プログラミングの世界には多種多様な言語が存在しますが、近年では特にPythonが注目を集めています。
開発者がPythonを習得する際には、関連する資格の取得が推奨されます。
Pythonの資格を手にすることで、様々な恩恵が期待できるからです。
本稿では、Pythonに関連する資格について紹介し、資格取得のメリットや学習方法について説明します。
特に以下のような方々に参考にしていただきたいと思います。
- Pythonの資格取得を検討中の開発者の方
- Pythonの資格の種類を知りたい方
- Pythonの資格を取得するメリットを知りたい方
- Pythonの資格取得に向けた学習方法を探している方
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Pythonとはどんなプログラミング言語?
Pythonは多目的なプログラミング言語として知られており、初学者にも比較的わかりやすいため、AI分野の開発において不可欠な存在となっています。
近年、その人気と認知度が高まっている理由です。
- Webアプリケーションやゲーム開発など、様々な分野で活用できる汎用性の高い言語でもあります。
Pythonの活用範囲は広範にわたります。
- AI(機械学習)開発
- ゲーム制作
- Webサイト作成
- データ処理
- 情報収集ツール
- ブロックチェーン開発
など、多岐にわたる分野で役立ちます。
このように幅広い適用範囲があるため、Pythonのスキルを身に付けることで、エンジニアとしての需要が高まることでしょう。
Python関連の資格
Python関連の資格は、国内と海外のものが存在します。
ここでは、国内で取得可能なPython資格について説明します。
国内のPython資格には、以下の2種類があります。
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
Pythonエンジニア認定基礎試験の概要
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの文法や基本的な知識を問う初級者向けの試験です。
この試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催しています。
試験の概要は以下の通りです。
- 問題数は40問で、試験時間は60分間です。
- 出題形式はCBT方式で、マウスを使って問題を選択する形式となっています。
- 合格基準は正答率70%以上です。
- 試験会場はオデッセイコミュニケーションズの認定会場で、全国に所在しています。
- 料金は通常1万円(税抜き)ですが、学生の場合は5,000円(税抜き)となります。
出題範囲は、オライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル 第3版」の内容に基づいています。
具体的な出題数と出題率は、
1章 | 2.5% |
2章 | 2.5% |
3章 | 15% |
4章 | 22.5% |
5章 | 17.5% |
6章 | 5% |
7章 | 2.5% |
8章 | 10% |
9章 | 5% |
10章 | 10% |
11章 | 2.5% |
12章 | 2.5% |
14章 | 2.5% |
この試験は、すでにPythonの実務経験がある方や学習を進めている方には難易度が高くありません。
しかし、プログラミングの未経験者の場合は、基礎知識も合わせて学習する必要があるでしょう。
初心者で約半年、Python学習者で約3ヶ月の勉強時間が目安とされています。
Pythonデータ分析認定試験概要
Pythonを活用したデータ分析の基礎知識と実践力を評価する試験が存在します。
この試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催しています。
受験料は一般価格で1万円(税抜き)、学生価格は5,000円(税抜き)となっています。
試験は40問で60分間のCBT方式で、全国の認定会場で実施されます。
合格基準は正答率70%以上です。
出題範囲は、
- データエンジニアの役割
- Pythonの実行環境と基礎文法
- Jupyter Notebookの操作
- 数学の基礎知識(数式の読み方、線形代数、基礎解析)
- 確率と統計
- NumPy、pandasなどのライブラリを使ったデータ分析の実践
となっています。
プログラミング経験者であれば合格は十分可能な難易度で、Python使用者なら1週間から1ヶ月程度の学習期間で合格できる見込みです。
Python関連の海外の資格
この節では、Pythonに関連する国際的な認定資格について説明します。
Pythonに関わる海外の資格には、次のようなものがあります。
- PCEP(初級Python開発者認定資格)
- CPP-32-1(Python開発者プロフェッショナル認定資格1)
- PCPP-32-2(Python開発者プロフェッショナル認定資格2)
- PCAP(Python準開発者認定資格)
プログラミング入門試験概要
プログラミングの基本概念、Pythonの基礎構文などが出題範囲となり、試験のレベルは初級から中級程度です。
問題数は30問で、制限時間は45分間です。
- 選択式問題
- 空欄補充式問題
が出題されます。
受験料は50米ドル(約5,750円)で、合格基準は正答率70%以上となります。
出題言語は英語です。
入門者向けPython資格試験「PCEP」の概要
PCEPは初級者向けのPythonの資格試験です。
- プログラミングの基本概念
- Pythonの文法
- 標準ライブラリの利用方法
などが出題範囲となります。
Python3エンジニア認定基礎試験と同等の難易度と見なされています。
Python3エンジニア認定基礎試験に合格しており、英語の読解力があれば、PCEPに合格する可能性は高いでしょう。
Pythonプロフェッショナル資格試験の概要
ここでは、Python言語のプロフェッショナル認定試験である「PCPP-32-1」について説明しています。
この試験は、データ分析においてPythonを活用する力を評価するものです。
出題範囲は、
- ファイル処理
- 数学・工学系ライブラリーの利用
- GUIプログラミング
- オブジェクト指向の応用理論
など、高度なレベルの内容が含まれます。
問題数は40問で、試験時間は65分間です。
出題形式は選択式と穴埋め式の組み合わせとなっています。
受験料は195ドル(約2万2,000円)が必要です。
合格には70%以上の正答率が求められます。
出題言語は英語です。
この試験に合格することで、サイエンス、数学、エンジニアリング分野でPythonを国際的な水準で活用できる能力が認定されます。
Python高度プログラミング資格試験
ここでは、Python言語に関する高度な知識とスキルを評価する上位レベルの試験について説明しています。この資格試験は、Python言語のプロフェッショナルとしての能力を証明するものです。
出題内容は、以下の分野にわたります。
- パッケージ作成と配布
- デザインパターン
- 通信
- ネットワークプログラミング
- データベース制御
試験時間は65分で、
40問の選択問題 |
穴埋め問題 |
から構成されています。
受験料は約2万2,000円となっており、合格には70%以上の正答率が求められます。
出題言語は英語です。
この試験に合格するためには、前提条件として下位レベルの資格試験に合格している必要があります。
Pythonプログラミング能力認定試験概要
ここでは、Python言語におけるプログラミングの基礎と、オブジェクト指向プログラミングで用いられる基本的な概念や手法に関連するコーディングタスクを実行する能力が試されます。
試験レベルはアソシエイトで、問題数は40問、時間は65分です。
出題形式は選択問題や穴埋め問題となっています。
受験料は295USDで、合格には正答率70%が必要とされます。
出題言語は英語です。
PCAP(Certified Associate in Python Programming)は、アソシエイトレベルのPythonプログラマとして求められるスキルを評価する試験です。
Pythonの構文、意味論、実行環境などの一般的なコンピュータープログラミングの概念、さらに一般的なコーディング手法やオブジェクト指向プログラミングに関する知識やスキルが問われます。
Pythonの資格を取得するメリット
Python関連の資格を取得することで、収入の増加や実力の客観的な証明が期待できます。
まず、Python関連の資格保持者は、その専門性が評価されることから給与アップのチャンスが高まります。
また、資格試験に合格したことで、自身の能力を第三者機関から認定されていることになり、スキルの裏付けとなります。
このように、Python資格の取得は、キャリアアップやスキルアップの良い機会となるでしょう。
Pythonの資格取得で年収アップ
プログラミング言語Pythonの資格取得は、収入アップにつながる可能性があります。高度な資格を持つことで、エンジニアとしての価値が高まるためです。
IT人材向けコミュニティ「TECH Street」の調査によると、Pythonエンジニアの年収は以下の通りでした。
- 20代は403万円で21言語中7位
- 30代は546万円で5位
- 40代は624万円で3位
- 50代は582万円で11位
となっています。
このように、主要プログラミング言語の中でも、Pythonエンジニアの年収水準は比較的高めです。
Pythonスキルを証明できれば、エンジニア職での高収入が期待できるでしょう。
AI分野でのPythonの重要性が高まる中、今後さらに年収が上がっていく可能性も考えられます。
Pythonの資格取得のメリット
Pythonの能力を客観的に示すには、公的な資格取得が有効な手段となります。
単に「Pythonが使える」と主張するだけでは、実際のスキルレベルが不明確です。
しかし、認定試験に合格すれば、その実力が証明されます。
- 就職活動や転職の際、資格を履歴書に記載することで、自身の価値を高めることができます。
- フリーランスの方も、クライアントに対して分かりやすく自身の力量をアピールできるでしょう。
Pythonの資格には様々なレベルがあり、データ分析などの特定分野に特化した試験も用意されています。
目指す職種に合わせて適切な資格を選択し、具体的なスキルを示すことが重要です。
さらに国際的な高難易度の資格を取得すれば、グローバルな企業からも高い評価を受けられる可能性があります。
Pythonの資格取得のための勉強方法
Pythonの資格を取得するための学習アプローチは複数存在します。
- 公認の教材を活用した自習
- オンラインコースを受講すること
が挙げられます。
本章では、それぞれの手法について詳しく解説していきます。
Pythonの資格試験対策方法
Pythonの資格試験に合格するための勉強法として、まず認定された教科書を活用することが推奨されます。
国内のPython資格試験には、特定の教材が指定されています。
- Python3エンジニア認定基礎試験では『Pythonチュートリアル』(オライリージャパン、1,980円税込)
- Python3エンジニア認定データ分析試験では『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書』(翔泳社、2,728円税込)
が認定教材となっています。
これらの教材は試験の出題範囲をカバーしているため、重点的に内容を確認する必要があります。
ただし、初心者にとってはこれらの教材は難解な部分もあり、独学で取り組むには課題が残ります。
そのため、理解を深めるために初級者向けの参考書やオンライン教材を併用することで、より効率的な学習が可能になります。
例えば、『Python3エンジニア認定基礎試験問題集』は初心者に人気の教材です。
e-ラーニングによるPython資格試験対策
インターネットを利用した学習手段であるe-ラーニングは、Python資格試験の合格に向けた有用な勉強法の一つと言えます。
- パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも利用可能なサービスが存在します。
- e-ラーニングなら場所や時間を選ばず学習でき、進捗状況もオンライン上で管理することができます。
- 繰り返し受講が可能なため、スクールに通うよりも費用を抑えつつ、反復学習による知識の定着が期待できます。
実践的な演習を伴うe-ラーニングでは、参考書や講座だけよりもスキルの習得が容易でしょう。
様々なサービスからニーズに合ったコースを選んでみるのがおすすめです。
まとめ
Pythonは多目的に利用できる言語であり、近年注目されているAI分野でも不可欠なプログラミング言語となっています。比較的習得しやすいため、多くのエンジニアから人気が高まっています。
Pythonの主な資格は
- 国内で2つ
- 海外で4つ
あります。資格を取得することで、自身の技術力を客観的に証明できれば、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」での案件獲得に有利になるでしょう。
資格取得に向けては、
- 認定された教材
- e-ラーニング
を活用することが考えられます。自身のスキルアップとキャリア形成に役立ててください。