プライベートを重視し、自由な働き方を望むC言語エンジニアは、正社員ではなく派遣社員として就業することがあります。
派遣社員は待遇面で正社員に劣りますが、個人の価値観に合わせて働き方を選択できるメリットがあります。
しかし、収入や待遇への不安は避けられません。
- エンジニアの単価は扱える言語によって変動するため、C言語の収入見込みを知ることが重要です。
本稿では、以下について解説します。
- 派遣C言語エンジニアの収入水準
- 派遣就業のメリット・デメリット
- 派遣とフリーランスの選択基準
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C言語とは?
C言語は1972年にデニス・リッチーによって開発されたプログラミング言語です。
長い歴史を持つプログラミング言語の一つであり、以下の分野で活用されています。
- システム開発
- ゲーム開発
- 組み込み系開発
多くのプログラミング言語の基盤となっており、
Java | Objective-C |
C++ | C# |
などがC言語をベースとした言語として知られています。
C言語の強みは処理速度の高さにあります。
コンパイラ言語の一種であるC言語は、コードを一括でコンパイルするため、PHPやPythonのようなスクリプト言語と比べて圧倒的に高速な処理が可能です。
家電やデバイスドライバーなどでC言語が採用されているのは、この高速な処理速度が理由の一つです。
さらに、C言語はコードが軽量であるため、リアルタイム性が求められる組み込み系に適しています。
また、Linuxなど組み込み系OSがC言語で開発されているため、現在でも幅広く活用されています。
一方で、C言語は習得が難しい言語とされています。
初心者のエンジニアには必ずしもおすすめできません。
C言語は古い言語であり、コードが機械語に近いため、可読性が低いと指摘されることがあります。
より新しい言語の方が学習しやすいでしょう。
しかし、C言語を習得すれば、他の言語の習得も容易になります。
C++などの難易度が高い言語の習得も円滑になるため、高収入を得られるエンジニアを目指す第一歩としてC言語を学ぶ価値はあるかもしれません。
C言語エンジニアの単価相場
プログラミング言語C言語のエンジニアはどの程度の収入を得られるのでしょうか。
まずは時給単価を確認しましょう。
職種名 | 平均時給 | 最高時給 | 最低時給 |
---|---|---|---|
C言語エンジニア | 3,832円 | 5,000円 | 2,180円 |
(出典: ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」)
C言語エンジニアの平均時給は3,832円、最高で5,000円、最低でも2,180円となっています。一方、ITエンジニア全体の平均時給は2,293円です。C言語の最低時給でさえITエンジニア全体の平均を1,000円近く上回っていることから、C言語はプログラミング言語の中でも高単価であることがわかります。
次にフリーランスのC言語エンジニアの月額単価を見てみましょう。
職種名 | 平均月額 | 最高月額 | 最低月額 |
---|---|---|---|
C言語エンジニア | 56.6万円 | 160万円 | 20万円 |
(出典: ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」)
年収に換算すると、C言語フリーランスエンジニアの平均は679万円、最高で1,920万円、最低でも240万円となります。ITエンジニア全体の平均年収が498万円であることを鑑みると、C言語は年収面でも優れた言語だと言えるでしょう。
さらにC言語は難易度が高く、エンジニアの絶対数が少ないため需要も高い状況にあります。実務経験やスキルによって収入は変動しますが、高収入を望むならC言語は有力な選択肢の一つと言えそうです。
C言語の派遣エンジニアとして働くメリット
多くの人は正社員の方が非正規雇用よりも優れていると考えがちですが、派遣社員を選択することにも様々な利点があります。
C言語のプログラミングにおいて、派遣エンジニアとして働く長所を以下に説明します。
- 様々な企業で経験を積むことができる
- スキルアップの機会が多い
- 働き方の自由度が高い
項目 | 正社員 | 派遣社員 |
---|---|---|
年収 | 高い | 低い |
雇用の安定性 | 高い | 低い |
働き方の自由度 | 低い | 高い |
様々なエンジニアの指導を受けられる
契約社員の場合、定期的に異なる職場に赴くため、さまざまな技術者から指導を受けることが可能です。
正社員として入職しても、上長との相性が悪ければ、スキルの向上が困難になる可能性があります。
一方で、正社員は簡単に転職できません。
これに対し、契約社員の契約期間は
- 短期であれば1か月から3か月
- 長期でも半年程度に過ぎません
上長との相性が合わない場合でも、すぐに職場を変更できるため、相性の良い上司の下でスキルを効率的に磨くことができます。
エンジニア経験が積める様々な企業
契約社員として勤務すれば、さまざまな会社での実務経験を積むことができるというメリットがあります。
Cプログラミング言語の活用範囲は、
- システム開発
- ゲームソフト制作
- 機器の組み込み系開発
など多岐にわたります。
そのため、C言語のスキルを持つ契約社員エンジニアは、様々な業界の企業で開発業務に従事できる機会に恵まれます。
日本では、一度キャリアパスを決めてしまうと、その後の転身が困難になりがちです。
しかし、契約社員であれば、複数の会社を渡り歩くことで、スムーズにキャリアチェンジを図ることが可能となるでしょう。
ライフスタイルに合わせて仕事ができる
派遣社員は自身のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができるのが大きな利点です。
- 正社員として勤務すると、長時間労働や休暇取得の制限など、様々な制約に縛られがちです。
- 一方、派遣社員は残業が少なく、休暇を取りやすい環境で勤務できます。
雇用主は派遣社員の残業を好まないため、残業手当の支払いを抑えられます。
また、契約期間満了後に次の現場に移るまでの間、長期休暇を取得することも可能です。中には1か月から3か月の休暇を取る人もいます。
このように、派遣社員は特に休暇面での自由度が高く、海外旅行などの夢を実現しやすいでしょう。
自分らしい生き方を追求したい方には、派遣社員としての働き方が適している可能性があります。
人脈形成を行いやすいエンジニア
契約社員として様々な職場を経験することで、多くの人々と出会う機会が増えます。この人脈は、将来独立を目指す際に役立つ可能性があります。
正社員の場合、一つの会社に所属するため、
- 他社の従業員やフリーランサーと交流する機会が限られがちです。
一方、契約社員であれば、
- さまざまな分野のエンジニアと出会えるため、多様な意見を聞くことができ、自身のキャリアビジョンを描きやすくなるでしょう。
C言語の派遣エンジニアとして働くデメリット
プログラミング言語Cを使用する契約社員として勤務することには、確かに利点がありますが、欠点もあることを認識しておく必要があります。
自身のキャリアプランを適切に実現できなくなる可能性もあるからです。
そこで、Cプログラマーとして派遣で働く際の不利益点を確認しましょう。
- 安定した雇用が保証されない
- 福利厚生が手薄
- スキルアップの機会が限られる
- 昇給・昇格のチャンスが少ない
- プロジェクト終了時に次の仕事が見つからない可能性がある
このように、Cプログラマーとして派遣で働くデメリットは少なくありません。
一方で、以下のようなメリットもあります。
メリット | 内容 |
---|---|
高い時給 | 正社員よりも高い給与水準 |
柔軟な働き方 | プロジェクト終了時に休暇を取れる |
様々な経験を積める | 複数の現場を経験できる |
メリット・デメリットを踏まえた上で、自身に合った働き方を選ぶことが重要です。
派遣エンジニアの不安定な立場
C言語の開発現場で活躍する派遣エンジニアは、常勤社員と比較すると雇用面での不確実性が高くなります。
- 正社員の場合は、原則として会社から解雇されることはなく、万が一そうなっても退職金の支給など一定の保護があります。
- 一方、派遣エンジニアにはそうした規定がなく、いつ契約が打ち切られるかわかりません。
- 派遣社員を雇う企業の中には、非正規雇用者を低コストで自由に入れ替えられる存在と見なす向きもあります。
IT業界は人手不足が慢性化していますが、C言語の需要が高い分野でも派遣エンジニアの立場は必ずしも安泰とはいえません。
- C言語のスキルを持つ人材が少ないため仕事に恵まれる可能性は高いものの、派遣として働く以上は万一の失職に備え、一定の貯蓄は欠かせないでしょう。
給与が低くなる可能性がある
契約形態の違いにより、報酬体系に大きな開きが生じることがあります。
時給制の派遣社員は、正社員やフリーランスと比較すると、収入面で不利になりがちです。特に経験豊富な技術者ほど、その差が顕著になる傾向にあります。
正社員は勤続年数やスキルに応じて着実に年収が増加し、ボーナスも支給されます。
一方、フリーランスは発注元から直接報酬を受け取るため、高額な収入を得やすくなっています。
しかし、派遣社員の場合、
- 派遣会社が発注元から受け取る金額から一定の手数料(マージン)を差し引いた額が支払われます。
- このマージンは技術力が高いほど大きくなる傾向があり、結果的に経験者ほど不利になってしまう仕組みとなっています。
また、
- 派遣会社の規模によっても年収に差が生じます。
- システム開発の現場では、階層構造が複雑化しており、下位の派遣会社ほどマージンが大きくなる傾向があります。
- マージンが大きければ大きいほど、派遣社員の実収入は減少します。
同じ仕事でも、 | フリーランスが70万円の報酬を得ている一方で、 | 派遣社員は20万円にとどまるといった事例もあるとされています。 |
経験豊富な技術者にとって、派遣社員としての雇用形態は不利益が大きいと言えるでしょう。
雇用期間の有無
雇用期間が事前に決められているのが派遣社員の特徴です。この点は、合わない職場であれば簡単に移動できるというメリットとして挙げられていました。
しかし、自分に適した環境にもかかわらず、現場を変更せざるを得ないケースも多々あり、これは派遣社員のデメリットと言えるでしょう。
長年にわたり良い職場や上司に恵まれず、転々としてきた人にとって、ようやく良い環境に出会えたのに離れざるを得ず、再び探し直さなければならないのは大変な負担です。
そのため、派遣社員として働く場合は、様々な人々とコミュニケーションを取る必要があることを認識しておく必要があります。
- 多くの人とのコミュニケーションが苦痛であれば、正社員を選択するのが賢明でしょう。
重要またはコアな開発業務を任されにくい
セキュリティ上の理由から、中核となる重要な業務やシステムの開発は、外部の人材に任せることは難しい状況にあります。
エンジニアとしてキャリアを重ねるには、設計やマネジメントなど責任を伴う上流工程の経験が不可欠です。特に年齢を重ねるにつれ、責任ある立場での実績が求められます。
- 派遣社員として下流工程の作業に従事し続けると、将来正社員を目指す際に経験不足が懸念されたり、派遣としての仕事の幅が狭まり年収アップが難しくなる可能性があります。
そのため、正社員から派遣へ転身する場合は、ある程度正社員としての経験を積んでから転身する方が賢明でしょう。
C言語の派遣エンジニアの将来とは?
C言語は長年にわたり活用されてきた言語ですが、今後も需要が見込まれています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「ソフトウェア開発分析データ集2020」によれば、国内のシステム開発で使用されている言語の中で、C言語は7%のシェアを占め、上位5番目に位置しています。
C言語は
- 組み込みシステム
- システムソフトウェア
など、さまざまな分野で活躍しています。特に高速な処理能力が求められる組み込み系の領域において、C言語は確固たる地位を築いています。
需要が安定していることから、C言語のスキルを身に付けていれば、今後も仕事に恵まれる可能性が高いと言えるでしょう。
C言語エンジニアとして仕事をする場合、派遣とフリーランスどっちがいいの?
C言語エンジニアとして非正規雇用で働く場合、派遣会社に所属するのではなく、独立してフリーランスとして活動する方が有利な点が多くあります。
- 業務内容自体は派遣と変わりませんが、フリーランスなら仲介業者のマージンを支払う必要がなく、報酬を全額受け取れるため収入アップが期待できます。
- また、自身の得意分野や好みに合った案件を選択できるメリットもあります。
一方で、フリーランスには社会保険や雇用保障がないというデメリットもあります。
- 派遣社員は派遣会社の正社員として扱われ、社会保障制度に加入できるほか、業務上の過失があった場合も会社が責任を負います。
- さらに、派遣会社が適切な案件を紹介してくれるため、自身で営業する必要がありません。
このように、社会保障や責任面で不安があれば派遣、収入重視や好みの仕事がしたければフリーランスと、それぞれのメリット・デメリットを比較し、自身に合った形態を選ぶことが賢明です。
特に経験豊富なエンジニアはフリーランスに適しています。
- 経験値が高いほど派遣会社のマージン分が大きくなり損をしがちですが、フリーランスなら実力に見合った報酬を得られます。
- 責任能力も高いため、社会保障が手薄でも問題ありません。
現状に満足できず、さらなる収入アップを望むベテランC言語エンジニアは、ぜひフリーランス転身を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
C言語の熟練者は限られており、派遣でも仕事に不自由することはありません。
しかし、派遣では収入が伸び悩むのが課題です。
将来的な収入面での不安を解消するには、フリーランスとして独立するのがおすすめです。
フリーランスなら実力次第で高収入を得られる可能性があり、年収1,000万円以上も夢ではありません。
C言語のスキルを活かして収入アップを目指すなら、フリーランス転身も検討に値します。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」への登録をご検討ください。
将来のフリーランス転身に向けて、フリーランスの第一線で活躍するための一助となれば幸いです。