転職の実情や多い転職回数でも採用人の特徴を解説！

2024年6月19日

就職活動の成否は、転職経験の多寡が大きな影響を及ぼすと言われています。
企業側は、頻繁に職場を移る人材に対して好ましくない印象を抱く傾向にあります。
転職回数が多いと見なされる基準はどの程度なのか、また、そうした人材が採用に至るためにはどのような対策が必要なのでしょうか。
本稿では、転職経験の多い人材の就職活動について、様々な観点から解説します。

求人が集中する時期に重点を置くこと
転職エージェントを活用すること

など、採用に至る人々の特徴も紹介しますので、ご参考ください。

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1 転職の実情を把握しよう！
- 1.1 年代別の転職回数と未経験者の割合
- 1.2 転職活動における応募社数の増加傾向
2 転職回数が多いと転職に悪影響？
- 2.1 転職回数と採用企業の見方
3 転職回数多い人が転職の面接時によく聞かれる質問と回答
- 3.1 転職を重ねた経験から得た成長と長期的な勤務意欲
- 3.2 転職理由と企業の強みを活かす
4 転職回数が多くても採用される人の6つの特徴
5 まとめ

転職の実情を把握しよう！

就職活動の現状を理解することから始めましょう。
ここでは、以下の2点について解説します。

平均的な転職回数
転職希望者が応募する企業数

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年代別の転職回数と未経験者の割合

大手人材サービス企業の調査によれば、以下のような転職経験の実態が明らかになりました。

20代の転職経験者は約24%
30代は53%
40代は62%
50代は66%

40代以降は6回以上転職した人の割合があるため、本稿では6回以上は6回と仮定しています。

30代以上では平均して1回以上の転職経験があり
40代以上では約3分の2が転職を経験しています

ただし、50代の平均転職回数は2回に満たないことが分かりました。

別の調査では、転職未経験者の割合は以下のようになっています。

年代	転職未経験者の割合
20代	70.6%
30代	53.1%
40代	42.7%
50代	45.7%
60代	39.9%

年代が上がるにつれて転職未経験者の割合が減少する傾向にあります。また、性別では、女性の45.1%に対し、男性は52.0%と転職未経験者が多くなっています。

転職活動における応募社数の増加傾向

リクナビの調査結果によると、転職に成功した人々は平均して7.5社に応募し、3.4社で面接を受け、1.4社から内定を得ていました。この数字から、1社の内定を得るためには約8社に応募する必要があることがわかります。

一方、dodaの調査では、転職活動中に平均19.4社の求人に応募していたことが明らかになりました。

82.9%の人が2社以上に応募し
47.8%の人は11社以上に応募していました

2019年のリクナビ調査と比べると、応募者数の平均が2倍以上に増加していることから、コロナ禍による採用枠の減少が一因と考えられます。

景気動向次第では、転職活動における応募数も大きく変動する可能性があります。

転職回数が多いと転職に悪影響？

職歴の変化が多い求職者は、採用企業から一つの分野における熟達度や定着性に疑問を持たれがちです。
しかし、転職の理由や自身のキャリアプランに一貫性があれば、必ずしも悪影響とはならないでしょう。
頻繁な職場移動は、企業側から望ましくないと見なされる可能性がありますが、適切な説明ができれば問題視されないケースもあります。

転職回数と採用企業の見方

就職先企業が転職経験を多いと判断する基準は、応募者の年齢によって異なります。

20代では2回
30代前半では3〜4回
30代後半では6回以上
40代以降では7回以上の転職経験があれば、多いと見なされる傾向にあります。

ただし、1社あたり最低3年程度は在籍していれば、転職回数が多くても企業側の理解を得やすくなります。
さらに、転職回数が多くとも優れた実績があれば、その点は軽視される可能性があります。
一方で、平均的な転職回数は2回未満であることから、多くの企業にとって転職経験が少ない方が望ましいと考えられています。

転職回数多い人が転職の面接時によく聞かれる質問と回答

企業は面接で転職経験の多い応募者に対して、特定の質問をすることがあります。これは、採用後の不適合や早期退職を防ぐためです。

適切な回答と不適切な回答の例を挙げ、それぞれのポイントを解説します。

適切な回答の例	不適切な回答の例
前職での経験を活かせる点を具体的に説明する転職理由を建設的に説明する長期的なキャリアビジョンを示す	前職の上司や同僚を非難する転職理由を曖昧にするキャリアビジョンがない

ポイント
・適切な回答では、前職での経験を生かせる点や、転職理由、長期的なキャリアビジョンを示すことが重要です。
・不適切な回答では、前職を非難したり、転職理由が曖昧だったり、キャリアビジョンがないと、企業側に不安を与えてしまいます。

転職を重ねた経験から得た成長と長期的な勤務意欲

私は転職を重ねる中で、様々な環境に触れることで視野が広がり、自身の成長を実感してきました。
前職で培った経験や知識を新しい職場で活かすことで、会社の発展に貢献できると自負しています。
御社の特徴である点に魅力を感じ、長期的に勤めさせていただきたいと考えております。
これまでの経験を最大限に活かし、御社の更なる発展に尽力する所存です。

転職理由と企業の強みを活かす

御社の強みに惹かれ、その環境で自身の成長を遂げたいと考え、転職を希望しています。
現在の職場では御社が持つ強みを活かしきれていないと感じており、御社の強みを最大限に生かせる環境で働くことで、自身の能力を高め、会社の発展に貢献できると確信しています。
御社の魅力的な点を存分に活用しながら業務に従事し、自身の成長と共に御社の発展にも寄与できるよう尽力する所存です。
前職を離れる理由は、単に環境が合わなかったというだけでなく、御社の優れた点に惹かれ、その環境で自身の可能性を最大限に発揮したいと考えたためです。

転職回数が多くても採用される人の6つの特徴

この節では、頻繁な転職経験があっても雇用される人々の6つの特性について解説します。
これまで、転職回数が多いことによる不利益や面接での対応について述べてきました。

転職回数が多くても採用される人の特徴

転職経験が豊富な人材が採用される鍵は、自身の強みを明確に示すことにあります。
企業側は、頻繁な転職を環境への適応力不足と捉えがちですが、限られた面接時間で数値を用いて自身の魅力を簡潔に伝えられれば、転職回数は問題視されにくくなります。
採用プロセスでは、自らの売りを明確化し、企業に効果的にアピールすることが重要となるのです。

転職理由の明確さが転職回数を上回る

転職の際、明確な理由を持つことが重要視されます。企業は限られた時間で転職者の適性を判断する必要があり、転職回数が多い場合、理由が不明確だと長く勤められるか疑問視されがちです。
しかし、明確な理由があれば、転職経験が多くても採用される機会は高まるでしょう。

転職回数と一貫したスキルセット

就職活動において、経歴の多様性は必ずしも障害とはなりません。むしろ、一貫したスキルセットを有する人材は、採用企業から高く評価される傾向にあります。
頻繁な転職歴があっても、専門性や能力の継続性が認められれば、積極的に採用に結びつく可能性が高まるのです。
企業側は、単に転職回数のみを判断材料とするのではなく、応募者の総合的な資質や適性を見極める必要があります。