フィールドエンジニアの転職実情や年収、転職実現のコツを解説!

ITの世界では、コンピューターの前で黙々と作業する機会が多いものの、人とのコミュニケーションも重要視されています。
そうした中で、営業職に近い人間関係を求める方におすすめなのがフィールドエンジニアの仕事です。

  • 政府がデジタル化を推進する中、企業のITシステム導入が進み、フィールドエンジニアの需要はさらに高まると予想されます。
  • しかし、この職種は認知度が低く、具体的な業務内容やキャリアパスをイメージしづらい面があります。

そこで本記事では、フィールドエンジニアの仕事の実態、将来性、未経験者が転職するための必要スキルについて解説します。

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フィールドエンジニアとは

フィールドエンジニアとは

フィールドエンジニアは、企業のITインフラやハードウェアに関する問題を解決するため、顧客先に赴き対応する専門家です。
多くの企業がIT専門家を抱えていないため、トラブル発生時に適切な対処ができない場合があります。
そのような状況で、フィールドエンジニアが現場に駆けつけ、顧客からの不具合に関する情報収集を行い、問題解決に当たります。
医療機器などの24時間稼働が求められる機器も少なくなく、フィールドエンジニアには常に緊急時の対応が求められるため、体力的にも厳しい職種と言えます。

サービスエンジニアとフィールドエンジニアの違い

フィールドエンジニアと混同されがちな職種として、サービスエンジニアが存在します。この2つの業務内容は基本的に同様です。
しかし、フィールドエンジニアは現場での緊急トラブル対応が中心一方、サービスエンジニアはトラブル対応に加えて顧客への営業活動も一定程度行うことがあります。
ただし、フィールドエンジニアでも営業を担当する場合もあれば、サービスエンジニアが現場作業のみを行うケースもあり、企業によって認識が異なります。そのため、転職活動時には必ず確認が必要です。

また、ハードウェアのトラブルシューティングを行う職種として、

  • フィールドエンジニア
  • サービスエンジニア
  • サポートエンジニア
  • カスタマーエンジニア

がありますが、基本的な業務内容は変わりません。
企業によって呼称が異なるため、就職活動時には4つの名称すべてで検索をすることをおすすめします。

フィールドエンジニアの仕事内容

フィールドエンジニアの仕事内容

フィールドエンジニアの職務は、主に以下の3点に集約されます。

  • ハードウェアやインフラ関連機器の設置
  • 運用・保守・点検
  • トラブル対応

まず設置作業では、システムエンジニアが作成した設計書に基づき、必要なソフトウェアのインストールや設定を実施します。
ただし、フィールドエンジニアが設計などの上流工程を担当することは基本的にはありません。
次に運用・保守・点検業務では、定期的にクライアント先を訪問し、機器の故障や安定稼働の確認を行います。
この際、交換が必要な部品があれば、交換作業や提案を実施します。
そして、フィールドエンジニアの主要な職務がトラブル対応です。
クライアントからトラブル発生の連絡を受けると、クライアント先に赴き、ヒアリングを経て原因を特定し、トラブルの解決を図ります。

フィールドエンジニアの年収

フィールドエンジニアの年収

経済産業省が2017年に実施した調査によると、フィールドエンジニアに該当する職種は「IT運用・管理」と「IT保守」の2つで、それぞれの平均年収は以下の通りでした。

職種 平均年収
IT運用・管理 608.6万円
IT保守 592.2万円

ITエンジニア全体の年収が542万円であることから、フィールドエンジニアの収入は平均を上回っていることがわかります。
しかし、この高収入の理由は、

  • トラブル対応のための深夜勤務や徹夜が多く
  • 拘束時間が長いこと

にあります。
そのため、フィールドエンジニアを志す際は、長時間労働による高収入であることを認識する必要があるでしょう。

フィールドエンジニア需要

フィールドエンジニア需要

フィールドエンジニアの職業を選択する際には、その仕事の現在の必要性と将来の展望を理解することが重要です。
そこで、フィールドエンジニアという職種が現時点でどの程度求められており、今後どのような見通しがあるのか、探っていきましょう。

  • 現在の需要状況
  • 将来の見通し
  • 成長が期待できる分野
  • 求められるスキルセット

フィールドエンジニアの現状

フィールドエンジニアの仕事は、現在の雇用市場において高い需要があります。
求人情報サイトの統計によれば、2022年6月時点でフィールドエンジニアの空席は32,400件に上りました。
大都市圏のみならず、地方でも多くの求人があり、勤務地を選ぶ際の制約は少ないと考えられます。
その内訳として、

  • 10,914件が未経験者でも応募可能な求人でした。

前年比で2倍以上の増加となっており、現時点でもフィールドエンジニアの人材不足が深刻であることがうかがえます。
そのため、未経験からでもフィールドエンジニアを目指しやすい職種であると言えるでしょう。

フィールドエンジニアの将来性

フィールドエンジニアの人材ニーズは今後も高まると見込まれています。
求人サイトの掲載件数を見ると、2021年5月時点で約12,000件だったフィールドエンジニア求人が、2022年6月には32,400件を超え、わずか1年で20,000件以上も増加しています。
IT化の波が企業に広がり、IT機器の導入が進むことで、フィールドエンジニアの役割はますます重要になってくるでしょう。
AIの発達により一部業務が自動化される可能性はありますが、機器の修理やパーツ交換など、人の手を介在させなければならない作業も多数存在します。
現代社会ではあらゆる産業でIT化が進行中であり、IT機器の保守管理を担うフィールドエンジニアの存在価値は高まる一方です。
そのため、フィールドエンジニアの需要は今後も増加基調が続くか、最低限の水準は維持されると考えられます。

未経験からフィールドエンジニアへの転職を実現させるには

未経験からフィールドエンジニアへの転職を実現させるには

フィールドエンジニアは初心者でも問題ない求人が多数あり、ITに関係のない職種からでも比較的チャレンジしやすい仕事です。
ただし、全くの未経験者の場合、希望する企業への転職は困難になる可能性があります。

そこで、未経験からでも待遇の良い企業に転職するために必要な能力について確認していきましょう。

  • 基本的なITリテラシー
  • 論理的思考力
  • コミュニケーション能力
  • ストレス耐性

幅広いITスキル

フィールドエンジニアは、ITインフラやハードウェアを中心に幅広い専門知識が求められます。そのため、インフラエンジニアの経験があると有利でしょう。
フィールドエンジニアは単独で業務に当たることが多く、トラブル発生時に社内で支援を受けられない場合もあります。特に小規模企業ではその傾向が強いため、自力で問題解決できる能力が不可欠です。
したがって、多岐にわたる分野のITスキルが必要となります。
また、フィールドエンジニアの役割は単にトラブルシューティングにとどまらず、その原因や対処内容を顧客に分かりやすく説明することも求められます。顧客がIT知識に乏しい場合もあり、その際は専門用語を平易な言葉に置き換えて丁寧に説明する必要があります。単に用語を理解しているだけでは不十分で、誤解を招く恐れがあるためです。
つまり、フィールドエンジニアには広範囲に加え、深い専門知識が求められるのです。
フィールドエンジニアが対応するのはハードウェアやインフラに関する問題が中心ですが、ソフトウェアのトラブルにも対処する場合があります。業務範囲は所属企業によって異なるため、転職時には入念に確認しましょう。

問題解決能力

フィールドエンジニアの職務は、問題の根源を特定し、それを解消することです。従って、課題解決能力が求められるのは当然です。

トラブルの原因は、以下のようなものが考えられます。

  • 顧客側の製品の取り扱い方
  • 製品の仕様

そこで、「どのような操作を行った際に問題が発生したか」「問題が発生した時期」などについて、顧客に対してヒアリングを実施します。

そして、自身の知識と経験に基づき、適切な解決策を検討し、実行に移します。フィールドエンジニアには、自力で考え、解決策を導き出す能力が必要不可欠です。

この能力は経験を重ねることで身に付けていくものですから、様々な問題に立ち向かう中で、着実に磨いていきましょう。

コミュニケーションスキル

フィールドエンジニアは現場に赴き、様々な人々と対話を重ねる必要があります。
緊急事態の際には、顧客が落ち着きを失っていたり、機嫌が損なわれていたりする場合もしばしばあります。
そのような状況下でも、フィールドエンジニアは丁寧に聞き取り調査を行い、問題の原因を特定しなければなりません。
特に技術的な知識に乏しい人からの聞き取りは、本人が問題の発端となった操作を理解していない場合が多く、難航しがちです。
そのような中で、顧客の言わんとすることを汲み取り、適切な解決策を導き出すことが求められます。

転職サイトや転職エージェントを活用する

フィールドエンジニアの求人は豊富で、未経験者でも応募できるものが多数ありますが、適切な求人を見つけるには転職サイトや転職エージェントを活用することが不可欠です。

IT分野に特化した転職サイトも増えています。
総合的な転職サイトも有用ですが、特にベンチャー企業でフィールドエンジニアとして働きたい場合は、IT特化型のサービスを積極的に利用するのが賢明でしょう。

また、転職に不安を感じている方や、IT業界とは無縁の職種から転職を検討している方は、転職エージェントを活用することをお勧めします。

  • 転職エージェントにはキャリアコンサルタントが在籍しており、自分の年収水準や、フィールドエンジニアという職種が自分に適しているかどうかなど、様々な相談に乗ってもらえるため、安心して転職活動に取り組めます。

転職エージェントも転職サイトと同様に、IT分野に特化したサービスが存在するので、こちらを利用するのが賢明です。

フィールドエンジニアのキャリアパス

フィールドエンジニアのキャリアパス

フィールド作業員は通常、点検などの簡単な業務から始めることが一般的です。
そこから経験を重ね、構築やトラブル対応など、担当範囲を広げていきます。
ある程度の経験を積んだフィールド作業員の中には、社内でIT機器の運用保守を行う職種へキャリアチェンジする人もいます。
その場合、収入は減少しますが、

  • 週5日・1日8時間勤務など、安定した生活リズムを手に入れることができます。

また、フィールド作業員は顧客とのコミュニケーション能力が求められるため、技術経験を活かしてIT営業職へキャリアチェンジする人も少なくありません。
IT営業職には技術知識が不足しているため、説得力のある営業ができない人も見受けられます。
フィールド作業員としての経歴があれば、専門性の高い商談が可能となり、有利に働けるでしょう。
その他にも、対人スキルや技術力を生かし、プリセールスへキャリアチェンジする人も多数います。
このように、フィールド作業員のキャリアパスは多岐にわたります。
身に付けたスキルによって、様々な分野へ挑戦できる職種です。
早期から将来を見据え、必要な学習に取り組むことが重要でしょう。

まとめ

まとめ

フィールドエンジニアは、顧客先に赴き、トラブルシューティングや機器の導入・点検を行います。
幅広く深遠なIT知識が求められるため、自身の専門知識を活用してトラブルを解決する必要があります。
一部の職場では夜間や休日対応も必要となり、知識だけでなく体力も要求される職種と言えるでしょう。
IT業界の中でも比較的高収入で需要も高い一方で、未経験者でも就職しやすい職種です。
ただし、一定の条件をクリアする必要があり、未経験者であれば

  • インフラ系の基礎知識は必須

となります。
そのため、インフラエンジニアを経て、フィールドエンジニアへキャリアチェンジすることをおすすめします。
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本記事が皆様のお役に立てば幸いです。