クラウドベンダーの企業紹介と各社の特徴

現代社会においてインターネットの普及は著しく、クラウドの導入によりその利便性を実感する企業が増加しています。
クラウドを活用することで、ハードディスクやソフトウェアを持たずにデータを保存できるため、

  • ネット環境さえあれば場所を選ばずデータにアクセスが可能になる
  • 紛失リスクも低減される

さらに、

  • グループウェアやメール機能
  • データ分析機能などのサービスも手軽に利用できます

クラウドサービスを提供する事業者はクラウドベンダーと呼ばれ、国内外を問わず多数存在します。
ベンダーごとにサービスの特徴や料金体系が異なるため、自社に適したサービスを選択することが重要です。
本記事では、

  • クラウドベンダーの定義
  • クラウドの種類
  • クラウドサービスについて概説した上で

国内外の主要なクラウドベンダーを紹介します。

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クラウドベンダーの定義

クラウドベンダーの定義

クラウドプロバイダーとは、クラウドソリューションを提供する企業のことを指します。
ユーザーはクラウドプロバイダーと契約を結ぶことで、同社が運営するサーバー、ストレージ、ネットワークリソースをオープンな環境で活用することができます。
近年、クラウドサービスの市場は急速な成長を遂げており、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションの一環としてクラウド導入を進めています。
クラウドを利用すれば、

  • ソフトウェアやUSBメモリなどのツールを使わずにサービスにアクセスできるため手軽であり
  • また災害発生時のデータ損失リスクも低減できます。

クラウドの種類

クラウドの種類

クラウドには様々な形態が存在し、それぞれが異なる対象者やサービス内容、セキュリティレベルを有しています。そのため、導入時には各クラウドの特性を十分に理解しておくことが肝心です。

主要なクラウドの種類は以下の4つです。

  • パブリッククラウド
  • プライベートクラウド
  • ハイブリッドクラウド
  • マルチクラウド

パブリッククラウド

クラウド環境の中でも、誰もがインターネット経由でアクセス可能で活用できるのがパブリッククラウドです。
企業のみならず一般ユーザーも利用できるサービスとなっています。
パブリッククラウドでは、クラウド事業者が大規模に運用するサーバやストレージなどのリソースを、必要な分だけ利用することができます。
そのため、

  • 大量のリソースを必要とする人はもちろん
  • 小規模な利用を希望する個人でも問題なく活用できます

自前でシステムを構築するよりも低コストで手軽にシステムを展開できることが、パブリッククラウドの大きな利点です。

プライベートクラウド

企業が自社内にクラウド環境を構築し、部門や提携先などに提供する形態をプライベートクラウドと呼びます。
一般公開されているパブリッククラウドとは異なり、プライベートクラウドは指定された環境からのみアクセス可能です。
このため、

  • 高度なセキュリティを確保でき、不正アクセスのリスクを低減できます。
  • さらに、自社でシステムの設計と運用管理を行えるため、ニーズに合わせた構成を実現できるだけでなく、独自のセキュリティポリシーを適用することが可能です。

ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドとは、複数のクラウドサービスや物理サーバーを組み合わせて利用することを指します。
異なる特性を持つクラウドを組み合わせることで、それぞれの長所を活かし、短所を補完することができます。
ハイブリッドクラウドでは、機密性の高い情報と機密性の低い情報を分けてサーバーを利用することも可能です。
例えば、

  • 顧客データや経営上の重要な情報はプライベートクラウドや物理サーバーで管理し
  • 日常的な業務記録はパブリッククラウドで管理する

といった使い分けができます。
近年、パブリッククラウドまたはプライベートクラウドのいずれかを導入するのではなく、状況に応じてハイブリッドクラウドを導入する企業が増加しています。

マルチクラウド

複数のクラウドプロバイダーが提供するサービスを組み合わせて活用することをマルチクラウドと呼びます。
ハイブリッドクラウドと類似点がありますが、ハイブリッドクラウドは特定のアプリケーションにおいて社内クラウドと公共クラウドを併用するのに対し、マルチクラウドは様々なクラウドベースのサービスを横断的に利用します。
マルチクラウドのメリットとして、

  • カスタマイズ性が高く
  • ベンダーロックインのリスクを低減できる

点が挙げられます。
一方で、複数のサービスを管理する必要があるため、運用が複雑化する可能性があります。
状況に応じて管理の手間が負担となるケースもあるかもしれません。

クラウドサービス

クラウドサービス

ネットワークに接続することで利用可能となるサービスがクラウドサービスと呼ばれています。提供される内容は、ソフトウェア、プラットフォームなど、サービスごとに異なります。
クラウドサービスの主要な形態は以下の3種類があげられます。

  • IaaS
  • PaaS
  • SaaS

IaaS

インターネットを介して仮想サーバーやネットワークなどのインフラストラクチャーを提供するサービスを指すのがIaaSです。
このサービスを利用すれば、自社でインフラを保有・管理する必要がなくなり、基盤となる機能をネットワーク経由で活用できます。
OSのインストール前の中核的な部分のみを使用するイメージに近いでしょう。

自社保有に比べてIaaSを活用した方がコスト削減につながる傾向があり、従量課金制のクラウドを選択すれば、実際に利用した分のみの支払いで済みます。
利用しない期間は費用が発生しないため、経費の抑制にもなります。

さらに、IaaSはカスタマイズ性が高く、企業のニーズに合わせた運用が可能です。

PaaS

PaaSは、プラットフォームをサービスとして提供するという概念を指します。ネットワーク経由で、アプリケーションの開発や運用に必要なプラットフォーム機能を利用することができます。
IaaSではインフラストラクチャ機能のみが基本的に利用可能ですが、PaaSではインフラに加えて、ミドルウェアやOSなどのプログラムが事前にインストールされた環境を活用できます。
環境構築の面ではIaaSに劣りますが、開発環境が最初から整備されているため、構築に伴う様々なコストを削減することが可能です。

SaaS

SaaSは、ソフトウェアをインターネット経由でサービスとして提供する形態を指します。
文書作成やメール処理などの機能がオンラインで利用可能となります。
従来はパッケージ製品として販売されていたソフトウェアを、ネット上のサービスとして提供するようになったのがSaaSです。
アプリケーションが事前に組み込まれているため、すぐに利用を開始できます。
SaaSのメリットは、以下の通りです。

  • 環境構築が不要
  • 誰もが手軽に活用できる

一方で、カスタマイズの自由度が低いことがデメリットとされています。

主要な海外クラウドベンダー

主要な海外クラウドベンダー

多種多様なクラウドプロバイダーが存在するため、どのサービスを活用するべきか判断に迷う方も少なくないでしょう。
主要な海外クラウドベンダーとしては、以下5社が挙げられます。

  • AWS(アマゾン)
  • Azure(マイクロソフト)
  • GCP(グーグル)
  • IBM Cloud(IBM)
  • Alibaba Cloud(アリババ)

AWS(Amazon)

AmazonのクラウドプラットフォームであるAWSは、以下の特徴を備えています。

  • クラウド業界において長年の実績を持ち、データ処理や分析などの多様なサービスを提供
  • 優れた拡張性を備えているため、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズが可能
  • 堅牢なセキュリティ対策が特徴的で、自動化システムの構築や第三者による監査を通じて、セキュリティ面での検証を行っている
  • 世界中で広く利用されているサービスであるため、AWSの活用に関する参考資料や対応可能な人材が豊富に存在
項目 内容
プラットフォーム AmazonのクラウドプラットフォームであるAWS
実績 クラウド業界において長年の実績を持つ
サービス データ処理や分析などの多様なサービスを提供
拡張性 優れた拡張性を備え、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズが可能
セキュリティ 堅牢なセキュリティ対策が特徴的で、自動化システムの構築や第三者による監査を通じて、セキュリティ面での検証を行っている
活用 世界中で広く利用されているため、AWSの活用に関する参考資料や対応可能な人材が豊富に存在

Azure

AzureはMicrosoftが提供するクラウドサービスです。
WindowsやOfficeなどのMicrosoft製品との親和性が高いのが特徴です。
社内でMicrosoft製品を活用している企業であれば、Azureの導入は円滑に進められます。
Azureを活用することで、世界中の強力なネットワークを利用でき、データを手軽かつ安全に管理することができます。
さらに、オンプレミスで既に利用しているライセンスがAzureでも適用されるため、コスト面でも恩恵を受けられるでしょう。

GCP(Google)

GCPは、Googleが提供するクラウドサービスプラットフォームです。
システム開発や運用において、多様な機能を活用することができます。
GCPを活用することで、以下が可能となります。

  • ビッグデータの分析
  • アプリケーションの作成・実行・管理
  • ストレージ
  • 大規模データの取得・解析

GCPは、様々なサービスを提供しており、その特徴の一つとして、料金体系の優位性が挙げられます。
月間の利用量に応じた従量課金制が採用されているため、無駄のないサービス利用が実現できます。

IBM Cloud

IBMが提供するクラウドソリューションは、以下の特長があります。

  • 信頼性の高い計算リソースと優れたストレージ機能を備えている
  • データ分析にも活用できる
  • 既存のオンプレミスシステムとの併用が可能
  • 企業にとって最適な構成を選択することができる
  • 従量課金制のため、必要な分だけ利用できる
  • 一部の機能は無償で利用可能

Alibaba Cloud

ここに挙げられているのは、アリババ・グループが提供するクラウドサービス「Alibaba Cloud」の特徴です。
同サービスは、

  • 大規模ECサイトや決済システムの技術力
  • 堅牢なインフラ

を備えています。
また、日本語にも対応しているため、言語面での不安はありません。
アジア圏、特に中国でのビジネス展開を検討する事業者には最適なサービスと言えます。
中国でウェブサイトを運営する際に必須のICPライセンス取得やICPの登録手続きも代行してくれるため、中国進出の負担を軽減できます。

国内主要クラウドベンダー

国内主要クラウドベンダー

クラウドサービスプロバイダーは外国企業だけでなく、国内企業も存在します。
代表的な国内クラウドベンダーとして、次の2社が挙げられます。

  • ニフクラ(富士通クラウドテクノロジーズ)
  • さくらのクラウド(さくらインターネット)

ニフクラ(富士通クラウドテクノロジーズ)

ニフクラは、富士通クラウドテクノロジーズが提供するクラウドサーバー構築サービスです。
このクラウドは、仮想化ソフトウェアの業界リーダーであるVMwarevSphereをベースとしており、VMwareのソフトウェアで社内サーバーを仮想化していた企業にとっては、クラウド移行がより簡単に実現できます。
ニフクラで採用されているコントロールパネルは、

  • サーバーやディスクの管理機能
  • パフォーマンス監視
  • 利用状況の確認
  • 料金管理

まで一元的に行えるため、利便性が高くなっています。

さくらのクラウド

さくらインターネット株式会社が運営するクラウドサービスは、国内に設置されたサーバーを利用し、国内でサポートを受けられるため、安心して利用できます。

  • 複数の拠点に環境を構築することで、災害や障害に備えることができます。

さくらのクラウドでは、95種類の中から自社に最適なクラウドサーバーを構築することが可能です。
コストパフォーマンスが高いことも特徴で、データ転送料金が無料であり、サーバーが停止している間は課金されないため、予期せぬ出費を抑えられます。

まとめ

まとめ

この記事では、クラウドサービスを提供する企業、つまりクラウドベンダーについて説明しました。
クラウドベンダーと契約することで、以下のことができるようになります。

  • データをクラウド上に保存する
  • 分析やアプリケーション開発などの様々な機能を利用する

多くのクラウドベンダーが存在するため、以下の点を考慮し、自社に最適なベンダーを選ぶ必要があります。

考慮点
利用目的
料金
サポート体制

また、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」についても紹介しました。
この記事が皆様の助けとなれば幸いです。