Webデザイン試験の詳細や資格取得メリット、おすすめ問題集を解説

2024年6月19日

ITやWebに関する技術は急速に進化し続け、市場は拡大の一途を辿っています。
そのため、エンジニアやプログラマーだけでなく、Webデザイナーの需要も高まり続けています。
そういった状況の中で、Webデザイナーを目指す人や、一定のデザイン力を証明したい人は、資格取得に関心を寄せているかもしれません。
本稿では、Webデザイナーの代表的な資格である「Webデザイン試験」について詳しく解説します。

Webデザイン試験の概要
出題範囲
学習方法
申込手続き

など、この資格を取得するために必要な情報を網羅しています。
最後までお読みいただき、ご参考にしてくださいますようお願いいたします。

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1 Webデザイン試験とは
- 1.1 Web検定の概要と構成
- 1.2 ウェブデザイン技能検定の概要
2 Webデザイン試験
3 Webデザイン試験の資格取得のメリット
4 Webデザイン試験の資格取得のデメリット
- 4.1 資格取得の目的を見失わないために
5 Webデザイン試験合格のためのおすすめ問題集
- 5.1 Webリテラシー第3版の重要性
- 5.2 Webデザイン試験対策の決定版
6 他にWeb検定って何があるの？
7 まとめ

Webデザイン試験とは

Webデザインの分野における知識と技能を評価する試験が存在します。この試験では、以下の内容が問われます。

ビジュアルデザインの基礎理論
HTML、CSSの文法
コーディング技術

単に基本的な内容にとどまらず、実務で活用される応用的な知識も出題されます。
この資格を取得することで、デザイナーとして現場で即戦力となる能力を備えていることを示すことができます。転職の際にも有利になるでしょう。
この試験は、以下の特徴があります。

PCを使って回答するCBT方式が採用されている
受験資格も特に設けられていないため、経験の有無に関わらず誰でも挑戦可能

Web検定の概要と構成

Web関連の仕事に従事する人々の標準的な知識を整理・構造化することを目的とした試験が「Web検定」です。この資格は、社団法人全日本能率連盟が登録しています。
一般に「ウェブケン」と略されることが多い試験です。

Web検定は、以下の4つの認定資格から構成されています。

Webリテラシー
Webデザイン
Webディレクション
Webプロデュース

Webに関する一般的かつ必須の知識をまとめたWebリテラシーが基礎となり、それに加えて専門知識を問う3つの資格が設けられているのが特徴です。

今回紹介するのは、4つの試験の中でもデザインに関する知識が問われるWebデザイン試験です。
これらのWeb検定の出題範囲は、『Webの仕事力が上がる標準ガイドブック』シリーズの書籍から構成されているため、学習の際にはこの書籍を活用するのが適切でしょう。

ウェブデザイン技能検定の概要

ウェブデザインの分野における国家資格は、技能検定制度の一環として位置づけられています。この資格は業界で唯一の公的な証明となり、就職や転職の際に有利に働くことでしょう。

試験は厚生労働省の指定を受けた特定非営利活動法人が主催し、

Web関連の知識
技術
実務能力

が問われます。

資格には3つの階級があり、最上位の1級は高度な力量が求められます。しかし、初めから最高位を目指すよりも、自身のレベルに見合った段階から着実に取り組むことが賢明です。

Webデザイン試験

この節では、Webデザイン検定試験の各領域について詳しく説明します。
この試験を受けるために必要な知識を包括的に取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

Webデザイン試験の概要

Webリテラシー試験は、全国約200カ所のJ-Testingテストセンターまたはリモートで受験可能です。
試験日時は毎日設定されていますが、会場ごとに営業時間や休業日が異なります。
CBT方式で

65問を90分で解答し
正解率70%以上が合格基準

となります。
受験資格は問われず、受験料は

本体10,000円(+税)

ですが、教育機関や団体受験では割引が適用されます。
この試験に合格すると、社団法人全日本能率連盟登録の「Web検定 Webデザイナー」資格が取得できます。
資格の有効期限は2年間で、継続して保持したい場合は再受験が必要です。
受験日時は自由に選択可能ですが、リモート受験には事前準備が求められるため、テストセンターの営業情報と併せて確認しましょう。

Webデザイン試験の出題内容と対策

Webデザイン試験の出題範囲は大きく4つの領域に分けられます。

1つ目は、Webサイトの企画と設定に関する分野です。
2つ目は、デザインに使用する素材の選定と活用についてです。
3つ目は、HTMLやCSSなどを用いたフロントエンド制作の技術的な側面を問うものとなります。
4つ目は、JavaScriptやデータベースなどのプログラミングに関する知識を問う領域です。

いずれの分野も公式テキストに沿って学習を進めることが賢明です。特に、フロントエンド制作とプログラミングの領域では専門用語の理解が求められ、高度な知識が必要とされます。
試験に向けて十分な準備を行い、自信を持って臨むことが重要です。

Webデザイン試験の受験者数と合格率

Webデザインの資格試験について、受験者数と合格率のデータを見ると、2020年度は110名の受験者のうち77名が合格し、合格率は70%でした。
累計でも521名が合格しており、合格率は62.3%と高い水準にあります。
この試験はデザイン分野に特化しているため、

未経験者でも公式テキストを活用すれば合格可能なレベル

と考えられます。
一方で、

デザインやフロントエンドの知識が豊富な方には物足りなさを感じる可能性があります。

Web検定申込手順の解説

ウェブデザイン資格試験の申込プロセスについて説明します。
具体的な手順は以下の通りです。

J-Testing公式サイトから受験申込を行う(試験日の3か月前から前日の17時まで申込可能)
受験票の発行(受験内容が記載された確認書がメールで送られる)
当日は受験票の内容に従い試験を受ける
合否判定(会場で正答率が記されたスコアレポートを受け取る)
合格者には翌月末にPDF形式の登録証書が送付される

この資格試験はJ-Testingが全国で実施しており、試験内容と料金は会場によらず統一されています。最寄りの会場を選択できます。

Webデザイン試験の合格に向けた勉強時間

Webデザイン試験の合格率は高いものの、フロントエンド制作とプログラミングの理解が必要となるため、実務経験がない初心者にとっては簡単ではありません。
しかし、1日1時間程度の学習を1ヶ月間継続すれば、合格ラインに達することができます。
勉強方法は個人差があるものの、

一般的には30時間前後の学習時間で合格が可能とされており、他の資格と比べると取得難易度は低い部類に入ります。

Webデザイン試験の資格取得のメリット

Webデザインの資格を手にすると、さまざまな利点を享受できます。
本項では、その具体的な恩恵について詳しく説明していきます。

専門性の証明
スキルアップの機会
キャリアアップのチャンス
収入の増加
ネットワーキングの機会

利点	説明
専門性の証明	資格を取得することで、Webデザインの専門知識とスキルを持っていることが証明されます。
スキルアップの機会	資格取得のための学習を通じて、新しい知識やテクニックを身につけることができます。
キャリアアップのチャンス	資格を持っていれば、より良い条件の仕事に就く機会が広がります。
収入の増加	専門性が高まれば、それに見合った収入が期待できます。
ネットワーキングの機会	資格取得を目指す過程で、同じ志を持つ人々と出会うことができます。

Webデザイン試験の意義

Webデザインの専門知識を身に付けることができるのが、資格取得の大きな利点の一つです。

実務においては、デザインの基本に加えて、サーバーやデータベースなど幅広い知見が求められます。
これらの知識は、

実際の現場で経験を積むか
自己学習によって習得するしか

ありません。

しかし、Webデザイン試験の学習を通じて、現場で働くデザイナーとして押さえておくべき知見を、バランスよく包括的に学ぶことができます。
試験の出題範囲は、どの現場でも活用できる基礎的な内容となっているため、実務に入ってから戸惑うことを大幅に減らせます。

さらに、資格取得は専門知識を有する人材であることを証明するため、今後需要が拡大するITの分野で重宝される人材となれるでしょう。

Webデザイン試験の転職・就職活用メリット

Webデザイン試験の取得は、ITやWeb関連企業への就職・転職を目指す際に大きな武器となります。この資格を持つことで、実務で役立つ知識を備えた人材であることが証明され、採用担当者から高い評価を受けられます。
ITやWeb業界では、スキルだけでなく学習意欲や入社への熱意も重視されます。

資格保持を提示することで、現場での学習や業務に対する強い意欲をアピールできます。

IT分野は今後も成長が見込まれ、デザイナーの需要も高まると予想されます。そのような環境下で、デザイナー資格を持つことは他者と差をつける大きな強みとなり、際立った存在感を発揮できるでしょう。

Webデザイン試験の資格取得メリット

資格取得には収入増加や評価向上の可能性があります。企業によっては、Webデザイン資格保持者に対し、報奨金や手当てを支給するケースがあります。

IT業界やWeb業界では、従業員のスキルアップを促進するため、資格取得を奨励し、以下のようなインセンティブを設けることが一般的になっています。

一時金
基本給への上乗せ

具体的な金額や内容は企業ごとに異なりますが、Webデザイン試験は単なる知識習得にとどまらず、給与アップにも寄与する試験だと言えるでしょう。

Webデザイン試験の資格取得のデメリット

Webデザイン資格を手にすることには、確かにメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
ここでは、Webデザイン資格取得の負の側面について説明していきます。

資格取得には費用がかかる
資格試験の合格率が低い場合がある
資格取得後も継続的な学習が必要

メリット	デメリット
スキルの証明になる	費用がかかる
就職・転職に有利	合格率が低い場合がある
自己啓発になる	継続的な学習が必要

このように、Webデザイン資格には一長一短があるため、取得を検討する際は十分に検討する必要があります。

資格取得の目的を見失わないために

Webデザインの資格取得には一定の時間と労力が必要となります。日々の生活の中で学習時間を確保することが求められるため、負担が伴います。
Webデザイン試験に合格するためには、およそ30時間の勉強が必要とされています。つまり、1日1時間の学習ペースでは1ヶ月程度を要します。会社員の方にとっては、仕事で疲れた状態で毎日1時間の勉強を続けるのは大変な作業です。
そのため、資格取得の目的を明確にし、本当に必要なのかを慎重に検討する必要があります。資格そのものではなく、資格を活かして実現したい目標に焦点を当てることが重要です。そうすれば、真の目的が見えてくるはずです。

Webデザイン試験合格のためのおすすめ問題集

この節では、Webデザイン試験に合格するための推奨の学習方法と問題集をご案内します。
公式テキストと過去問題集を活用した徹底した準備が、試験合格への最短ルートとされています。

ご紹介する参考書を活用し、合格を目指してください。

Webリテラシー第3版の重要性

この書籍は、ウェブに関する幅広い知識を網羅しており、実務での活用が期待できる公式ガイドブックです。
構成は、以下のようになっています。

ウェブの基礎知識
インターネットビジネス
プロジェクト管理
ウェブサイトの企画・設計
制作
集客施策

ウェブデザイン試験の出題範囲にも含まれるため、この書籍を通して理解を深めることが重要です。
ウェブ関連の試験の基盤となる内容が詰まっているため、ウェブデザイン試験の合格にも役立ちます。
価格は

3,300円(税込)

で、

B5版のオールカラー本

です。

Webデザイン試験対策の決定版

この問題集は、Webサイトやコンテンツのビジュアルデザインやインタラクションデザインに関する知識を包括的に取り扱っています。

企画・設計から素材準備、デザイン、HTML5、CSS3、アクセシビリティ規格、さらにはプログラミングの基礎知識まで幅広く解説されています。
Webデザイナーとして現場で活躍するために必要な知識が体系的に整理されており、Webデザイン試験の出題範囲とも密接に関係しています。

B5版の4色構成で、価格は3,740円(税込)です。

他にWeb検定って何があるの？

この記事では、全日本能率連盟が主催するWeb検定の中から、Webデザイン試験以外の資格試験について説明します。
Webデザイン試験に合格した後の次のステップとして、これらの試験を検討する際の参考にしていただければ幸いです。
Webデザイン試験の合格を機に、さらなるスキルアップを目指す方々に役立つ情報を提供できればと考えています。

Webリテラシー試験の概要

Webに関する幅広い知識を身につけることができる試験が「Webリテラシー試験」です。この試験は、全日本能率連盟が運営するWeb検定の中から、

Webデザイン
Webディレクション
Webプロデュース

の重要な部分を抜粋して構成されています。
Web検定全体の知識を網羅しているため、実務で必要とされる標準的な知識が問われる内容となっています。
学習方法は教科書を中心とするのが一般的です。
Web検定の3つの試験のいずれを受けるにしても、この「Webリテラシー試験」を最初に受験するのがよいでしょう。

Webディレクション試験の概要

Webディレクション試験は、プロジェクトを成功に導くための専門的なスキルを評価する資格試験です。
この試験では、

Web制作の工程管理
現状分析
企画立案
情報構造設計
集客戦略策定

など、幅広い知識が問われます。
Webディレクター、プロジェクトマネージャー、コンテンツディレクター、Webサイト運営・更新担当者にとって重要な内容が含まれています。
試験範囲は公式テキストに準拠しており、キャリアアップを目指す方にも有益な学習機会となるでしょう。
ぜひ挑戦してみることをおすすめします。