自営業者には従業員向けの福利厚生制度が十分に整備されていないのが実情です。
しかし、近年では個人向けの福利厚生サービスが増えており、フリーランスの方々も利用できるようになってきました。
本稿では、以下について解説します。
- 会社員との福利厚生の違い
- フリーランス向けのおすすめサービス
- 適切なサービス選びのポイント
特に、以下の方には参考になる内容となっています。
- 現役のフリーランスの方
- 会社員からフリーランスを目指している方
- フリーランスを志す学生の皆さん
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フリーランスには福利厚生制度がない
フリーランスは企業に雇用されていないため、従業員向けの福利厚生制度を利用することができません。
組織に属さないため、
- 社宅
- 食堂
- 社員旅行
- 家族手当
などの福利厚生サービスを受けるには個別に契約する必要があります。
そこで、フリーランスの福利厚生の概要と従業員との違いについて説明します。
福利厚生制度の理解
企業には、法令で定められた福利厚生制度と、任意で導入される福利厚生制度の2種類があります。
前者は
- 社会保険料や年金の支払い
- 年末調整など
法的に義務付けられた制度です。
一方、後者は
- 保養施設の利用
- 住宅手当
- 食事手当
- 通勤費支給など
会社が自主的に用意した制度となります。
一般的に福利厚生と言えば、任意の制度を想像しがちですが、実際には法令に基づく制度こそが、会社員とフリーランスの最も大きな違いとなっています。
フリーランスと会社員の社会保険料・年金の違い
フリーランスと会社員では、社会保障制度における負担と将来受給額に大きな違いがあります。
- 会社員は雇用主が社会保険料の一部を肩代わりしてくれますが、フリーランスは全額自己負担となります。
- また、フリーランスは厚生年金に加入できないため、老後に受け取れる年金額が少なくなる傾向にあります。
- 一方、会社員は事業主と折半した厚生年金と企業年金により、将来の年金受給額を増やすことができます。
- さらに、フリーランスは確定申告時に社会保険料を算出する必要がありますが、会社員は雇用主が年末調整と納税手続きを代行してくれます。
福利厚生費は従業員のために事業主が払う経費
企業が従業員の福利厚生のために支出する費用を福利厚生費と呼びます。この費用は、従業員への支払いが前提となっています。
- 例えば、社員旅行の費用は福利厚生費として認められますが、個人事業主が自身の旅行費用を計上することはできません。
つまり、従業員への支出でなければ福利厚生費とはみなされません。
フリーランスにおすすめ福利厚生サービス6選
フリーランスの方々の福祉面での支援体制が従業員と比べて不十分であることが明らかになりました。
しかし、近年では独立した働き手向けの福利厚生サービスが整備されつつあります。
本稿では、組織に所属していないフリーランスの方でも利用可能な福利厚生制度をご紹介します。
- 健康保険
- 年金
- 労災保険
- 雇用保険
制度 | 概要 |
---|---|
健康保険 | 病気やケガをした際の医療費の一部を補助する公的医療保険制度 |
年金 | 老後の生活を支える公的年金制度 |
労災保険 | 業務上の事故や疾病に備える公的保険制度 |
雇用保険 | 失業した際の生活を支援する公的保険制度 |
クラウドソーシングの福利厚生サービス
クラウドソーシングプラットフォームでは、独立した働き手に対して様々な特典が用意されています。
一定の要件を満たせば、
- 旅行や外食の補助
- スキルアップのための支援
を受けられる場合があります。
フリーランスやクライアントとして活動する際に、これらのサービスを活用することで、より良い環境で仕事に取り組めるでしょう。
フリーランス向け福利厚生サービス
フリーランスの方々に向けた特典サービスがご用意されています。一定の条件を満たせば、全国各地でさまざまな分野の優待を受けられます。
- 健康管理
- 育児支援
- スポーツ施設の利用
- グルメ・旅行割引
- レジャーやショッピング
など、ライフスタイルに合わせて幅広いメリットがあります。
居住地を問わず、プロフェッショナルとしての活動をサポートする制度です。
クラウドワークス会員向け福利厚生サービス
クラウドソーシングプラットフォームでは、一定額以上の収入を得ている方向けに特典プログラムを用意しています。
月間報酬が基準を上回れば、継続して無償でサービスを受けられます。
- 提携施設の割引利用など、複数の恩恵を受けることができます。
施設数は全国に及び、幅広い選択肢があります。
フリーランスのための福利厚生サービス
独立した働き手でも、従業員と同水準の福利厚生を享受できるサービスが存在します。
このサービスは、
- フリーランスの方だけでなく、ご家族やご友人にも適用可能なものがあり、
- 利用しやすい特徴があります。
様々な福利厚生サービスがありますので、ご自身に合ったものをご検討ください。
フリーランス向け福利厚生サービス
フリーランスの方々に向けた様々な特典やサポートが用意されています。
まず、フリーランス協会への入会が前提条件となりますが、会員になれば自動的に無償で賠償責任保険に加入できます。
この保険は、
- 著作権侵害
- 情報漏えい
- 納期遅延
などの業務上のリスクをカバーしてくれます。
また、健康診断の優待を受けられる福利厚生サービスにも加入が可能です。
さらに、フリーランスの方々に特化したサービスとして、
- コワーキングスペースの優待
- バーチャルオフィス
- 求人情報の提供
なども行われています。
フリーナンスの福利厚生サービス
フリーランスの方々に向けた福利厚生サービスが提供されています。このサービスには、以下の特典が用意されています。
- 賠償保険の付帯
- 専用口座の無料開設と高額保証
- 請求書の買取りと即日振込み
利用者は安心して業務に専念できる環境が整えられています。
福利厚生サービス「ベネフィットステーション」の概要
ベネフィット・ワンの福利厚生サービス「ベネフィットステーション」は、個人向けに140万件を超える割引メニューを提供しています。
月額330円(税込)の「プライベート」プランでは、以下の特典があります。
- ポイントプログラム「ペネポ」を利用できます。
- このポイントは高還元率で、1ポイント1円相当として利用可能です。
- 楽天スーパーポイントなどと交換することもできます。
リロクラブの福利厚生サービス
リロクラブの福利厚生サービス「クラブオフ」では、VIPとスタンダードの2種類の会員制度があります。
- 契約企業の従業員は、国内外約20万か所以上の施設で優待を受けられます。
- J:COMやベネッセなど身近なサービスも割引になります。
- 家族や同伴者も会員料金が適用され、Amazonギフト券も割引価格で購入可能です。
フリーランスが福利厚生サービス選びに迷った際の解決法
様々な福利厚生サービスが存在するため、自身に適したものを選択することは容易ではありません。
そこで、適切なサービス選択のための方策をご提案します。
- 業務上活用しているサービスの利用
- 前職時代に利用していたサービスの継続利用
- 一時的に複数のサービスに加入して比較検討する
などの選択肢があります。
状況に応じて最適なサービスを見極めることをおすすめします。
クラウドソーシングの活用
クラウドソーシングサービスの活用が賢明な選択肢となるでしょう。これらのプラットフォームでは、要件を容易に満たすことができるからです。
- 日頃からクラウドワークスやランサーズを利用していれば、収入が途絶えることはありません。
クラウドワークス利用者には | 福利厚生サポート |
ランサーズ利用者には | 「フリーランストータルサポート」 |
がお勧めです。
前職の福利厚生サービス活用
過去の職場で提供されていた福利厚生制度を活用するのがよいでしょう。
すでに利用経験があるため、長所と短所を把握しているからです。
- たとえば、旅行割引率は望ましくないものの、割引が適用される店舗が多数あるなど、メリットを熟知しているはずです。
前職で利用していた制度があれば、再加入を検討するとよいかもしれません。
福利厚生サービスの比較と選択
一時的に様々な福利厚生サービスを利用してみることをお勧めします。
- 複数のサービスを比較検討することで、自分のニーズに合ったものかどうかを判断できるからです。
まずは1ヶ月程度試用し、長所と短所をメモしてみてください。
そうすれば、自分が福利厚生サービスに何を求めているかが明確になり、最適なサービスを選択しやすくなります。
まとめ
フリーランスの方々は、会社員とは異なる福利厚生制度を利用する必要があります。
組織に所属しないため、特定の企業の福利厚生サービスを受けることができず、経費への計上も困難です。
しかし、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用すれば、
- リスク回避
- 割引レジャー・旅行
などのメリットを享受できます。
本記事を通じて、フリーランスの福利厚生に関する知識を深めていただければ幸いです。
フリーランスへの道を検討する際の一助となれば嬉しい限りです。