認定試験の概要と参考書 - Rubyスキルを証明する方法

Rubyの専門家を目指す人にとって、Ruby技術者認定試験の受験は重要な選択肢となるでしょう。
この試験に合格することで、Rubyの基礎知識を身につけるだけでなく、IT業界への就職活動にも役立つ可能性があります。
本稿では、Ruby技術者認定試験の概要について詳しく説明します。

  • 試験の出題範囲
  • メリット・デメリット

などを整理し、効果的な学習方法についても言及しています。
さらに、試験申請の手順も解説しているので、Ruby技術者認定試験を受けようと考えている方は参考にしてみてください。

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Ruby技術者認定試験の概要 (2023年5月)

Ruby技術者認定試験の概要 (2023年5月)

Rubyは、Webアプリケーション開発において幅広く活用されているプログラミング言語です。
その文法の簡潔さから、初学者でも習得しやすいことが特徴とされています。
また、日本人によって開発された言語であることから、国内でも知名度が高くなっています。

RubyにはRuby on Railsという優れたフレームワークが備わっており、これがWebアプリ開発の効率化に貢献しているため、多くのIT企業でRubyが採用されています。

Ruby技術者認定試験は、Rubyのスキルレベルを公的に証明する試験で、非営利団体のRuby Associationが主催しています。
Ruby開発者の代表であるまつもとゆきひろ氏が同団体の理事長を務めています。

2022年現在、この認定試験には以下の2つのレベルが設けられています。

  • Silverでは、Rubyの文法などの基礎知識が問われ、これからRubyエンジニアを目指す人向けの試験となっています。
  • Goldでは、Rubyライブラリの活用法やWebアプリ開発の実践的な知識が問われ、すでにRubyエンジニアとして活躍している人向けの試験と位置付けられています。

Ruby技術者認定試験の準備

Ruby技術者認定試験の準備

Rubyの技術力を証明する試験の詳細情報をまとめました。
この試験に関する以下の点について説明しています。

  • 試験の内容
  • 出題範囲
  • 受験者数
  • 合格率
  • 難易度
  • 申し込み方法
  • 資格の有効期間
  • 学習に必要な時間

この情報は、試験の公式ウェブサイトを参考にしています。

2023年5月のRubyスキルアップガイド

Ruby技術者認定試験の詳細情報をまとめました。
試験の種類は、

  • Silver
  • Gold

の2つがあります。
試験会場は全国の会場から選択できます。
試験時間は90分で、問題数は50問の選択式となっています。
合格基準はSilverとGoldともに75%です。
対応するRubyのバージョンは2.1.xです。
Silverの認定要件はありません。
一方、Goldとして認定されるためには、GoldとSilverの両方の試験に合格する必要があります
試験の有効期限は設けられていません。
受験料は

Silver 16,500円(税込)
Gold 16,200円(税込)

と異なるので注意が必要です。
Goldの認定を目指す場合、一般的にはSilverから先に受験することが多いでしょう。

2023年5月版 Rubyプログラミングの学習範囲

Ruby技術者認定試験の出題範囲に関する説明です。公式サイトから引用した、SilverとGoldの出題範囲の内容を紹介します。
この情報は、試験対策を行う際の参考資料として活用できます。

Silver Gold
  • Rubyの文法
  • 制御構造
  • モジュール
  • クラス
  • 例外処理
  • ファイルアクセス
  • 正規表現
  • Silverの範囲
  • メタプログラミング
  • マルチスレッド
  • ソケット通信
  • データベースアクセス
  • XML/JSONの処理
  • 単体テスト

銀色の輝き

SilverはRubyの基本的な知識を評価する資格試験です。以下は、Silverの出題範囲をまとめたものです。

  • 文法規則
  • コメント
  • リテラル(数値、真理値、文字列、文字、配列、ハッシュなど)
  • 変数/定数とそのスコープ
  • 演算子
  • 条件分岐
  • ループ
  • 例外処理
  • メソッド呼び出し
  • ブロック
  • メソッド定義
  • クラス定義
  • モジュール定義
  • 多言語対応
  • 標準ライブラリ
  • よく使われるクラス・モジュール(Object、数値クラス、String、Array、Hash、Kernel、Enumerable、Comparableなど)
  • オブジェクト指向
  • ポリモーフィズム
  • 継承
  • ミックスイン

黄金の輝き

GoldRubyの高度な知識を評価する資格試験です。その出題範囲を以下にまとめました。

  • 実行環境に関するコマンドラインオプション
  • 組み込みの変数や定数
  • 文法上の変数と定数の扱い
  • 演算子の使用法
  • ブロックの記述方法
  • 例外処理の方式
  • 大域脱出に関するキーワード
  • 引数の渡し方
  • ラムダ式の記述方法
  • 組み込みライブラリ
  • よく利用されるクラスやモジュール(Object、Module、Kernel、Enumerable、Comparableなど)
  • 正規表現の活用方法
  • 標準添付ライブラリの利用法
  • socketやdate、stringioなどの標準添付ライブラリの使い方
  • オブジェクト指向における詳細なメソッドの記述方法
  • メソッドの可視性の設定
  • クラスの詳細な記述方法
  • クラスの継承
  • モジュールの詳細な記述方法

2023年5月版 Rubyプログラミング試験の概要と傾向

Ruby技術者認定試験の受験者数と合格率は非公開となっていますが、経済産業省が定めたITスキル標準(ITSS)においてSilverがレベル1、Goldがレベル2に位置づけられており、IT系資格の中では比較的簡単な部類に入ります。

  • 同じくレベル1のITパスポート試験は合格率58.8%
  • レベル2の基本情報技術者試験は48.1%の合格率となっています(令和2年度実績)

そのため、Ruby技術者認定試験も同程度の合格率が予想されます。
難易度は高くはありませんが、合格基準が75%と高いバーが設けられているため、油断は禁物です。Rubyの知識に穴があれば不合格になる可能性もあるでしょう。
Ruby技術者認定試験に合格するには、出題範囲を確実に押さえ、幅広い知識を身につけることが何より重要となります。

申込手順の変更点 - Rubyスキルアップのための試験 (2023年5月)

Ruby関連の資格試験の申込プロセスをご説明いたします。この試験の申込手続きは、プロメトリック社の公式ウェブサイトから行うことができます。

以下の手順に従ってください。

  • プロメトリック社のウェブサイトにアクセスする
  • プロメトリックIDを取得する※初めてこの試験を受験される方のみ
  • プロメトリックにログインする
  • 試験を予約する
  • 受験したい試験科目を選択する
  • 試験会場、日時、時間帯を指定する
  • 受験料を支払う
  • 予約完了の確認メールが届く

受験料の支払い方法は、クレジットカード、コンビニエンスストア、Pay-easyからお選びいただけます。

2023年7月版 プログラミング言語Rubyの資格試験の期限

Ruby技術者認定試験には期限が設けられていません。これは、当該試験が特定の権能を与えるものではないからです。
そのため、一旦合格すれば、その後も履歴書に記載し続けることが可能です。

新しいRubyの学習ロードマップ

Ruby技術者認定試験の準備に必要な時間は、おおよそ50時間程度と見積もられています。
この資格がRubyに特化しているため、そこまで長時間の勉強は求められません。
公式の参考資料を上手に活用すれば、合格は十分に射程圏内にあります。
ただし、

  • プログラミングの基礎知識がまったくない場合は、その部分の学習にさらに時間を要する可能性があります。

Ruby技術者認定試験の資格取得メリット

Ruby技術者認定試験の資格取得メリット

Rubyの専門知識を身に付けることができ、ITベンチャーや大手企業への就職・転職の際に有利に働くことができます。
さらに、一部の企業では資格取得に対する手当てや報奨金が支給される可能性があります。
それぞれのメリットについて詳しく説明していきましょう。

  • Rubyの高度な技術力とノウハウを習得できる
  • IT業界での就職活動や転職活動に役立つ
  • 企業によっては資格取得に伴う金銭的なインセンティブがある

新しいプログラミングスキルを手に入れる

Rubyの技術力と知見を身につけるには、Ruby技術者認定試験の受験が有効な手段となります。
試験範囲が広範囲に及ぶため、以下の点が魅力です。

  • 偏りなく学習できる

資格取得を目指すことで、以下の効果が期待できます。

  • 学習意欲の向上
  • Ruby技術者としての自信につながる

経験者であっても、知識の補完に役立つでしょう。
特に上位レベルの資格は、キャリアアップを志す技術者に適しています。
Rubyはオブジェクト指向プログラミング言語であり、習得することで以下の利点があります。

  • JavaやC++などの他の同種言語の理解が深まる

このように、資格取得を通じた知識習得には多くの利点があります。

就職・転職に役立つIT企業情報 (2023年5月)

Rubyの実力を証明するための資格取得は、IT業界での就職・転職活動に有利に働きます。
履歴書に記載することで、Rubyの基礎的な知識を持っていることを示すことができます。
Rubyの資格には有効期限がないため、一度取得すれば永続的に履歴書に記載可能です。

Rubyは日本発祥の言語であり、国内の多くのWeb開発企業で活用されています。
そのため、Rubyの資格を持っていれば、様々な場面で役立つでしょう。

Web開発企業は即戦力を重視する傾向にあり、未経験者の採用は困難とされています。
そこで、Rubyの資格を取得し、スキルを客観的に示す材料を持つことが賢明な選択肢となるでしょう。

手当や報奨金の受給チャンス

会社によっては、Ruby技術者認定試験に合格することで、手当や賞与を受け取れる可能性があります。
企業側も資格を通じてスキルアップを望んでいるため、このような制度を設けているケースが多々あります。
特に、Ruby Associationが公式に運営しているRuby技術者認定試験は、信頼性が高く、手当や賞与を受け取れる可能性が高くなります。
手当の相場は月額5,000円から10,000円程度となっています。
毎月支給されるため、年間では相当な金額になります。

  • 手当や賞与を目的として資格を取得する人も多数います。

Ruby技術者認定試験の資格取得に関する懸念点 (2023年5月)

Ruby技術者認定試験の資格取得に関する懸念点 (2023年5月)

Ruby技術者認定試験の資格を取得する際の欠点は、学習に時間を費やす必要があることです。しかし、全体としては受験するメリットの方が大きく、デメリットと言えるのはこの1点のみです。

学習時間の確保が重要

Rubyの技術者認定試験に合格するためには、相当な時間を費やす必要があります。
未経験者の場合、さらに多くの時間を要するでしょう。
受験を決める前に、そのような時間を確保できるかを検討することが重要です。
しかし、エンジニアが取得したい資格には他にも様々なものがあり、Rubyの試験を優先すべきかどうかは判断が難しい面があります。

  • ITベンチャーへの転職を目指すのであれば、言語は問わず、基本情報技術者試験などから取得することをお勧めします。

ただし、時間に余裕があるのであれば、Rubyの技術者認定試験も受験するメリットはあるでしょう。
優先順位を慎重に検討した上で、Rubyの試験を受験するかどうかを決めましょう。

合格を目指すRuby技術者のための参考書・サイト紹介 (2023年5月)

合格を目指すRuby技術者のための参考書・サイト紹介 (2023年5月)

最終的に、Rubyの技術者認定試験に合格するための推奨の書籍やウェブサイトをまとめました。おすすめの参考資料は以下の2点です。

  • 『Ruby技術者認定試験合格教本(Silver/Gold対応)Ruby公式資格教科書』(改訂2版)
  • 「Rubyがミニツク」

Ruby技術者認定試験合格ガイド(Silver/Gold対応)2023年5月版

この書籍は、Ruby技術者認定試験の公式ガイドブックです。
最新版の改訂2版は、試験バージョン2.1に準拠しているため、購入する際はこちらを選択することをおすすめします。
本書では、Rubyの基礎的な内容を幅広く解説しています。

  • 文法やオブジェクト指向プログラミング
  • ライブラリの利用方法など

Rubyの学習に必要な事項を習得できます。
各章の終わりには、

  • 演習問題
  • 模擬試験

が用意されています。
Ruby技術者認定試験は出題数が多く、時間内に解答し切れない可能性があるため、模擬試験を実際の時間配分で解いてみることが賢明でしょう。
本書の長所は、

Silver/Goldの両レベルの対策が1冊でカバーされている点
公式が発行する参考書のため、出題範囲を確実に網羅しています

簡潔なRubyプログラミング入門 (2023年5月)

RubyのスキルアップにおいてRubyMiniBookは、優れた学習サイトと言えます。

  • 豊富な疑似問題が用意されており、効率的な演習が可能です。
  • 解答後には詳細な解説が提示され、試験対策のポイントも学べます。
  • 選択式問題に加え、実際にコードを書く演習問題も用意されています。
  • さらに「Ruby入門コース」では、基礎知識の説明とサンプルコードが掲載されており、理解を深めることができます。

このサイトの利点は、スマートフォンで手軽に学習できる点にあります。
移動時間や休憩時間を活用して、いつでもどこでも学習が可能です。

要約

要約

この記事では、Ruby技術者認定試験について詳しく説明しました。
試験の範囲、メリット・デメリット、申込手順などを理解していただけたと思います。
この資格は転職や就職の際にも活用できるものです。
Rubyエンジニアを目指す方やキャリアアップを望む方には、受験をおすすめします。
試験対策を通じて、実務で役立つRubyのスキルを身につけることができます。
Rubyは広くWebアプリ開発に使用されている言語でもあるため、関心のある方は是非チャレンジしてみてください。

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本記事がみなさまのお役に立てば幸いです。