セキュリティ関連資格完全ガイド:難易度・特徴・おすすめ資格を徹底比較

セキュリティエンジニアにとって、専門的な資格の取得は重要なキャリアステップです。

これらの資格は、個人のスキルと知識を客観的に示す指標となり、業界での信頼性を高めます。

本記事では、セキュリティ分野で特に注目される資格をいくつか紹介し、それぞれの特徴や難易度について詳しく説明します。

これから資格取得を目指す方や、キャリアアップを考えている方にとって、有益な情報となるでしょう。

週10時間の副業案件を
会員登録した方限定で配信中!

セキュリティ関連資格の種類

セキュリティ関連資格の種類

セキュリティエンジニアにとって、国内外の資格取得は重要な指標となっています。

現代社会では、デジタル化が進み、あらゆるサービスにおいてセキュリティの確保が不可欠です。そのため、高度なスキルと知識を持つセキュリティの専門家が国際的に求められています。

セキュリティエンジニアの能力を証明する資格試験は多数存在し、その中でも特に注目すべき資格をいくつか紹介します。

  • 国家資格としては、情報セキュリティマネジメントと情報処理安全確保支援士があります。
  • 公的資格では、CompTIA Security+やCISSPが挙げられます。
  • 民間資格(ベンダー)としては、シスコ技術者認定などがあります。

公的資格は、国家資格と民間資格の中間に位置づけられ、日本では文部科学省や経済産業省が認定しています。ここで紹介した資格の多くは国際的に認知されており、試験が英語で実施されるなど、比較的難易度が高いものが多いのが特徴です。

これらの資格取得は、セキュリティエンジニアとしての能力をアピールする上で有効な手段となります。

セキュリティ関連資格の目的別難易度ランキング

セキュリティ関連資格の目的別難易度ランキング

次に、一般の方から専門家まで、様々な層に向けた資格の難易度を比較します。

先ほど紹介した5つの資格を中心に、他の関連資格も含めて、その位置づけを確認していきましょう。

具体的には、一般向け、IT専門職向け、セキュリティエキスパート向け、クラウド技術者向けの4つのカテゴリーで難易度をランク付けします。

これにより、自分のスキルレベルや目標に合った資格を選びやすくなります。

情報セキュリティの専門家と役割

情報セキュリティマネジメントは、組織の重要な情報資産を保護するための体系的なアプローチです。このプロセスには、以下が含まれます:

  • リスク評価
  • セキュリティポリシーの策定
  • 技術的対策の実施
  • 従業員教育

情報セキュリティサポーターは、組織内でセキュリティ意識を高め、基本的なセキュリティ対策を推進する役割を担います。日常的なセキュリティ実践や、インシデント発生時の初期対応をサポートします。

個人情報保護士は、個人情報の適切な取り扱いと保護に関する専門知識を持つ資格者です。法令遵守や、個人情報を扱う業務プロセスの設計・改善などを行います。

情報セキュリティ管理士は、組織全体のセキュリティ戦略を立案し、実行する上級専門家です。技術的知識と管理能力を併せ持ち、複雑化するサイバー脅威に対して包括的な対策を講じます。

情報セキュリティの主要資格

CompTIA Security+、情報処理安全確保支援士、Cisco Certified CyberOps Associate、SPREAD情報セキュリティマイスターは、情報セキュリティ分野における代表的な資格や認定制度です。

これらは、サイバーセキュリティの専門知識や技術力を証明するものとして、IT業界で広く認知されています。

資格取得により、キャリアアップや専門性の向上が期待できます。

CISSPとCISM:情報セキュリティの主要資格

CISSPとCISMは、情報セキュリティ分野における代表的な国際資格です。

  • CISSPは(ISC)²が認定する包括的なセキュリティ専門家向けの資格で、幅広い知識が求められます。
  • CISMはISACAが提供する資格で、情報セキュリティマネジメントに特化しています。

両資格とも、高度なセキュリティスキルを証明し、キャリアアップや給与向上につながる可能性があります

取得には実務経験と厳しい試験合格が必要ですが、情報セキュリティ分野でのキャリアを目指す方にとって、価値ある投資となるでしょう。

クラウドセキュリティ資格の重要性

AWS認定セキュリティスペシャリスト、Microsoft Azure Security Technologies、Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associateは、クラウドセキュリティの分野で重要な資格です。

これらの認定は、クラウド環境におけるセキュリティの設計、実装、管理に関する深い知識と実践的なスキルを証明します。

AWSとAzureの両方をカバーすることで、マルチクラウド環境での包括的なセキュリティ対策を習得できます。

これらの資格を取得することで、クラウドセキュリティの専門家としてのキャリアを大きく前進させることができるでしょう。

国家資格

国家資格

情報処理、特にIT分野における国家試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しています。

セキュリティ関連の資格試験を調べると、必ずIPAの名前が出てくるでしょう。

国家試験の大きな特徴は、一度取得すれば有効期限がなく、更新の必要がないことです。

技術の進歩や時代の変化に応じて試験の名称が変更されることはありますが、すでに取得した資格は継続して有効です。

セキュリティ分野の重要な国家資格としては、

  • 「情報セキュリティマネジメント」
  • 「情報処理安全確保支援士」

が挙げられます。

これらの資格を取得することで、IT分野での専門性を証明することができます。

情報セキュリティマネジメント試験の概要と特徴

情報セキュリティマネジメントは、IPAが主催する国家資格で、2016年に開始された比較的新しい試験です。この資格は、情報システム部門でセキュリティを担当し、その状況の維持や改善を行う役割に適しています。

難易度は、セキュリティ関連資格の中では比較的低く、セキュリティエンジニアとしての基本的な認定資格として位置づけられています。参考書を十分に学習することで取得可能ですが、新しい試験のため、今後難易度が調整される可能性があります。試験は午前と午後に分かれ、すべて多岐選択式の問題形式です。

合格率は、

  • 令和3年度が52.4%
  • 令和2年度秋期が66.6%
  • 令和元年度秋期が47.0%

で、令和元年度から3年度の平均合格率は約55.3%となっています。

試験時間 出題数
午前90分 午前50問
午後90分 午後3問

この資格は、セキュリティ分野でのキャリアを始める方や、既存のIT知識にセキュリティの視点を加えたい方にとって有益な資格といえるでしょう。

情報処理安全確保支援士試験の概要と難易度

特徴
情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティの専門知識を認定する資格です。2017年に開始された比較的新しい試験ですが、難易度は非常に高いとされています。この資格は、セキュリティの調査・分析・評価能力、および指導・助言スキルを証明します。

難易度
難易度が高く、取得すれば自身の専門性を大きくアピールできる資格です。試験は午前と午後に分かれており、それぞれ二部構成になっています。午前試験は多岐選択式、午後試験は記述式で実施されます。

合格率
令和3年度秋期の合格率は20.7%(応募者数32,627名、受験者数22,582名、合格者数4,665名)でした。令和元年度秋期は19.4%(応募者数21,237名、受験者数13,964名、合格者数2,703名)でした。令和元年度と3年度の平均合格率は20.05%となっています。

その他試験情報

  • 試験時間は、午前Ⅰが50分、午前Ⅱが40分、午後Ⅰが90分、午後Ⅱが120分です。
  • 出題形式は、午前Ⅰ・Ⅱが多岐選択式、午後Ⅰ・Ⅱが記述式です。
  • 出題数は、午前Ⅰが30問、午前Ⅱが25問、午後Ⅰが3問、午後Ⅱが2問となっています。

公的資格

公的資格

「CompTIA Security+」と「CISSP」は、グローバルに認知されている高度なセキュリティ資格です。

これらの資格試験は難易度が高く、上級レベルでは完全に英語で出題されることもあります。

しかし、セキュリティエンジニアの需要が急増する中、こうした国際的な資格を取得することは、キャリア発展において大きな強みとなります。

セキュリティ分野でのスキルアップと専門性を証明する手段として、これらの資格は非常に価値があります。

CompTIA Security+:ITセキュリティのキャリア構築に有用な資格

CompTIA Security+は、国際的に認知されたセキュリティスキルの認定資格です。ITセキュリティ分野でのキャリアアップ、特に外資系企業への就職を目指す場合に有用です。

難易度は中程度で、情報セキュリティマネジメント資格よりは難しいものの、極端に高くはありません。CompTIA Security+はマネジメント向けの認定資格であり、エンジニア寄りの情報セキュリティマネジメントとは異なる特徴を持っています。

令和3年度の合格率は14.2%でした。試験は90分間で最大90問が出題され、単一/複数選択問題やパフォーマンスベーステストが含まれます。合格ラインは100〜900のスコア形式で750以上となっています。

この資格は、ITセキュリティの基礎知識から実践的なスキルまでを幅広くカバーしており、セキュリティ専門家としてのキャリアを築く上で重要な一歩となります。

CISSPの特徴と難易度

特徴
CISSP認定試験は、国際的に認知されたセキュリティの資格です。認定機関は(ISC)2と呼ばれる組織で、ANSI(米国規格協会)から「ISO/IEC17024」の認証を受けており、高い信頼性を誇ります。試験範囲は広範囲にわたり、専門知識が問われます。日本語で受験可能ですが、翻訳の質に課題があるため、英語の読解力も必要とされます。

難易度
CISSPはセキュリティ関連資格の中でも最難関とされています。合格には、セキュリティの知識やスキルだけでなく、実務経験に基づくマネジメント能力も求められます。

合格率
正確な数字は公表されていませんが、一般的に60~70%程度と言われています。独学の場合は50%程度まで下がる可能性があります。

その他試験情報

  • 受験方法:コンピューターベースのテスト
  • 出題形式:250問(日本語・英語併記)、四者択一
  • 試験時間:6時間

民間資格

民間資格

民間資格には一般的に有効期限が設定されています。

例えば、以下のような資格がこれに該当します:

  • ネットワーク関連のシスコ認定資格
  • データベース分野で知られるOracleの認定資格

これらの資格を取得した後は、定期的に更新手続きを行う必要があります。

更新を怠ると資格が失効してしまうため、有効期限の管理は重要です。

資格の維持には最新の技術動向への対応も求められるため、継続的な学習が欠かせません。

シスコ技術者認定の概要と最新動向

シスコ技術者認定は、世界的に利用されているCiscoのネットワーク機器に関する資格です。世界共通の認定基準を満たすことで、国際的にその技術と知識が認められます。

難易度は他の資格試験と比べると比較的低いですが、「〜Security」という名称がつくものほど難しくなります。2020年2月24日に認定制度が改定されたため、最新の情報を確認することが重要です。

合格率は非公開ですが、旧試験では20〜30%程度と言われていました。新試験では難易度が上がったため、10〜20%程度と推測されています。

CCNA Securityの試験情報:

  • 制限時間:90分
  • 出題数:60〜70問

その他のシスコ技術者認定については、詳細が異なる場合があります。2020年2月23日が旧制度の最終試験日となりましたので、現在の認定制度について十分に理解しておくことが大切です。

資格取得をキャリアップにつなげるには

資格取得をキャリアップにつなげるには

セキュリティ関連の資格について、その種類や難易度を詳しく見てきました。

これらの資格を取得することは、キャリア形成や専門性の向上に大きな意味を持ちます

次に、セキュリティ分野の資格取得を目指す際に重要となるポイントについて説明していきます。

  • 資格取得の準備
  • 学習方法
  • 実務との関連性

など、成功への鍵となる要素を探っていきましょう。

資格取得の目的を明確に

資格取得には通常、明確な目的があります。

まず、その資格がどのように自身のキャリアに活かせるかを考えることが重要です。取得すべき資格を選ぶ前に、その点を十分に検討しましょう。

例えば、情報セキュリティ分野では、経験の浅い人が基礎知識を得たい場合と、既に経験がある人がスキルを公式に証明したい場合では、目指すべき資格が異なります。それぞれの状況に応じて、最適な資格と学習方法を選択する必要があります。

資格取得後の具体的なビジョンが描けない場合は、その資格の必要性自体を再検討すべきかもしれません。資格取得は時間と労力を要する投資なので、慎重に判断することが大切です。

効果的な資格取得戦略

資格取得には、時間と費用という無視できないコストがかかります。限られたリソースの中で、自身のキャリア向上に最も効果的な資格を選択することが重要です。

経験の浅い段階で、CISSPや情報処理安全確保支援士試験などの高難度資格に挑戦することは推奨されません。これらの資格は合格率が低く、実務上のマネジメントスキルも要求されるため、経験不足の状態では知識の定着が困難です。結果として、投じた労力に見合う成果が得られない可能性が高くなります。

代わりに、経験の浅い方には情報セキュリティマネジメントなどの基礎的な資格取得から始めることをお勧めします。これにより、実務経験と並行して知識を積み上げ、確実に定着させることができます。段階的に難易度の高い資格へ挑戦することで、より効果的なキャリアアップが可能となります。

資格と実務:キャリアアップの鍵

資格は実務経験と結びついてこそ、キャリアアップに真の価値を発揮します。

例えば、タクシー運転手が大型免許を所持していても、バス運転手に転職しなければその資格は活用されません。

この原則はIT関連の資格にも当てはまります。ネットワークセキュリティの実務経験がある場合、CCNAなどのシスコ技術者認定が有効です。

実務に即した資格取得は、以下の点で有益です:

  • 日々の業務で培ったスキルの復習
  • 理解度向上に貢献

さらに、転職時には:

  • 実務経験とスキルの両面をアピールする強力な武器となり
  • キャリアの可能性を広げる重要な要素となります

まとめ

まとめ

セキュリティ関連の資格には様々なレベルがありますが、初心者には国家資格である「情報セキュリティマネジメント」がおすすめです。比較的取得しやすく、有効期限もない国家資格なので、自身のスキルを証明する良いスタートとなります。

さらにキャリアを発展させたい場合は、「CompTIA Security+」のような国際的に認知された資格の取得を目指すのも良いでしょう。セキュリティエンジニアやマネジメントのスキルを高めたい場合は、段階的により高度な認定資格の取得にチャレンジすることをお勧めします。

また、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」を活用すると、セキュリティ関連の案件や求人情報を効率的に見つけることができます。xhoursはITフリーランス向けのスカウトサイトで、スキルや経験に合った案件を直接紹介してくれるため、キャリアアップの機会を広げることができます