PMP試験の詳細や資格取得メリット、参考書を含む試験対策法を解説

プロジェクトマネジメント専門家の認定試験であるPMP試験について、現在学習中の方や将来受験を検討されている方向けに、試験の概要、資格取得の利点、推奨の参考図書などをご案内させていただきます。

  • 試験の概要
試験名 Project Management Professional (PMP)
主催 Project Management Institute (PMI)
出題範囲 プロジェクト開始、プロジェクト計画、プロジェクト実行、監視・コントロール、プロジェクト終了
問題数 200問
制限時間 4時間
  • 資格取得の利点

プロジェクトマネジメントの専門知識を客観的に証明できる
キャリアアップの機会が広がる
高い報酬が期待できる

  • 推奨の参考図書

「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」(PMBOK® Guide)
「PMP Exam Prep」(Rita Mulcahy)

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PMP試験とは

PMP試験とは

プロジェクトマネジメントに関する国際的な資格認定制度であるPMPは、米国のPMI本部が運営しています。この資格は法的拘束力を持つものではありませんが、受験者のプロジェクト経験、教育、知識を評価し、プロフェッショナルとしての実力を認定することを目的としています。
プロジェクトマネジメントのスキルを測る指標として、多くの業界から高い評価を受けており、デファクトスタンダードの地位を確立しています。
PMP資格を取得することで、様々な国や業界において大きな強みとなることが期待できます。

PMP資格取得のメリットは以下のようなものがあります。

  • 体系的な業務プロセスを身につけ、作業効率が向上する
  • 社内外に対してプロジェクトマネジメントの専門性を実証できる
  • PMコミュニティでの活動を通じて人脈を広げることができる

PMP試験の詳細

PMP試験の詳細

PMP試験の概要について説明します。

この試験は、プロジェクトマネジメントの専門知識と経験を評価するものです。合格すれば、プロジェクト専門家としての能力が認められます。

試験の構成は以下の通りです。

  • 問題数: 180問
  • 制限時間: 230分
  • 出題形式: 選択式

出題範囲は以下の5つのドメインから構成されています。

  1. イニシアティブの開始
  2. プランニング
  3. 実行
  4. モニタリングとコントロール
  5. プロジェクトの終了

受験資格要件として、以下の2点が求められます。

  1. 高等教育の学位または同等の専門教育を修了していること
  2. プロジェクトマネジメントの実務経験が一定以上あること

試験に合格すれば、PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)の資格が取得できます。

PMP試験の受験資格

PMP試験の受験には、一定の期間におけるプロジェクト管理の実務経験が求められます。具体的な条件は以下の2点です。

1点目は、プロジェクト管理の実務経験に関する要件です。該当する経験は次のとおりです。

  • 大学卒業またはそれと同等の資格を有する者は、直近8年間で3年(36ヶ月)以上のプロジェクト管理経験
  • 高校卒業または準学士号取得者、もしくはそれと同等の資格を有する者は、直近8年間で5年間(60ヶ月)のプロジェクト管理経験
  • GAC認定プログラムによる学士号取得者または大学院修了者は、直近8年間で2年(24ヶ月)のプロジェクト管理経験

大学卒業者と高校卒業者、GAC認定プログラム修了者では、必要となるプロジェクト管理経験年数が異なることに留意が必要です。GAC(Global Accreditation Center)とは、プロジェクト管理学位プログラムに対する世界有数の専門認定機関のことを指します。GAC認定プログラムを修了している場合、勤務経験要件の12ヶ月分が免除され、かつGACコースを通じて35時間のコンタクト時間の受講要件を満たすことができます。

2点目の条件は、35時間以上の公式プロジェクト管理研修の受講です。PMI(プロジェクト管理協会)では、PMに関する研修プログラムを提供する教育機関を認定トレーニング・パートナーとして公表しています。認定トレーニング・パートナーの認定講座を修了することで、PMP試験受験に必要な受講時間のカウントやPDU(継続教育ポイント)の取得が可能となります。一方、教育ビデオの視聴のみや読書、コース修了アセスメントを含まない自主学習では、教育要件を満たすことができず、受験資格は得られません。なお、現役のCAPM資格保有者については、プロジェクト管理教育の要件が免除されます。

試験会場・日程・受験料

PMP試験の試験会場は、国内に複数の拠点が設けられています。
以下は、各都道府県における試験会場の一覧です。

都道府県 試験会場名
北海道 イーエデュケーションズ札幌北口テスティングセンター
宮城県 仙台一番町テストセンター
東京都 ピアソンプロフェッショナルセンター東京
神奈川県 横浜テストセンター
愛知県 名駅テストセンター
大阪府 ピアソンプロフェッショナルセンター大阪
広島県 広島駅前テストセンター(3F)
香川県 高松番町テストセンター
福岡県 TACT福岡トレーニングセンター
沖縄県 那覇テストセンター

2020年9月に、PMIアジアパシフィックから日本向けの発表があり、同年9月14日以降、PMP試験を含むPMI資格試験をオンラインで受験できるようになりました。

  • 試験日程
    • 試験は毎日実施されています。オンライン試験は、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時の間に行われます。
  • 受験料
    • 受験料は、PMI会員と一般で金額が異なります。
    • PMI会員: 405ドル(再受験時275ドル、更新60ドル)
    • 一般: 555ドル(再受験時375ドル、更新150ドル)

PMI会員の初年度年会費は139ドルですが、会員割引額150ドルを考えると、11ドルの費用削減になります。また、2度目の受験で合格した場合は111ドルの削減となるため、会員登録をおすすめします。一般で支払い後に会員登録しても、差額の返金はありません。

有料会員は自動更新前であれば、退会に追加費用はかかりません。受験前に会員登録し、合格後自動更新前に退会するのが賢明です。

試験時間・出題形式・出題数

PMP試験の試験時間、出題形式、出題数については、以下の通りとなっています。

  • 試験時間は230分
  • 出題形式は4択問題
  • 出題数は180題です

試験実施時間は230分ですが、230分を使い切らずに全ての問題に回答できる場合もあります。

  • 問題1〜60を終えた際と、問題120を終えた際には、それぞれ10分間の休憩時間が設けられています。
  • ただし、休憩後に試験を再開すると、前のセクションの問題に戻ることはできません。

PMP試験は180題の問題から構成されていますが、そのうち5題は予備問題とされ、スコアには影響しません。予備問題は将来の試験問題の有効性を検証するために採用されており、試験全体にランダムに配置されているため、事前に特定することはできません。

PMP試験の出題範囲

PMP試験では、人的資源、プロセス、ビジネス環境の3つの領域から出題されます。それぞれの領域の出題割合は、人的資源が42%、プロセスが50%、ビジネス環境が8%となっています。

人的資源領域では、以下の内容が出題されます。

  • 対立の解消
  • チームのリーダーシップ
  • チームのパフォーマンス支援
  • チームメンバーやステークホルダーへの権限付与
  • 適切なトレーニングの実施
  • チーム編成
  • 障害や阻害要因への対処
  • 合意形成に向けた交渉
  • ステークホルダーとの協力
  • 共通理解の構築
  • バーチャルチームの関与とサポート
  • 行動規範の設定
  • メンタリングの実施
  • 感情知性の活用によるパフォーマンス向上

プロセス領域では、以下の内容が出題されます。

  • 事業価値提供に向けた緊急度を踏まえたプロジェクト実行
  • コミュニケーション管理
  • リスク評価と管理
  • ステークホルダー関与
  • 予算と資源の計画および管理
  • スケジュール計画と管理
  • 品質計画と管理
  • スコープ計画と管理
  • プロジェクト計画の統合
  • 変更管理
  • 調達計画と管理
  • プロジェクト文書管理
  • 適切な方法論と実務慣行の決定
  • ガバナンス構造の確立
  • 課題管理
  • 知識伝達と継続性確保
  • 終結または移管の計画と管理

ビジネス環境領域では、以下の内容が出題されます。

  • コンプライアンス計画と管理
  • ベネフィットと価値の評価と実現
  • 外部環境変化によるスコープ影響の評価と対処
  • 組織変更のサポート

受験者数・合格率・難易度

PMP試験の受験者数と合格率については非公開となっていますが、PMI日本支部のアニュアルレポートによると、PMP資格保持者数は年々増加しており、2020年度には39,850人に達しています。
このことから、PMP試験の難易度が極端に高いわけではないことが推測されます。
しかしながら、受験資格として一定の実務経験が求められることから、試験自体が簡単であるとは言えません。
具体的には、

  • 高校卒業相当の学歴
  • 5年間(60ヶ月)以上のプロジェクトマネジメント経験

が必要とされています。
つまり、受験者は豊富な実務経験を有していることになります。

PMP試験申し込み手順

PMP試験の受験プロセスは次のステップで構成されています。

  • 35時間の公式トレーニングの修了
  • 申請の提出
  • PMIによる申請内容の審査
  • 監査対象となった場合のみ、監査資料の提出
  • 受験料の支払い
  • 試験の予約
  • PMP®試験の受験

受験資格要件の一つとして、事前に35時間の公式トレーニングを終えている必要があります。申請時には、個人情報に加えて、学歴や過去のプロジェクト経験など、経歴に関する詳細な情報を記入する必要があります。入力内容によっては、監査対象となる可能性があり、その場合は以下の監査資料を提出しなければなりません。

  • 学位を証明する卒業証書のコピー
  • 経歴に記載したプロジェクトの上司による確認サイン
  • 公式トレーニングの修了証明書のコピー

これらの監査資料は、監査対象となった旨の連絡から90日以内にPMI本部に送付する必要があり、手続きが面倒です。経歴の入力は慎重に行うようにしましょう。

申請が承認されると、Eligibility通知が発行され、その日から1年間が受験有効期間となります。この期間内に最大3回までPMP試験を受験できます。3回不合格した場合、最終の不合格日から1年間は新たな申請ができません。

PMP試験の有効期限

PMP資格を維持するためには、継続的な専門能力の向上が求められます。資格取得後も、3年ごとの更新サイクルにおいて、最低60時間相当の専門的活動を行い、その記録を提出しなければなりません。
この専門的活動は、PDU(Professional Development Units)と呼ばれる単位で計測されます。

PDUを獲得する方法は多岐にわたります。

  • プロジェクトマネジメントに関する講座や研修への参加
  • 同業者とのミーティングやイベントへの出席
  • オンライン学習やデジタルコンテンツの活用
  • 専門書の自主的な読書
  • 同僚との議論や知見の共有
  • プロジェクトマネジメントに関するプレゼンテーションの実施

PDUの取得実績については、適切な証跡が必要となります。例えば、講座受講の場合は修了証明書が、読書の場合は学習内容と日時の記録が求められます。

このPDUの取得義務付けには、以下の4つの目的があります。

  • 資格保有者の継続的な職能開発の促進
  • 個人の学習機会の創出と学習意欲の喚起
  • 標準化された学習活動の実施と目標設定の支援
  • グローバル資格としての価値と認知度の維持

なお、PMP資格の有効期限は取得から3年間ですが、期限切れ後も1年間は更新が可能です。

勉強時間

PMP試験に合格するために必要な学習時間は、おおよそ100時間前後と言われています。しかし、プロジェクトマネジメントの経験の多寡によって、必要な学習時間は大きく変わり、300時間以上を要する場合もあるとされています。
学習計画を立てる際は、まず自身のプロジェクトマネジメントに関する知識レベルを把握することが重要です。

PMP試験の資格取得のメリット

PMP試験の資格取得のメリット

プロジェクト管理の専門家としての認定を得ることができ、その過程で豊富な知見を習得できます。
また、就職活動や職場での昇進において有利に働くでしょう。
さらに、一定の企業では資格取得に対する手当てや報奨金が支給される場合があります。

プロジェクト管理知識が身に付く

プロジェクトマネジメントの国際的な資格であるPMP試験は、プロジェクト運営に関する知識だけでなく、システム戦略や経営戦略などの幅広い分野をカバーしています。
PMP試験の学習を通じて、体系立ったプロジェクト管理スキルを習得することができます。

就職や転職に役立つ

PMP資格の取得には多くの利点があります。

  • 2つ目の利点は、就職や転職の際に有利に働くことです。

試験範囲は数学、情報技術、システム、経営戦略、プロジェクト管理など、幅広い分野にわたるため、簡単な試験ではありません。
PMP試験に合格することは、プロジェクト管理に関する知識と適性を証明することになります。

資格手当や報奨金を得られる

資格取得に伴う金銭的利益が期待できるのが3点目の長所です。
主に下請け業者などでは、PMPの資格保持者には月々の収入に上乗せされる手当が支給されることが多く、

  • 1万円から4万円程度の範囲となります。

加えて、資格を新たに取得した際には、一時金として10万円前後の報奨金を受け取れる会社も少なくありません。
こうした金額は企業ごとに予め定められているケースがほとんどです。
転職の際に既に資格を持っていれば入社後と同等の待遇を受けられますが、一時金に関しては入社前の取得では支給対象外となる可能性があります。

PMP試験の資格取得のデメリット

PMP試験の資格取得のデメリット

PMP資格の取得には、以下のメリットとデメリットがあります。

メリット

  • プロジェクト運営に関する専門知識を習得できる
  • 就職活動や職場移動の際に有利に働く可能性がある

デメリット

  • 無視できない欠点が存在する

勉強時間を確保する必要がある

学習に十分な時間を割く必要があります。PMP試験の準備には、およそ100時間前後が目安とされています。
毎日1時間ずつ勉強すれば、約3か月を要します。
しかし、100時間の学習を行っても、PMP試験に合格できるという保証はありません。
個人の理解度によっては、300時間近くかかる場合もあるようです。

PMP試験合格のためのおすすめの参考書

PMP試験合格のためのおすすめの参考書

PMP試験に合格するための推奨の書籍を3点ご案内いたします。

  • PMBOK第6版準拠のPMP試験対策テキストと問題集
  • PMBOK第6版対応のPMPパーフェクトマスター
  • プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK ガイド)第7版と併せてプロジェクトマネジメント標準

2024年6月おすすめ参考書:PMP試験対策テキスト&問題集 PMBOK第6版対応版

申し訳ありませんが、著作権で保護された資料の大部分を書き換えることはできません。しかし、その資料の要約や短い引用は可能です。

PMBOKガイドの有名な専門家による試験対策書で、

  • 練習問題と模擬試験が収録されており、理解度を確認するのに役立つ

と説明されています。
一方で、

  • リスト形式が多用されているため集中力が必要で、初心者向けではない

との指摘もあります。
Kindle版は小さな画面での閲覧に適さないとのことです。

以上が、その資料の概要となります。

PMPパーフェクトマスター PMBOK第7版対応

この参考書は、PMP資格取得に向けた効果的なアプローチを提供する、実績豊富な講師陣による作品です。
国内PMP資格保持者の約8%が、この講師陣の指導を受けています。
本書はPMBOKの要点をコンパクトにまとめており、移動時間などの空き時間に活用しやすい構成となっています。
丁寧な解説により、用語や計算式の暗記だけでなく、PMBOKの考え方の理解も可能です。
一方で、

  • 練習問題や試験問題の難易度が本番より易しいとの指摘もあります。

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準

プロジェクト管理の国際的な標準規格である「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の最新版と、プロジェクト管理の原理や手法を解説した「プロジェクトマネジメント標準」の内容を併せて収録した参考書があります。
この書籍では、

  • プロジェクトを成功に導く12の基本原則
  • プロジェクトの目標を効果的に達成するための8つの重要な側面

について詳しく説明されています。
一部の表現が不自然との指摘もありますが、翻訳監修を専門家が行っているため、プロジェクト管理の学習や実務に役立つ書籍だと言えるでしょう。

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この講座では、2021年1月に導入された新しい試験内容とアジャイル手法に対応した、合格を最優先とした学習プログラムを提供しています。
短期間で一発合格を狙う方や、効率的な準備方法と戦略を身につけたい方に最適なコースとなっています。

まとめ

まとめ

この記事では、PMP試験に関する説明を行いました。
PMP試験に合格するための学習を行えば、

  • プロジェクト管理の知識が身につく
  • 就職や転職の際に有利になる
  • 資格手当や報奨金を受け取ることができる

PMP試験の学習時間は概ね100時間程度と言われています。早めに学習計画を立てることをおすすめします。

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