フリーランスの見積書書き方ガイド | 見積書作成時のポイントやテンプレートを紹介!

フリーランスの方々は見積書に関してどのように考えていらっしゃるでしょうか。
見積書とは、クライアントから業務を請け負う際に、報酬額や納期などの条件を記載した文書のことを指します。
クライアント側はその見積書を基に、案件の発注を行うかどうかを判断します。
今回は、フリーランスにとって重要な見積書について、以下の点に焦点を当てて説明していきます。

  • フリーランスにとっての見積書の役割
  • 見積書発行時の基本事項
  • 見積書作成のポイント
  • おすすめの見積書テンプレート

適切な見積書の作成方法は、フリーランスが質の高い仕事を獲得する上で重要な要素となります。
フリーランスの方や、今後独立を検討されている会社員・学生の皆様は、ぜひ一読いただければと思います。

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フリーランスにとっての見積書の役割とは?

フリーランスにとっての見積書の役割とは?

フリーランサーにとって、見積書は顧客から優良な業務を受注するための重要な文書です。契約書や請求書の作成時に、顧客との認識の擦り合わせを行うという点で、重要な役割を担っています。

見積書の作成は、フリーランサーが市場でどの程度の価値があるかを判断する材料にもなり得ます。
現代では、メールやチャットのみで仕事を獲得してきた方も多いかもしれません。
しかし、トラブル防止の観点から、見積書の提示は重要です。

見積書が重要な理由は以下の3点です。

  • 契約書や請求書の作成時に、顧客との認識の擦り合わせを行うという点で、重要な役割を担っています。
  • フリーランサーが市場でどの程度の価値があるかを判断する材料にもなり得ます。
  • トラブル防止の観点から、見積書の提示は重要です。

契約の証拠保全

契約の締結を示す最重要な証跡は見積書となります。
個人事業主であれば発行日から5年間、法人であれば7年間、その効力が認められるのです。
クライアントとの合意事項は必ず文書化しておくべきでしょう。
口頭のみの約束では、契約解除などのトラブルに巻き込まれる危険性があるためです。
加えて、確定申告時や源泉徴収の確認など、納税の際にも見積書が有用となります。

正確な情報共有のための手引き

見積書を保持することで、顧客との情報の共有と認識の相違を防ぐことができます。
メールやチャットのスクリーンショットを携帯電話やコンピューターに保存することも可能ですが、紙の書類として保管しておけば、データ損失などの緊急事態に備えることができ、安心感が得られるでしょう。
ただし、紙の見積書の保管が困難または面倒な場合は、デジタル化する選択肢もあります。

契約を促進するための提案

契約書の提示は、フリーランサーとクライアントの信頼関係を強化する一助となります。
クライアントからの連絡が滞った際にも、合意事項を確認する手段として活用できます。
フリーランサーにとって見積書の作成は義務ではありませんが、できる限り準備しておくことをおすすめします。
契約プロセスについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください↓

  • 契約プロセスの詳細

見積書発行時の基本事項

見積書発行時の基本事項

本文書では、見積書に記載する項目について説明します。
全ての項目において、誤字や脱字がないかを確認することが重要です。
間違った内容で見積もりを行うと、トラブルの原因となり、クライアントに対して失礼にあたります。
最悪の場合、フリーランスとしてクライアントからの信頼を失うリスクがあります。

宛先

見積書の作成に際しては、まず受取人の情報を明記する必要があります。

  • 企業や部門宛の場合は「御中」
  • 個人宛の場合は「〜様」と記載するのが適切です。

今日の日付

見積書の発行日付を明記することで、その見積書の有効期限を設定することができます。

差出人の社名や氏名

送信者(あなた自身)の会社名や名前は必ず明記する必要があります。
屋号がある場合は、それも記載しましょう。
自身の名前、住所、連絡先、メールアドレスを正確に記入することが重要です。

捺印

最近では、見積書の作成をオンラインで行うケースが増えています。その際は、作成後にメールなどに添付して送信するため、押印は必要ありません。
しかし、紙媒体で提出する場合は、押印することが重要です。
見積書の提出には必須ではありませんが、押印には法的な効力があるため、見積書作成時に最も注意を払うべき点だと言えるでしょう。

  • 法人の場合は角印を
  • フリーランス(個人事業主)の場合は屋号印または個人の認印を押印します。

※民事訴訟法第228条第4項では、裁判所は特段の疑義がない限り、押印された文書を真正なものとして証拠として採用できると規定されています。

見積書

見積書の題名は通常、「お見積り」「お見積書」「見積書」といった表現が一般的です。
特別な指示がない場合は、上記のような記載が望ましいでしょう。

見積書には有効期限を設定することが重要です。
この目的は、

  • クライアントに期限内の契約を促すこと
  • 金額変更や認識の相違によるトラブルを回避すること

にあります。
そのため、必ず有効期限を明記する必要があります。

見積書の有効期限の例としては、

  • 「提出後3か月以内」「発行後1か月以内」など提出日や発行日と組み合わせる方法
  • 「○○年○月○日まで」と具体的な日付を指定する方法

があります。

見積金額

価格計算の際は、課税対象額に消費税を加算した総額を明記しましょう。
品目、数量、単価などの内訳を精査し、契約内容との整合性を確認した上で、小計を算出します。
その小計に対して消費税を乗じ、最終的な請求金額を導き出してください。
例えば、ライターであれば原稿料、プログラマーであればWebサイト制作費など、項目ごとに細かく記載することで、請求金額の根拠が明確になり、クライアントにも分かりやすくなります。

備考欄

期日や追加情報など、伝達すべき重要な事柄については記述します。
備考欄の記載方法は特に決められていません。

  • 記載事項がない場合は、挨拶やメッセージを書くと良いでしょう。
  • 空欄のままでも問題ありません。

よく記載されるものに振込手数料があります。振込時のクライアントとの齟齬を避けるため、「振込手数料はご負担ください」など、見積書作成時に記載しておくことをおすすめします。

見積書作成のポイント

見積書作成のポイント

見積書の作成にあたっては、いくつかの重要な点に留意する必要があります。
自営業者としては、これらの要点を確実に把握しておくことが肝心です。

  • 正確な金額の記載
  • 適切な税金の計算
  • 支払い条件の明記
  • 有効期限の設定
項目 金額
商品A ¥10,000
商品B ¥20,000
小計 ¥30,000
税金(10%) ¥3,000
合計 ¥33,000

見積書は、顧客との信頼関係を築く上で非常に重要な文書です。

詳細で正確な記述

見積書は、契約締結や請求金額の決定に直接関係する重要な文書です。見積書の段階で、クライアントとの認識に齟齬があると、様々な問題が生じる可能性があります。
そのため、見積書には自身が担当する業務内容や保守範囲などを明確かつ詳細に記載し、認識の相違がないかを確認する重要な役割があります。

  • プログラマーの場合は、ウェブサイト開発、データベース構築、システム開発など
  • ライターの場合は原稿料や資料費など

具体的な作業項目を記載しましょう。
また、

  • 打ち合わせ代
  • 定期的なサーバーメンテナンス

など、複数回行う業務については、

単価 回数
単価 回数

を明記することが望ましいでしょう。

値下げは簡単にしない

フリーランスとして活動を開始した初期段階では、自身の能力を過小評価してしまうことがよくあります。
そのため、クライアントから報酬の値下げ交渉があった際に、簡単に承諾してしまう可能性があります。
確かに仕事を獲得できることは喜ばしいことですが、フリーランスにも業務や対価を選択する権利があります。
この点については、自分自身と他者に対して厳しく見積もる必要があります。
極端に高額な報酬を要求する必要はありませんが、フリーランス市場に適した適正な価格で業務を受注することが重要です。
フリーランスエンジニアとして適正な市場価格が分からない場合は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」で適正価格を確認しましょう。

また、低い報酬で受注した後に、当初の業務内容から追加や変更があるケースも多々あります。
そのような状況に柔軟に対応できるよう、見積書作成時に

  • 業務内容に変更や追加があった場合は、別途料金を請求します

などと備考欄に記載しておくと良いでしょう。

見積書のテンプレート

見積書のテンプレート

ここまで自営業者が理解しておくべき見積書の目的や基本的な発行手順、作成時の留意点について説明してきました。
次に、実際に見積書を作成する際におすすめのテンプレートを2つご紹介します。
ウェブ上には多数のテンプレートが公開されており、無料でダウンロードできるものも存在します。
自営業者にとって使いやすいテンプレートですので、関心のある方はぜひ活用してみてください。

見積書エクセルテンプレート

ここでは、中小企業向けのクラウドベースのバックオフィス業務効率化ソリューション「board」について説明しています。
この製品は、以下の機能を備えており、これらの主要機能はほとんど無料で利用できます。

  • 見積書、納品書、請求書、領収書などの作成機能
  • テンプレート
  • 一括メール送信・郵送機能

標準フォーマットに加え、用途別のレイアウトやデザインバリエーションも豊富に用意されています。

マネーフォワード クラウド請求書

「マネーフォワードクラウド請求書」の活用により、見積書や請求書の作成プロセスが簡素化されます。
この機能で作成された見積書や請求書の内容に基づき、マネーフォワードクラウド会計・確定申告に売掛金の発生と入金予定の仕訳が自動で反映されるため、別途の仕訳入力作業が不要になります。
さらに、100種類を超えるテンプレートが無償で提供されているため、様々な状況に対応した書類作成が可能です。

まとめ

まとめ

この記事では、フリーランスにとって見積書の作成が重要であることを説明しました。見積書には、以下の役割があります。

  • クライアントとの契約を証明する
  • 情報を共有する
  • 契約を促進する

見積書の作成時には、以下の点に注意が必要です。

  • 基本事項を正確に記載する
  • 業務内容や保守範囲を詳細に記述する
  • 自己評価を控えめにしすぎない

おすすめの見積書テンプレートもいくつか紹介しました。
フリーランスとしては、見積書は法的に義務付けられていませんが、クライアントの信頼を得て、スムーズな取引につながります。良質な仕事を獲得するためにも、見積書に関する知識を身に付けることが重要です。

発注書についてさらに詳しく知りたい方は、関連記事をご覧ください。また、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」のご利用をお勧めします。