ここ数年、ウェブサイトやオンラインショッピングの普及に伴い、「キャッシュ」と「Cookie」という用語が広く知られるようになりました。
しかし、この2つの違いを明確に理解している人は意外に少ないのかもしれません。
本稿では、キャッシュとCookieの概要、用途、長所と短所、種類、削除方法、そして何よりも両者の違いについて詳しく説明します。
ITエンジニアやIT業界従事者の方は、ぜひ一読されることをお勧めします。
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キャッシュとは
Webブラウザには、過去に閲覧したWebページの情報を一時的に保持する機能があります。
この機能を利用することで、同じページを再度開く際には、インターネット上のデータを取得する代わりに、保存されている情報を参照できます。
その結果、ページの読み込み速度が向上するのです。
キャッシュの種類
キャッシュは、データの格納先に応じて2つのタイプに分類されます。
- メモリキャッシュ
- ディスクキャッシュ
メモリキャッシュ
メモリキャッシュは、CPUに搭載されたキャッシュメモリを利用します。
CPUに近いため、高速にデータにアクセスできるという利点があります。
一方で、キャッシュメモリの容量が小さいため、格納できるデータ量が限られています。
ディスクキャッシュ
ディスクキャッシュは、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を利用します。
メモリキャッシュに比べてアクセス速度は遅いものの、大容量のデータを格納できるというメリットがあります。
ブラウザキャッシュ
ウェブブラウザには、訪問したウェブサイトの情報を一時的に保持する機能があります。
この機能によって、
- 同じデータを再度参照する際にサーバーへのリクエストを送信せずに済むため、ウェブページの読み込み速度が向上し、データ通信料の節約にもつながります。
- 一度取得したデータは再ダウンロードする必要がなくなるため、ウェブサイトの表示が高速化され、通信料の削減効果も期待できます。
サーバーキャッシュ
Webサイトのデータを一時的に保管する機能を「サーバーキャッシュ」と呼びます。
ユーザーがブラウザからデータ表示を要求した際、サーバー側に保存されたキャッシュからファイルを生成し、必要なデータを送信することができます。
この機能は、
- Webサイトの表示速度を向上させる点でブラウザキャッシュと同様の役割を果たしますが、
- キャッシュの保存場所やデータの内容が異なります。
また、デバイス内部ではなくサーバー上にキャッシュが保管されるため、デバイスのストレージ容量を圧迫することはありません。
キャッシュのメリット
キャッシュの利用は、同一データを再表示する際の読み込み時間を短縮し、ページの高速化につながります。
Googleは検索エンジンの評価基準としてWebサイトやページの表示速度を重視しています。
したがって、
- ユーザー体験の改善
- SEO対策の面でもキャッシュ活用のメリットがあります。
キャッシュのデメリット
一時的なデータ保存機能であるキャッシュを利用する際の欠点は、以下のようなことがあります。
- ページの内容や画像ファイルを更新した際、キャッシュに古い情報が残っていると、新しい変更点が適切に反映されず、以前のデータがそのまま表示されてしまう可能性がある
- キャッシュのデータ量が増えるにつれて、ブラウザの動作速度が低下するというマイナス面がある
キャッシュの削除方法
この記事では、ウェブブラウザのキャッシュデータを削除する方法について説明します。ブラウザごとに手順が異なるため、それぞれの手順を確認してください。
【Safariの場合】
- Safariを起動し、画面左上の「Safari」メニューをクリックします。
- プルダウンメニューから「環境設定」を選択します。
- 「詳細」タブを開きます。
- 「メニューバーに"開発"メニューを表示」にチェックを入れます。
- 画面上部の「開発」メニューをクリックします。
- プルダウンメニューから「キャッシュを空にする」を選択します。
以上の手順で完了です。
【Google Chromeの場合】
- Google Chromeを起動し、画面右上の3点リーダーアイコンをクリックします。
- 「その他のツール」メニューを開きます。
- 「閲覧履歴を消去」を選択します。
- 削除する期間を「期間」から指定します。
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
- 「データを消去」ボタンをクリックします。
以上の手順で完了です。
クッキーとは
Webサイトにアクセスする際、ユーザーの識別や行動履歴の記録に役立つのが「クッキー」と呼ばれる機能です。
ソーシャルメディアなどにログインする際、ユーザーIDとパスワードを入力すれば、その後は再入力の手間なく利用できるのは、クッキーがログイン情報を保持しているためです。
このように、クッキーは
- Webサイト上での操作履歴
- ユーザー固有の情報
を記憶し、入力作業を軽減する役割を果たしています。
クッキーの種類
クッキーには、「ファーストパーティークッキー」と「サードパーティークッキー」という2つの種類が存在します。
パーティークッキー
ウェブサイトを訪れたユーザーに対して、そのサイト自身が発行するCookieのことを1st Party Cookieと呼びます。
主な用途としては、
- サイト上での閲覧履歴
- ログイン状態
- ショッピングカートの中身
などのデータを記録することが挙げられます。
1st Party Cookieに保存された情報は、基本的に発行元のウェブサイト内でのみ利用されることが一般的です。
第三者Cookie
他のウェブサイトから発行されるクッキーを第三者クッキーと呼びます。
ある旅行サイトを閲覧した後、別のページに移動すると、そのページに旅行関連の広告が表示されることがあります。
これはリターゲティング広告と称され、第三者クッキーによるユーザー追跡機能が利用されています。
リターゲティング広告は、ユーザーの閲覧履歴から関心事項を推測し、関連する広告を自動的に表示するシステムです。
しかし、不要な情報まで表示されてしまう可能性があり、ユーザーに不快感を与える恐れがあることに留意する必要があります。
クッキーのメリット
ここでは、ウェブサイトにおけるCookie(クッキー)の利点を、利用者側と運営者側に分けて説明します。
利用者側:
- 繰り返しログイン情報を入力する手間が省ける
- ウェブサイト閲覧がスムーズになる
- 個人に合わせた情報が提供される
運営者側:
- ユーザーの行動を追跡・管理できる
- ターゲットを絞った広告配信が可能になる
クッキーのデメリット
ここでは、Cookieの利用に伴う懸念事項について、利用者側と事業者側に分けて説明します。
利用者側
- プライバシーに関する情報が流出するリスクがある
- 大量のデータが蓄積されると、ブラウザの動作が低下する可能性がある
- 不快な体験をユーザーに強いる恐れがある
事業者側
- 機密データの漏洩が危惧される
- 過剰なデータ蓄積によりブラウザのパフォーマンスが低下する可能性がある
- ユーザーに不快感を与えかねない
クッキーの削除方法
クッキーはWebブラウザに保存されているため、削除する際は使用中のブラウザの設定機能を活用する必要があります。Safariや Google Chromeなど、ブラウザごとに削除手順が異なるので、それぞれの手順を参考にしましょう。
【Safari】 |
---|
|
・以上で完了 |
【Google Chrome】 |
---|
|
・以上で完了 |
キャッシュとCookie(クッキー)の違い
ウェブページの内容と利用者の個人データは、それぞれ異なる方法で保持されています。
前者はキャッシュに、後者はCookieに記録されます。
キャッシュはテキストや画像などのウェブコンテンツを一時的に保管する役割を果たしますが、
Cookieはユーザーが入力したIDやパスワードなどの個人情報を記憶する機能を持っています。
つまり、キャッシュとCookieは保存する情報の性質が全く異なるということを理解しておく必要があります。
まとめ
この記事では、インターネットにおけるキャッシュとCookie(クッキー)の機能について詳しく説明しました。
現代社会においてこれらの技術は非常に便利ですが、適切な理解と活用がなされない場合、深刻な問題につながる可能性があります。
ビジネスやマーケティングでこれらを利用する際は、リスクに十分注意を払う必要があります。
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