Webディレクターという職種について、多くの人が年収の高さや具体的な業務内容を把握しきれていないのが実情です。
IT分野の急速な進展に伴い、この業界では人材不足が深刻化しており、転職を検討する人も少なくありません。
転職を考える際、年収は避けて通れない重要な要素となります。
本稿では、Webディレクターの
- 年収実態(平均値や最高値)
- 職務内容
- 年収アップに必要なスキル
- 有利な資格
- フリーランス需要
- 将来性
などを詳しく解説します。
特に以下の方は、ぜひ一読いただきたいです。
・Webディレクターの年収を知りたい方 |
・現役のWebディレクターの方 |
・将来的にWebディレクターを目指している方 |
・Webディレクターに興味がある方 |
・Webディレクターの年収について深く理解したい方 |
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Webディレクターの仕事内容
この節では、Webサイトのプロジェクトを統括する役割であるWebディレクターについて説明します。
Webディレクターとは、Web関連の事業において企画から制作、運営に至るまでの全体を監督し、指揮を執る人物を指します。
主な業務としては、
- スケジュール管理
- 品質管理
- クライアントや制作スタッフとの調整
- プロジェクトメンバーの選定
などが挙げられます。
つまり、Webサイトの制作プロジェクト全体を取りまとめる責任者がWebディレクターと呼ばれます。
状況によっては、企画立案や取材・撮影の指示なども行うことがあります。
Webディレクターの役割は大まかに以下の4つに分類できます。
- 自社の企画・マーケティング部門でディレクション業務を担当する「企画・マーケティングディレクター」
- Web制作会社においてディレクション業務を担う「アートディレクター」
- システム開発会社でのディレクション業務を行う「システム開発ディレクター」
- サイト制作の営業を担当する「営業系ディレクター」
Webディレクターの年収
この節では、Webディレクターの収入状況について説明します。
また、フリーランスとして働く場合と会社員として勤務する場合の年収を比較し、それぞれの特徴を明らかにします。
まずはフリーランスのWebディレクターの年収の詳細です。
職種名 | 平均年収 | 最高年収 | 最低年収 |
---|---|---|---|
Webディレクター | 762万円 | 2,340万円 | 36万円 |
Webディレクターの平均年収は762万円、最高年収は2,340万円、最低年収は36万円となっています(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ/2021年7月時点)。
この年収は、以下の月額単価を年ベースに換算したものです。
- 平均月額単価: 63.5万円
- 中央値月額単価: 65万円
- 最高月額単価: 195万円
- 最低月額単価: 3万円
(ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」調べ)
一方、会社員の平均年収は479万円と言われています。年代別に見ると、20代が345万円、30代が442万円、40代が507万円、50代以上が622万円となっています。
会社員のWebディレクターの平均年収は500万円とされ、会社員全体の平均を上回り、30代から40代の平均年収の範囲内にあります。
フリーランスのWebディレクターと会社員のWebディレクターを比べると、フリーランスの方が262万円程度(約1.5倍)高収入であることがわかります。
このように、Webディレクターとして活躍するなら、高年収が期待できるフリーランスがおすすめです。
Webディレクターの年収アップに必要なスキル
この節では、ウェブディレクターの収入向上に求められる能力について説明します。
ウェブディレクターとして必要な資質を備えていれば、高収入を手にする機会が増えるでしょう。
また、今後ウェブディレクターとしてキャリアを歩む方々も、ぜひ参考にしていただき、高収入の実現に役立ててください。
マネジメントスキル
Webサイトの企画・運営を統括する役割を担うWebディレクターにとって、収入を向上させるための重要な能力は、プロジェクト管理の手腕です。
Webディレクターは、企画の実行に関する最終責任者でもあるため、以下のスキルが求められます。
- 限られた予算、人員、期間といった資源を効率的に運用できるスキル
- スケジュール策定と進捗管理
- 適切な人員配置や作業分担の調整
コミュニケーションスキル
Webディレクターの収入を向上させるための重要な能力は、円滑なコミュニケーション力です。
顧客のニーズを正しく理解し、適切な提案を行うことが求められます。
また、Webディレクターは、
- システムエンジニア
- デザイナー
- 営業
など、様々な職種の関係者と協力しながら業務を遂行する必要があります。
そのため、コミュニケーション能力は不可欠な要素と言えるでしょう。
さらに、IT/Web業界の最新動向を把握するためにも、幅広い人脈を構築することが重要であり、そのためにもコミュニケーション力が必要とされます。
Webデザインの知識
Webディレクターの年収向上には、ウェブサイト構築の基礎知識が不可欠です。
サイトの要件に沿ったワイヤーフレームの作成は、Webディレクターの主要な責務となります。
細部のデザインはWebデザイナーが担当するものの、基本的なWebデザインの理解が求められます。
ワイヤーフレーム作成のため、以下のデザインツールの操作能力を身に付けることが重要です。
- PhotoShop
- Illustrator
- Adobe XD
- Sketch
UI/UXに関する知識/スキル
Webサイトの舵取り役であるWebディレクターにとって、収入を増やすための重要なスキルは、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスに関する専門知識です。
ウェブサイトにおいては、視覚的な魅力だけでなく、分かりやすさと使いやすさが肝心です。
利用者が快適にサイトを閲覧・操作できるよう、UI/UXを意識したサイト設計が求められます。
サイトの方向性を決定する立場のWebディレクターは、UI/UXに関する理解と知見を持つ必要があるでしょう。
プログラミングの知識
Webディレクターが収入を増やすためには、ウェブ関連の開発技術の理解が不可欠です。
フロントエンドエンジニアやWebコーダーと協力する機会が多いため、
- HTML/CSS
- JavaScript
- jQuery
- Dreamweaver
- PHP
- WordPress
などのフロントエンド技術に精通していることが望ましいのです。
つまり、Webディレクターとしてウェブ開発に関する幅広い知識を身につけることが、高い年収を得るための鍵となるのです。
マーケティングやアクセス解析の知識/スキル
Webディレクターの収入を向上させるためには、マーケティングやアクセス分析に関する知見と技能が不可欠です。
ウェブサイトの運営において最も重視されるのは、
- ページビューや訪問者数などの数値指標
です。
Webディレクターは、
- SEOを意識したウェブサイトの設計を行う
- 制作後もGoogleアナリティクスによるアクセス分析やサーチコンソールでの検索結果の分析を実施する
ほか、
ウェブデザインに加えてSEOを含むSEMの知識や、Googleアナリティクスなどのマーケティングツールの活用能力があれば、Webディレクターとしての希少性が高まり、高収入を得やすくなるでしょう。
Webディレクターの年収アップにおすすめの資格
この節では、Webディレクターの収入増加に役立つ資格について説明します。Webディレクターには多岐にわたる能力が求められるため、関連資格を取得することで自身の力量を裏付けることができます。
- Webディレクターには多岐にわたる能力が求められる
- 関連資格を取得することで自身の力量を裏付けることができる
ウェブデザイン技能検定
ウェブサイト構築に必要な知識やスキルを評価する試験が、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会によって実施されています。
この検定試験は、以下の理由から、Webディレクターとしてはその取得が推奨されます。
- Webに関連する資格の中で、厚生労働省から唯一の国家資格として認められている
プロジェクトマネジメントプロフェッショナル
PMPは、プロジェクトマネジメントに関する国際的な資格認定制度であり、米国のPMI本部が運営しています。この試験は、PMBOKと呼ばれるプロジェクト管理の知識体系に基づいて実施されます。
受験要件として、一定期間のプロジェクト管理実務経験と、35時間の公式トレーニングの受講が義務付けられています。
Webサイト制作以外の分野でも活用できるプロジェクト管理スキルを身につけられるため、Webディレクターとしてこの資格を取得しておくことは有益でしょう。
Webディレクション試験
Webサイト構築における様々な側面を網羅する民間資格が、株式会社ボーンデジタルによって運営されています。
現状分析から要件定義、企画立案、情報アーキテクチャ設計、プロモーション施策の実施に至るまで、ウェブ制作プロセス全体にわたる専門知識を問う実践的な試験内容となっています。
ウェブディレクターとしては、この資格を取得しておくことで、ウェブサイト制作に関する総合的な知見を身につけることができます。
ウェブ解析士認定資格
ウェブ解析の専門家を認定する資格制度が存在します。一般財団法人ウェブ解析士協会が運営するこの資格では、マーケティングに欠かせないアクセス解析やWebデータ分析の基礎を学ぶことができます。
この資格には以下のレベルがあり、上位レベルになるほど実践的な内容が含まれています。
-
ウェブ解析
-
上級ウェブ解析士
-
ウェブ解析マスター
Webマーケティングの知見を深めたいWebディレクターにとって、この資格の取得は有益でしょう。
フリーランス求人・案件数から見るWebディレクターのニーズ
この節では、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」に掲載されているWebディレクターの案件数を分析し、その需要について説明します。
xhoursに掲載されている職種別案件数を見ると、Webディレクターの案件は3,793件となっています(同サイト調べ/2021年7月時点)。
一方で、同時期にxhoursが取り扱う全案件数は198,779件でした。
つまり、Webディレクター案件は全体の約2%を占めていることになります。
一定数のWebディレクター案件が存在することから、IT/Web分野においてこの職種に対する需要があると言えるでしょう。
Webディレクターの将来性
この章では、ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」においてWebディレクターの案件数が一定数存在することが挙げられます。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」が取り扱うフリーランス職種の中でも、Webディレクターの案件数は3,793件と一定数あり、需要があることがわかります。
IT市場を分析し、Webディレクターの需要が堅調である理由を探っていきましょう。
2019年の電通の調査結果によると、2020年のインターネット広告費は前年比11.0%増の1兆8,459億円に達する見込みとのことです。
また、IDCが予測する2019年のスマートフォン世界出荷台数は13億7,110万台で、今後年平均1.1%の伸び率で推移し、2023年には14億8,450万台になると見られています。
さらに、
- AI
- IoT
- ビッグデータ
- ブロックチェーン
- xR
- 5G
などによる飛躍的なIT業界の拡大やIT技術の急速な進化、エンジニアを含むIT従事者の高齢化などの観点から、Webディレクターを含むIT職種では人材不足が深刻化する可能性が高くなっています。
エンジニアだけでも2030年までに79万人の不足が生じるとの予測もあります。
以上の様々な分析を踏まえると、Webディレクターの需要は短期的にも中長期的にも堅調に推移する可能性が高いと言えるでしょう。
まとめ
この職種に特化して、Webディレクターの年収や仕事内容、必要なスキルや資格、求人動向、将来性などを詳しく解説しました。
Webディレクターとして明確な目標を設定し、常に学び続けることが重要です。
目標を立てることで、方向性が定まり、自然と年収もアップするでしょう。
高年収を望むならフリーランスへの転身をおすすめします。
ただし、未経験者がフリーランスとして参入できる案件は少ないため、
- 会社員として実務経験を積んだ上で独立を検討するのが賢明です。
Webディレクターとしての高年収獲得に向けて、第一歩を踏み出してみませんか。
ITフリーランス向けダイレクトスカウト「xhours」をご活用ください。 |
将来的にフリーランスを検討中の方は、ぜひ「xhours」をチェックしてみてください。 |
本記事がお役に立てば幸いです。