ここ最近、企業から注目を集めているのがフリーランスとして活躍するシステムエンジニア(SE)です。
実力次第で会社員の2倍近い収入を得られることから、独立を選ぶエンジニアが増加しています。
しかし、フリーランスの働き方や具体的なメリット・デメリット、必要なスキルなどを十分に理解できていない人も多いのが実情です。
そこで本記事では、フリーランスシステムエンジニア(SE)の仕事内容、独立に求められるスキル、月額報酬、活躍できる年齢層などを詳しく解説していきます。
特に以下の方々には一読をおすすめします。
- 今後フリーランスシステムエンジニア(SE)として働きたい方
- 現在正社員のシステムエンジニア(SE)として活躍中の方
- システムエンジニア(SE)を志望する学生の方
- 異業種からシステムエンジニア(SE)への転職を目指している方
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フリーランスシステムエンジニア(SE)の実情
フリーランスとして活動するシステムエンジニアの実態を理解することで、自営業への移行後の生活像を具体的に描くことができます。
実情を把握せずに無謀に独立の道を選んでしまえば、望んでいたフリーランスとしての働き方を実現することは困難です。
そこで、フリーランスシステムエンジニアの実態について、早速探っていきましょう。
フリーランスシステムエンジニア(SE)の働き方
フリーランスのシステムエンジニアの業務形態は、特定の企業に出向き勤務する「出向型・常駐型」が主流となっています。
システムエンジニアにとって、現場のメンバーとのコミュニケーションは不可欠な要素だからです。
- 出向型は、エージェント会社から企業のプロジェクトに派遣される形態です。
案件数は豊富ですが、エージェントの手数料分が控除されるため、報酬が減少するデメリットがあります。 - 一方、常駐型は自らが営業を行い、企業と直接契約を結んでプロジェクトに参画します。
エージェントを介さないため単価は高くなりますが、選択肢が限られるデメリットがあります。
大手企業の案件では、情報漏えいリスクから作業物を持ち出すことが禁止されているため、大規模プロジェクトの多くは企業に常駐して進められています。
フリーランスシステムエンジニア(SE)の月額報酬
フリーランサーとして活躍するエンジニアの月収は平均66.4万円で、年間収入に換算すると796万円となります。
一方、企業に雇用されているシステムエンジニア(SE)の月収平均は45.8万円で、年収は550万円にとどまり、フリーランサーの方が圧倒的に高水準です(参照:賃金構造基本統計調査(平成29年))。
しかし、フリーランスの仕事の単価は20万円から200万円と幅広く、高額の案件を獲得するためにはスキルが必要不可欠です。
そのため、フリーランサーの月収はスキルによって大きく変動します。
さっそく、どのようなフリーランスのシステムエンジニア案件があるか、見ていきましょう。
フリーランスシステムエンジニア(SE)になれるスキルレベル
フリーランスとして活躍するシステムエンジニアには、企業に勤めていた頃から培った豊富な経験が求められます。
プログラマーとは異なり、上流工程を担当するシステムエンジニアには、開発の全体的な流れを熟知していることが不可欠です。
最低でも以下の各プロセスについて1年以上の実務経験が必要とされます。
- 要件の分析と定義
- 基本設計
- 詳細設計
これらの工程は、正社員時代に習熟しておくべきスキルです。
フリーランスは雇用関係ではなく業務委託契約を結ぶため、成果が出せなければ継続して仕事を受注できません。
そのため、即戦力としての実力が求められるのです。
フリーランスシステムエンジニア(SE)として活躍できる年齢
フリーランスのシステムエンジニアとして活躍する際、年齢制限が設けられることがあります。この理由は、
- クライアント企業の平均年齢が20〜30代であり、年齢差が大きすぎると指示の伝達や意思疎通に支障が生じかねないため
- システムエンジニアの業務は長時間労働となる場合もあり、20〜30代と比べると体力的な衰えが懸念されるため
です。
しかし、50代のシステムエンジニアでも精神的にも肉体的にも十分な能力を有する方はいらっしゃいます。
現状では、正社員でも50代で早期退職を迫られるケースがあり、雇用の安定性に大きな違いはないと言えます。
フリーランスシステムエンジニア(SE)のメリットとデメリット
フリーランスのシステムエンジニアとしての長所
- 高い収入が期待できる
- 労働時間が柔軟で自由度が高い
- スキルアップの機会が多い
- 様々な業界や企業の経験を積める
フリーランスのシステムエンジニアとしての短所
- 収入が不安定
- 仕事の確保が難しい
- 社会保険や福利厚生がない
- 人間関係が希薄になりがち
長所 | 短所 |
---|---|
高収入 | 収入不安定 |
労働時間の自由度 | 仕事確保の難しさ |
スキルアップ機会 | 福利厚生なし |
様々な経験 | 人間関係の希薄化 |
自分の裁量で仕事ができるため、収入が増える
フリーランスのシステムエンジニアは、複数の顧客と契約を結ぶことができるため、収入を増やしやすい立場にあります。
なぜなら、プロジェクトごとに報酬を自由に交渉し、決定することができるからです。
一方、正社員は一社に雇用されており、解雇のリスクがあるため、大幅な条件交渉は難しいでしょう。
フリーランスであれば、週3日の労働で従業員時代と同水準の収入を得られるよう調整すれば、週4日の休暇を確保することも可能です。
自らの裁量で働く時間を決められるため、正社員に比べて柔軟なスケジュール管理ができるのがメリットと言えます。
自分で仕事を選ぶことができる
フリーランスは自身の希望に沿った業務を選択することができ、不本意な仕事を回避することが可能です。それは、ある案件が終了しても、別の案件に応募すれば良いからです。
一方、正社員の場合は、会社から指示された業務を遂行しなければならず、相性の悪い人ともやむを得ず仕事上のコミュニケーションを続けていかなくてはなりません。
対してフリーランスであれば、クライアントや現場責任者との人間関係に難があれば、契約を更新しないという選択肢があります。
このように、必要に応じて関係を解消できるため、人間関係によるストレスを軽減することができます。
節税のための経費活用術
フリーランスは税務申告の際に青色申告制度を選択すれば、最大65万円の所得控除を受けられます。
さらに、業務に関連する支出は経費として計上できるため、自己研鑽が節税につながり、一挙両得となります。
- 具体例としては、専門書の購入費、セミナー参加費や交通費、業務用機器などが経費として認められます。
このように、フリーランスは会社員に比べてスキルアップへの投資がしやすい環境にあります。
仕事が不安定で、確実な収入は見込めない
フリーランスのシステムエンジニアは、収入が安定しているとは言えません。
- 契約期間は3ヶ月ごとの更新であり、クライアント側の都合で契約が打ち切られる可能性があるためです。
正社員の場合は、スキルが低くても基本給が月額で保証されています。
一方、フリーランスは案件ごとに業務委託契約を結ぶため、固定収入とはなりません。
景気が悪化すれば、予算削減の対象となりやすく、主要な収入源であった案件が途絶えるリスクがあります。
- クライアントとの信頼関係を構築し、継続案件化を目指すこと、また並行して営業活動を行い、次の仕事を確保する準備をしておくことが賢明です。
エンジニアの人材不足は深刻であり、2030年には約79万人が不足すると予測されています(経済産業省の調査による)。
業界の拡大と技術の進歩が著しいため、多くの人材が必要とされます。
そのため、トレンドのスキルを磨き続けることで、案件を獲得していくことが可能です。
確定申告や納税など、雑務が多い
フリーランスとして活動する際には、収入に対する納税義務を自ら果たす必要があります。従来は会社が行っていた税金計算を個人で行わなければならないためです。
しかし、「freee」や「マネーフォワード」、「弥生会計」などの会計ソフトが登場したことで、確定申告の手続きは以前に比べて簡素化されています。
正社員との主な待遇の違いは以下の通りとなります。
- 年金制度の違い:厚生年金から国民年金へ
- 健康保険の違い:組合健康保険から国民健康保険へ
国民年金では、厚生年金に比べて受給額が減少します。
また、国民健康保険では会社による保険料の負担がなくなり、個人負担が増えます。
さらに、出産手当金や傷病手当金がカバーされないなど、給付範囲が狭くなるデメリットがあります。
社会的信用が低い
フリーランスは雇用形態が異なるため、正社員と比較して社会的な評価が低くなる傾向にあります。その理由は、収入が不安定であると見なされがちだからです。
独立した働き方を選択すると、以下のような場面で不利益を被るリスクがあります。
- 住宅ローンの組み立てが困難になる可能性
- クレジットカードの作成が難しくなる恐れ
- 賃貸物件の契約が拒否されるケースがある
そのため、フリーランスに転向する前に、クレジットカードの取得と住居の購入計画があれば、ローン契約を済ませておくことが賢明です。
まとめ
この記事では、フリーランスのシステムエンジニアの働き方や必要なスキル、報酬水準などについて詳しく説明してきました。
近年、システムエンジニアの人材不足が深刻化しており、即戦力のフリーランスシステムエンジニアに対する需要が高まっています。
本記事を通じて、フリーランスシステムエンジニアについての理解を深め、その道を目指すきっかけになれば幸いです。
この記事は、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」によって作成されました。
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この記事が皆様の参考になれば幸いです。