Illustratorクリエーター能力認定試験詳細と勉強方法解説

DTPの分野で広く活用されている「Illustrator」は、時代の潮流に乗った実用的なソフトウェアです。
このソフトの実践的な運用能力を証明するため、Illustratorクリエイター能力認定試験を受験しようと考える人が多数います。
この民間資格は、DTP業界で通用する難易度の試験であり、就職や転職、フリーランスとしての仕事獲得において有利に働きます。
本記事では、Illustratorクリエイター能力認定試験の学習中または今後学習予定の方、さらにデザイン業界で働く方や目指す方向けに、

  • この資格の詳細
  • 取得のメリット・デメリット
  • 学習方法

について解説します。
Illustratorクリエイター能力認定試験に関する情報を網羅しておりますので、ぜひご一読ください。

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Illustratorクリエーター能力認定試験とは

Illustratorクリエーター能力認定試験とは

ソフトウェア活用能力認定委員会が主催するIllustratorクリエイター能力認定試験は、ドキュメントデザインの知識とIllustrator操作スキルを評価する試験です。
この試験は、提示されたテーマや素材に基づき、指定の仕様に沿ってコンテンツを制作する力を認定します。

試験には以下の2つのレベルがあります。

  • スタンダード
  • エキスパート

前者の方が難易度が低めになっています。

受験資格に制限はなく、全国の試験会場で随時受験可能なため、自分のペースで学習を進められます。

より詳細な情報は以下の通りです。

Illustratorクリエーター能力認定試験

Illustratorクリエーター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験の各項目に関する詳細な説明

Illustratorクリエーター能力認定試験の詳細

スタンダード エキスパート
試験会場 全国の試験会場をご確認ください 全国の試験会場をご確認ください
試験日時 随時受験可能 随時受験可能
試験時間 第1部:40分、第2部:90分 第1部:50分、第2部:90分
合格基準 実技問題の得点率65%以上、かつ実践問題の得点率70%以上 知識問題・実技問題の得点率65%以上、かつ実践問題の得点率70%以上
受験料 7,600円 8,600円
受験資格 学歴、年齢等の制限なし 学歴、年齢等の制限なし

ここに、Illustratorクリエーター能力認定試験の詳細情報を一覧形式で示します。

Illustratorクリエーター能力認定試験の出題形式と出題範囲

次に、実際のIllustratorクリエーター能力認定試験の問題形式と出題範囲について説明します。
まず、全体像を表で確認しましょう。

【スタンダード】

  • 1部: Adobe Illustratorの操作によるDTPファイル・Webデザインの作成
    • 形式: 問題文の指示に従い編集、解答データを提出
    • 題数: テーマ別7~9問程度
  • 2部: Adobe Illustratorの操作による作品制作
    • 形式: 問題文の指示に従い編集、解答データを提出
    • 題数: 1テーマ

【エキスパート】

  • 1部:
    • 知識内容: Adobe IllustratorおよびWebデザインに関する知識
    • 形式: 多岐選択解答方式
    • 題数: テーマ別4~6問程度
    • 実技内容: Adobe Illustratorの操作によるDTPファイル、Webデザインパーツの作成
    • 形式: 問題文の指示に従い編集、解答データを提出
    • 題数: テーマ別4~6問程度
  • 2部:
    • 実践内容: Adobe Illustratorの操作による作品制作
    • 形式: 問題文の指示に従い編集、回答データを提出
    • 題数: 1テーマ

上記から分かるように、スタンダードでは基礎知識が、エキスパートでは知識と技術の両方が問われます。
出題範囲の詳細としては、Adobe Illustratorの基本機能から始まり、オブジェクト操作、カラー設定などの基本事項、パス描画・編集、レイヤー、テキスト・グラフ、データ入出力などが含まれます。
出題範囲の詳細はこちらをご覧ください。

Illustratorクリエーター能力認定試験の受験者数・合格率・難易度

以下の内容について説明します。Illustratorクリエーター能力認定試験の受験者数、合格率、難易度に関する詳細情報です。

公式データによれば、

  • 累計受験者数は89,977名(2021年3月31日現在)
  • 2020年度の平均合格率は72.8%となっています

合格率が高いことから、初心者でも十分に合格できる可能性があります。

類似のPhotoshopクリエイター能力認定試験の2020年度平均合格率が73.9%であることを踏まえると、両試験の難易度はほぼ同等と考えられます。

合格者には認定証が、エキスパート試験合格者にはエキスパートシールも付与されます。

ウェブサイトでは、

  • 出題分野別の正答状況
  • 認定基準
  • 合格基準

などの情報が公開されており、受験後の振り返りや自身のスキル確認に役立ちます。

Illustratorクリエーター能力認定試験の申込手順

ここでは、Illustratorクリエーター能力認定試験の受験手続きについて説明します。
まず、公式ウェブサイトで試験会場を探索し、次に会場に連絡を取って日時などの詳細を確認します。会場ごとに予約方法が異なるので注意が必要です。
その後、申し込みを行い受験料を支払えば、試験を受けられます。
合否結果は後日通知されます。定められた手順を守らないと、申し込みが受理されない可能性があるため気をつけましょう。
なお、再受験は前回の結果判明後に可能となります。

  • 公式サイトで会場検索
  • 会場への連絡(電話、メール、ネット予約)・日時等確認
  • 申し込み・受験料支払い
  • 試験受験
  • 結果受領

Illustratorクリエーター能力認定試験の勉強時間

ここでは、Illustratorクリエーター能力認定試験の学習時間について説明します。

まず、スタンダードレベルの試験は基礎的な問題が中心で難易度は高くありません。そのため、初心者でも

  • 1日1〜2時間程度
  • 合計20時間前後の学習で合格できるでしょう。

初級資格取得を目指す方にもおすすめの学習量です。

一方、エキスパートレベルはスタンダードよりも高度な内容となりますが、合格率は高く維持されています。スタンダードに合格済みの方であれば、基礎知識も備わっているため、

  • 1日2時間程度の学習で合格可能です。

スタンダードとエキスパートを合わせた累計学習時間は、およそ60時間前後と見積もられます。

Illustratorクリエーター能力認定試験の資格取得のメリット

Illustratorクリエーター能力認定試験の資格取得のメリット

この資格を取得することで、以下のようなメリットを享受できます。

  • Illustratorの高度な技術力を客観的に証明できる点が最大の利点です。プロフェッショナルとしての実力を示すことができます。
  • 就職や転職の際に、有利に働くでしょう。採用側も実践的なスキルを重視する傾向にあります。
  • クリエイティブ分野で活躍する上で、確かな付加価値を付与できます。
  • 自己研鑽の動機付けとなり、さらなるスキルアップを後押しします。
  • Illustrator関連の仕事を請け負う際の、信頼性が高まります。

つまり、この資格取得は、あなたのキャリアに大きな影響を与える可能性があるのです。

Illustratorスキルや知識が身に付く

Illustratorの習得には多くの利点があります。
デザイン分野への転職や独立した活動において、Illustratorのスキルは大きな強みとなるでしょう。

  • 企業は中途採用時にIllustratorの経験を重視する傾向にあり、事前の取得が賢明です。
  • フリーランスの場合、在宅で行える仕事が多数あり、案件の種類や内容は多岐にわたります。
  • 収入は知識、技術、経験、センスなどによって大きく変わります。
  • 初心者にはクラウドソーシングサービスがおすすめです。

未経験者でも参加できる案件が豊富に用意されており、チャレンジしやすい環境が整っています。

ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる

ITやWebの分野で転職や就職を検討している人にとって、Illustratorクリエーター能力認定試験の資格取得は、自身の技能や熱意を公的に示す貴重な機会のひとつと言えます。
企業に応募する際は、資格証明書に加えて過去の作品集を添付することをおすすめします。
それにより、

  • 企業側に自分のデザイン性向を伝えることができ
  • 入社後のミスマッチを未然に防ぐことができます

さらに、Illustratorクリエーター能力認定試験の資格は、

出版 印刷 広告

などの分野でデザイナーを目指す際にも有利に働くため、幅広い業界で自身の実力をアピールできる資格であると言えるでしょう。

資格手当や報奨金を貰える可能性がある

Illustratorクリエーター能力認定試験の資格を手にすると、勤務先企業から様々な待遇を受けられる可能性があります。
最近では、資格取得に対する一時金や手当を支給する企業が増えており、資格取得が収入アップや評価向上につながることは大きなメリットと言えます。
具体的な金額や内容は企業によって異なりますが、

  • 一時金として一括支給されるケース
  • 基本給に上乗せされる手当が支給されるケース

がよく見られます。
中には、

  • 昇給や昇格の条件として資格取得を課す企業

もあるほどです。
Illustratorクリエーター能力認定試験は、単に知識を身につけるだけでなく、給与面でも恩恵を受けられる可能性のある試験だと言えるでしょう。

Illustratorクリエーター能力認定試験の資格取得のデメリット

Illustratorクリエーター能力認定試験の資格取得のデメリット

次に、Illustratorクリエーター能力認定試験の資格を取得する際の欠点について説明しましょう。

  • Illustratorクリエーター能力認定試験は、Illustratorの操作スキルを問う試験であり、デザインスキルを問う試験ではありません。
  • 試験の合格基準は、Illustratorの操作方法を一定水準以上理解していることのみを示しています。
  • 試験の合格者であっても、実際のデザイン業務で求められるデザインスキルを持っているかどうかは不明です。
試験の欠点 説明
デザインスキルを問わない Illustratorの操作スキルのみを問う試験であり、デザインスキルは評価されない。
合格基準が低い Illustratorの操作方法を一定水準以上理解していることのみが合格基準である。
実務能力が不明 合格者であっても、実際のデザイン業務で求められるスキルを持っているかどうかは不明である。

勉強時間を確保する必要がある

資格取得には一定の学習時間を確保することが不可欠です。
Illustratorクリエーター能力認定試験は比較的簡単ですが、長期的な1日1〜2時間の学習が求められます。
エキスパート試験まで合格を目指すなら、総勉強時間は約60時間必要となります。
そのため、Illustratorのスキルが本当に必要かどうかを事前に確認することをおすすめします。

  • より優先度の高い資格や業務がないか
  • しっかりと吟味した上で勉強を開始するのが賢明でしょう。

資格が役立たない場合もあり得る

仕事を得るためのIllustratorの資格試験は有益ですが、デザイン業界では実力が何よりも重視されます。
優れた作品を生み出し、自身の力量を示すことが肝心です。
資格取得に留まらず、

  • 写真や実際のデザインから刺激を受けたり
  • 鉛筆スケッチや油彩画など独自の表現方法を身につけること

をお勧めします。
他者と差別化できる技術を磨くことが、評価されるデザイナーへの近道となるでしょう。

Illustratorクリエーター能力認定試験合格のための勉強方法

Illustratorクリエーター能力認定試験合格のための勉強方法

確かに、Illustratorクリエイター能力認定試験は非常に高度な試験ではありませんが、それでも万全の準備をしておくことが賢明です。試験に向けて、効果的な学習アプローチを紹介しましょう。

  • 多数の参考書を購入する必要はありませんが、基本的な理解を深めるためのリソースは役立つでしょう。
  • 実践的な演習を重ねることで、スキルの定着を図ることができます。
  • また、過去の問題集を活用して弱点の特定と補強に努めるのも有益です。

さらに、

  • オンラインコミュニティに参加し、他の受験生との情報交換を行うことで、新たな視点を得ることができます。
  • 模擬試験にも挑戦し、本番さながらの環境で実力を試すことをお勧めします。

問題集や公式テキスト、サンプル問題をやろう

公式から販売されている参考書やテキストを活用するのがお勧めです。
公式のテキストさえあれば、試験範囲全体をカバーできるはずです。
関心のある方は、以下の公式テキストを確認してみてください。

参考書 IllustratorクイックマスターCC Windows&Mac
問題集 Illustratorクリエイター能力認定試験問題集
  • 問題集には実際の試験と同様の模擬問題データが付属しているため、リアルな形で練習できます。
  • 過去問が公開されていないため、これらの教材を活用して十分な学習を行いましょう。

Adobe Illustratorを使い練習しよう

実践を重ねることで能力向上を図ることが肝心です。
Adobe Illustratorを活用し、実際に手を動かすことで実践的な学習が可能となり、業務に直結するスキルを身につけられるでしょう。
転職の際には、自身の制作物をポートフォリオとして複数用意しておくことが重要です。

  • テキストや問題集だけでなく、Adobe Illustratorを活用した実践的な取り組みを怠らないよう心がけましょう。

Photoshopクリエイター能力認定試験にも挑戦してみよう

Photoshopクリエイター能力認定試験にも挑戦してみよう

Illustratorと並んで、デザイン制作の現場で欠かせないツールとして、Photoshopが挙げられます。
Webデザイナーとして第一線で活躍するためには、Illustratorだけでなく、Photoshopなどのデザインソフトを使いこなす技術が求められます。
Photoshopは画像編集で最も頻繁に使われるツールで、複雑な画像処理や軽度の補正、加工に活用されます。
両方のツールを駆使できれば、

  • Webデザインにイラストを取り入れる際にはIllustratorと、
  • デザインカンプに落とし込む際にはPhotoshopと、場面に応じて高度なデザインが可能になります。

ですので、ぜひPhotoshopクリエイター能力認定試験にも挑戦してみてください。

まとめ

まとめ

この記事では、Illustratorクリエーター能力認定試験に関する詳細情報や、資格取得のメリット・デメリット、学習方法などについて説明しました。
この記事を参考に、Illustratorクリエーター能力認定試験の合格を目指して勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事が皆様の助けになれば幸いです。