2024年注目のスリープテック企業10選：最新の取り組みと革新的技術を徹底解説

2024年6月29日

スリープテック市場が急速に拡大しており、多くの注目を集めています。

大手企業からベンチャー企業まで、様々な企業がこの分野に参入し、革新的な製品やサービスを開発しています。

睡眠の質を向上させる技術は、健康意識の高まりとともに需要が増加しており、今後さらなる成長が見込まれています。

この記事では、スリープテック業界で注目を集めている企業とその取り組みについて詳しく解説します。

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1 巨大市場となったスリープテックとは？
- 1.1 ポケモンスリープ：睡眠を楽しむ新感覚ゲームアプリ
2 スリープテックの注目企業5社を紹介
3 スリープテックを手掛ける上場企業5社も紹介
4 スリープテック企業への転職はあり？
5 スリープテックの求人が気になったらIT転職のプロに相談
- 5.1 エンジニアの年収事例と高収入への道

巨大市場となったスリープテックとは？

スリープテック市場は、世界規模で約9兆円、日本国内では約1兆2000億円と推定されており、大きな成長の可能性を秘めています。

特に日本は、睡眠に関する満足度が世界的に見ても低い国として知られています。

厚生労働省の「平成29年国民健康・栄養調査報告」によれば、

自身を睡眠不足と感じている人が20.2％
1日の平均睡眠時間が6時間未満の人が39.2％

に上ることが明らかになっています。

つまり、日本人のおよそ5人に1人が睡眠に不満を抱えている状況であり、このことからも国内におけるスリープテック製品やサービスへの需要の高さが窺えます。

この未開拓の市場は、今後さらなる発展が期待されています。

ポケモンスリープ：睡眠を楽しむ新感覚ゲームアプリ

「ポケモンスリープ」は2023年7月20日に配信が開始された睡眠ゲームアプリです。2019年の発表以来、多くのファンが待ち望んでいたこのアプリは、リリース直後から大きな注目を集めました。

このアプリの特徴は、ユーザーの睡眠の質やリズムを可視化し、日々の眠りを楽しみにできるような仕組みを提供していることです。使用方法は簡単で、アプリをダウンロードし、毎晩起動して枕元に置いて眠るだけです。

睡眠中のデータは詳細に記録・分析され、寝つきの時間や睡眠の深さなどが毎日グラフで表示されます。さらに、スマートフォンのマイクが拾った音声データも10秒ごとに記録され、24時間は確認可能です。

アプリは毎日の睡眠タイプを判定し、継続使用によって比較や平均が算出されます。睡眠スコアに応じて得られる「ねむけパワー」は、島の中央にいるカビゴンの成長に使われます。また、睡眠タイプが似たポケモンが集まり、その写真を記録した「寝顔図鑑」のコンプリートを目指すこともできます。

基本プレイは無料で楽しめますが、アプリ内課金のオプションも用意されています。

スリープテックの注目企業5社を紹介

スリープテック市場は現在急速に発展しており、この分野で革新的な製品やサービスを提供する企業が増えています。

ここでは、そうした企業の中から特に将来性が高いと考えられる5社に焦点を当てて解説します。

これらの企業は、睡眠の質を向上させる技術や、睡眠データの分析、睡眠障害の改善などに取り組んでおり、今後のスリープテック市場をリードしていく可能性が高いと注目されています。

ブレインスリープ：睡眠特化サービスの先駆者

ブレインスリープは2019年に東京都で設立された、睡眠に特化したサービスを提供する企業です。創業者で最高研究顧問を務める西野精治氏は、「スタンフォード式最高の睡眠」の著者として知られ、スタンフォード大学の睡眠研究所所長も務めています。

主要サービスには、以下があります：

睡眠関連の情報発信メディア運営
企業向け健康サポート事業
スリープテック関連企業のサポート事業

2020年10月には日本初の睡眠特化型コミュニティを立ち上げ、注目を集めました。

ブレインスリープは、スタンフォード大学の自由でユニークな校風を取り入れ、失敗を恐れずチャレンジすることを重視しています。従業員数約40名の比較的小規模な組織で、風通しが良く、コミュニケーションが取りやすい環境です。

社員一人ひとりが積極的に意見を発言し、責任感を持って働ける職場環境が特徴です。新しいことへのチャレンジ精神や、web関連の仕事に興味がある人にとって、魅力的な企業といえるでしょう。西野氏の知識と経験を基に、日本のスリープテック事業をリードする可能性を秘めた企業として注目されています。

日本最大手スリープテック企業ニューロスペースの事業と理念

ニューロスペースは2013年設立の東京都に本社を置く、日本最大手のスリープテック企業です。従業員21名で、「吉野家」や「KDDI」など著名企業との取引実績があります。

主なサービスは以下の2つです：

睡眠改善プログラム
睡眠アプリの開発・研究

睡眠改善プログラムは、従業員のデータを基にアプリが生活習慣改善のアドバイスを提供し、動画コンテンツも活用して睡眠の質向上を目指すサービスです。

ニューロスペースは「睡眠ファースト」の理念に基づき事業を展開しています。個人の睡眠ニーズの違いを認識し、フレックスタイム制を採用して柔軟な勤務を可能にしています。

福利厚生も充実しており、テレワークや時短勤務の推進、30分以内の仮眠許可など、従業員の働きやすさを重視しています。平均年齢37.3歳と比較的若い企業であることも特徴です。

AIで保育革新：ユニファの挑戦

ユニファは2013年設立の愛知県名古屋市に本社を置く企業で、従業員数198名を擁しています。
主に保育分野に特化し、AIを活用して保育園や幼稚園の生活の質を向上させる革新的なサービスを提供しています。

ビジネス面での評価も高く、2020年9月には「AWS Startup Architecture of the Year Japan 2020」で優勝するなど、複数の賞を受賞しています。

同社の主力サービスは「ルクミー午睡チェック」というスリープテックサービスです。このアプリを使用することで、園児の睡眠状態を最適に管理できます。すでに3,200以上の園で導入されており、睡眠と保育を融合させた画期的なサービスとして注目を集めています。

ユニファの社風は、女性の活躍を積極的に支援していることが特徴です。性別に関わらず快適に働ける環境を整備し、多くの女性社員が重要な役職に就いています。また、時短勤務やスライド勤務など柔軟な勤務形態を採用しており、従業員のワークライフバランスに配慮した働き方を実現しています。

睡眠データで職場改革：O:の挑戦

O:（オー）は2016年設立の東京都に本社を置く企業です。
2019年にオーストラリアのスリープテック企業Koala sleepとの業務提携で注目を集め、経済産業省やNHKなど多くのメディアで取り上げられ、将来性が期待されています。

主力サービスは睡眠アプリ「O:SLEEP」で、従業員の睡眠データを分析し、生産性向上や休退職削減を目指しています。詳細なデータ解析により、従業員のストレス状態確認や病気の早期発見・改善が可能です。

O:は睡眠を通じて働きやすい職場環境作りに注力し、従業員のマネジメントを重視しています。谷本代表取締役は一人一人が輝ける職場を大切にしており、「CO:TEAM」というマネジメントサービスの展開からも、従業員を大切にする企業姿勢が伺えます。

AIで睡眠革命を目指すS'UIMIN

S'UIMINは2017年に設立された筑波大学発のスタートアップ企業で、茨城県に本社を置いています。睡眠医科学研究者の柳沢正史氏が会長を務め、世界中の睡眠に悩む人々を支援することを目指しています。

同社はAI技術を活用して睡眠データを自動測定し、より良質な睡眠の実現を目指しています。2020年には「InSomnograf」という高精度な在宅睡眠計測サービスを開始しました。従来の方法と比べ、InSomnografはAIによる瞬時のデータ計測を実現し、短時間で高品質な結果を提供します。

S'UIMINは「SLEEP」という理念のもと、積極的なチャレンジと情熱的な取り組みを重視しています。社員一人ひとりが睡眠学のプロフェッショナルとしての自覚を持ち、睡眠ビジネスでのリーダーシップを目指しています。活力に満ちた企業文化を持ち、睡眠医療の最先端を走る企業として知られています。

スリープテック市場の急成長と多様な参入企業

スリープテック分野には、多くの新興企業が参入しています。例えば、

HRTechサービスの「株式会社iCARE」
ロボットソフトウェアの「パルスボッツ株式会社」
スマートフォンアクセサリの「ティ・アール・エイ株式会社」
不眠症治療アプリの「サスメド株式会社」
輸入商社の「ウェザリー・ジャパン株式会社」

などが挙げられます。

また、既存の大手企業も参入しており、寝具メーカーの「株式会社エアウィーヴ」や健康管理アプリ開発の「株式会社FiNC Technologies」などが注目を集めています。さらに、睡眠データ測定システムを開発する「株式会社ACCELStars」や医療データ分析を行う「株式会社テックドクター」など、技術革新を進める企業も増えています。

このように、スリープテック市場は多様な企業によって急速に拡大しています。

IT人材向け無料職業適性診断サービス

ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」は、IT業界で働く人々向けに「IT人材仕事タイプ診断」というサービスを提供しています。

この診断は、以下の情報を基に、個人の価値観に適した職場環境や仕事スタイルを分析します：

現在の職種
年齢
希望する勤務地などの基本情報
いくつかの簡単な質問への回答

診断結果は無料で閲覧可能で、自分に合った会社や仕事内容を探している方にとって有用なツールとなっています。

また、診断後にはプロのコンサルタントとの無料面談も用意されており、より詳細なキャリアアドバイスを受けることができます。

スリープテックを手掛ける上場企業5社も紹介

スリープテックの分野に進出している著名な上場企業についても触れておきましょう。

例えば、前述のKDDIは株式会社ニューロスペースと提携し、この分野での取り組みを強化しています。

他にも、様々な大手企業がスリープテック市場に注目し、独自のサービスや製品の開発を進めています。

これらの企業の参入により、睡眠の質を向上させる技術やソリューションがますます普及していくことが期待されます。

時差ボケ解消アプリ「lee JET」

ANAとニューロスペースが共同開発した「lee JET」は、時差ボケ解消に特化したアプリケーションです。

このサービスは、ユーザーの個別のタイプをアンケートで分析し、それに基づいたカスタマイズされたアドバイスを提供します。

渡航の3日前から利用可能
機内のオフライン環境でも使用できる機能を備えています

さらに、ユーザーに適切なタイミングで各種通知を送ることで、効果的な時差調整をサポートします。

パナソニックの快眠サポート製品

パナソニックは、快適な睡眠環境の実現に向けて様々な製品を提供しています。

部屋の温度や明るさを自動調整するエアコンや照明器具、寝具の清潔さを保つ掃除機や乾燥機など、睡眠の質を向上させる製品を展開しています。

多くの人々に利用されている機能には、

エアコンや照明の「おやすみナビ」
オーディオ機器の「おやすみタイマー」「おめざめタイマー」

があります。

さらに、他の家電製品にも「クリーンセンサー」や「寝室モード」といった睡眠をサポートする機能が搭載されており、快眠のための総合的な環境づくりをサポートしています。

サイバーダイン、睡眠アプリ企業を買収

サイバーダインは、ヘルスケア事業の拡大を目指し、スマートフォン向け睡眠管理アプリ『熟睡アラーム』を提供する株式会社Ｃ２を買収しました。

このアプリは、総合的な睡眠サポートを提供しています：

睡眠を促すサウンド機能
睡眠データの記録
目覚まし機能

さらに、クラウド技術を活用することで、ユーザーのデータを安全に管理し、より高度な睡眠分析サービスを実現しています。

シート型センサーで睡眠を可視化：介護革新へ

凸版印刷が開発したシート型生体センサーは、睡眠状態をリアルタイムで分析し、睡眠の可視化を実現しました。

この革新的な技術は、特に介護分野で高い需要を見せています。

最大の特長は、利用者が何も装着する必要がない点です。これにより、

リハビリテーションの効果を最大限に引き出す
介護スタッフの業務負担を大幅に軽減する

ことが可能となりました。

この技術は、介護の質の向上と効率化に大きく貢献しています。

睡眠アミノ酸で快眠サポート：味の素の新サプリ「グリナ」

味の素は、現代の多様な働き方がもたらすストレスや疲労に着目し、睡眠とアミノ酸の関連性について研究を行いました。

その結果、生活リズムの改善と睡眠の質向上を目的としたサプリメント「グリナ(R)」を開発しました。

このサプリメントに含まれる睡眠アミノ酸のグリシンは、深い眠りを促進し、快適な睡眠と爽やかな目覚めをサポートする効果が期待されています。

これにより、ハイブリッドワークなど新しい働き方によるストレスの緩和に貢献することを目指しています。

スリープテック企業への転職はあり？

スリープテックは将来性のある市場で、転職先として魅力的な選択肢と言えるでしょう。しかし、現状ではまだ発展途上の分野であり、多くのスタートアップやベンチャー企業が参入している段階です。他のクロステック分野と比較すると、市場の成熟度はまだ低いと言えます。

新しい分野を開拓したい、チャレンジ精神旺盛な人材にとっては、スリープテック業界は非常に魅力的な環境です。一方で、安定性を重視する人にとっては、もう少し市場の成長を見守る方が良いかもしれません。

スリープテック以外にも、成長が期待される様々なクロステック分野があります。クロステックとは、既存の産業と最新のテクノロジー（IoT、ビッグデータ、AI等）を融合させた新しい製品やサービス、そしてそれらに関連する取り組みを指します。これらの分野も、キャリア選択の際に考慮する価値があるでしょう。