フリーランスとして保険などに加入して病気に備えよう!

フリーランスとして活動する際、健康上の問題で仕事ができなくなることへの懸念は避けられません。
「自営業者として病気になった場合、収入は保障されるのか?」「国や保険制度から支援を受けられるのか?」
このような不安は、フリーランスにとって大きなリスクの一つと言えるでしょう。
本稿では、フリーランスが病気に備えるための対策について、詳しく説明していきます。

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フリーランスが病気になった場合どうなる?

フリーランスが病気になった場合どうなる?

フリーランスが健康上の問題に見舞われた際、様々な課題が生じる可能性があります。

まず、現在手掛けている業務をどう処理するかという点です。
従業員であれば、同僚や上司が代わりを務めてくれるでしょう。
しかし、フリーランスの場合は、自ら代替要員を見つける必要があります。

  • 個人で仕事を請け負っているケースが多いため、代理を立てるのは容易ではありません。
  • 業務に支障が出れば、発注者への迷惑となり、信頼を失うリスクがあります。

また、収入面での影響も無視できません。

  • フリーランスは仕事ができなければすぐに収入を失います。
  • 有給休暇制度もないため、長期の休業は生計の維持さえ困難になる可能性があります。

体調不良時の対処法や予防策について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

フリーランスが気をつけるべき病気

フリーランスが気をつけるべき病気

フリーランスの方々が罹患しがちな健康上の問題には、様々な種類が存在します。
主要なものや、リスクの高いものについて解説いたします。

  • 運動不足による肥満や生活習慣病のリスク
  • 長時間のデスクワークによる腰痛や肩こりなどの筋骨格系の問題
  • 不規則な生活リズムによる睡眠障害
  • ストレスによる精神的な問題
問題 原因 対策
肥満・生活習慣病 運動不足、食生活の乱れ 適度な運動、バランスの取れた食事
筋骨格系の問題 長時間のデスクワーク 姿勢の改善、ストレッチ、運動
睡眠障害 不規則な生活リズム 規則正しい生活リズムの確保
精神的な問題 ストレス リフレッシュ、メンタルヘルスケア

フリーランスの方々は、自身の健康管理に十分気を付ける必要があります。

うつ病

フリーランスの方々の中には、精神的な健康上の課題に直面している人が少なくありません。自由な働き方が魅力的な一方で、キャリアへの不安や責任の重さから、ストレスを適切に解消できないデメリットがあるのです。

  • 在宅勤務が多いWebデザイナーやエンジニアなどは、人との交流が希薄になりがちで、孤独感に苦しむリスクがあります。
  • また、仕事の無い状況を恐れ、能力以上の仕事を引き受けがちです。
  • チームで働く場合を除き、他者に手伝ってもらうことは難しいでしょう。

仕事と私生活の境界が曖昧になりがちなため、過剰な労働につながる可能性があり、多忙期にはストレスが限界に達し、うつ病を発症するリスクがあります。

一度うつ病になると回復に時間がかかり、安定した就労が困難になる可能性があります。フリーランスを継続することさえ難しくなってしまう恐れがあります。日頃から業務量の調整と、メンタルヘルスの管理が重要となります。

生活習慣病

フリーランスの仕事スタイルは、生活習慣病のリスクを高める可能性があります。糖尿病、高血圧、高コレステロール血症は、単独でも発症するだけでなく、複数の病気を併発すると危険性が増します。
以下の項目に当てはまる場合は注意が必要です。

  • タバコや過剰なコーヒー摂取
  • 不規則な食事や過食
  • 夜型の生活リズム
  • 長時間の座り仕事
  • 運動不足

生活習慣病に最も影響を与えやすいのは食生活です。外食やファストフードに頼りすぎていませんか?ピザやハンバーガーは糖質と脂質が多く含まれており、肥満の原因となります。コーヒーの砂糖や清涼飲料も糖分の過剰摂取につながるため、控えめにすることが賢明です。
また、定期的な運動も重要です。仕事の合間に軽い散歩やエクササイズを取り入れましょう。外出が難しい場合は、「伸び運動」「ストレッチ」「1時間ごとに立ち上がる」など、小さな運動の積み重ねを心がけることが肝心です。

フリーランスと会社員で、病気になった時どれぐらい違うの?(2024年6月)

フリーランスと会社員で、病気になった時どれぐらい違うの?(2024年6月)

健康上の問題が生じた際、自営業者と従業員では、受けられる支援の種類や程度が異なります。
それぞれの場合について確認していきましょう。

自営業者の場合

  • 健康保険に加入していれば、医療費の一部が給付されます
  • 国民年金に加入していれば、障害年金や遺族年金を受給できる可能性があります
  • 労災保険には加入できないため、業務上の事故や疾病に対する給付は受けられません
  • 雇用保険にも加入できないため、休業手当や失業給付は受けられません

従業員の場合

  • 健康保険と厚生年金保険に加入しているため、医療費の一部が給付され、障害年金や遺族年金を受給できる可能性があります
  • 労災保険に加入しているため、業務上の事故や疾病に対する給付を受けられます
  • 雇用保険にも加入しているため、休業手当や失業給付を受けられます
自営業者 従業員
健康保険
年金
労災保険 ×
雇用保険 ×

労災保険

会社員とは異なり、フリーランスの方々の業務上の怪我や病気は、労働者災害補償保険制度の対象外となっています。
しかし、一定の職種については特別加入が認められており、2021年9月からはITフリーランスの方々も加入が可能になりました。
この制度により、業務が原因で発症した疾病やケガに対して、

  • 治療費用の支給
  • 休業中の補償
  • 障害者手当などの給付

を受けられるようになります。
労災保険料は事業主である会社側が全額負担するのとは対照的に、フリーランスの方々は自身で保険料を支払う必要があります。
労働者災害補償保険制度の詳細や、ITフリーランスが対象となる特別加入制度について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

傷病手当金

フリーランスと従業員の違いは、単に労災保険の有無だけではありません。
会社員は企業を通じて社会保険に加入しており、医療費の負担軽減以外にも「傷病手当金」による補償を受けられます。
傷病手当金とは、業務外の病気やケガで就労できなくなった際、労働者とその家族の生活を支える制度です。

  • 疾病やケガにより4日以上勤務できなかった場合、最長で1年6か月間にわたり手当金の受給が可能となります。
  • 休業期間中の給与の減額分や未払い分がこの手当金で補填されるため、被保険者は治療に専念することができます。

一方、フリーランスが加入する国民健康保険には、このような傷病手当金制度はなく、療養中の生活費は全額自己負担となります。

フリーランスとして備えておくべきこと

フリーランスとして備えておくべきこと

フリーランサーが健康を損なった際、従業員と比較して手当てが少ないことは理解できたでしょう。次に、フリーランサーが病気に備えるための対策や、失った収益を補填する方法について説明します。

  • 医療保険に加入する
  • 所得補償保険に加入する
  • 貯蓄を準備する
  • 代替収入源を確保する
対策 内容
医療保険 病気やケガの治療費を補償
所得補償保険 病気や怪我で働けなくなった際の収入を補償
貯蓄 病気で働けない期間の生活費に備える
代替収入源 副業や投資収入など、本業以外の収入を確保する

健康診断を受けるフリーランス

フリーランスの方々の中には、費用面や時間的制約から、長期間健康診断を受けていない人が少なくないかもしれません。しかし、フリーランスにとって体は大切な資産です。病気で仕事ができなくなるリスクを最小限に抑えるため、年に一度は健康診断を受けることをおすすめします。

費用を抑えたい場合は、自治体が実施している健康診断がお得です。

  • 検査項目は限られますが、無料から2,000円程度で受診できます。
  • 内容や料金は、年齢や自治体によって異なるので、お住まいの地域に確認してみてください。

より詳しい健康診断を希望する場合は、病院や診療所での受診となります。

  • 自治体の健診より費用は高めですが、検査項目を追加・選択できるメリットがあります。
  • 一部の保険団体では、健康診断に対する補助金制度を設けています。

ただし、フリーランスの健康診断費用は経費として申告できない点に注意が必要です。確定申告での医療費控除の対象外となるため、留意しましょう。

フリーランスの健康診断に関してさらに詳しく知りたい方は、関連記事をご覧ください。

自己管理をするフリーランス

自営業者として長期的に活動するには、自己管理を業務の一環と捉える必要があります。
睡眠不足や生活リズムの乱れは健康バランスを損ないます。作業効率の低下だけでなく、生活習慣病のリスクも高まるデメリットがあります。
自己管理の基本は規律ある生活です。

  • 業務開始・終了時間や食事時間は可能な限り固定し、日々同じスケジュールを心がけましょう。

生活リズムの維持は、自己管理に有効な手段です。

起床後や就寝前に、軽い散策やストレッチなどの習慣を持つと、生活リズムの改善に加え運動不足の解消にもつながります。

小規模企業共済へのフリーランス加入

中小企業や自営業者が事業を終了した際の生活資金を準備する制度が小規模企業共済です。独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するこの制度は、フリーランスの退職金に相当するものと言えます。

掛金は収入に応じて以下の範囲で500円単位で自由に設定できます。

  • 1,000円から7万円まで

病気で入院した場合には、掛金の7割から9割の範囲で最大1,000万円までの低利子の貸付を受けられるのがメリットの一つです。

万が一の病気で事業継続が困難になった際の備えとして、この制度への加入をおすすめします。

フリーランス協会の所得補償制度を利用する

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が提供する制度は、以下の2点を目的としています。

  • 労働不能時の収入保障
  • 医療費補償

病気やケガで仕事ができなくなった場合、

  • 年収に応じた保険金の支給
  • 入院費・通院費の補填

を受けられます。
保険料は職種や収入水準によって異なりますが、デスクワーク中心の30代フリーランサーで年収400万円の場合、月額で概ね4,000円前後となります。

フリーランス向けの保険に加入する

フリーランスとして活動する際、病気や怪我による休業に備えて、適切な保険への加入を検討することが賢明です。様々な選択肢があるため、それぞれの特徴を説明します。

  • 公的医療保険

公的医療保険は、都道府県や市区町村が運営する制度です。病気やケガで医療機関を受診した場合、医療費の一部が保険から支払われます。被保険者の自己負担は、基本的に医療費の3割となります。高額療養費制度と併用することで、自己負担額に上限が設けられます。会社員からフリーランスに転向した場合、社会保険から公的医療保険への切り替え手続きが必要不可欠です。手続きを怠ると、医療費の全額を自己負担しなければなりません。退職後は忘れずに切り替え手続きを行いましょう。ただし、最長2年間は前職の社会保険に加入し続けることも可能です。この場合も自身で手続きを行う必要があります。

  • 収入補償保険

収入補償保険は、フリーランスが病気やケガで長期間働けなくなった際に、「契約前12か月の収入の50~70%」を上限として補償してくれる商品です。保険料は年齢、職種、設定保険金額、保険会社によって異なります。一般的な保険期間は1年または5年で、取り扱いは損害保険会社が行います。

  • 就労不能保険

就労不能保険は、収入補償保険と同様に、入院や在宅療養で収入がなくなった場合に保険金が支払われます。収入補償保険との大きな違いは、保険金額の設定方法が異なることです。収入補償保険が前年収入の一定割合で決まるのに対し、就労不能保険は契約前の年収に応じて上限額が設定され、保険金は定額で支払われます。就労不能保険の契約は生命保険会社が引き受けます。

フリーランス向けの労災保険に加入する

フリーランスや個人事業主は労働者ではなく、雇用主となるため、通常は国の労災保険に加入することはできません。しかし、一定の条件を満たせば、特別に任意加入が認められており、これを「特別加入制度」と呼びます。
また、フリーランスや小規模事業者向けに、同様の補償を提供する保険サービスが複数の団体から提供されています。例えば以下のようなサービスがあります。

  • 一般財団法人あんしん財団
    フリーランスや中小企業経営者を支援することを目的とし、ケガの補償、福利厚生サービス、災害防止サービスの3事業を行う団体です。国からの補助はなく、会員の会費で運営されています。月会費は2,000円で、そのうち1,700円が保険料として徴収されます。補償内容は以下の通りです。
    ・ケガによる死亡時の死亡保険金は2,000万円(80歳以上は1,000万円)
    ・業務上・業務外を問わず24時間補償
    ・入院費日額6,000円、通院費日額2,000円(1日目から補償)
    ケガのみが補償対象で、病気は対象外です。ただし、人間ドック6,000円、健康診断2,000円(ともに年1回)の補助があります。
  • 日本フルハップ公益財団法人
    関西地区を中心に、フリーランスや中小企業経営者を支援する団体です。月会費は1,500円で、以下の保障を受けられます。
    ・ケガによる死亡時の死亡保険金1,000万円
    ・業務上・業務外を問わず24時間補償

    ・入院費日額5,000円、通院費日額2,500円(1日目から補償)
    こちらも補償対象はケガのみで、病気は対象外です。人間ドック、生活習慣予防検診、脳ドックなどを受診した場合、10,000円(年1回)の助成があります。また、定期的に総合健康懇談会が開催され、医師からの無償の健康相談を受けられるのが特長です。

まとめ

まとめ

この記事では、フリーランスの方々が病気に備えることの重要性について説明しています。
主な要点は以下の通りです。

  • 会社員と比べると、フリーランスが病気になった際の補償が少ない
  • 病気のリスクを抑えるため、日々の健康管理や定期健診が不可欠
  • フリーランス向けの休業補償制度や保険商品が存在する

病気に備える対策は重要ですが、何よりも健康を維持することが最優先です。フリーランスとして活動を続けるためには、生活習慣を見直し、自己管理に気を付ける機会を設けることをお勧めします。

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この記事がフリーランスの皆様のお役に立てば幸いです。