個人事業主(フリーランスエンジニア)と会社員のエンジニアとの違いや準備・手続きについて解説!

会社に雇用されているエンジニアは、将来的にフリーランスのIT個人事業主としての活動を検討するようになります。
確かに、安定した生活を送るためには長期的に会社員を続けることが賢明ですが、IT個人事業主としての実績を積み重ねることで柔軟な働き方を手に入れられれば、年齢に関係なく仕事を続けられるメリットがあります。
本稿では、IT個人事業主への転身を検討している方向けに、以下について解説します。

  • 会社員エンジニアとIT個人事業主の違い
  • IT個人事業主になるための準備作業や手続き

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IT個人事業主(フリーランスエンジニア)と会社員のエンジニアの違い

IT個人事業主(フリーランスエンジニア)と会社員のエンジニアの違い

最初に、IT個人事業主と企業に雇用されているエンジニアの相違点を確認しましょう。

  • IT個人事業主は自分で仕事を見つける必要がある
  • 企業に雇用されているエンジニアは、会社から仕事を与えられる
IT個人事業主 企業に雇用されているエンジニア
自分で仕事を見つける必要がある 会社から仕事を与えられる
収入は不安定 安定した給与がある
自由度が高い 会社の方針に従う必要がある

報酬の違い

企業に雇用されているエンジニアの年収は、会社が定めた雇用条件に基づいて決まります。手当てなどで収入が増える場合もありますが、基本的には上限が設けられています。

一方、IT個人事業主として働けば、実質的に年収に上限はなく、受注した案件次第では会社員エンジニアを上回る収入を得ることができます。

さらに、個人事業主向けの税制優遇措置を活用すれば、手取り額でも会社員を上回る可能性があります。

ただし、

  • 営業力やコミュニケーション能力が不足していると案件を確保できず、収入が伸び悩むリスクがあること

に留意が必要です。

安定性の違い

IT個人事業主と会社員のエンジニアでは、収入の安定性に違いがあります。

IT個人事業主は、

  • 継続的に新規案件や顧客を獲得できなければ収入を得ることができません。

一方、会社員エンジニアは業務に従事していれば一定の収入を得られます。
しかし、

  • 会社の業績不振や不況でリストラされる可能性もあります。

一方でIT個人事業主は複数の取引先を持つことで、収入源を分散できます。

つまり、リスクと安定性のバランスが異なるのです。

働き方の違い

IT個人事業主は、会社員のエンジニアと比較すると、ある程度自身の働き方を自由に決定することができます。
ただし、自由とは好き勝手に無責任に働けるということではありません。
むしろ、IT個人事業主は自由に働くために、

  • エンジニアリング以外の業務にリソースを割かなければならず
  • 自己管理ができなければ長期的に働き続けることは困難です。

しかし、

  • 「仕事を自ら選択できる」こと
  • 「望めば好きなだけ収入を得られる」こと

は、IT個人事業主のメリットであり間違いありません。

収入アップを望む方 多くの技術を吸収したい方 様々な業界の人々と出会いキャリアアップやさらなる可能性を広げたい前向きな方
IT個人事業主は適しているといえます。

社会保険の違い

社会保険料の負担は、会社員エンジニアと個人事業主では異なります。
会社員エンジニアは一部のみ自己負担ですが、個人事業主は全額を自身で支払う必要があります。
収入が増えれば、支払額も増加することを認識しておく必要があります。
国民年金の支払いに加え、病気や怪我による就労不能時の備えとして、

  • 民間保険
  • 積立

も検討すべきです。

IT個人事業主として活動を始めたばかりの場合、案件の受注が困難であったり、季節的な影響を受けやすい案件しか獲得できない可能性があり、収入が不安定になりがちです。
案件を順調に受注し、報酬を得られている時期に備えを怠ると、収入が途絶えた際に生活に支障をきたす恐れがあります。
最低でも1〜3ヶ月分、できれば半年分の生活費を貯蓄しておくことが賢明です。

また、単一の案件に依存しすぎず、複数の案件や取引先を確保することが重要です。
これにより、収入源の分散化が図れ、リスクを軽減できます。

社会的信用の違い

ITフリーランスと会社員エンジニアの最大の違いは、社会的な信頼性の有無です。企業に所属する会社員には組織による裏付けがありますが、フリーランスとなったばかりの段階では社会的な信用はゼロに等しいと言えます。
例えば住宅ローンや賃貸契約の際に、この信用のなさを実感するかもしれません。
そのため、フリーランスは自身の実績や収入を積み重ね、納税義務も含めて信頼を構築することが重要になります。
また、実際に営業して案件を獲得する際も、経歴や実績がない状態では受注が難しい場合があります。
取引先や顧客、ユーザーから信頼されるよう、工夫と努力が求められます。会社員時代の実績を示すポートフォリオを用意したり、自身のアピールポイントを明確化して伝えられるよう事前に準備しましょう。

リスト表記
  • 実績や収入を積み上げる
  • 納税義務を果たす
  • ポートフォリオを用意する
  • アピールポイントを明確化する

IT個人事業主(フリーランスエンジニア)になるための準備・手続き

IT個人事業主(フリーランスエンジニア)になるための準備・手続き

個人でITビジネスを始めるための事前準備と必要な手続きを説明します。

  • 事業計画の立案
  • 開業資金の確保
  • 税務申告の準備
  • 必要な許可や届出

1. 事業の目的や内容、収支計画などを明確にした事業計画を作成します。
2. 開業に必要な資金を用意します。初期投資費用や運転資金を見積もります。
3. 確定申告や住民税の手続きなど、税務関連の準備をします。
4. 事業の種類によっては、許可や届出が必要な場合があります。

事前の準備が整えば、最終的に開業届の提出を行い、個人事業の開始となります。計画的な準備を行うことで、スムーズな開業が可能になります。

健康保険・年金の切り替え

IT個人事業主への転身を決めた後は、健康保険と年金の切り替え手続きを優先的に行う必要があります。
多くの場合、居住地の区役所や市役所に相談すれば対応できますが、自ら情報を収集することが重要です。

  • 税金や保険料の支払い方法は教えてくれるものの、給付金や補助金の受給方法については説明してくれないことがあります。

退職のタイミングによっては、失業手当や家賃補助を受けられる場合もあるため、手続きを怠らず、IT個人事業主への準備資金を確保することをお勧めします。

開業届の提出

ITフリーランスとして活動するには、開業手続きが必須となります。
開業届を提出することで、以下のメリットがあります。

  • 青色申告制度の適用
  • 屋号入り銀行口座の開設が可能
  • 小規模企業共済への加入資格を得られる

節税メリットが大きいため、開業届の提出は必ずおすすめです。
ただし、失業給付や家賃助成を受給中の場合は注意が必要です。開業届提出後はこれらの支援を受けられなくなるため、フリーランス移行のタイミングを慎重に検討する必要があります。

開業届提出のタイミングを検討する際の目安
会社を退職後すぐに案件を獲得できる体制が整っている人
支援制度の対象外の人

上記以外の場合は、失業給付などを活用しつつ開業準備を進めるのが賢明でしょう。
状況に応じて、開業届提出のタイミングを計画的に検討しましょう。

確定申告

開業届を提出した場合、確定申告の書類が税務署から送付されますが、タイミングによっては自分で書類を取りに行く必要があります。

確定申告には以下の2種類があります。

  • 青色申告
  • 白色申告

青色申告の方が控除額が大きく、節税効果が高いため、できれば青色申告を選択することが賢明です。

税金や保険料、年金に関する知識を事前に習得しておくことが重要です。無知が損失につながる可能性があり、IT個人事業主のメリットである節税の恩恵を受けられなくなる恐れがあります。

IT個人事業主になるための手続きや必要書類、提出先などを整理し、自身専用のチェックリストを作成することをお勧めします。

名刺

事業を軌道に乗せた後は、個人事業主としての名刺を作成することが重要です。これは今後の営業活動に欠かせないものとなるからです。

オンラインでの案件獲得は容易ですが、対面での営業も有効な手段となり得ます。名刺は自身を表す重要な媒体です。

  • 単なる連絡先の記載にとどまらず、ウェブサイトのURLやSNSアカウントなど、自身の実績を示す情報を盛り込むことをおすすめします。

名刺を手渡す機会を得たのであれば、自己アピールの絶好の機会と捉え、自身の強みを存分に伝えることが肝心です。

まとめ

まとめ

この記事では、IT個人事業主とエンジニアの会社員との違いや、個人事業主になるための準備と手続きについて説明しました。
実際に個人事業主として案件を獲得するには、技術面以外の部分にも目を向ける必要があります。
ただし、一定の自由な働き方ができ、収入に上限がなく、状況次第では好きなタイミングで休暇を取れるというメリットもあります。
一方で、会社員としての長所と短所、個人事業主になることのプラスとマイナスを十分に検討し、冷静かつ計画的に進めることが重要です。
この記事がフリーランスのエンジニアを目指す方の一助となれば幸いです。

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