ブロックチェーン業界で注目を集める企業を10社ピックアップしました。国内外の代表的な企業を取り上げ、それぞれの主要な事業内容と求められる人材像を紹介します。
ブロックチェーン関連の職種に興味を持つIT人材の方々にとって、有益な情報となるでしょう。
また、この分野への転職を考える上で重要となる、キャリアチェンジに伴うコストや、ブロックチェーン技術を活用した職種の将来性についても触れていきます。
業界の動向と求人傾向を把握するのに役立つ内容となっています。
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ブロックチェーンの有名企業5社(国内)
コインチェック:仮想通貨取引の先駆者と多様なサービス
コインチェック株式会社は、2012年8月に設立され、2014年8月から仮想通貨取引所「コインチェック」のサービスを提供しています。
主な事業は、ビットコインを中心とした仮想通貨の取引や送金です。
金融業界が古いシステムを使い続ける中、コインチェックは新たな技術革新による価値を見出し、ビットコイン事業を開始しました。国内最大級の仮想通貨取引所として知られ、取り扱う仮想通貨の種類が豊富です。初心者にも使いやすいインターフェースを提供し、アカウント作成も簡単です。
「Coincheckつみたて」サービスでは、月々定額でビットコインの積立ができます。一万円から始められ、安定した仮想通貨取引が可能となります。
また、「Coincheckでんき」と「Coincheckガス」サービスも提供しています。これらのサービスでは、現金またはビットコインでの支払いが選択可能です。
- 現金で支払う場合は料金の一部がビットコインで還元され
- ビットコインで支払う場合は料金が割引される
など、ユーザーにとって魅力的な特典があります。
これらのサービスを通じて、コインチェックは仮想通貨の利用をより身近なものにし、新しい価値交換の形を提案しています。
NFT発行企業の革新的サービス
ブロックチェーン技術を活用した革新的なサービスを提供する企業として、2015年5月1日に設立されました。
主な事業としてNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)の発行を展開しています。
NFTは、アート、音楽、コレクターズアイテムなど、唯一無二のデジタル資産にブロックチェーン上で所有証明を記録し、固有の価値を持たせる技術です。当社は、NFTの発行、販売、および二次販売取引をブロックチェーン上で実現する、日本初の統合型NFT売買プラットフォーム事業を展開しています。
世界的に評価の高い日本のクリエイターのコンテンツをNFTを通じて世界に広めることが、当社の企業理念の中心にあります。
当社が運営するNFTマーケットプレイス「nanakusa」は、公認されたコンテンツホルダー、NFT販売事業者、個人のクリプトアーティストが制作したNFTの一次販売を行うプラットフォームです。nanakusaでは、認定されたアーティストとパートナー事業者のみがNFTを発行・販売できるため、取り扱う商品の品質が非常に高いことが特徴です。
また、ユーザー間でのNFTの二次販売も可能で、売上の一部はロイヤリティとしてNFT発行者に還元されます。さらに、一部の商品はクレジットカードでの決済にも対応しており、仮想通貨取引に慣れていない方でも簡単にNFTを購入できる利点があります。
クリエイターエコノミーを革新するNFTプラットフォーム
クリエイターエコノミーの新時代を切り拓く革新的プラットフォーム
2019年5月の設立以来、当社はブロックチェーン技術を駆使し、NFT事業やクラウドファンディング2.0サービス「FiNANCiE」を中心に展開してきました。現在、100を超える個人、グループ、プロジェクトのトークン(FT&NFT)発行・販売、企画・運用を手がけています。
「10億人の挑戦を応援するクリエイターエコノミーの実現」を企業理念に掲げ、個人が消費者にも販売者にもなれる双方向の経済活動「クリエイターエコノミー」「ファンエコノミー」の促進に注力しています。人々のスキルや夢を支援するソーシャルネットワークとして、新たな価値創造の場を提供しています。
当社のサービスでは、認定されたトークンを購入することで個人に直接資金提供が可能です。購入したカードはプラットフォーム内で取引でき、その保有記録は全てブロックチェーン上に記録されます。この技術により、保有証明は常に公開され、改ざんされることなく強固なセキュリティを維持しています。
このシステムは、才能はあるものの資金面で苦労している若手クリエイターなどに、トークン発行による新たな資金調達の道を開きます。クリエイターとサポーターを直接つなぐ、革新的な経済エコシステムの構築を目指しています。
ブロックチェーンで革新するアート流通:スタートバーンの挑戦
スタートバーン株式会社は、2014年3月に設立され、アート流通サービス「Startbahn」をオンラインで運営しています。
同社は「新時代のアート流通・評価のインフラ構築、アートの可能性拡大」を理念とし、ブロックチェーン技術を活用したサービスを提供しています。
代表的なサービス「Startbahn」は、ブロックチェーン技術を用いて、アート作品の作品証明書発行と来歴証明を可能にします。このシステムにより、改ざんや紛失のリスクを排除し、作品の登録や売買と同時に証明書の発行や来歴の記録が行えます。
このサービスの特徴は、作品の所有者や所在地を明確に追跡できることです。これにより、作者が自身の作品の現在の所有者を把握できない問題を解決し、作品の価値を長期的に維持することが可能になります。アーティストや収集家にとって、作品の真正性と価値を保証する重要なツールとなっています。
ブロックチェーン技術で社会変革を目指す企業
ブロックチェーンインテグレーターとして、社会へのブロックチェーン実装を目指す企業があります。2016年12月に設立されたこの企業は、ブロックチェーン開発プラットフォーム「Tapyrus」やトレーサビリティアプリケーション「Paradium」を提供しています。
ブロックチェーンのプロトコルや2ndレイヤー技術開発に注力し、サプライチェーンや地域通貨プロジェクトの開発支援、エンジニア育成など幅広く事業を展開しています。ブロックチェーン技術を用いた自立支援型の社会モデル構築をモットーとしています。
「Tapyrus」は独自の2層構造を持つブロックチェーンで、オープン性を維持しつつ適切な管理者設定が可能です。高速なアプリケーション開発ができるメリットがあり、漁業における漁獲物トレーサビリティ実証事業などに活用されています。
「Paradium」はトレーサビリティーシステムを構築し、サプライチェーンを可視化するサービスです。バーコードやICタグに集積した情報を調べて製品の履歴をリサーチできます。これにより、以下の課題を解決しています:
- 製品の真贋性担保
- 偽造商品防止
- 在庫量の最適化
ブロックチェーンの有名企業5社(海外)
米経済誌フォーブスが発表した2022年版「ブロックチェーン50社」リストは、ブロックチェーン技術を革新的に活用している世界のリーディングカンパニーを選出しています。
このリストは、金融、テクノロジー、小売りなど様々な業界にわたる企業を網羅しており、ブロックチェーン技術の幅広い応用可能性を示しています。
これらの企業は、以下を通じて、各業界に変革をもたらしています:
- 透明性の向上
- 効率化
- セキュリティの強化
アドビ、BehanceにNFTアート展示機能を追加
アドビは、クリエイティブ制作やドキュメント管理に関するソフトウェアを開発する米国の大手テクノロジー企業です。
2021年に開催されたAdobe Maxカンファレンスにおいて、同社は自社が運営するクリエイター向けSNSプラットフォームBehanceに新機能を追加すると発表しました。
この新機能により、ユーザーは自身のポートフォリオページにNFTアート作品を展示できるようになります。
Behanceは、世界中のクリエイターたちが自らの作品を共有し、発見してもらうための場として広く利用されているプラットフォームです。
メタ:仮想現実とNFTへの挑戦
メタは、ソーシャルメディアプラットフォームのFacebookとInstagramを運営する大手テクノロジー企業です。
2021年、同社は将来のビジョンを反映させるため、FacebookからMetaへと社名を変更しました。この変更は、メタバースと呼ばれる仮想現実空間の開発に注力する同社の新たな方向性を示しています。
さらに、メタはデジタル資産技術の採用も進めており、一部のユーザーを対象にFacebookとInstagramでNFT(非代替性トークン)の投稿機能を導入しました。これにより、ユーザーは以下のことができるようになりました:
- 自身のデジタルウォレットをこれらのアプリに連携させる
- 所有するNFTを共有する
テンセント:中国デジタル化の牽引役
テンセントは中国を代表するインターネット企業の一つです。
過去10年間で、同社はゲーム、SNS、メッセージアプリ、ECなど多岐にわたるサービスを展開し、10億人以上のユーザーを獲得しています。これらのサービスは中国で「スーパーアプリ」と呼ばれ、日常生活に欠かせない存在となっています。
最近では、ブロックチェーン技術を活用した統合プラットフォームの開発に注力しており、すでに中国の複数の省や市で、医療や交通分野における電子請求書の発行などに活用されています。
このように、テンセントは技術革新を通じて、中国のデジタル化を牽引する重要な役割を果たしています。
バイドゥ、繊維産業のグリーン化に貢献
バイドゥは中国を代表する検索エンジン企業として知られています。
2021年9月、同社は上海近郊の繊維産業都市・桐郷市と2500万ドル規模の契約を締結しました。
この契約に基づき、バイドゥは50億ドル相当の衣料用繊維サプライチェーンを管理するソフトウェアシステムを開発しました。
このシステムはブロックチェーン技術を活用しており、以下の効果が推定されています:
- サプライチェーン全体のエネルギー消費を17%削減
- 年間約1万5000トンの二酸化炭素排出量を抑制
この取り組みは、テクノロジーを通じた環境負荷低減の好例として注目されています。
ルノー:ブロックチェーンで革新的品質管理
ルノーは、フランス発祥の著名な自動車メーカーです。
近年、欧州での規制強化に対応するため、同社は2021年に革新的なブロックチェーン技術を活用したXceedプラットフォームを導入しました。このシステムにより、自動車の製造過程におけるコンプライアンス管理が大幅に向上しています。
例えば、以下のような細部にわたる製品仕様の遵守状況を自動的にチェックし、問題があれば即座に警告を発します:
- ネジの規格
- ヘッドレストの位置
これにより、以下の効果が得られています:
品質管理の効率化 |
顧客への迅速な情報提供 |
ルノーの競争力強化に貢献しています。
ブロックチェーン企業の将来性
ブロックチェーン技術は近年急速に発展し、多くの注目を集めています。
しかし、この革新的な技術は今後も重要性を保ち続けるのでしょうか?
ここでは、ブロックチェーン技術の将来性と潜在的な影響について考察します。
この分散型台帳技術が様々な産業にもたらす可能性のある変革と、今後の展望について探ってみましょう。
ブロックチェーン:改ざん不可能な革新技術
ブロックチェーン技術は、データの改ざんを事実上不可能にする革新的なシステムです。
この技術の特徴は、分散型のネットワークにあります。一箇所でデータが変更されても、他の多数のノードと照合することで、不正な変更を即座に検出できます。
さらに、ブロックチェーンで管理される情報は高度な暗号化技術によって保護されており、元のデータを解読することは極めて困難です。
このような強固なセキュリティ機能により、ブロックチェーン技術は様々な産業分野で注目を集め、その活用範囲が急速に拡大しています。
ブロックチェーンの効率性とWeb3への展開
ブロックチェーン技術を用いたシステム構築は、コスト効率が高いという利点があります。これは、データが分散管理されているためです。
従来の中央集権型システムでは、大規模なサーバーが必要となり、管理費用が膨大になります。一方、ブロックチェーンではデータが分散されているため、大型サーバーの維持費用などが不要となります。
このコスト削減効果により、ブロックチェーン技術を利用できる個人や企業の範囲が広がります。そのため、この技術を活用した事業展開が増加し、市場の拡大が見込まれています。
最近注目を集めているWeb3も、ブロックチェーン技術を基盤としています。Web3は次世代のインターネット概念を指し、「分散型のインターネット」として知られています。現在主流のWeb2が情報の「発信」と「共有」に重点を置いているのに対し、Web3はさらに進化した形態のインターネット利用を提案しています。
ブロックチェーン技術:世界的潮流と日本の展望
ブロックチェーン技術の発展は世界的な潮流となっており、ヨーロッパが先行する中、中国も積極的な姿勢を見せています。
日本においても、ガートナージャパンの調査結果によれば、企業の65%がこの技術の将来性に期待を寄せているとのことです。
このような状況から、ブロックチェーンへの関心は今後さらに高まると予想され、関連する職種や雇用機会の拡大が見込まれます。
グローバルな注目を集めるこの分野は、企業戦略や技術革新の重要な要素となっていくでしょう。
ブロックチェーン企業への転職
ブロックチェーンの信頼性と需要拡大
ブロックチェーン技術の最大の特徴は、データの改ざんが極めて困難な点にあります。
情報の信頼性が損なわれると、深刻な影響を及ぼす可能性があります。
企業のデータ保護戦略において、ブロックチェーン技術の重要性は今後さらに増大すると予想されます。
これに伴い、ブロックチェーン技術に精通したエンジニアの需要も拡大していくことが見込まれます。
ブロックチェーンエンジニアの高需要と高収入
近年、IT業界において、ブロックチェーン技術に特化したエンジニアの需要が高まっています。
日本国内では、この分野のエンジニアの平均年収が約550万円と、他のIT職種と比較して高水準を維持しています。
さらに、グローバル市場では、ブロックチェーンエンジニアの年収がさらに高く、キャリアアップや転職を考える上で非常に魅力的な選択肢となっています。
この技術の発展と共に、専門知識を持つエンジニアの価値は今後も高まると予想されます。
ブロックチェーン技術:行政での多様な活用と将来性
ブロックチェーン技術は、現在主に金融分野で活用されていますが、その応用範囲は非常に広く、様々な分野での活用が期待されています。総務省の調査によると、複数の省庁がブロックチェーン技術の活用を検討しています。
例えば、
- 経済産業省はサプライチェーン・マネージメントへの応用を
- 農林水産省は食の安全性管理への活用を
- 法務省は不動産登記への適用を
- 厚生労働省は医療データの管理への利用を
- 内閣府は行政文書の管理に
- 総務省は選挙のオンライン投票に
ブロックチェーン技術を活用する可能性を探っています。
このように、ブロックチェーン技術は高い汎用性を持ち、将来的にはあらゆる分野で重要な役割を果たすと予想されています。そのため、ブロックチェーン技術に関連するスキルを持つエンジニアや専門家の需要が今後さらに高まると考えられます。
ブロックチェーン企業へ転職したいならプロに相談を
ブロックチェーン技術は、仮想通貨以外の分野でも広く応用されています。
- 個人間取引の簡素化
- システム運用コストの削減
- セキュリティの向上
など、多岐にわたる活用が可能です。
そのため、ブロックチェーンは高い将来性を持つ技術として注目を集めています。
この革新的な技術は、様々な産業に変革をもたらす可能性を秘めており、今後さらなる発展が期待されています。
エンジニアの年収事例と高収入への道
エンジニアの年収事例:
開発エンジニア: | 600〜800万円 |
WEBエンジニア: | 500〜700万円 |
スマホアプリエンジニア: | 750〜800万円 |
これらの数字は一般的な範囲を示しており、実際の年収は経験、スキル、勤務地、企業規模などの要因によって変動する可能性があります。エンジニアとしてのキャリアを考える際の参考情報としてご活用ください。
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