SESは、システムエンジニアリングサービスの略称で、IT業界における人材派遣の一形態です。
この働き方は、エンジニアが顧客企業に常駐して業務を行う形式を取ります。
SESは柔軟な就業形態として知られていますが、同時に様々な課題も指摘されています。
本記事では、以下の点について詳しく解説します:
- SESの特徴
- この業界で成功するためのポイント
- エンジニアとしてのキャリア形成における利点と注意点
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SES企業の売上高TOP5
SES企業の年収は、企業の売上高と密接な関係があります。
そのため、SES企業を比較する際には、売上高も重要な指標の一つとして考慮すべきです。
2023年10月時点で、売上高が最も高いSES企業は富士ソフト株式会社で、2788億円を記録しています。
次いで、以下の企業が続いています:
- 株式会社DTSが1061億円
- 株式会社NSDが780億円
- 株式会社システナが754億円
- NSW株式会社が462億円
これらのトップ5企業の売上高を見ることで、SES業界の規模感や各企業の市場での位置づけを把握することができます。
富士ソフト:総合力を誇る大手IT企業
富士ソフトは、年間売上高2,788億円を誇る大手IT企業です。
独立系SIerとして知られていますが、その事業領域は幅広く、以下のような分野に及びます:
- 通信や社会インフラなどの組み込み系ソフトウェア開発
- 業務系ソフトウェア開発
また、高度な技術力を持つエンジニアを派遣するSES事業も展開しています。
同社の強みは、インフラ基盤からアプリケーションまで一貫したシステム構築能力にあります。
技術力の高さは業界でも評価されており、それを反映して従業員の給与水準も比較的高いことで知られています。
DTSの安定経営と技術革新
DTSの売上高は1,061億円に達しています。
主に以下の分野向けのシステム開発を手がけており、安定した財務基盤と総合的な技術力が強みとなっています:
- 金融
- 通信
- 医療福祉
- 官公庁
創業以来、一貫して黒字経営を維持しており、企業の安定性を示しています。
近年はAIなどのデジタル技術の活用にも積極的に取り組んでおり、技術革新にも対応しています。
また、従業員の健康と働きやすさにも注力しており、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に2年連続で選ばれるなど、社員に配慮した経営を行っています。
NSD: 多様性と健康経営を重視するIT企業
NSDは年間売上高780億円を誇る情報サービス企業です。
幅広い業界向けにシステム開発やITインフラ支援を手がけ、豊富な経験とノウハウを有しています。
サステナビリティを重視し、社内に専門委員会を設置。
また、多様性を尊重し、学歴・年齢・性別・障害の有無に関わらず人材を登用しています。
従業員の健康増進にも注力しており、その取り組みが高く評価されています:
- 「健康経営銘柄2024」への選定
- 「健康経営優良法人2024(大規模法人部門・ホワイト500)」の認定
システナ:IT業界第2位の多角的成長企業
システナは、年間売上高が6754億円に達する大手IT企業です。
従業員数は3000人を超え、業界内で富士ソフトに次ぐ第2位の規模を誇っています。
同社は未経験者のエンジニア育成に積極的に取り組んでおり、以下の事業を主要な事業として展開しています:
- ソリューションデザイン
- フレームワークデザイン
- ITサービス
- クラウド事業
さらに、近年では自動車産業向けのソフトウェア開発にも注力しており、多角的な事業展開を進めています。
NSWの多角的事業展開と強み
NSWは多角的な事業展開を行う企業で、売上高は462億円に達しています。
主要な事業領域には、
- エンタープライズソリューション
- サービスソリューション
- エンベデッドソリューション
- デバイスソリューション
が含まれます。
同社の強みは、様々な業種や規模に対応したシステムの構築から運用まで、包括的なサービスを提供できる点にあります。
また、社内の教育制度が充実しており、従業員のキャリア開発を支援する環境が整っています。
SES企業とは?
SES企業で働く:メリットとデメリット
SES企業で働くということは、エンジニアとしてITベンダーに客先常駐し、システム開発や運用・保守などを行うことです。SES契約では、エンジニアの技術力を提供して技術支援を行います。
SES企業の平均年収は約460万円で、年代別の平均年収は以下の通りです:
- 20代: 約385万円
- 30代: 約430万円
- 40代: 約505万円
- 50代: 約602万円
SESとSIの主な違いは、SESが技術力の提供に重点を置くのに対し、SIerはシステム導入から保守までを一貫して担う点です。
SES企業がブラックと言われる理由には、下請けが多く収入が低い傾向にあること、単純作業が続く現場が多いこと、評価基準が不明確なことなどがあります。
一方で、SES企業で働くメリットとしては以下が挙げられます:
- 専門的なスキルが身につく
- 有名企業で働くチャンスがある
- さまざまな企業で働ける
- 長時間残業が少ない
- 人間関係に悩みにくい
デメリットとしては:
- 収入が低い傾向
- やりがいを感じにくい
- 環境の変化が大きい
- 希望の案件を任せてもらえないことがある
SES企業を選ぶ際は、売上高や自社製品開発の有無、中堅エンジニアの活躍度合いなどを確認するとよいでしょう。キャリアアップのためには、需要の高い技術を身につけ、人脈を広げることが重要です。
SESエンジニアの年収と年収アップの秘訣
SES企業の平均年収は約460万円で、給与所得者全体の平均年収とほぼ同水準です。年代別の平均年収は以下の通りです:
年収の高い人の特徴として、以下が挙げられます:
- プロジェクトマネージャーやシステムコンサルタントの経験がある
- データベース開発などの専門性の高いスキルを持っている
- マネジメントスキルや管理者としての能力がある
- 経営者視点を身につけている
SESエンジニアの年収を上げるには、専門性の高いスキルを磨くことや、マネジメント能力を高めることが重要です。また、転職によって年収アップを実現できる可能性もあります。
SES企業を選ぶ際は、元請や2次請けの案件が多い、中堅層のエンジニアが活躍している、自社製品の開発をしているなどの特徴を持つ企業を選ぶとよいでしょう。
IT業界の年収アップ戦略:自己診断から転職成功へ
仕事量と年収のバランスが悪い、評価されにくく昇給が難しい、転職時の年収ダウンが心配など、IT・Web・ゲーム業界で働く方々の「年収」に関する悩みは尽きません。
こうした悩みを抱えたときは、自分の現在の年収位置と将来の年収アップ可能性を調査してみるのがおすすめです。現状を把握し、目標となる年収を知ることで、今後のキャリアについてより良い判断ができるでしょう。
実際に、年収診断を利用して約2週間以内に転職に成功し、年収を約120万円アップさせた方がいます。この30代の方は、西日本でプロジェクトマネージャーとして働いていましたが、東京でアプリエンジニアとして新たな職を得ました。
この方は元々アプリエンジニアとしての経験があり、年収診断の結果、同職種・同年代の平均より年収が低いことが分かりました。そこで転職を決意し、年収アップと希望していた開発職への復帰を同時に実現させました。
このように、自分の市場価値を正確に把握し、適切な転職戦略を立てることで、大幅な年収アップも可能です。キャリアアップを考えている方は、まず自分の現在地を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
IT人材年収診断の活用法
「IT人材年収診断」は簡単な4ステップで完了します。
- まず、基本情報として氏名と連絡先を入力します。
- 次に、プロフィールと簡潔な職務経歴を記入します。
- これらの情報を基に診断が行われ、
- 最後にあなたの現在の年収状況が明らかになります。
この診断を通じて、自身の市場価値を客観的に把握することができます。さらに、診断結果を基に、年収アップの可能性や、キャリアパスの選択肢を検討することができます。IT業界に精通したキャリアアドバイザーによる相談も可能で、より具体的なキャリア戦略を立てるのに役立ちます。
自分の年収の現状を知り、将来の可能性を探るこの機会をぜひ活用してみてください。
SESとSIer:ITサービス業界の異なる役割
SES契約とSIer(システムインテグレーター)の役割には明確な違いがあります。
SES契約では、エンジニアの技術力と労働力を提供し、クライアントの技術的なニーズに応えることが主な目的です。
これに対し、SIerはシステムやソフトウェアの導入から保守まで、プロジェクト全体を包括的に管理します。
SIerの強みは、ビジネス課題を解決するためのコンサルティング能力にあります。
一方、SES企業の価値は、高度な技術力を持つエンジニアを提供できる点にあります。
このように、両者はITサービス業界で異なる役割を果たしています。
SES企業の実態と選び方
SES企業がブラック体質だと言われる主な理由には、下請け構造による低収入傾向や、単調な業務によるモチベーション低下などがあります。また、常駐先での評価が難しく、曖昧な評価基準になりがちな点も挙げられます。
SESとは「System Engineering Service」の略で、契約期間中クライアントにエンジニアの技術力を提供するサービスです。金融系システム開発を得意とする企業や、公共系システムに強みを持つ企業など、様々な特色のSES企業が存在します。
ホワイトなSES企業を見極めるポイントとしては、以下が挙げられます:
- 元請や2次請けの案件が多いこと
- 30〜40代の中堅エンジニアが活躍していること
- 自社製品の開発を行っていること
これらの特徴がある企業は、技術力や待遇面で優れている可能性が高いです。
SES企業でのキャリアパスとしては、多様な案件経験を積んでスキルを磨く道や、SIerや事業会社への転職を目指す道などがあります。転職を考える際は、自身のスキルセットの市場価値を正確に把握し、目標とする企業の特徴やタイミングを見極めることが重要です。
SES企業で働くメリットとデメリットは以下の通りです:
メリット | デメリット |
---|---|
専門スキルの習得 | 収入の低さ |
有名企業での就業機会 | やりがいの感じにくさ |
人脈形成 | 環境変化の大きさ |
残業の少なさ | 希望案件に就けない可能性 |
SES企業選びの際は、売上高や採用状況、扱う案件の幅広さなども考慮し、自分の価値観に合った企業を選ぶことが大切です。IT業界に特化した転職エージェントを利用するのも、良い選択肢の一つと言えるでしょう。
SESの有名企業一覧
以下に、売上高上位企業以外の注目すべきSES企業についてもご紹介いたします。
業界内で評価の高い企業や特徴的なサービスを提供している企業など、様々な観点から選定しています。
金融特化型システムインテグレータ、ソルクシーズの強み
株式会社ソルクシーズは、金融業界向けのシステム開発に特化した独立系システムインテグレータとして知られています。
クレジット、証券、保険分野の顧客を中心に、インフラ構築からシステム開発まで幅広いサービスを提供しています。
同社の強みは、これらのサービスをワンストップで提供できる点にあり、多様なソリューションを展開しています。
また、ソルクシーズは日本で初めて全社業務を対象にISMS(ISO27001)認証を取得した上場企業としても注目されています。
業界内での位置づけも高く、売上高ランキングでは第6位に位置しています。
金融から多分野へ:半世紀の技術革新と人材育成
半世紀を超える実績を誇る当社は、金融分野を中心としたシステム開発に強みを持っています。
しかし、その専門性は金融にとどまらず、多様な産業分野へと拡大しています。
最新のテクノロジーにも積極的に取り組んでおり、人工知能やモノのインターネットなどの革新的な技術を活用したプロジェクトも増加しています。
また、技術者の成長を重視する企業文化が特徴で、社員の継続的なスキルアップを支援しています。
IT資格取得を重視する教育型IT企業
ランドコンピュータは、教育機関を基盤とする特徴を持つIT企業です。
この背景を活かし、充実した研修プログラムを提供しています。
新入社員向けの教育期間中には、2つの主要なIT資格取得に挑戦する機会が設けられており、社員の専門性向上を積極的に支援しています。
このように、技術力と人材育成に重点を置いた企業文化が根付いています。
ITの老舗、未来へ挑戦
ITサービス、システムインテグレーション、情報セキュリティを主軸とする老舗企業です。
公共部門、特に中央官庁や地方自治体向けのシステム開発に強みを持ちます。
また、最新技術にも積極的に取り組んでおり、
- ドローン
- IoT
- AI分野
での研究開発にも注力しています。
長年の実績と革新的な技術への挑戦を両立させ、幅広い分野で社会に貢献しています。
エンタメと業務ソフトに強み、大手企業と取引多数の開発会社
エンターテインメント分野と業務用ソフトウェアの開発に特化した企業です。
大手企業との取引実績があり、
- リクルート
- 楽天証券
- 日本郵便
などが主要クライアントに含まれます。
社内にはクリエイティブな人材が多く、また従業員向けの独自の福利厚生制度が充実していることでも知られています。
ホワイトなSES優良企業を見極めるポイント
SES企業の営業力とエンジニアの働きやすさの関係
SES企業において、元請けや2次請けの多い企業は、特に営業活動に注力していることが多いです。
SESエンジニアが携わる案件の質や内容は、通常、これらの営業努力によってもたらされます。
つまり、SES企業の営業力が強ければ強いほど、所属するエンジニアがより良い条件の仕事に就ける可能性が高まります。
このような状況下で、エンジニア個人の希望や適性に合った業務を積極的に提供してくれるSES企業は、従業員にとって働きやすい環境を提供していると言えるでしょう。
そのような企業は、エンジニアの成長と満足度を重視する、いわゆるホワイト企業として評価されることが多いのです。
中堅エンジニア在籍率:優良SES企業の指標
30~40代の中堅エンジニアが多く在籍している企業は、優良なホワイトSES企業である可能性が高いと言えます。これは、若手ばかりでなく経験豊富な人材が長く働き続けていることを示唆しており、低い離職率と安定した職場環境を反映しています。
また、企業の質を判断する上で、エンジニアのスキルレベルも重要な指標となります。例えば、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)といった責任ある立場に就いているエンジニアの割合が高いかどうかに注目するとよいでしょう。
総じて、実績豊富な中堅エンジニアの層が厚く、高度なスキルを持つ人材が多く在籍している企業は、優良なSES企業である可能性が高いと考えられます。このような特徴は、企業の安定性と成長性を示す重要な指標となります。
自社製品開発中のSES企業の魅力
自社製品の開発に注目すべき点は、過去の実績よりも現在進行形で自社製品を開発しているSES企業かどうかです。このような企業は、多くの場合ホワイトな環境を提供しています。
自社開発には資金力と技術力が必要で、通常のSES事業よりもコストとリスクが高くなります。そのため、現在自社製品を開発しているSES企業は、その製品が市場で成功していることを示唆し、高い技術力を持っていると考えられます。
こうした企業は、設備投資や社員への還元にも力を入れており、ワークライフバランスの取れた環境を提供している可能性が高いです。自社製品開発を行っているSES企業を選ぶことで、以下の可能性があります:
- より良い就業環境
- 技術的な成長の機会
SES企業のエンジニアのキャリアパス
SES企業でのエンジニアキャリア戦略
SES企業でのキャリア継続を望むエンジニアにとって、多様な案件経験とワークライフバランスの取りやすさは大きな魅力です。
SIer企業と比べ、SES企業では比較的早期に責任ある立場に就ける傾向があります。リーダーシップやクライアントとの交渉スキルを磨き、技術の幅を広げることもキャリア形成の一つの道筋となります。
SES企業のエンジニアとして成長を続けるには、市場で需要の高い技術を積極的に習得し、自己学習を怠らないことが重要です。さらに、良好な人間関係を構築し、ネットワークを広げることで、将来のキャリアの選択肢や業務の幅を拡大できる可能性が高まります。
このように、技術力の向上と人脈形成の両面からキャリアを発展させていくことが、SES企業でのキャリアパスの成功につながります。
SES企業からキャリアアップへの道筋
キャリアアップの手段として転職は有効な選択肢の一つです。
SES企業では多岐にわたる案件を経験できるため、基礎的なスキルを習得することで、将来的にSIerや事業会社への転職の可能性が広がります。
下流工程での経験は、上流工程を理解する上でも重要な基盤となります。SES企業での経験を活かし、SIerや事業会社で上流工程のスキルを磨くことで、長期的なキャリア展望がより豊かになるでしょう。
転職を通じてキャリアアップを実現するには、現在の転職市場における自身のスキルの需要を正確に把握することが重要です。
自己の強みを最大限に活用し、転職を成功させるためには、以下について綿密な調査を行うことが賢明です:
- 志望する企業の特性
- 最適な転職時期
SES企業で働くメリット5選
SESでのスキル多様化:キャリアの可能性を広げる
SES企業での勤務において、仕事内容の頻繁な変更は必ずしもマイナス面だけではありません。
むしろ、多様な専門スキルを習得する絶好の機会となり得ます。
複数のプロジェクトに携わることで、幅広い知識と技術を吸収できるため、貴重な経験となります。
このような経験は、将来のキャリアパスを考える上で非常に有益です。例えば、
- 他の企業への転職
- フリーランスとしての独立
- 大手SIerや自社開発企業でのキャリア構築
など、様々な選択肢を広げることができます。
SESで広がるキャリアと人脈
SES企業での勤務は、著名な企業のプロジェクトに携わる可能性を提供します。
このような環境では、大手ITベンダーの社員と協働する機会が生まれ、専門的なネットワークを構築できます。
こうした人脈は、キャリア形成において貴重な資産となり、将来的な職業選択の幅を広げる可能性があります。
SES勤務の隠れた利点:人脈拡大とキャリア発展
SES企業での勤務には、人脈拡大という大きな利点があります。
様々な開発現場に常駐することで、大手SIerの社員を含む多様な専門家と交流する機会が豊富にあります。
さらに、常駐先で自身の能力を効果的にアピールすることができれば、そこで構築した人間関係が将来的に魅力的な転職先を見つける際の貴重な資源となる可能性があります。
このように、SES企業での経験は、キャリア発展の観点からも有益な選択肢となり得るのです。
SESエンジニアの労働時間と特徴
SES企業に所属するエンジニアは、通常、契約で定められた労働時間を超えて働く義務はありません。
これは、SESビジネスモデルが本質的にエンジニアの労働力を提供することに焦点を当てているためです。
さらに、SESエンジニアは一般的に成果物に対する直接的な責任を負わないため、プロジェクトの完成を急ぐための残業が比較的少ない傾向にあります。
このような特性により、SES企業での勤務は、多くのエンジニアにとってワークライフバランスを維持しやすい環境となっています。
SESエンジニアの流動的な職場環境
SESエンジニアの特徴的な働き方として、プロジェクトごとに異なる職場で業務を行うことが挙げられます。
一つの案件が完了すると、次は別の企業や部署に派遣されるため、長期間同じ場所で働くことは稀です。
この働き方の利点として、人間関係が定期的に刷新される点があります。仮に現在の職場環境や人間関係に課題を感じていても、プロジェクト終了と共に新たな環境で再スタートを切ることができます。
このように、SESエンジニアは多様な経験を積みながら、柔軟に職場環境を変えられる特性を持っています。
SES企業で働くデメリット4選
SESエンジニアの報酬の限界と課題
SESエンジニアは、主に開発プロジェクトの下流工程を担当することが多く、その報酬体系には一定の制限があります。
契約時に決められた金額以上の報酬を得ることは難しく、優れた成果を上げても追加の報酬につながりにくい傾向があります。
さらに、下請けや孫請けなど、より下流の立場になるほど中間マージンが発生し、実際の手取り収入が減少することもあります。
これらの要因により、SESエンジニアの平均的な収入は、他の雇用形態のエンジニアと比較して低めになる傾向があると指摘されることがあります。
SESエンジニアの課題:業務範囲と達成感
SES形態での就業では、自社開発エンジニアと比べて業務範囲が限定的になりがちです。
プロジェクトの一部分のみを担当することが多く、全体の流れを把握しづらい場合があります。
また、契約期間の終了とともに業務が終わることも珍しくないため、成果物の完成を見届けられないこともあります。
そのため、仕事に対する達成感や責任感を感じにくく、モチベーションの維持が課題となることがあります。
SESエンジニアの職場変更と適応
SES企業に所属するエンジニアは、契約期間の終了とともに新たな職場へ移動することが一般的です。
これにより、人間関係を一から構築し直す必要が生じます。
このような環境の変化に対して、
- 柔軟に適応できる人もいれば、
- 精神的な負担を感じる人もいます。
職場や案件の頻繁な変更は、個人の性格や適応能力によって、ポジティブにもネガティブにも捉えられる特徴といえるでしょう。
SES企業選びの注意点とキャリア形成
SESとして働く場合、必ずしも希望の仕事や職場に配属されるとは限りません。担当する業務は基本的に企業側が決定します。自分が成長したいスキルを磨ける開発現場があっても、希望を出せるものの、そこで確実に働けるという保証はありません。
キャリア形成の観点から見ると、自分の希望する業務に携われないことは大きなデメリットとなります。スキルアップの機会が限られる可能性があるため、長期的なキャリアプランに影響を与える可能性があります。
SES企業を選ぶ際は、年収に影響を与える企業の売上高にも注目することが重要です。売上の高い企業では、以下のようなメリットがあります:
- エンジニアの採用に積極的
- 扱う仕事の幅が広い
- 豊富な経験を積むことができる
SES企業への転職を考える際は、自分の価値観や career goals に合致する企業を多角的に検討することが推奨されます。以下の点も重要な判断基準となります:
- 給与や福利厚生
- プロジェクトの種類
- 技術スタック
- 社内の教育制度
慎重に選択することで、より満足度の高いキャリアを築くことができるでしょう。
エンジニアの転職はIT専門のエージェントに相談してみよう
SES企業を選ぶ際は、年収に大きく影響する企業の売上高を重要な指標として考慮しましょう。
売上高の高い企業は、エンジニアの積極採用や幅広い案件の取り扱いなど、キャリア形成に有利な環境を提供していることが多いです。
また、自身の価値観や目標に合致する企業を多角的な視点から選択することが重要です。
SES企業への転職を考える際は、単に給与だけでなく、以下の要素も含めて総合的に判断することをおすすめします:
- 案件の質や種類
- スキルアップの機会
- 企業文化
自分に最適なSES企業を見つけることで、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。
エンジニアの年収事例と高収入への道
エンジニアの年収事例:
開発エンジニア: | 600〜800万円 |
WEBエンジニア: | 500〜700万円 |
スマホアプリエンジニア: | 750〜800万円 |
これらの数字は一般的な範囲を示しており、実際の年収は経験、スキル、勤務地、企業規模などの要因によって変動する可能性があります。エンジニアとしてのキャリアを考える際の参考情報としてご活用ください。
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