フリーランス(個人事業主)開業時の初期費用と資金調達方法について

フリーランスとして自営業を始めたいと思いつつも、スタート時の費用がどの程度必要なのか把握できずに踏み切れない人が多数います。
また、資金調達の方法も分からないケースが多いでしょう。

本稿では、個人事業主となるための初期コストについて解説します。
併せて、必要資金の準備方法もまとめました。

本稿を読めば、初期費用に関する不安を払拭でき、安心して独立を目指せるはずです。
フリーランスを志す方はぜひ参考にしてみてください。

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フリーランス(個人事業主)の初期費用

フリーランス(個人事業主)の初期費用

起業時に個人事業主として活動するためには、一定の初期投資が必要となります。
この初期費用の内訳としては、以下のようなものが挙げられます。

  • パソコン
  • インターネット接続料金
  • 名刺作成費用
  • 会計ソフトウェア
  • 作業机
  • 作業椅子

などです。
これらは職種を問わず、ほとんどの個人事業主にとって必須の経費となるでしょう。
それぞれの費目について、より詳しく説明を加えていきます。

パソコン

パソコンは現代社会において、ほとんどの職種で必須のツールとなっています。
フリーランスの技術者やWebデザイナーはもちろんのこと、他の職種においても、オンライン会議の実施や請求書の作成など、パソコンを活用する場面が多数存在します。
業務効率を高めるためには、できる限り高性能なパソコンを選択することが賢明です。

  • CPUはcore i5以上
  • メモリは8GB以上のスペックが推奨されます

ただし、動画配信などの特殊な用途の場合は、さらに高スペックが求められる可能性があります。
新品のパソコンの価格は、おおよそ10万円から20万円程度となります。

ネット通信料

ご自宅で業務を行う際には、インターネット接続環境を整備することが求められます。

  • 有線回線を新たに引く場合、工事費用や契約手数料などの初期コストが発生します。
  • 光ファイバー回線であれば、概ね2万円から3万円程度の初期費用が一般的です。

一方、ポケットWi-Fiやホームルーターを利用すれば、工事は不要となります。
また、インターネットサービスを利用するには、プロバイダーと契約を締結する必要があります。

名刺

フリーランスとして自営業を始める際、名刺の準備は有益です。
特に実績が乏しい初期段階では、できる限り多くの人に自身の存在を知ってもらい、仕事を獲得するチャンスを高めることが肝心です。
名刺作成には以下の2つの選択肢があります。

  • 自作
  • 業者委託

業者に依頼する場合、概ね3,000円程度の費用が発生します。
イラストやロゴなどを付加する場合、さらにコストがかかる可能性があります。

会計ソフト

フリーランサー(自営業者)は、納税申告を自身で実施しなければなりません。
納税申告では、年間収入と支出を計算し、納付すべき所得税額を算出する必要があります。
初めて納税申告を行う場合、多大な時間を要することがよくあります。
納税申告を行う際は、クラウド会計ソフトウェアを活用すると効率的に作業を進めることができます。
会計ソフトウェアを利用する場合、月額料金として1,000円前後の費用が発生します。

机・椅子

家庭でタスクを遂行する際、机や椅子は可能な限り質の高いものを選択することが賢明です。
長時間の着座は腰痺れや肩の痛みの原因となるため、負荷を軽減できる家具が推奨されます。

  • 例えばゲーミング用の椅子は長時間の使用でも疲労が蓄積しにくい設計となっています。
  • ゲーミング椅子の一般的な価格は約2万円前後です。
  • また、人間工学に基づいたデザインの椅子は10万円から20万円程度の価格帯となるでしょう。

作業スペースとしての机は、資料を横に広げられる程度の広さがあると作業がしやすくなります。

場合によってはかかるフリーランス(個人事業主)の初期費用

場合によってはかかるフリーランス(個人事業主)の初期費用

次に、フリーランス(個人事業主)として活動を始める際に必要となる可能性のある初期コストについて説明します。

業務に必要なソフトウェア、ウェブサイトの作成費用、プリンター、オフィススペースの賃料などが該当します。
状況によっては、これらの4つの費用を用意する必要があります。
それぞれの初期コストについて、詳しく解説していきましょう。

  • 業務に必要なソフトウェア
  • ウェブサイトの作成費用
  • プリンター
  • オフィススペースの賃料

業務で必要なソフト

職務内容によっては、有償のアプリケーションを入手する必要性があります。
例えば、

  • ウェブデザイナーの場合、Adobeのデザインツールは不可欠です。
  • ブログを運営するなら、キーワード提案ツールも求められるでしょう。

エクセルやワードなどは文書作成に役立ちますが、Googleスプレッドシートなどで代替できる可能性もあるため、必要性を慎重に判断した上で購入することが賢明です。

ホームページ開設費用

ビジネスの広報活動としてウェブサイトを立ち上げる際には、開設に伴う経費が発生します。

  • ウェブサイトを構築するには、サーバー料金、ドメイン料金が必須となり、WordPressなどのCMSを利用する場合はエンジニアリングスキルが求められます。
  • サーバー料金は年間で概算12,000円前後(月額1,000円程度)、ドメイン料金は初年度は1,000円を下回ることが多いです。

しかし、ドメイン料金にはSSL証明書料金などの付随費用が加算され、ドメイン移管時には移管手数料、2年目以降は更新料金が必要になる点に留意が必要です。
加えて、ウェブサイト制作を外部に委託する場合は、制作費用として10万円以上を見積もっておくことをおすすめします。ページ数次第では更に高額になる可能性があります。

プリンター

職務内容によっては、プリンティングデバイスが必要となる場合があります。
コンビニエンスストアなどで出力することは可能ですが、印刷物が多量な場合は都度訪れるのは非生産的です。
低価格帯のプリンターであれば1万円以下で購入できます。
デザイナーなどの職種では、高解像度での出力品質が求められるでしょう。

2024年6月のオフィス代

個人事業主として独立したばかりの場合、資金が乏しいことが多いため、最初から本格的なオフィスを構えるのは現実的ではありません。

  • エンジニアやデザイナーなら自宅で業務を行うことも可能です。
  • しかし、自宅では集中力が欠けるという方もいるでしょう。

そういった場合は、コワーキングスペースを利用するのが賢明な選択肢となります。月額2万円から3万円程度で契約できるところが多数あります。
また、一等地の住所を活用したい場合は、バーチャルオフィスを検討するのも一案です。バーチャルオフィスは立地によりますが、月額1,000円台から1万円台前半で契約可能なサービスが多数存在します。

フリーランス(個人事業主)を目指す方が初期費用を準備する方法

フリーランス(個人事業主)を目指す方が初期費用を準備する方法

個人事業を始める際の初期資金の調達方法は主に4つの選択肢があります。

  • 自身の貯蓄を活用する方法があります。
  • 身内や知人から資金を借り入れる選択肢もあります。
  • 銀行などの金融機関から融資を受けることも可能です。
  • 政府や自治体が提供する補助金や助成金制度を利用するルートもあります。

以下に、それぞれの方法について詳しく説明していきます。

貯金を行う

フリーランスとして自営を始める際、ある程度の資金を事前に用意しておく人が多数います。

  • エンジニアなどの職種では、開業時の初期コストがそれほど高額ではないため、貯蓄だけで十分に対応できることがほとんどです。
  • 資金に余裕があれば、金融機関から借り入れる必要がなくなります。

そのため、独立前に可能な限り多くの蓄えを確保しておくことが肝心です。

家族・知人から借りる

資金調達の選択肢として、親族や友人から資金を借り入れることも検討できます。この場合、利子の支払いが免除される可能性があります。
ただし、フリーランスとして収入を得られる見通しがあることを説明する必要があり、説得力に欠けると資金の貸し付けを拒否されたり、独立への反対に遭ったりする恐れがあります。
仮に借入れが実現しても、約束した期日までに確実に返済することが信頼関係を維持する上で重要です。返済が滞れば、信用を失うだけでなく、贈与税の課税対象ともなりかねません。
しかし、親族や友人からの資金調達は最終手段と考えるべきです。

  • 本業がある場合は、副業から始めるなど、自己資金の範囲内で着手できることから着手し、フリーランスへの固執は避けましょう。

融資を受ける方法

個人で大がかりなプロジェクトに取り組む際、初期費用の調達が必要になる場合があります。
そういった時は、金融機関から資金を借り入れることも選択肢の一つです。
ただし、借入れには利息が発生するため、返済計画を綿密に立てる必要があります。
また、実績が浅い個人事業主の場合、融資を受けられないリスクもあるので、注意を払う必要があります。

補助金・助成金の活用

政府や自治体が運営する資金支援制度を利用し、スタートアップ時の費用を賄うことができます。
資金支援制度は借入れとは異なり、返済義務はありません。

  • 起業家向けの制度が多数あります
  • フリーランス(個人事業主)も対象となるプログラムが存在します

例えば、東京都内で開業予定の方に向けた創業支援金制度があります。
フリーランス(個人事業主)にも適用される資金支援制度の有無を確認することをお勧めします。

フリーランス(個人事業主)になる前に行っておきたいこと

フリーランス(個人事業主)になる前に行っておきたいこと

自営業に踏み出す前に、財務面での備えが重要となります。最低限、以下の3点を確認・準備しておくことをお勧めします。

  • 収入を得られる専門的な能力があるかどうかを確かめる
  • クレジットカードを新規に作成する
  • 3か月分程度の生活費を貯蓄しておく

それぞれの項目について、より詳しく説明いたします。

項目 説明
専門的な能力 自営業で収入を得るためには、何らかの専門的な能力が必要です。自分の強みや経験を活かせる分野を見つけましょう。
クレジットカード 自営業では収入が不安定になる可能性があります。緊急時の支払いに備えて、新しいクレジットカードを作成しておくと安心です。
生活費の貯蓄 事業が軌道に乗るまでは収入が少なくなる場合があります。3か月分程度の生活費を貯蓄しておけば、安心して事業に専念できます。

稼げるだけのスキルがあるか確認する

フリーランスとして自立するには、十分な収入を得られる技能を備えていることが重要です。
例えば、プログラミングスキルに長けたエンジニアであれば、

  • フリーランス向けの仲介サービスを利用して実際に案件を請け負い、収益性を検証することができます。

副業として一定の収入が得られることを確認した上で、個人事業主への転身を図れば、独立後の資金的な不安を最小限に抑えられるでしょう。

クレジットカードの作成を検討する

フリーランスとして自営を始める前に、クレジットカードの準備をしておくことが賢明です。
開業直後は信用力が低いため、カード発行が難しい場合もあります。
個人用とは別に業務専用のカードを持つことで、以下のメリットがあります。

  • 緊急の支出にも対応できます
  • 確定申告の手続きが簡素化されます

貯金は用意しておく

フリーランスとして自営を始める前に、3カ月分ほどの生活費を蓄えておくことが賢明です。
たとえ家族や友人から資金を借りる場合でも、ある程度の準備金があると安心できます。
収入が途切れた際に備えがないと、生活に窮して仕事に集中できなくなる恐れがあります。

  • 会社から支給されるボーナスなどは、独立の際の資金として確保しておくと良いでしょう。

まとめ

まとめ

この記事では、フリーランス(個人事業主)として活動を開始する際の初期コストについて説明しました。独立時に必要な費用の目安をお伝えできたと思います。開業自体は無料で行えますが、業務を遂行するためには様々な経費が発生します。

また、フリーランス(個人事業主)は必ずしも安定した収入が得られるとは限らず、月によって売上が大きく変動することが多々あります。そのため、独立前に十分な貯蓄を用意しておくことをおすすめします。

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