ネットワーク分野で活躍するための重要な資格であるCCNPについて説明します。
CCNPは、ネットワークに関する広範な知識と技能を有していることを証明する資格です。
ネットワーク関連の職種を目指す人にとって、取得すべき資格の一つと言えるでしょう。
本稿では、以下の内容を解説します。
- CCNPの詳細な内容
- 資格取得のメリット
- 資格取得のデメリット
また、CCNPの受験に役立つ参考資料についても紹介します。
特に、CCNPの学習に取り組んでいる方、今後学習を予定している方、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを志す方は、本稿の内容をご覧ください。
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- 1 CCNPとは
- 2 CCNP認定試験の概要
- 2.1 CCNP認定試験の概要
- 2.2 CCNP認定試験の概要
- 2.3 CCNP Enterprise試験の出題範囲
- 2.4 CCNP Data Centerの出題範囲
- 2.5 セキュリティ概念とCCNP Securityの出題範囲
- 2.6 CCNP Service Provider試験の出題範囲
- 2.7 CCNP Collaboration試験の出題範囲
- 2.8 Cisco Certified CyberOps Professional試験の出題範囲
- 2.9 CCNP DevNet試験の出題範囲
- 2.10 CCNP認定試験の難易度と合格率
- 2.11 CCNP認定試験の申し込み手順
- 2.12 CCNP認定試験の有効期限と受験ルール
- 2.13 CCNP認定試験の勉強法
- 3 CCNPの資格取得のメリット
- 4 CCNPの資格取得のデメリット
- 5 CCNPの資格取得のための勉強サイトや参考書を紹介
- 6 まとめ
CCNPとは
ネットワーク分野で活躍したい人や、Cisco製品を活用したネットワークの設計・構築を行うエンジニアを目指す人にとって、CCNPは魅力的な資格です。
CCNPは「Cisco Certified Network Professional」の略称で、世界的なネットワーク機器ベンダーであるCiscoシステムズ社が主催する技術者認定の一つです。
大規模ネットワークの実装からトラブルシューティングまで、実務で役立つネットワークに関する幅広い知識と技術が問われる試験となっています。
世界中で評価の高い資格であり、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして必要なスキルを証明できるため、転職やキャリアアップの際に有利に働くことが多いでしょう。
シスコ技術者認定の概要
シスコの技術認定資格は、4つのレベルに分類されています。
- 最上位がエキスパート
- 次にプロフェッショナル
- アソシエイト
- そしてエントリーレベル
プロフェッショナルレベルの認定試験では、高度なネットワーク知識が問われます。仮想化やネットワーク自動化などの専門的な領域についての理解が求められ、4つのレベルの中でも難易度は上から2番目に位置します。
過去にはエキスパートレベルの上位資格としてアーキテクト認定がありましたが、2021年3月に廃止され、保持者には永久的な名誉ステータスが自動付与されることになりました。
CCNPの新体系と試験概要
CCNP認定試験は、複数の分野に分かれています。
- CCNP Enterprise
- CCNP Data Center
- CCNP Security
- CCNP Service Provider
- CCNP Collaboration
- Cisco Certified CyberOps Professional
- CCNP Certified DevNet Professional
の7つのカテゴリーがあります。
2020年2月に新しい体系に移行し、従来の受験要件は廃止されました。
新しい試験では、「コア試験」と「コンセントレーション試験」の2つに合格する必要があります。
試験の受験順序は問題ありません。
各試験の詳細については、後述します。
CCNP認定試験の概要
CCNP資格の詳細について説明しましょう。この認定試験は、ネットワーク技術者の高度な専門知識とスキルを評価するものです。
試験範囲は広範囲に及び、
- ネットワークの設計
- 実装
- 運用
- トラブルシューティング
などの分野をカバーしています。
合格者は、企業ネットワークの構築と管理に関する優れた能力を持つことが証明されます。
受験には一定の経験と準備が必要ですが、合格すれば専門性の高い技術者としての地位が確立できるでしょう。
CCNP認定試験の概要
CCNP認定試験の詳細については、以下のようになっています。
- 試験会場は全国のピアソンVUE認定センターまたはオンライン監視下での受験が可能です。
- 試験日時は予約時に都合の良い日時を選べます。
- コア試験は120分、コンセントレーション試験は90分の時間が与えられます。
- CBTによる出題形式で、選択式、ドラッグ&ドロップ、コマンド入力などの問題形式があります。
- 問題数と合格基準は非公開ですが、スコアは300~1000点で評価されます。
受験料 | コア試験 | 49,280円 |
コンセントレーション試験 | 36,960円 | |
合計 | 86,240円 |
- 受験言語は日本語か英語から選択可能です。
- 受験資格に制限はありませんが、3~5年の実装経験が推奨されています。
- 試験終了後に合否が表示され、認定証はトラッキングシステムから入手できます。
- 日本語受験の場合、翻訳による理解の難しさから時間がかかる可能性があります。
- 上位資格のCCIEラボ試験は全て英語なので、将来的に上位資格取得を視野に入れている方は英語受験をおすすめします。
CCNP認定試験の概要
CCNP認定試験を取得するには、中核となる試験と専門分野の試験に合格する必要があります。
専門分野の試験は、
- 複数の選択肢から1つを選んで受験することになります。
試験の詳細については、別途ご確認ください。
CCNP Enterprise試験の出題範囲
コア試験の出題範囲は、
- アーキテクチャが15%
- 仮想化が10%
- インフラストラクチャが30%
- ネットワークアシュアランスが10%
- セキュリティが20%
- 自動化が15%
となっています。
コンセントレーション試験の出題範囲の詳細については、別途ご確認ください。
CCNP Data Centerの出題範囲
ネットワーク関連の問題が25%、コンピューティングに関する問題が25%、ストレージネットワークに関する問題が20%、自動化に関する問題が15%、セキュリティに関する問題が15%の割合で出題されます。
CCNP Data Centerの主要試験の具体的な範囲については、別途ご確認ください。
また、各専門分野の試験の詳細な範囲についても、個別にご確認が必要です。
セキュリティ概念とCCNP Securityの出題範囲
セキュリティの基本原理と概念を理解することが25%を占めています。
- ネットワークにおけるセキュリティ対策は20%の割合を示しています。
- クラウド環境におけるセキュリティ対策は15%の比重があります。
- コンテンツに関するセキュリティ対策も15%の割合となっています。
- エンドポイントの保護と検知については10%が割り当てられています。
最後に、セキュアなネットワークアクセス、可視性、およびエンフォースメントが15%を占めています。
CCNP Service Provider試験の出題範囲
コア試験の出題範囲は、以下のとおりです。
- アーキテクチャが15%
- ネットワーキングが30%
- MPLSおよびセグメントルーティングが20%
- サービスが20%
- 自動化およびアシュアランスが15%
コンセントレーション試験の詳細な出題範囲についても、同様の情報が提供されています。
CCNP Collaboration試験の出題範囲
この試験では、以下の割合で出題されます。
- ネットワーク基盤とデザインに関する知識が20%
- プロトコル、コーデック、エンドポイントに関する理解が20%
- Cisco IOS XEゲートウェイとメディアリソースの運用が15%
- コールコントロールの設定が25%
- QoSの構成が10%
- コラボレーションアプリケーションの活用が10%
コア試験とコンセントレーション試験の出題範囲の詳細は、公式サイトでご確認ください。
Cisco Certified CyberOps Professional試験の出題範囲
試験の構成は、
- 基本的な知識が20%
- 技術的な側面が30%
- プロセスに関する部分が30%
- 自動化に関する内容が20%
となっています。
Cisco Certified CyberOps Professionalの中核となる試験の出題範囲の詳細については、こちらをご参照ください。
さらに、各専門分野の試験における出題範囲の詳細も、こちらで確認できます。
CCNP DevNet試験の出題範囲
ソフトウェア開発と設計、APIの活用、シスコ製品の活用、アプリケーションの展開とセキュリティ対策、インフラストラクチャの自動化など、さまざまな分野にわたる知識が求められます。
CCNPデブネットプロフェッショナル認定の中核となる試験の出題範囲の詳細は専用ページをご参照ください。
また、各コンセントレーション試験の出題範囲についても、公式サイトで確認できます。
CCNP認定試験の難易度と合格率
CCNP認定試験の合格率は公式には公表されていませんが、同等レベルの試験の合格率から推測すると、約2割程度と考えられます。
CCNP認定試験はCisco製品固有の知識が必要とされるため、難易度が高いと感じる受験者が多数いますが、基礎知識を確実に身につけておけば合格可能なレベルだと言えます。
CCNP認定試験の申し込み手順
CCNP認定試験の申し込みプロセスは以下の通りです。
PearsonVueサイトから手続きを行います。
新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年12月以降はオンライン監督試験も選択できるようになりました。オンライン監督試験の場合、事前にシステムテストと試験シミュレーションが必須です。
- ピアソンのアカウント作成
- 受験試験の選択
- 言語とテストセンター・日時の指定
- クレジットカード情報入力(バウチャー事前購入可)
- 予約したテストセンター(オンライン)で受験
- 本人確認書類の提示、デジタル写真撮影、署名確認の上、合否結果が通知されます
本人確認書類は有効で最新のものを用意しましょう。
認定証はトラッキングシステムから数週間後に自宅に届きます。事前にCiscoアカウントの登録とトラッキングシステムの設定が必要です。
CCNP認定試験の有効期限と受験ルール
CCNP資格の有効期間は3年間と定められています。
ネットワークやインフラストラクチャの分野で活躍するには、常に最新の知識を身に付けておくことが求められます。
そのため、
- コア試験またはコンセントレーション試験に合格した後は、3年以内に残りの試験にも合格する必要があります。
ただし、
- 同一試験の受験には180日の間隔を空ける必要があり、不合格の場合は5日後に再受験が可能となります。
CCNP認定試験の勉強法
CCNP認定試験は高度なネットワーク技術を評価する上級資格であり、ITSSのレベル3に位置づけられています。
そのため、難易度が高く、下位資格であるCCNAの知識を十分に習得していることが前提となります。
適切な学習期間を設けて、基礎知識を確実に定着させることが重要です。
試験問題を繰り返し解き、解説を見直すサイクルを通じて、知識を体得していくことをお勧めします。
効率的な学習を進めるため、次の5章で紹介する学習リソースを活用してください。
- 章1
- 章2
- 章3
- 章4
- 章5
CCNPの資格取得のメリット
CCNPの資格取得には、さまざまな利点があります。
- まず、ネットワークに関する専門知識を習得できる点が挙げられます。
- また、この資格を持つことで、ネットワーク技術の熟達度を客観的に示すことができます。
- さらに、IT関連企業への就職活動において有利に働くでしょう。
- 加えて、一部の企業では資格手当や報奨金の支給対象となる場合もあります。
これらの項目について、より詳しく解説していきましょう。
ネットワーク技術の体系的習得
ネットワーク分野における高度な専門性を評価するCCNP認定試験は、Ciscoネットワーク製品を中心に、幅広いネットワーク技術の理解度を問うものです。
この試験に向けた学習を通じて、体系的なネットワークの知見を習得することができます。
重要なのは単なる資格取得ではなく、実務で活用できる実践的な知識の獲得にあります。
実務を意識しながら、ネットワーク技術の本質的な理解を深めていきましょう。
ネットワークエンジニア向けCCNP認定試験
この資格は、ネットワーク分野における専門性と能力を公に示すものであり、ネットワーク技術者やインフラストラクチャ担当者を目指す人々にとって、有益な証明となります。
CCNPの認定試験は、ネットワークに関する知識とスキルを客観的に評価するため、この分野で活躍したい方々にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
CCNPの価値と活用
CCNPの資格を持つことは、IT業界での就職や転職において有利に作用します。
特に実務経験が乏しい場合、ネットワークに関する一定の知識を有していることを示すことができます。
中には、CCNPの保有を採用条件とし、即戦力として雇用する企業もあります。
エンジニアとしてのキャリアを歩みたい方や、仕事の選択肢を広げたい方は、この資格取得を検討するとよいでしょう。
ネットワーク資格CCNPの魅力
CCNP認定試験は、ネットワークやインフラストラクチャの分野で高度な専門性を持つことを示す証明となります。
従って、企業によっては、この資格を持つ従業員に対して手当てや報酬を支給する制度を設けている場合があります。
- もし自社にそうした制度があれば、活用するのが賢明でしょう。
- 資格取得の学習を開始する前に、まずは会社の方針を確認することをおすすめします。
CCNPの資格取得のデメリット
CCNPの認定資格を手にすることには特に欠点はありません。
ただし、どの資格でも同様ですが、合格を目指すには学習に十分な時間を割く必要があるでしょう。
合格に向けたCCNP認定試験の勉強法
CCNP認定試験は高度な技術力が求められるため、十分な準備が不可欠です。
受験料も高額なので、合格を確実にするには長期間の学習期間を設けることが賢明です。
日々の生活の合間を上手く活用し、着実に知識を蓄積していく必要があります。
CCNPの資格取得のための勉強サイトや参考書を紹介
ここでは、CCNP認定試験の合格を目指す方向けの学習リソースをご案内します。
オンラインコースやテキストブックなど、様々な選択肢があります。
- CCNPの資格取得に向けて、適切な学習ツールを活用し、着実に知識とスキルを身につけていくことをおすすめします。
- 効率的な学習方法を見つけ、目標に向かって着実に前進しましょう。
CCNP Web教科書「CCNPイージス」
この教材は、個人が管理するCCNP専門のオンライン学習コンテンツです。
Cisco認定プロフェッショナルネットワーク技術者(CCNP Enterprise)の試験範囲である
- 「ENARSIコース(300-410)」
- 「ENCORコース(350-401)」
の内容を学習できます。
IT資格学習サポートサイト「Ping-t」
Ping-tは、IT関連の資格取得を目指す方々に向けた学習プラットフォームです。
様々なIT試験に関する豊富な問題と詳細な解説が用意されており、着実に知識を身につけながら学習を進めることができます。
CCNPに関するコンテンツは有料となっていますが、
- CCNP Enterpriseの試験科目である「ENCOR(350-401)」の問題が約1,100問
- 「ENARSI(300-410)」の問題が約650問と、充実した内容が提供されています。
さらに、同サイトには合格者の体験談も掲載されており、実際の受験生の生の声から学習や試験対策のヒントを得ることができます。
CCNP Enterprise ENCOR 350-401 日本語解説テキスト
この書籍は、CCNP Enterprise認定試験のENCOR(350-401)の準備に役立つ日本語による解説書と問題集を提供します。従来の英語版が主流だった中、母語による丁寧な説明が特徴です。効率的な学習を支援し、試験対策に適した内容構成となっています。2022年9月21日に発売された新刊で、最新の試験範囲をカバーしています。
徹底攻略 Cisco CCNP Switching参考書
この参考書は、Switchingに関する基礎から試験対策までを体系的に解説しています。
ボリュームがありますが、幅広い内容を網羅しているため、しっかりと学習したい方に最適です。
同シリーズには他の分野の書籍もあり、受験する科目に合わせて活用することができます。
まとめ
この記事では、Cisco製品を中心としたネットワークに関する高度な技術力を証明するCCNP認定試験について説明しました。
この資格は、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして必要不可欠な幅広い知識と技能を問われます。
転職やキャリアアップの際に有利に働くため、ネットワーク関連の仕事に従事したい人にとって重要な資格の一つと言えるでしょう。
CCNP認定試験の受験を検討している方は、紹介した学習リソースを活用して挑戦してみることをお勧めします。
この記事が皆様の学習の一助となれば幸いです。
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