転職における面接の準備やポイントを解説！

職場を移る際、ほとんどの場合、面接が行われます。
転職活動において、この局面は極めて重要であり、失敗すれば取り返しがつきません。
そのため、転職面接に先立ち、綿密な準備と失敗を回避するためのポイントを確認することが賢明です。
本記事では、以下の点について解説します。

• 面接準備が必要な理由
• 準備期間
• チェックすべき項目
• 面接の流れ

押さえるべきポイントやマナーも紹介しますので、転職活動の一助としてご活用ください。

転職において面接準備が必要な理由を知っていますか？(2024年6月)

就職活動において面接の準備は欠かせません。準備を怠れば、不合格になる確率が高くなるからです。
単に会話ができれば良いというものではありません。その理由を以下に説明します。

• 面接では、自分の人となりや能力を適切に伝える必要があります
• 面接官の質問に的確に答えられるよう、事前に準備しておく必要があります
• 面接では、企業の求める人材像を理解し、自分がそれに合致することを示す必要があります

したがって、面接の準備は就職活動において非常に重要です。

面接には度胸とテクニックが必要になるから

転職活動において面接の準備は欠かせません。人前で話したり、場を盛り上げるスキルとは異なり、面接では緊張感と制限時間の中で、会社の幹部や現場スタッフ、人事担当者との意思疎通が求められます。
準備不足だと話が滞ったり、失言をしてしまい、面接官の評価を損ねかねません。
面接では、話し方や要点のまとめ方が重要視され、面接官の心に残る説明力が問われます。
自身の魅力を十分にアピールするには、相応の技術が必要不可欠です。

企業(会社)にとっても重要な試験である

企業が新たな人材を迎え入れる際、面接試験は欠かせない重要なプロセスとなります。書類審査では把握しきれない部分を確認するためです。優秀な経歴やスキルを有する人材であっても、面接を通して企業文化や方針との相性が合わないと判断されれば、採用には至りません。

面接では以下の点が重視されます。

• 企業の方針や求める人材像との整合性の最終確認
• 履歴書や職務経歴書の内容との齟齬がないか
• コミュニケーション能力

大手転職サイトの調査でも、「書類からは分からない点を面接で見極める」という傾向が明らかになっています。

＜面接で重視するポイント＞
第一印象 応答の仕方 誠実さ 素直さ

企業にとって新入社員は長期に渡って共に歩むパートナーです。求人公開から書類選考、面接会場の手配、応募者対応など、多大な労力をかけて採用活動を行っています。軽い気持ちが伝わると、確実に不採用となるでしょう。

転職面接の準備期間はどれくらい必要？

転職活動に費やされる期間は平均的に3か月程度、長期化すれば6か月近くにも及ぶと言われています。
その中で面接の準備に割く時間は、企業の調査や情報収集、面接練習などを考慮すると、最低でも2週間から1か月(1日1時間ほど)が必要となります。
面接当日が近づけば、半日から1日をかけて、その日の準備事項、話し方、質問への対応などを入念にチェックすることが重要です。
特に外資系や海外企業への転職面接では、英語力やWebツールの操作スキルの確認も求められます。
実際に転職エージェント「WORKPORT(ワークポート)」が行った「採用担当者の本音調査」によれば、面接の準備不足な求職者が多いとの指摘がありました。
具体的には以下の結果が示されていました。

＜準備不足と感じる点＞
1位：企業理解が不十分 40％
同2位：質問がない・質問内容が浅い 10％
同2位：忘れ物がある 10％
同2位：経歴を明確に話せない 10％
5位：遅刻(時間管理不足) 7%

準備期間中は、企業調査や面接で必要となる確認事項を怠らないよう気を付けましょう。

転職の面接当日までに準備・確認すべき3つのポイント

転職の面接に臨む際、事前に万全の態勢を整えることが肝心です。
そこで、面接当日までに確認しておきたい3つの重要事項を提示します。

• 1.	面接会場への行き方と所要時間の把握

• 2.	面接官の名前や役職、面接形式の確認

• 3.	自己PRと志望動機の再確認

面接に向けて、これらのポイントを押さえておけば、落ち着いて対応できるはずです。

面接の確認

面接の準備は適切に行うことが重要です。時間と場所の確認は欠かせません。具体的には、

• 面接開始時刻
• 会場の所在地
• 自宅から会場までの所要時間
• 利用する交通手段の時刻とルート
• 交通機関の遅延時の代替ルート

などを事前に確認しましょう。会場への到着は10~20分前が適切で、受付は5~10分前に済ませるのが望ましいでしょう。遅刻は避けるべきですが、極端に早く到着しすぎると準備の都合上支障がでる可能性があります。

近年では、オンライン面接を導入する企業も増えています。自宅で受ける機会も多いオンライン面接では、以下の点に注意が必要です。

• ネット環境の整備
• Web会議ツールの動作確認
• 騒音や背景の映り込み対策
• カメラ映りのチェック
• 家族の進入防止
• スーツ着用

オンライン面接では対面と比べて表情や感情の伝わりにくさがあります。大きな声で、ゆっくりと話し、表情やトーンにも気を配り、「相手に伝わるコミュニケーション」を心がける必要があります。

面接の持ち物確認

面接の際に携行すべき物品は、事前に確認し、準備を整えておくことが賢明です。多くの場合、企業側から必要な情報が提供されるはずですが、万一そうでない状況に備え、以下の一覧を参考にしてください。

面接に臨む上で必須のアイテム概要

• A4サイズの書類を収納できるバッグやクリアファイル(新たな資料を受け取る際に便利)
• 筆記用具(面接中の記録や筆記試験に対応)
• 履歴書や職務経歴書の控え
• 求人案内や会社概要資料のコピー(質疑応答の際に活用)
• 腕時計(スマートフォンでの時間確認は控えめに)
• 身分証明書や印鑑(手続き上必要となる可能性がある)
• ハンカチやティッシュ(身だしなみの維持に役立つ)
• 応募先の連絡先(緊急時の対応に備える)

事前の準備を怠らず、当日は落ち着いて面接に臨めるよう心がけましょう。

面接対策の準備

面接の進行や質問内容を事前に想定し、準備を怠らないことが重要です。
特に転職の場合、想定問答を用意していないと、本番で思考が停止し適切な回答ができなくなる恐れがあります。
面接官からの質問に円滑に対応できるよう、以下の点の整理は最低限行っておく必要があります。

• 転職理由
• 志望動機
• 経歴
• 強み

転職における面接の流れ

就職活動における面接の典型的な進行手順は次のとおりです。

• 自己アピール/自己紹介
• 前職を離れた理由に関する質疑
• 志望動機に関する質問
• 過去の経験・実績・スキルに関する質問
• 受験者から面接官への質問

以下に各ステップの詳細と回答例を示します。

転職の質問：自己紹介/自己PR

面接の冒頭では、面接官が緊張を和らげるために、面接参加者に自己紹介やアピールを求めることが多くあります。
これは、初対面の人同士が出会う際の緊張を解きほぐす「アイスブレイク」の役割を果たすためです。
面接官の典型的な質問は、「3分程度で自己紹介やPRをしてください」というものです。
志望動機や詳細な経歴、具体的なエピソードについては、後の質疑応答で掘り下げられます。
自己紹介/自己PRでは、要点をまとめて簡潔に伝えることが肝心です。

転職理由についての質問

以前の職場を離れた理由や、現在の職場から移り行きたい動機について、面接の冒頭で質問されることが多くあります。この質問の背景には、応募者が同様の理由で面接企業を去ることがないかを確かめたいという意図があります。
否定的な理由や自己中心的な言い分では、面接官から次のような懸念を抱かれてしまう可能性があります。

• 前職への不満ばかりだと「当社でも不平を口にするのではないか」
• 残業が多かったからだと「残業を求められたら渋られるかもしれない」
• 将来独立したいからだと「当社は踏み台として利用されるのではないか」

など。
転職の理由を説明する際は、前向きな姿勢や新しい仕事へのやる気を示すことが重要です。感情的な訴えだけでなく、具体例や明確な意図を論理的に説明することも大切です。

質問例
・前職を退職した理由は何ですか?
・転職を希望する理由は何ですか?

回答例
ゲーム関連のシステムやアプリを手掛けるSIerで営業を担当していましたが、技術部門の方々と交流する中で、自らもゲームの開発や設計に携わりたいという強い思いが湧いてきました。しかし前職では異動が認められなかったため、本当にやりたいことに取り組むために御社への転職を希望しています。現在、プログラミングスクールに通い、ゲーム開発に必須のC++やUnityなどのスキルを身につけています。

転職の際に、なぜ転職したいのかを自己分析して明確な理由を答えられるよう準備しておくことが重要です。転職理由や退職理由を上手に伝えるコツを掴みたい方は、以下の記事をご覧ください。

志望動機についての質問

御社への応募理由は、御社のゲーム開発における信念や理念に共感を覚えたからです。御社が大切にしているゲームへの没入感を実現するための技術力に魅力を感じました。
特に、スムーズな読み込みシステムやキャラクターの細かい表情変化の再現など、ゲームの世界観に浸れるよう徹底的にこだわっている点に惹かれています。
私自身、プレイするたびに「自分も同じようなゲームを作りたい」と強く思うようになりました。

そのため、現在はプログラミングスクールに通い、以下のスキルを習得中です。

• C++
• Unity

また、個人でもゲーム制作に取り組んでいます。
御社の企業理念や目標を確認し、私の志望動機と将来のキャリアビジョンが合致していることを実感しています。
入社後は、御社のゲームクリエイターとして携わり、没入感あふれるゲームを世に送り出したいと考えています。

転職の理由から志望動機、そして将来像まで一貫した内容となっており、御社で働くことへの強い熱意が伝わるはずです。

転職の質問：活かせる経験・実績・スキルの質問

企業が求める人材は、単に高度な技術力を持つだけでなく、会社の採用ニーズに合致し、具体的な利益をもたらすことができる人物です。
履歴書や職務経歴書に記載された経験や実績は、その人物が会社にどのように貢献できるかを示す重要な手がかりとなります。

面接では、単に過去の経歴を列挙するのではなく、それらの経験からどのようなスキルを身につけ、新しい職場でどう活かせるかを論理的に説明することが求められます。
例えば、

• 管理職としての苦労から得たマネジメント能力を、開発プロジェクト全体を見渡す力として生かせる
• 営業経験から培った顧客への提案力や細かな違和感を察知する力は、デバッグ作業に役立つでしょう

このように、「なぜそのスキルを身につけたのか」「具体的にどう活用するのか」をエピソードや具体例を交えて説明することが、面接官を納得させるコツとなります。
企業は、単なる技術力ではなく、自社のニーズに合った利益をもたらせる人材を求めているのです。

面接者からの面接官への質問

面接の終盤で面接官から質問を受ける機会があります。この時、単に「質問はありません」と答えるのは避けるべきです。面接官は、この質問を通じて応募者の熱意や関心の度合いを確認しようとしている可能性があるためです。

また、

• 求人票に記載されている情報や、自信のなさを示すような質問をすると、面接官に不信感を与えかねません。

避けるべき質問例としては、

• 企業理念や主力商品・サービス
• 業種未経験者の採用可能性
• 賞与や福利厚生についての質問

などがあげられます。

逆に、入社後の成長機会や職場環境、社員のキャリアパス、競合他社との差別化ポイントなど、熱意や関心の高さが伝わる質問をすることが重要です。積極的な姿勢を示せば、面接官の期待値が高まり、良い印象を与えることができます。

転職時の面接で押さえるべきポイントやマナー

就職活動における面接では、重要な要素やルールを把握しておく必要があります。
まず、面接官との最初の出会いが極めて重要であることを認識しておきましょう。なぜなら、人間は外見や声から受ける印象が55%、聴覚情報が38%、言語情報はわずか7%しか影響しない(メラビアンの法則)ため、初めに得た情報が後の判断に大きく影響する(初頭効果)からです。
つまり、面接では第一印象が採用の可否を左右するほど重視されます。端的に言えば、採用担当者や現場スタッフに好印象を与えられなければ、採用は難しいと考えるべきでしょう。
それでは、具体的な対策を見ていきましょう。

ハキハキと話そう

面接では自信を持った口調が重要視されます。小さな声では自信のなさが伝わってしまうため、大きめの声で明確に話すことが好印象につながります。質問に答えられない場合でも、落ち着いた態度で「今後学習していきます」と伝えることで、真摯な姿勢が伝わります。ただし、事前準備が不足していると、声色や態度だけでは隠し切れません。
最低限の企業理解や転職理由などは答えられるよう準備しましょう。明るい表情と発声練習も効果的です。面接は互いを理解する場であり、過度な緊張は避けるべきです。

会話のキャッチボールを意識しよう

面接の場においては、面接者と面接官の間で活発なコミュニケーションを図ることが肝心です。面接者が一方的に自己アピールに終始してしまえば、傾聴力や対話力の欠如を指摘される恐れがあります。転職活動では自身の強みを示す機会ではなく、面接官との建設的な対話の場であることを肝に銘じる必要があります。

具体的には、

• 結論を先に述べるのを控え、質問に的確に答えること
• 面接官の発言にも耳を傾けること
• 面接官の関心を惹くような話題を提供すること

などが求められます。

双方が節度を持ちながら和やかな雰囲気の中で対話を重ねれば、面接終了後も面接官から好印象を持たれるに違いありません。

コミュニケーションの一貫性を保とう

転職活動において、面接時の発言と履歴書の内容が異なったり、質問への回答に矛盾が生じたりすると、面接官から「不誠実な態度」や「虚偽の申告」と見なされかねません。一貫性のある対応が求められます。

転職理由、退職理由、志望動機などに食い違いがあれば、面接官の信頼を失う恐れがあります。
例えば、次のような場合は整合性に欠けます。

• 転職/退職理由:現職で技術を伸ばす機会がなく、スキルアップできないため
• 志望動機:業績が安定しており、有名企業で安心して働ける点に魅力を感じる

「技術の向上を望む」という理由と、「安定した環境で働きたい」という動機は、やや相反するものです。

転職に際しては、事前に自己分析と企業研究を十分に行い、自身の軸がぶれていないかを確認することが重要です。

スーツ/ビジネスカジュアルの服を着よう

就職活動における面接の際、身なりを適切に整えることが肝心です。
シワくちゃのスーツでは好ましい印象を与えることはできません。
スーツの選び方では、流行に左右されずに場面に合わせて選ぶことが重要です。
また、

• 学生向けのリクルートスーツは避けるべきでしょう。

面接官から私服可と言われた場合は、ビジネスカジュアルな服装が望ましいでしょう。
何よりも、転職への熱意を伝えることを忘れてはなりません。

まとめ

この記事では、転職の面接に向けた準備の重要性について説明しています。
転職面接に臨む際は、十分な期間を設けて事前準備を行うことが肝心です。

• 面接当日に必要な物品の確認
• 質問内容の予測
• 身だしなみの点検

など、細かい点にも気を配る必要があります。
人生の大きな節目となる転職面接では、後悔のないよう万全の態勢で臨みましょう。

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