現代社会におけるIT化の進展に伴い、エンジニア職への転職を検討する人が増加しています。
しかし、エンジニアには様々な職種があり、
- システムエンジニア
- Webエンジニア
- プログラマー
- 社内SE
など、それぞれの実務内容は大きく異なります。
そのため、自身の希望する業務内容を十分に検討せずに転職活動を行うと、企業との間で職務のミスマッチが生じ、最悪の場合には再転職を余儀なくされる可能性があります。
このような失敗を避けるためにも、エンジニア職についての知識を深めておくことが重要です。
本稿では、ITエンジニアの中でも「社内SE」に焦点を当て、以下の点について解説します。
- 社内SEの役割
- 社内SEとシステムエンジニアの違い
- 社内SEの具体的な業務内容
- 社内SEへの転職が難しい理由
- 未経験者でも社内SEへ転職できるかどうか
- 社内SEとして転職を実現するための方策
現在社内SEへの転職を検討している会社員やフリーランスの方は、ぜひ一読いただければ幸いです。
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社内SEとは?
企業内部で情報システムに関わる業務を担う職種が社内SEです。
外部からの案件は基本的に受け付けず、所属する組織の情報システムの
- 企画
- 開発
- 運用
- 保守
などを行います。
業務内容は企業によって異なりますが、
- ソフトウェア開発
- アプリケーション運用・保守
- ITインフラ構築
- ヘルプデスク
など、情報システムに関する幅広い業務を担当することが多くあります。
システムエンジニア(SE)と社内SEの違いについて
システムエンジニア(SE)と社内SEの違いは、業務範囲、必要な能力、平均年収の3点で異なります。
- 社内SEは自社のシステムに関する業務が中心で、転勤が少なく、求められる技術範囲が狭いのが特徴です。
- 一方、SEはクライアント企業のニーズに応じてシステム開発を行うため、幅広い知識と高度な開発スキルが求められます。また、案件ごとに常駐する可能性があり、転勤の機会が多くなります。
平均年収は社内SEが489万円、SEが494万円と、大きな差はありません。
システム開発の工程と社内SE・システムエンジニア(SE)の違い
システム開発には様々な段階があり、企画から設計、実装、運用、保守まで多岐にわたるプロセスが存在します。
社内システムエンジニアと外部向けシステムエンジニアでは、担当する業務範囲が大きく異なります。
- 社内システムエンジニアは、自社のシステムの運用や保守を主な役割とし、機密情報を扱うため社内に特化した活動が中心となります。
- 一方、外部向けシステムエンジニアは、クライアント企業からの受託案件に応じて、企画から開発までを一貫して担当します。そのため、幅広い知識と技術が求められ、案件に応じて顧客先に常駐することもあり、転勤の機会も多くなります。
社内SEとシステムエンジニアの役割と求められるスキル
職務範囲が異なれば、必要とされる能力も変わってきます。
- 社内システムエンジニアは、システムの運用や保守を主な業務とするため、自社の事業成長に向けた改善策を見出すシステム構築力が重視されます。そのため、システム開発に関する幅広い知識が求められます。
- また、経営戦略を踏まえたIT戦略の立案や業務分析による課題抽出など、人間対応の業務も多いため、高いコミュニケーション能力も必要とされます。
一方、システムエンジニアは、システムの企画、設計、開発を直接的に担当するため、高度な開発スキルが要求されます。
社内SEとシステムエンジニア(SE)の年収比較
社内で従事するエンジニアと外部に出向くエンジニアでは、収入面に違いがみられることが多い。
一般的に、社内勤務者よりも外部に出向くエンジニアの方が高収入を得られる傾向にある。
しかし、双方とも収入の幅は広く、
- 勤務先の待遇
- 保有するスキルやノウハウ
によって大きな差が生じる可能性がある。
社内エンジニアの平均年収は489万円程度だが、大手企業や外資系企業に勤める者は600万円を超え、管理職クラスでは900万円を上回ることもある。
一方、外部に出向くエンジニアの平均年収は約494万円だが、大手企業や外資系企業に所属する者は700万円を上回り、管理職クラスでは900万円を超える水準にある。
社内SEの仕事内容
本文では、企業内で活躍するシステムエンジニアの職務について説明します。
業務の内容や範疇は会社によって異なるため、転職を検討する際は自身の希望に沿った職務内容かどうかを慎重に見極める必要があります。
ヘルプデスク業務と社内インフラ整備業務
ヘルプデスク業務は、社内システムに関する問い合わせや不具合への対応を行う役割があります。
具体的には、
- 電話やメール経由でのサポート対応
- IT機器の購入手配
- アカウント管理
- セットアップ作業などのキッティング業務
- マニュアルや報告書の作成
- 不具合の検証やIT機器の点検
などが含まれます。
一方、社内インフラ整備業務は、情報インフラの設計や構築、運用サポートを担当します。
PCやプリンターの設定 |
ソフトウェアのインストール |
サービス運営に必要なインフラの設計と構築 |
正常運用のサポート |
事務所移転時のネットワーク敷設作業 |
などが具体的な業務内容となります。
システム開発業務の実態
企業内で利用されるシステムの企画、設計、開発を専門的に担う職務です。
会社の業務効率化や改善を目的として、様々な部門からの要求に応じて複数のプロジェクトを並行して進める必要があります。
- 自社開発システムの設計・開発・テスト
- AIを活用した高度な開発
- 進捗管理や品質管理などのベンダー管理業務
となります。
システム運用・保守業務
システムの安定稼働を維持するため、運用管理と保守作業を実施する役割が保守メンテナンス業務です。
主な作業内容は、
- サーバーやネットワークの監視
- トラブル対処
- システム改善のためのアップデート
- セキュリティ対策としてソフトウェア導入
- パスワード管理
- 定期診断
などが含まれます。
社内SEへの転職は難しいって聞くけど理由は?
企業内システムエンジニアの転職は容易ではないと言われています。
その背景にある要因を3点に絞って説明しましょう。
- 社内SEの職務は企業ごとに異なり、業務経験が他社で通用しにくいことが1つ目の理由です。
- 社内SEの仕事は企業の機密情報に深く関わるため、転職先企業が人材を受け入れにくいことです。
- 社内SEの給与水準が一般的に高めなので、転職のメリットが小さいことも挙げられます。
このように、社内SEの転職は様々な要因から難しいと考えられています。
社内SEへの転職の難易度
社内システムエンジニアへの転職を検討する人は、以前からITの専門知識や技術を持っている人が多数を占めます。専門的な業務を行うため、どの企業も優秀な人材を求めるのは自然なことです。そのため、未経験者は転職が難しい職種と言えるかもしれません。求められる知識や資格については、後述の表をご覧ください。
社内SEの人気と転職事情
企業内システムエンジニアの職種は転職市場で高い人気を誇っています。
転職サイトの情報によると、この分野の内定倍率は5倍を超えているとのことです。
人気の理由としては、以下の点が挙げられています。
- 転勤の少なさ
- 残業時間の短さ
- IT戦略立案などシステムエンジニアの通常業務とは異なる仕事に携われること
- 自社システム開発のため納期に縛られず自由に開発できること
このように働き方の良さや仕事のやりがいから、社内システムエンジニアへの転職希望者が多数いるようです。
一方で、人気が高いがゆえに転職競争も激しくなっているのが現状かもしれません。
社内SEの業務内容と転職対策
企業によって社内SEの職務範囲や処遇、求められる能力は大きく異なります。
- 一部の会社ではヘルプデスク業務のみを担当すれば良いですが、他の企業では開発や運用業務にも積極的に携わることが期待されています。
このように業務内容が多岐にわたるため、転職活動の準備やスキルアップの方向性を定めるのが難しくなります。
社内SEへの転職を検討する際は、自身の希望する職務を具体的に特定してから行動を開始することをおすすめします。
未経験でも社内SEへ転職出来る?
社内システムエンジニアへの転職は、業務経験がなくても可能な場合があります。
IT分野では深刻な人材不足が続いており、優秀な人材を確保したいと考える企業が多数存在するためです。
ただし、社内SEは人気の高い職種であり、高度なスキルとノウハウが求められます。
転職を成功させるには、事前に
- プログラミング言語の習得
- 独学
- スクールなどで準備を行うこと
が重要となります。
社内SEとして転職を実現させるには
社内システムエンジニアとしての転職を成功させるには、いくつかの重要な点に留意する必要があります。
まず、
- 自身の経験と技術スキルを客観的に評価し、求められる要件を満たしているかを確認することが肝心です。
次に、
- 転職先の企業文化や業務内容を十分に理解し、自身の価値観と合致しているかを吟味しましょう。
最後に、
- 面接では自信を持って自身の強みをアピールし、なぜその企業で働きたいのかを明確に伝えることが大切です。
このように、準備を怠らず、自身のキャリアプランに沿った適切な選択をすることが、社内SEとしての転職を実現する鍵となります。
ITスキル習得の重要性と役立つ資格一覧
社内SEとしての転職を目指す際には、幅広いITスキルの習得が有益です。
企業側も、実践的な能力を備えた人材を求めがちです。
そのため、自身のキャリアプランに合わせて、必要なスキルやノウハウを選択し、着実に習得することが重要です。
業務内容によって求められる知識や資格は異なりますが、以下の表を参考にしてみてください。
業務種別 | 必要な知識 | 必要なスキル | 役立つ資格 |
---|---|---|---|
ヘルプデスク | PC全般・ネットワーク・各専門分野の知識 |
|
|
インフラ整備 | 自社システム・サーバー・ソフトウェア・データベース・ハードウェア・セキュリティの知識 |
|
|
システム開発 | 自社システム・サーバー・ソフトウェア・データベース・ハードウェアの知識 |
|
|
保守メンテナンス | 自社サーバー・ネットワーク・データベースの知識 |
|
|
転職の志望動機と一貫性
転職活動において、一貫した理由と動機を示すことが重要です。
単に前職の不満を述べるだけでは、採用側から好印象を持たれにくくなります。
むしろ、新しい職場で実現したい目標や抱負を明確に説明することで、一貫性のある志望動機を伝えられます。
社内SEとしての転職を希望する場合、その具体的な根拠と理由を的確に表現できれば、採用担当者から高い評価を得られるでしょう。
転職エージェントを活用して最適な企業を見つける
転職を検討する際には、専門家の支援を活用するのが賢明です。転職のプロフェッショナルに相談することで、自身の希望に沿った求人を効率的に探すことができます。
未経験者でも採用される企業が多数存在するため、チャンスを広げるためにも積極的に活用しましょう。
未公開求人の情報も得られるでしょう。
社内SEなどIT分野の転職に強みを持つ代理店として、
- レバテックキャリア
- マイナビITAGENT
- Geekly(ギークリー)
- WORKPORT(ワークポート)
- TechClipsエージェント
などが挙げられます。
まとめ
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」では、社内システムエンジニア(社内SE)の仕事内容や転職のポイントについて詳しく説明しています。
社内SEとは企業内の情報システムの
- 企画
- 設計
- 開発
- 運用
- 保守
を担当する職種です。
システムエンジニア(SE)との違いは、業務範囲と必要なスキルにあります。
社内SEの主な業務には、
- ヘルプデスク
- 社内インフラ整備
- システム開発
- 保守メンテナンス
などがあります。
社内SEへの転職が難しいと言われる理由は、
- 人気職種であり
- 業務内容が企業ごとに異なるため
です。
しかし、未経験からでも転職は可能です。
転職を実現するには、
- 幅広いITスキルの習得
- 一貫した転職理由と志望動機
- ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」の活用
が重要です。
情報化社会の進展に伴い、社内SEの需要と将来性は高まっています。
理想の社内SEを目指すには、早期の転職活動と継続的な学習が推奨されます。