副業案件の取り方やスキル、単価を解説

現代社会において、情報の価値が高まる中、その情報の流出や漏洩を防ぐセキュリティ専門家の需要が高まっています。
政府の調査でも、セキュリティ人材の不足が深刻な状況にあることが明らかになっています。
セキュリティエンジニアは高度な専門知識が求められるため、IT業界でも重要視される職種の一つとなっています。

そこで、セキュリティエンジニアが副業可能かどうかが注目されています。
結論としては、副業としてのセキュリティエンジニア業務は可能です。
本稿では、副業セキュリティエンジニアの特徴、メリット、必要なスキルなどについて解説します。
セキュリティエンジニアの副業に関心がある方は、ぜひご一読ください。

セキュリティエンジニアって副業出来る？

セキュリティ専門家は、副業が可能な職種の一つです。悪意を持つ第三者によるサイバー攻撃から、ネットワークやシステムを守り、重要な情報の流出や漏えいを防ぐのが主な役割です。
セキュリティ専門家の主な業務には、以下のようなものがあります。

• セキュリティを考慮したシステムの企画、提案、設計
• システムの運用と保守
• 社員向けのセキュリティ教育
• 企業のセキュリティ管理体制の評価と改善指導

これらの業務には、企業に常駐する必要があるものも含まれますが、そのような特性を持つセキュリティ専門家でも、副業として働くことができます。
副業とは、本業以外で収入を得る形態のことで、勤務先の就業規則で副業が禁止されていなければ、セキュリティ専門家としての副業は可能となります。

副業セキュリティエンジニアの単価

セキュリティエンジニアとして副業に従事する際の報酬水準について解説します。
月額や年額ベースでは算出が難しいため、時給単価を基準とします。
キャリアの節目に立つ方や、フリーランスへの移行を検討している方など、様々な立場の方に参考になるでしょう。
副業におけるセキュリティエンジニアの時給単価は、以下のとおりです。

• 平均で3,978円
• 中央値が3,220円
• 最高値が5,000円
• 最低値が2,770円

例えば、週末のみ副業に従事した場合、1ヶ月で64時間の稼働となり、時給4,000円前後とすると、約25万円の収入が見込めます。
土日勤務のみでも十分な収入を得られるため、経済的な安定が期待できます。

フリーランスセキュリティエンジニアの報酬単価

フリーランスセキュリティエンジニアの報酬水準について検討しましょう。
平均報酬単価は約60.3万円、中央値は約60万円と近似しています。
しかし、最高額が約130万円に対し、最低額は約28万円と大きな開きがあります。
週5日稼働で140〜180時間/月の場合、報酬の目安は約50〜70万円となります。

セキュリティエンジニアが副業するメリット

情報セキュリティの専門家として副業を行うと、以下の利点があります。

• 経済的な恩恵を受けられる
• 新たな人間関係を構築できる
• 多様な経験を積むことができる

それぞれの利点について、より詳しく説明していきます。

副業でセキュリティエンジニアの収入アップ

セキュリティ分野での副業は、本業とは別に収入を得られる機会となります。
本業での給与に加えて副収入が入ることで、総収入は増加します。
収入が増えれば、これまで手が届かなかった物やサービスを享受できるようになるでしょう。
また、将来に備えた貯蓄にも回すことができます。
近年注目されている「FIRE」運動のための資金づくりにも役立つかもしれません。

副業による人脈拡大のメリット

本業の枠を超えた新たな出会いが副業の魅力の一つです。
日常生活や本業の範囲では、知り合える人間関係には自ずと限界があります。
しかし、セキュリティエンジニアとしての副業活動を通じて、これまでアクセスできなかった業界や分野の人々との交流が可能になります。
このように広がった人脈は、

• ビジネスチャンスの獲得
• 視野の拡大

につながる可能性があります。
さらに、キャリアアップや転職の際にも、新たな人的ネットワークが有利に働くでしょう。
つまり、副業で培った人脈は、本業においても大きな財産となり得るのです。

副業のメリット

本業とは異なる分野での活動を通じて、これまで経験したことのない新しい知識やスキルを身につけることができます。

• 職種によって得られる経験には一定の制限があるため、副業を行うことで、本業では決して得られない貴重な機会に恵まれるでしょう。
• 特に専門性の高い職種においては、副業を契機として新たな知識やスキルの習得が求められることが多々あります。

こうした副業での経験や習得したスキルが、本業の業務にも好影響を及ぼすケースも珍しくありません。
加えて、新しい分野に触れることで、これまでは手が届かなかった仕事にも挑戦できるようになり、活躍の場が広がる可能性があります。

副業セキュリティエンジニアに必要なスキル

セキュリティエンジニアとしての活躍には、特定のスキルが必須というわけではありません。しかし、副業としてこの分野で活躍するためには、習得しておくべきスキルがあります。
事前にスキルを身につけておけば、初期段階から高単価の案件を受注できる可能性が高まります。
副業セキュリティエンジニアに求められるスキルとは、

• セキュリティ
• サーバー/ネットワーク
• クラウド
• コミュニケーション

の4つです。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

セキュリティスキルの重要性と情報セキュリティスキルマップ

副業としてセキュリティ分野で活躍するには、関連する専門知識と技能を習得しておくことが重要です。
情報処理推進機構が公表している「情報セキュリティマップ」では、セキュリティ業務に従事する際に必要とされる16の項目が挙げられています。

• 情報セキュリティマネジメント
• ネットワークインフラセキュリティ
• アプリケーションセキュリティ
• OSセキュリティ
• ファイアウォール
• 侵入検知システム
• ウイルス対策
• セキュアプログラミング技法
• セキュリティ運用
• セキュリティプロトコル
• 認証
• PKI
• 暗号化
• 電子署名
• 不正アクセス手法
• 法令・規格への対応

などの知見を身につけることが求められます。
これらの分野に関する幅広い知識とスキルを習得しておけば、副業としてセキュリティエンジニアを務める際に役立つでしょう。

サーバー/ネットワークスキルの重要性

コンピューターシステムの円滑な運用には、サーバーやネットワークに関する専門的な知識と技能が不可欠です。

サーバーエンジニアは、コンピューターシステムを支えるサーバーの設計、構築、運用、保守を担当します。
一方、ネットワークエンジニアは、コンピューター同士を接続するネットワークの設計、構築、運用、保守を行います。

これらの役割を果たすために必要とされる主なスキルは以下の通りです。

• 設計スキルでは、サーバーやネットワークに関する知識に加え、論理的思考力、文書化能力、ユーザーとの合意形成力が求められます。
• 構築スキルでは、機器の設定や故障対応、作業の取りまとめ能力が重要です。
• 運用スキルでは、異常や性能問題を検知し、保守チームと連携して迅速に対応することが求められます。
• 保守スキルでは、機器の動作仕様を正しく理解し、障害発生時の原因分析と対応作業を行う能力が必須となります。

クラウド環境でのセキュリティエンジニア業務

クラウドストレージを活用すれば、社内ネットワークへの直接アクセスは不要になります。
ただし、セキュリティエンジニアの職務によっては、クラウド環境を利用しない場合もあります。
一方、副業でセキュリティ業務を行う際は、在宅作業が想定されるため、クラウドスキルは必須です。
クラウド環境では、アクセス制限により機密情報の漏洩リスクが低減されるため、多くの企業がクラウドシステムを導入しています。
そのため、

• AWS
• GCP
• Microsoft Azure

などの主要クラウドサービスの知識やネットワーク仮想化スキルが求められています。

コミュニケーションスキルの重要性

人と円滑に意思疎通を図るには、コミュニケーション能力が不可欠です。
副業としてセキュリティエンジニアを務める際には、

• 相手の要望を引き出したり
• 自身の考えを適切に伝えたりする力が求められます。

また、相手のレベルに合わせて質問できる資質も重要視されます。

副業セキュリティエンジニアの案件獲得方法

本業とは異なり、副業セキュリティエンジニアは業務を自ら探し出す必要があります。
案件を見つける手段としては、

• フリーランス仲介サービスや副業専門サイトの利用
• クラウドソーシングプラットフォームの活用
• 直接依頼を受ける方法

などが考えられます。
それぞれの案件獲得方式について、詳しく解説していきましょう。

副業セキュリティエンジニアの案件獲得方法

ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、ベンチャー企業を含む800社以上から1,200件を超える案件が掲載されており、企業と直接契約を結ぶため手数料は不要です。
また、

• 週2日からでも働ける「ITプロパートナーズ」などのフリーランス仲介サービスも人気があります。

こうしたサービスを活用すれば、

• 希望に沿った案件を見つけてもらえるだけでなく、場合によっては獲得までサポートしてもらえます。

クラウドソーシングサービスを活用した副業案件獲得

副業としてセキュリティエンジニアの仕事を獲得する一つの方法として、クラウドソーシングサービスの活用が推奨されます。
このサービスは、仕事を発注する企業や個人と受注者をマッチングする役割を果たします。
フリーランスエージェントとは異なり、クラウドソーシングサービスは基本的に案件情報の提供のみを行い、案件獲得までのサポートや交渉代行は行いません。
一方で、フリーランスエージェントは豊富なサービスやサポートを提供しています。
しかし、クラウドソーシングサービスを利用すれば、クライアントと直接やり取りができるため、様々な条件について交渉が可能となります。
クラウドソーシングサービスには、以下の2種類があります。

• 幅広いジャンルの案件を扱う「統合型」
• 特定のジャンルに特化した「ジャンル特化型」

代表的なサービスとしては、以下が挙げられます。

クラウドワークス

ランサーズ

ココナラ

副業セキュリティエンジニアの案件獲得方法

副業としてセキュリティエンジニアの仕事を得る際、直接クライアントから案件を受注することをおすすめします。
クラウドソーシングサービスやフリーランスエージェントを利用すると手数料が発生しますが、自らの努力で案件を獲得すれば費用をかけずに済みます。

• SNSやブログで自身のスキルをアピールしたり
• 知人や職場の関係者に案件の有無を尋ねたりすることで

副業案件を直接受注できる可能性があります。
報酬を最大限確保したい場合は、このような方法を活用するとよいでしょう。

副業セキュリティエンジニアの注意点

セキュリティ専門家にとって、本業の規定で副業が制限されている場合は、原則として副業は認められません。

• 公務員は法令により副業が禁止されており、特別職の公務員も同様です。
• また、競合他社での副業は倫理的に避けるべきです。

副業を行う際は、確定申告の手続きと本業とのバランスを保つことが重要となります。

副業所得の確定申告について

副業からの収益が一定額を超えた場合、税務申告が義務付けられます。
しかし、申告対象となるのは総収入ではなく、経費を差し引いた純利益です。
つまり、副業による収入から必要経費を控除した金額が基準値を下回れば、申告は不要となります。
収支の適切な管理が重要であり、経費の把握を怠ると過剰な申告につながる可能性があります。

副業とのバランス

副業を行うセキュリティエンジニアは、本業との適切なバランスを保つことが肝心です。
副業の方が魅力的で収入面でも恵まれていれば、本業よりも副業に重きを置きがちです。
しかし、本業に支障がない限り問題はありません。
問題となるのは、

• 本業の業務量や質の低下
• 遅刻や予定の忘れ込み

など、副業が本業に悪影響を及ぼす場合です。
このような状況が続けば、就業規則に副業禁止の規定がなくても事実上副業ができなくなる可能性があります。
場合によっては、本業を退職せざるを得なくなるリスクもあることを認識しておく必要があります。

セキュリティエンジニアの将来性

現代社会において、データの価値が高まる中、情報漏えいを防ぐセキュリティエンジニアの需要は増加しています。
この背景には、

• IT人材不足
• テレワーク普及によるサイバー攻撃の増加

があり、今後も状況は変わらない見通しです。
情報セキュリティの重要性が高まる一方で、エンジニア全体の人材不足から、セキュリティエンジニアの将来性は高まるでしょう。
しかし、業界全体で需要不足が続く可能性があり、企業によっては多忙を極める恐れがあることに注意が必要です。

まとめ

この記事では、セキュリティエンジニアの副業について説明しました。

• 就業規則で許可されており、本業に支障がない場合は副業が可能です。
• 副業を通じて収入の増加と新しいスキルの習得が期待できます。
• また、人脈が広がり、本業での活躍の場が広がる可能性があります。
• 将来的にフリーランスを目指す方にとっては、その準備として有益です。

副業やフリーランスの案件獲得方法や報酬水準についても触れました。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」をご活用いただければ幸いです。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。