整し、各々の役割を割り振る必要があります。
- 状況次第では、プログラマーに対して具体的な指示を出すケースもあります。
つまり、システムエンジニアとして活躍するためには、プログラミングなどの専門知識に加えて、マネジメント能力が求められるのです。
実際、システムエンジニアへの転職を希望する際の面接では、マネジメント経験について問われることが多くあります。
したがって、システムエンジニアを目指す方は、小規模なプロジェクトやチームにおいて、少しずつマネジメント経験を積み重ねていくことが肝心です。
システムエンジニアになったあとのキャリアパス
ITの分野では、個人の能力と意欲次第で様々な進路が開かれています。
コーディングの仕事から始めても、それがゴールではありません。
さらに上を目指せば、
- コンサルタント
- プロジェクト管理者
- システム設計者
- 高度な技術者
などの選択肢があります。
自分のスキルと熱意によって、キャリアの幅は大きく広がるのです。
ITコンサルタントの役割と必要なスキル
ITの専門家として、企業が抱える課題や問題の解決に向けて支援する役割を担っています。
主な業務は、
- 経営上の課題を把握し、企業のIT戦略を立案すること
- 既存のシステムを見直し、新たなシステムの導入を提言すること
- システムの最適化や動作検証を行うこと
などです。
クライアント企業との対話を通じて、ニーズを的確に捉え、適切なソリューションを提示する能力が求められるため、ITに関する幅広い知識に加え、コミュニケーション力も重要な要素となります。
プロジェクトマネージャーの役割と資格
プロジェクトの全体的な責任を担う役職がプロジェクトマネージャーです。この役職は英語表記でProject Managerと呼ばれることから、PMと略される場合も多くなっています。プロジェクト全体を統括する立場ゆえに、高度な専門知識やマネジメント経験、リーダーシップ能力が求められます。
具体的な業務内容としては、
- クライアントニーズに合わせたシステム設計
- プロジェクトチームの編成
- 進捗管理
などが挙げられます。
将来的にこの役職を目指す場合は、PM試験やプロジェクトマネージャー試験の受験を検討するとよいでしょう。
ITアーキテクトの役割と必要な知識
ITに関する専門知識を活用し、企業が抱える経営上や業務上の課題を解決に導く職種がITアーキテクトです。
その業務範囲は多岐にわたり、
- IT戦略の立案
- 企画
- グランドデザインの策定
- 実行
などが含まれます。
クライアント企業のIT化に関する理想像を把握し、開発ベンダーと調整を行い、合意点を見出すことも重要な役割です。
幅広い知識が求められるため、ITアーキテクトを目指すには長年の実務経験が必要不可欠です。
知識習得のためにはシステムアーキテクト試験の受験が推奨されています。
システムエンジニアのキャリアパス
システムエンジニアの道を追求し続けることも選択肢の一つです。
高度な技術力を磨き、特定分野の専門家を目指すことができます。
幅広い開発経験を持つエンジニアに対する需要はありますが、特化した知識を持つ専門家を求める企業も多数存在します。
さらに、システムエンジニアとしての専門性を高めれば、教育機関や講演の場で指導者として活躍する機会も生まれるでしょう。
まとめ
現代社会においてIT分野の専門家は高い需要があり、将来的にも安定した活躍が期待されています。
長期的なキャリア形成を考えるなら、スキルアップの機会を模索することが賢明でしょう。
プログラマーからシステムエンジニアへの転身は、業務範囲の拡大と収入アップにつながる一般的なキャリアパスです。
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本記事が皆様の今後の参考になれば幸いです。