SAPが公認する資格であるSAP認定コンサルタント資格は、同社製品に関する専門知識と技術力を公的に証明するものです。
この資格取得を検討中の方も多いことでしょう。
本稿では、
- SAP認定コンサルタント資格の概要を解説する
- メリット・デメリット
- おすすめの参考書
- 学習方法
についても言及します。
SAP認定コンサルタント資格の勉強中の方、今後勉強を予定している方、SAPエンジニアやコンサルタントに関心のある方は、ぜひ一読いただければと思います。
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SAP認定コンサルタント資格とは
SAP認定コンサルタント資格は、ドイツのソフトウェア企業SAP社が自社製品に関する専門知識を公式に認定する資格です。
この資格を取得することで、SAPプロジェクトに携わるために必要な技術力を証明できます。
SAP社は、企業の基幹業務を一元管理するERPシステムの開発・販売で知られる大手企業です。
ERPシステムを導入すれば、以下のメリットがあります。
- 業務の効率化
- 生産性向上
- 結果として企業利益に繋がる
SAP製品は複数のモジュールで構成されており、企業の状況に応じて必要な機能を選択して開発を行います。
しかし、SAP製品には高度な専門性が求められるため、導入経験者やスキルを持つ人材は市場で高く評価されています。
そのため、SAP関連プロジェクトで信頼を獲得するためにも、SAP認定コンサルタント資格の取得者が増加しています。
実際、2022年7月時点で13,771人もの取得者がいます。
さらに、従来のサポート終了に伴い、最新バージョンへの移行需要が高まっており、SAPスキル保有者の不足感が強まっています。
このように、今後もSAP認定コンサルタント資格の重要性は高まるでしょう。
資格取得のための学習環境も整っているため、SAPの仕事に携わりたい人や知識を深めたい人におすすめです。
SAPコンサルタント資格の種類
SAPが認定する資格は、その目的に応じて3つの種類に大別されています。
個人の志向性によって取得すべき資格が異なってきます。
- ビジネスプロセスの最適化を目指す製品・サービスの導入や運用に関わるスキルが求められるアプリケーション系。
- アプリケーション開発に携わるためのプログラミングスキルが問われるデベロッパー系。
- そしてERPシステムの円滑な導入を支援するインフラ構築に関するスキルが必要とされるテクノロジー系です。
SAP認定コンサルタント資格試験概要
早速、SAP認定コンサルタント資格の試験に関する概要や詳細事項を確認しましょう。
この資格試験の内容や範囲、合格基準などを把握することが重要です。
試験の難易度や出題形式、対策方法なども押さえておく必要があります。
資格取得に向けて、しっかりと準備を進めていきましょう。
SAP認定コンサルタント資格の概要
SAP認定コンサルタント資格は、SAPソフトウェアの新バージョンリリースに合わせて更新される資格試験です。
2022年8月現在、149種類の試験が用意されています。
- 試験はオンラインで受験可能で、都合の良い日時を選択できます。
- 試験時間は約3時間、問題数は80問程度が一般的です。
- 合格基準は試験ごとに異なりますが、概ね6割程度の正解率が求められます。
受験料 | 1回分で30,219円 |
6回分のチケットで75,548円 |
- 受験言語は日本語や英語、ドイツ語など最大9言語から選べます。
- 受験資格に制限はありませんが、SAP側の判断で受験が許可されない場合があります。
- 合否結果は試験終了後すぐに通知され、合格者にはデジタルバッジの発行案内メールが送られます。
SAP認定資格の出題範囲
SAP認証試験は現時点で149種類が用意されており、それぞれの試験内容は異なっています。
そのため、取得を目指すSAP認証資格の出題範囲を事前に確認することが重要です。
各試験の詳細な出題範囲については、SAP認証資格一覧を参照してください。
SAP認定コンサルタント資格の難易度
SAPが公式に認定するコンサルタント資格の合格率や受験者数は非公開となっています。
しかし、この資格を取得した人の声から、IT関連の資格の中でも特に難しいレベルにあると言えるでしょう。
SAPは独自の技術を必要とするため、高い専門性が求められることが理由です。
実務でSAPに触れた経験がない人や、プロジェクトに携わったことがない人には、ハードルが高い資格と言えます。
この資格試験は、難易度によって
- アソシエイト認定
- スペシャリスト認定
- プロフェッショナル認定
の3つのカテゴリーに分かれています。
アソシエイト認定は、SAPに関する基礎的なスキルが問われます。
一方で、スペシャリストとプロフェッショナル認定は、より具体的で高度なスキルが必要とされるため、難易度が高くなります。
SAP認定コンサルタント資格の申し込み手順
SAP公認のコンサルタント資格を取得するには、一定の手順を踏む必要があります。
- 2020年以降は、Certification Hubと呼ばれるウェブサイトを介してオンラインで試験を受けることになりました。
- まず、SAP Training and Adoptionの公式サイトから受験チケットを購入します。
- 次に、そのサイトからCertification Hubにアクセスし、受験したい試験を予約します。
- 予約した日時に合わせて、Certification Hubからオンライン試験を受けることになります。
- 合否結果は試験終了後すぐに通知されます。
- 合格者には、デジタルバッジの発行案内メールが送られます。
オンライン試験中は、試験監督との対話は全て英語で行われます。また、本人確認のため、パスポートまたはクレジットカードをウェブカメラで提示する必要があります。
2022年8月現在、SAP製品のバージョンに応じて149の試験が用意されているため、自社の業務に合わせた試験を選択して受験することが重要です。
SAPコンサルタント資格の有効期限と受験制限
SAP認定資格は、ソフトウェアの新バージョン公開に伴い更新されます。
つまり、対応するSAP製品が存在する限り、その資格は有効です。
ただし、同一試験の受験は3回までに制限されています。
- 3回受験しても不合格の場合、新バージョンが公開されるまで受験ができません。
年間6回分のチケットを購入可能ですが、1つの試験で挑戦できるのは3回までと心得ましょう。
SAP認定コンサルタント資格の取得方法
SAPの公認資格を取得するには、高度な専門知識が求められるため、難易度が高くなります。
そのため、以下の点に注意が必要です。
- SAPプロジェクトの経験や事前の知識レベルによっては、数か月間の学習期間が必要となる可能性があります。
- ただし、質の高い過去問題集があれば、10時間程度の学習時間で合格できる場合もあります。
公式サイトで出題範囲と合格基準を確認し、目標を設定した上で、過去問題集やオンライントレーニングを活用して、効率的に学習を進めることをお勧めします。
SAP認定コンサルタントとして資格取得のメリット
RPAの専門家としての能力を証明する資格を取得することで、さまざまな恩恵を受けられます。
- SAPに関する高度な知識とスキルを身につけることができます。
企業によっては | 資格手当や報奨金が支給される場合があります。 |
- 転職やキャリアアップの際に有利に働く可能性があります。
これらの利点について、より詳しく解説していきましょう。
SAP認定コンサルタント資格の重要性
SAP製品の専門知識を公的に証明する資格がSAP認定コンサルタント資格です。この資格取得に向けた学習を通じて、SAPシステムの導入から運用・保守に必要な技能と知見を身につけることができます。
重要なのは、常に最新のSAP関連の知識を習得し続けることです。
SAPのバージョンアップに伴い、従来のバージョンに関する知識や技術は通用しなくなるためです。
SAP認定コンサルタント資格にも有効期限があり、バージョン変更に応じて更新が求められます。
SAP資格の重要性と会社の支援制度
IDC Japanの調査結果では、2018年の国内ERPソフトウェア市場において、SAPが最大のシェアを占めていました。
企業によっては、SAPの資格取得者に対して手当てや報奨金を支給する制度を設けている場合があります。
資格取得を目指す前に、所属企業の制度内容を確認することをおすすめします。
SAPエンジニアの需要と年収アップ
SAPは国内でも広く利用されており、SAPの専門家に対する需要が高まっています。
そのため、転職やキャリアアップの際に、SAPの認定資格を持っていることが求められる場合があります。
資格を取得すれば、より幅広い仕事に携わることができるでしょう。
SAPシステムに関連する職に就きたい方は、資格取得をお勧めします。
また、SAPのフリーランスとしての想定年収は約1,311万円と高額です。
SAPのスキルを身に付けた人材は非常に求められており、高収入を得られる傾向にあります。
SAPエンジニアやコンサルタントとして経験を積み、スキルを磨けば、現在よりも年収アップが期待できます。
SAP認定コンサルタント資格の資格取得のデメリット
確かに、SAP認定コンサルタント資格の取得には多くの利点があります。
しかし、その一方で時間的な制約が課題となる可能性があります。
資格試験に向けた学習には相当の時間を要するためです。
ただし、そのような努力を払う価値は十分にあると言えるでしょう。
SAP認定コンサルタント資格の難易度と合格への道のり
SAP認定コンサルタントの資格取得には、SAP製品固有の高度な専門知識が求められます。
実務経験が乏しい方や未経験者にとっては、相当な学習時間を要する難関の資格です。
仕事と家庭の両立を図りながら、限られた時間を有効活用し、どれだけ学習に費やせるかが合格の鍵となるでしょう。
SAP認定コンサルタント資格合格のためのおすすめの参考書や学習方法
この記事では、SAP公認コンサルタント試験の受験者向けに、推奨の参考資料や学習アプローチについて説明します。
SAPは国内企業でも幅広く採用されているため、関連する書籍やオンラインコースが豊富に用意されています。
- 自分に合った手段を選び、効率的に学習を進めて、合格を目指しましょう。
SAP S/4HANA入門書の紹介
この書籍は、SAPの最新システムであるS/4 HANAの各機能について詳しく説明しています。
業務分野ごとに分冊されており、S/4 HANAの業務プロセス全体を体系的に学習できる構成になっています。
ただし、この書籍だけでは認定資格を取得するための知識までは到達しづらいかもしれません。
オンライン講座などと併せて学習を進めることで、より深い理解が得られるでしょう。
SAP資格取得のための学習コンテンツ
SAP社は、初心者からベテランまで幅広いレベルの受講者に対応した多様なトレーニングプログラムやコースを用意しています。
- 経験豊富な講師陣による直接指導や、最新のSAPシステムに関する知識を習得できるオンラインプラットフォームなど、確実にスキルアップを図れる学習機会が揃っています。
費用が高額な場合もあるため、企業による費用負担の可能性を事前に確かめることをおすすめします。
SAP認定コンサルタント資格対策講座のUdemy活用
Udemyは、オンラインで様々な分野の講座を受講できるプラットフォームです。
- SAPに関連する多数のコースが用意されており、資格取得を目指す講座も提供されています。
- 自身のニーズに合わせて適切なコースを選択することができます。
また、Udemyでは定期的にセールが開催されるため、都度チェックすることをおすすめします。
まとめ
この記事では、SAP認定コンサルタント資格について詳しく解説しました。この資格は、SAPソフトウェアの専門知識を証明するものです。
SAPエンジニアやコンサルタントとして活躍するには、この資格を取得することがメリットとなります。
参考書やオンラインコースなどを活用して、ぜひ挑戦してみてください。
SAPの知識を身につけることで、将来的なキャリアアップが期待できます。
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