Webクリエイター能力認定試験詳細と勉強方法

ウェブデザインの分野で働きたい人や、ホームページ制作の基礎を身につけたい人にとって、Webクリエイター能力認定試験は最適な資格です。
この試験では、初級レベルのプログラミングとデザインに関する問題が出題されます。
合格基準も比較的緩やかなため、初心者の方でも挑戦しやすい資格となっています。

では、Webクリエイター能力認定試験の具体的な出題内容や難易度はどのようなものなのでしょうか。
ここでは、この試験の詳細について説明していきます。

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Webクリエイター能力認定試験とは

Webクリエイター能力認定試験とは

Webクリエイター能力認定試験は、W3Cの国際規格に準拠したウェブサイト制作能力を評価する試験です。
現代のインターネットブラウザには、

  • Chrome
  • Internet Explorer
  • Firefox

など多様なものが存在しますが、HTMLの拡張により、ブラウザによってはウェブサイトが正しく表示されない場合があります。
そこでW3Cは、HTML 4.01 StrictやCSS2.1を国際標準とし、すべてのブラウザで問題なくウェブサイトが閲覧できることを目指しています。
Webクリエイター能力認定試験は、このW3Cの目標を実現できる能力を測定するものです。
また、現代のウェブサイト制作では、華美なデザインよりも見やすさが重視されるようになっています。
そのため、Webクリエイター能力認定試験では、利用しやすく、アクセシビリティに配慮したウェブサイト制作能力も問われます。

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験

Webデザイナーの資格試験には、スタンダードとエキスパートの2つのレベルが用意されています。
いずれも合格基準は厳しすぎるものではありませんが、合格を目指すには試験内容を十分に理解しておく必要があります。
そこで、Webデザイナー資格試験を受験する際に押さえておきたい重要な情報をまとめました。

  • 試験の概要
  • 出題範囲
  • 合格基準
  • 受験対策
レベル 試験時間 問題数
スタンダード 90分 50問
エキスパート 120分 70問

Webクリエイター能力認定試験の詳細

Webクリエイター能力認定試験には、2種類の試験レベルと2種類の受験言語が用意されています。

  • スタンダード(HTML5)
  • エキスパート(HTML5)
  • スタンダード(XHTML1.0)
  • エキスパート(XHTML1.0)

試験会場: 全国のサーティファイ指定随時試験会場※試験会場は公式サイトで確認可能
試験日程: 試験会場に要確認
試験方式: CBT形式またはWBT形式
試験時間:

スタンダード(HTML5) 70分(テキストエディター使用)
エキスパート(HTML5) 60分(Webページ作成ソフト使用)、20分(知識問題)、実技問題110分(テキストエディター使用)または90分(Webページ作成ソフト使用)
スタンダード(XHTML1.0) 90分(テキストエディター使用)
エキスパート(XHTML1.0) 60分(Webページ作成ソフト使用)、20分(知識問題)、実技問題120分(テキストエディター使用)または90分(Webページ作成ソフト使用)

設問数:

  • 実技問題1問 - 4ページ程度のXHTMLファイルとCSSファイル
  • 知識問題20問
  • 実技問題1問(エキスパート) - 基本ページ1ページと5ページ程度のHTMLとCSS作成、画像ファイル

合格ライン: 65%以上(知識・実技合わせて)
受験料: スタンダード5,900円(税込)、エキスパート7,500円(税込)
出題形式: 記述式、知識問題は四択式
受験資格: 誰でも受験可能

※「XHTML1.0」バージョンの試験は、Microsoft社がInternet Explorerのサポートを2022年6月16日で終了するため、2022年3月末で休止されます。

Webクリエイター能力認定試験の出題形式と出題範囲

Webクリエイター能力認定試験では、ウェブサイト構築の基礎であるHTML5とCSSを中心に、ユニバーサルデザインに基づくWebデザインについて問われます。
各レベルの出題形式と範囲は以下の通りです。

スタンダード
既存のWebサイトにおいて、HTMLやXHTML、CSSの状態を維持しながら適切に編集できる能力が試されます。
出題形式は実技問題のみです。
主な出題範囲は、

  • HTML5への変換
  • HTMLの作成
  • CSSの読み込みと作成
  • 画像の表示

XHTMLとCSSの編集スキルも問われます。
試験では必要に応じてソースコードを編集し提出します。

エキスパート
ユーザビリティを考慮したWebサイトの制作能力、新規サイトの構築、レスポンシブデザインへの対応、スクリプトを用いた動的なサイト制作能力が問われます。
出題形式は知識問題20問と実技問題です。
知識問題では

  • デザインカンプによる設問15問
  • 文書による設問5問

が出題されます。
実技問題の主な範囲は、

範囲
HTML・XHTMLの作成
CSSの読み込みと作成
画像の表示
JavaScriptの読み込み

回答方式はスタンダードと同様に、必要に応じてソースコードを編集し提出します。

詳しい出題範囲はこちらをご覧ください。

Webクリエイター能力認定試験の受験者数・合格率・難易度

Webクリエイター能力認定試験の累計受験者数は、2021年3月31日時点で30,888名に留まっています。
この資格試験が2005年に開始されたことを踏まえると、15年間で3万名弱の受験者数は多くはないと言えるかもしれません。

一方で、2020年度のスタンダード・エキスパートの平均合格率は91.4%と高い水準にあります。
この数値から、スタンダードはもちろん、エキスパートレベルでも多くの受験者が合格していることがうかがえます。

実際、Webクリエイター能力認定試験の試験内容は、エキスパートレベルでも

  • Webデザイナー・HTMLコーダーの基本的な知識を問うものにすぎません。

そのため、エキスパートレベルの難易度も易しめであると言えるでしょう。

Webクリエイター能力認定試験の申し込み手順

Webクリエイター能力認定試験の申請プロセスは以下の通りです。

  • ウェブサイトから試験会場と日程を検索する。
  • 試験会場に直接問い合わせて、以下の情報を確認する
    ・試験の日時
    ・申請期限
    ・会場の所在地
    ・利用可能なツールやブラウザ
    ・申請方法と受験料の支払い方法
    ・結果の受け取り方法。
  • 指示された方法で申請を行う。
  • 会場で受験料を直接支払う。
  • 受験票、写真付き身分証明書、筆記用具を持参して受験する。
  • 受験後1ヶ月以内に合否を確認する。

Webクリエイター能力認定試験には、WBT形式とCBT形式の2つの受験形式があります。WBT形式の場合は試験当日まで申請可能ですが、CBT形式では2週間前までに申請する必要があります。また、WBT形式でXHTMLを選択する場合も、2週間前までの申請が必須です。再受験については、合否が確認でき次第、再度申請することができます。合否がわからない間は再受験の申請ができませんのでご注意ください。

勉強時間

Webクリエイター能力認定試験の合格に向けた学習時間の目安は、公式サイトによると、

  • スタンダードレベルで24時間
  • エキスパートレベルで38時間

と定められています。
この時間は、公式テキストと公式問題集を使用した場合の学習時間を指しています。

  • スタンダードレベルの基準は開発経験がゼロの状態
  • エキスパートレベルはスタンダード合格相当の知識があることを前提としています

そのため、開発経験者であれば、この半分以下の学習時間で十分かもしれません。
しかし、経験者であっても、問題演習は必ず行い、その上で試験を受けることが賢明です。

Webクリエイター能力認定試験の資格取得のメリット

Webクリエイター能力認定試験の資格取得のメリット

Webクリエイター能力認定試験に合格することで得られる利点は何でしょうか。自身の状況に合致する場合は、この試験の受験を真剣に検討する価値があります。

  • Webクリエイターとしての能力が客観的に証明される
  • 就職・転職活動で有利になる
  • スキルアップの目標ができる
  • 自信がつく

Webサイト制作やデザインスキルが身に付く

Webサイト制作の専門知識を身に付けるには、Webクリエイター能力認定試験の受験が有効です。
現代のWebサイトは単なる視覚的魅力だけでなく、制作目的やユーザー層に合わせたデザインが重要視されます。
この試験では、

  • 最新のブラウザ仕様
  • ユーザビリティに配慮したWebサイト作成能力

が問われます。
受験を通じて、実務で活かせるデザインスキルを習得することができます。

ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる

IT業界やWeb関連企業への転職・就職の際、Webクリエイター能力認定試験が評価される場合があります。
しかし、この資格は未経験者がエンジニアやWebデザイナーとして就職する際にのみ有利となり、エキスパート以上のレベルを取得しておくことが望ましいでしょう。
Webクリエイター能力認定試験で問われるHTML・CSSのスキルは、エンジニアにとって基礎中の基礎であり、キャリアアップにつながる可能性は低いと言えます。
ただし、フロントエンドとバックエンドの両方の能力を持つエンジニアであれば、デザインに関する知識が評価される可能性があります。

資格手当や報奨金を貰える可能性がある

企業によっては、ウェブ関連の専門的な試験に合格すると、手当や報酬を受け取れる場合があります。
たとえ金額が少なくとも、定期的な収入増となるため、長期的には取得するメリットが大きくなります。
ただし、この試験はIT分野の民間資格の中でも受験者数が少ない方です。

  • IT関連の民間資格は多数存在しますが、基本的に企業が手当の対象とするのは、国家資格または著名な民間資格に限られます。

この試験の難易度を考えると、手当対象外となる可能性もあるため、手当を目的とする場合は事前に確認が必要です。

Webクリエイター能力認定試験の資格取得のデメリット

Webクリエイター能力認定試験の資格取得のデメリット

Webデザイナーの資格試験には、時として無益な側面があり得ます。以下に、そうした試験の欠点をご紹介します。

  • 試験の内容が時代遅れで、現実のWebデザインの実務とかけ離れている可能性がある
  • 試験は知識を問うものの、実践的なスキルを測ることができない
  • 試験の合格者と、実際に優れたWebデザイナーとが必ずしも一致しない
試験の欠点 説明
内容の時代遅れ Webデザインの進化に試験内容が追いついていない可能性がある
実践的スキル評価の欠如 知識はあっても実際のデザイン能力が測れない
優秀デザイナーとの乖離 合格者が必ずしも優れたデザイナーとは限らない

勉強時間を確保する必要がある

Webデザイナーの資格試験は比較的簡単な内容ですが、全く準備なしで合格するのは困難です。
この試験は記述式の問題が出題されるため、適切なコーディングスキルが求められます。
そのため、

  • 問題演習を十分に行う必要があります。

つまり、Webデザイナーの資格試験を受ける場合は、余裕のある時期を選んで学習時間を確保することが重要です。

資格が役立たない場合もあり得る

デザイン業界では、実際に何を生み出せるかが重視されます。
資格よりも、実践的な能力が評価の対象となります。
資格を持っていても、ポートフォリオの質が低ければ採用は難しくなります。
資格は体系的な学習の機会を提供しますが、実際にプロジェクトに取り組み、スキルを磨くことが肝心です。

Webクリエイター能力認定試験合格のためのおすすめの勉強方法

Webクリエイター能力認定試験合格のためのおすすめの勉強方法

Webクリエイター能力認定試験に合格するためには、以下の学習プロセスが効果的です。

  • まず、試験範囲を確認し、自分の強み・弱みを把握することが重要です。
  • 次に、弱み分野の基礎知識を学習教材やオンライン講座で補強します。
  • その後、過去問題を解いて実践的な問題演習を行います。
  • 最後に、模擬試験を受けて総合的な実力を確認し、不足分野を重点的に学習します。

このように、計画的な学習と反復練習を行えば、合格に必要な知識とスキルを着実に身につけることができます。

問題集や公式テキスト、サンプル問題をやろう

試験対策には公式教材が不可欠です。
認定機関から発行された教科書や問題集から出題される可能性が高いため、これらの資料を活用することが賢明です。
Webクリエイター能力認定試験の場合、

  • 『Webクリエイター能力認定試験公式テキスト(マイナビ)』
  • 『Webクリエイター能力認定試験問題集(サーティファイ)』

といった公式教材の準備が推奨されます。
加えて、公式サイトでは実際の試験形式に準じたサンプル問題がダウンロード可能です。
模擬演習を重ねることで、本番に備えた対策ができるでしょう。

Webサイト制作講座を受けてみよう

動画を活用した学習を希望する人には、Udemyが適しています。
Webクリエイター能力認定試験に特化した講座は限られているため、初級者向けのWeb制作やHTML/CSSコースを受講するのが賢明です。
ただし、この試験では指示通りにコーディングできる力が必要とされます。
Udemyを中心に学習する場合でも、

  • テキスト
  • 問題集

を確認することが重要です。

Photoshop/Illustratorクリエイター能力認定試験にも挑戦してみよう

Photoshop/Illustratorクリエイター能力認定試験にも挑戦してみよう

サーティファイでは、Webクリエイター能力認定試験以外にも、Photoshopやイラストレーターなどのデザインツールに関する資格試験を実施しています。
これらのツールは、Webデザイナーにとって基礎的な技能となります。
Webデザイナーを目指す際には、Webクリエイター能力認定試験よりも先にデザインの基本を身につけることが賢明かもしれません。
上記の試験に加えて、

  • 実践的なプログラミングスキル
  • ネットマーケティングに関する検定試験

も用意されています。
自身のキャリアプランに合わせて、適切な試験に挑戦することをお勧めします。

まとめ

まとめ

Webクリエイター能力認定試験は、HTMLやCSSなどWebサイト制作の基礎について問われる試験です。
体系的にWebデザインについて学ぶことができるため、

  • 独学でWebデザイナーを目指す人
  • 必要なコーディングスキルを身につけたい人

に適した資格と言えるでしょう。
この試験は難易度が比較的低く、受験日も自由に選べます。
手軽に受験できるので、

  • Webデザイナーへの転職を有利に進めたい方
  • Web制作の知識を習得したい方

は挑戦してみる価値があります。

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本記事が皆様の参考になれば幸いです。