システム開発において重要な役割を担う職種として、システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)が挙げられますが、両者の違いについて理解している人は多くありません。
本記事では、SEとPGそれぞれの業務内容、必要なスキル、有用な資格、求人状況、報酬水準などを整理し、その相違点を解説します。
特に、以下の方々に一読いただきたいと思います。
- SEとPGの違いを理解したいと考えているエンジニア志望者
- SEの職務内容や報酬レベルなどを知りたい方
- PGの職務内容や報酬レベルなどを知りたい方
- PGからSEへのキャリアパスを検討している方
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SE(システムエンジニア)とは
SEの職務内容、必要な能力、有益な資格、そして報酬について説明します。
システムエンジニアは、コンピューターシステムの設計、開発、運用、保守を担当します。
主な業務は以下の通りです。
- システム要件の分析と設計
- プログラミングとテスト
- システム導入と運用
- ユーザートレーニングとサポート
求められるスキルは以下のようなものがあります。
- プログラミング言語の知識
- システム設計能力
- 問題解決力
- コミュニケーション力
- プロジェクト管理能力
有益な資格には以下のようなものがあります。
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- プロジェクトマネージャ
- ネットワークスペシャリスト
報酬については、経験年数や規模、地域によって異なりますが、以下が一般的な年収レンジです。
新卒 | 400万円前後 |
経験5年 | 500万円前後 |
経験10年 | 600万円以上 |
システムエンジニアの仕事内容
ソフトウェア開発の専門家であるシステムエンジニアは、顧客の要望を汲み取り、システム全体の構想を描きます。
その後、要件定義に基づいて基本設計と詳細設計を行い、プログラミングを経てシステムを構築します。
完成したシステムが適切に機能するかテストを実施し、問題があれば修正を施した上で納品に至ります。
アフターフォローも担当する場合があります。
システム開発のライフサイクル全体に携わる可能性がある職種と言えるでしょう。
ただし、案件によっては特定の工程のみを担当することもあります。
必要なスキルとは?SE(システムエンジニア)への道
システムエンジニアとなるためには、以下の能力が求められるでしょう。
- コーディング能力
- 開発プロセス全体を把握し、統括する必要があるため、プログラミングスキルは不可欠です。
- 管理能力
- 各担当者の役割や作業工程を理解し、効率的に業務を割り振るマネジメント力が必要とされます。
- 対話能力
- 顧客の要望を正確に汲み取り、分かりやすく説明するためのコミュニケーション力が欠かせません。
役立つ資格
システムエンジニアとなるための有益な資格を挙げましょう。
国家資格としては、
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- プロジェクトマネージャ
- システムアーキテクト
の試験があります。
ベンダー資格では、
- マイクロソフトオフィススペシャリスト
- オラクルマスター
- Cisco Certified Network Associate(CCNA)
- ドットコムマスター
などがあげられます。
システムエンジニアになるための必須資格はありませんが、これらの資格を持つことで就職や案件獲得が有利になる可能性があります。
また、実務でもこれらの知識は活かせるでしょう。
システムエンジニアの求人・報酬例
システム開発の専門家として活躍するための求人情報と報酬水準の具体例をご紹介します。
<募集案件1>
- プロジェクト概要: 大手旅行予約サービスのシステム開発
- 想定報酬: 月額85万円(年収1,020万円相当)
- 必要スキル: Go言語、Docker、GCP、Kubernetes、jQueryなど
- 業務内容: Go言語を用いた航空券予約、レンタカー予約、フェリー予約などのサービス開発
<募集案件2>
- プロジェクト概要: Azure基盤での共通機能アプリケーション開発
- 想定報酬: 月額60~70万円(年収720~840万円相当)
- 必要スキル: C#またはJava
- 業務内容: Azure上で稼働する共通機能アプリケーションの開発
- 付随業務: 業務アプリケーションが利用する共通機能の構築
これらの実際の募集案件を参考に、システム開発のフリーランスとしてのキャリアを検討してみてはいかがでしょうか。
プログラマーとは
この節では、プログラマーの職務内容、必要とされる能力、有益な資格、求人事例や報酬水準について説明します。
プログラマーの職務内容
- ソフトウェアの設計・開発・テスト・保守
- プログラミング言語を用いたコーディング作業
- システム要件の分析と仕様書の作成
- プロジェクト管理やチームリーディング
必要とされる能力
- プログラミング言語の知識と実践力
- 論理的思考力と問題解決能力
- コミュニケーション能力とチームワーク力
- 継続的な学習意欲と適応力
有益な資格
資格名 | 概要 |
---|---|
基本情報技術者 | IT全般の基礎知識を問う国家資格 |
応用情報技術者 | プログラミングやシステム開発の実践力を問う国家資格 |
ベンダー認定資格 | 特定の技術やプロダクトに関する資格 |
求人事例や報酬水準
- 求人は常に多数存在する
- 初任給は30万円前後が一般的
- 経験を積むと年収は500万円以上になる可能性がある
プログラマーの仕事内容
プログラマーの職務は、主に開発作業、細部設計、検証作業となります。
システムエンジニアが作成した要件定義書に基づき、ソースコードを記述してアプリケーションを構築していきます。
また、システムエンジニアによる基本設計をベースに、細部設計にも関与することがあります。
細部設計では、システムエンジニアと連携しながら、
- 工程計画の立案
- 設計書のレビュー
を実施します。
さらに、検証フェーズにもプログラマーが参画し、不具合の有無を確認します。
リスト表記 |
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プログラマーになるために必要なスキル
プログラマーとなるためには、以下のスキルが必要不可欠となります。
- コーディング能力
- 論理的思考力
- コミュニケーション力
プログラマーの主要な業務はコード作成であり、プログラミングスキルは欠かせない要素と言えるでしょう。効率的なコーディングやバグの予測など、プログラマーの腕前が発揮される場面です。
また、論理的思考力もプログラマーに求められる重要なスキルの一つです。クライアントの要求事項とコスト、パフォーマンスを照らし合わせ、最適な選択を論理的に行うことが求められます。
さらに、プログラマーにはコミュニケーション能力も欠かせません。システム開発をチームで進めるには、他のプログラマーやシステムエンジニアとのスムーズな連携が不可欠となるためです。
プログラマーになるために役立つ資格
プログラマーとなるための有益な資格は以下のようなものがあげられます。
-
情報処理技術者試験 PHPの技術認定 Rubyの技術認定 C言語のプログラミング能力認定 Javaのプログラミング能力認定 Python3エンジニアの基礎認定試験
プログラマーを目指す上で必須の資格はありませんが、こうした資格を取得することで体系的な知識を身につけられ、就職活動や案件獲得、実務においても役立つことでしょう。
プログラマーの求人・報酬例
ここでは、フリーランスのプログラマーとして募集されている実際の案件から、求人内容と報酬例を紹介します。
<募集案件1>
- 業務概要: Javaを用いた認証基盤のリニューアル開発
- 想定報酬: 月額60万円(年収720万円相当)
- 必要スキル: Java、Struts
- 職務内容: 既存の認証基盤の設計およびリニューアル開発、SSOへの対応
<募集案件2>
- 業務概要: 証券基幹システムの開発業務
- 想定報酬: 月額40~50万円(年収540~600万円相当)
- 必要スキル: PL/SQL、VB、Oracle、VB.NET
- 職務内容: 詳細設計から結合テスト、総合テスト のサポート、本番移行作業
プログラマーとしてのフリーランス案件に興味がある方は、ぜひ詳細をご確認ください。
SE(システムエンジニア)とPG(プログラマー)の違い
この節では、システム開発に携わる専門家としてのシステムエンジニアとプログラマーの相違点を、
- それぞれの職務内容
- 求められる人材
という2つの視点から解説していきます。
担当業務の違い
ソフトウェア開発において、システムエンジニアとプログラマーには主要な職務範囲に違いがあります。
システムエンジニアは開発プロセス全体に関与する可能性がありますが、プログラマーの主な役割は以下の通りです。
- コーディング
- 詳細設計
- テスト
などの下流工程です。
簡単に言えば、システムエンジニアが顧客の要求を受けて設計書や仕様書を作成し、プログラマーがその文書に基づいてシステムを構築することになります。
需要の違い
ソフトウェア開発の分野において、システムエンジニアとプログラマーには需要面での相違点が存在します。ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」によれば、2022年4月時点での案件数は以下の通りとなっていました。
職種 | 案件数 |
---|---|
システムエンジニア | 20,464件 |
プログラマー | 3,682件 |
上記の数値から明らかなように、現時点での需要はシステムエンジニアの方が高い水準にあります。
PG(プログラマー)からSE(システムエンジニア)へキャリアアップするには
プログラマーからシステムエンジニアへキャリアアップするには、以下の3つの能力を磨く必要があります。
- コーディング力
- マネジメント力
- コミュニケーション力
システムエンジニアはシステム開発全体に携わる職種なので、一定レベルのプログラミングスキルは必須となります。
プログラマーとして積んだ経験は、システムエンジニアを目指す上で大きな強みになるでしょう。
しかし、システムエンジニアにとってプログラミング力以上に重要なのが、開発全体を統括する力です。
顧客の要望を汲み取り、開発工程を俯瞰して最適な人員配置や計画を立案します。
プログラマーとして業務に従事する際も、「システムエンジニアの立場だったらどのような指示を出すか」を意識しておくと良いかもしれません。
加えて、顧客から要件を聴取し、開発内容を分かりやすく説明するためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
複雑なシステムの仕組みを簡潔明瞭に伝える力が不可欠です。
まとめ
システム開発の全般に携わる職種がシステムエンジニア(SE)であり、その中でコーディングや詳細設計などを担うのがプログラマー(PG)です。
SEとPGそれぞれに求められるスキルや有益な資格を把握し、自身のキャリア形成に活かしていきましょう。
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本記事が皆様のお役に立てば幸いです。